野間峻祥

野間 峻祥
広島東洋カープ #37
2017年11月14日 日南市天福球場
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 兵庫県三木市
生年月日 (1993-01-28) 1993年1月28日(31歳)
身長
体重
182 cm
85 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 外野手
プロ入り 2014年 ドラフト1位
初出場 2015年3月27日
年俸 6800万円(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

野間 峻祥(のま たかよし、1993年1月28日 - )は、兵庫県三木市出身のプロ野球選手外野手)。右投左打。広島東洋カープ所属。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

小学校1年生の時に両親が離婚。姉や弟と共に母親のもとで育った[2]

三木市立自由が丘中学校時代は神戸須磨クラブに所属。後にプロでも元チームメイトとなる戸田隆矢は1学年後輩に当たる。

兵庫県神戸市にある村野工業高校から岐阜県関市にある中部学院大学に進学。大学では、俊足強肩を武器に、1年時から対外試合のスタメンに起用。東海地区大学野球リーグでベストナイン7回、首位打者1回、盗塁王2回という実績を残し、3年時からは2年続けて明治神宮大会に出場した。同大会では、九州産業大学浜田智博から、通算で3打数3安打を記録[3]。4年時には準々決勝まで進んだものの、江越大賀今永昇太を擁する駒澤大学に1-3で敗れている。

2014年度プロ野球ドラフト会議で、広島東洋カープから1巡目指名を受けた。有原航平の重複指名における抽選で、独占交渉権を獲得できなかった後の再入札での単独指名だった。契約金1億円プラス出来高払い5000万円、年俸1500万円(金額は推定)という条件で入団[4]。会議前に一軍監督へ就任したばかりの緒方孝市が、新人外野手時代に付けていた背番号「37」を着用することも決まった。中部学院大出身のプロ野球選手は、西濃運輸を経て2012年にドラフト4位で阪神に入団した小豆畑眞也以来2人目で、中部学院大学から直接プロに入った選手は野間が初めてであった。

広島時代[編集]

2015年は、2月21日に、オープン戦の初戦に当たる読売ジャイアンツ戦で、「1番・右翼手」としてスタメンで出場。この年のNPBの新人選手では最も早く、6回裏に小山雄輝から本塁打を放った。オープン戦の初戦で本塁打を放った広島の新人選手は、1984年小早川毅彦以来31年ぶりであった。オープン戦には12試合に出場。打撃面で22打数3安打と振るわなかったものの、守備や走塁が一軍の首脳陣に高く評価されたことから、開幕一軍入りを果たした。3月27日に、東京ヤクルトスワローズとの開幕戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)8回裏に、代走として一軍デビュー。2日後(3月29日)の同カードで「1番・右翼手」として公式戦初のスタメン出場を果たすと、第1打席でプロ初安打(二塁打)を放った。4月2日の横浜DeNAベイスターズ戦(横浜スタジアム)では、プロ初の猛打賞、初打点、初補殺を記録。4月19日の対中日ドラゴンズ戦(広島)では、オープン戦に続いて、NPBの新人選手では最も早く公式戦での初本塁打を記録した。相手投手が前述した浜田で、一軍デビューが野間との対戦でもあったことから、「新人投手が一軍公式戦で初めて対した新人打者によるプロ初本塁打」というNPB史上初の記録も達成した[3][5]
レギュラーシーズン中は、終始一軍に帯同[6]。シーズン途中から主に代走や守備要員として起用された関係で、一軍公式戦127試合に出場しながら、通算の打席数は188にとどまった。通算打率も.241であったが、セントラル・リーグ2位の6三塁打を記録。外野守備でリーグ4位の6補殺を記録したほか、「隙あらば野間」というフレーズが生まれるほどのインパクトを残した[6][7]

守備に就く野間(2017/9/28マツダスタジアム)

2016年は、2年連続で開幕一軍入りを果たした。しかし開幕から8打席ノーヒットと精彩を欠いたため、開幕直後の4月3日にプロ入り後初めて出場選手登録を抹消された[8]。その後シーズンの大半を二軍で過ごしたが、9月10日に天谷宗一郎と入れ替わり一軍に復帰した。なお、チームはその日25年ぶりのリーグ優勝を果たした。復帰後の出場機会は14打席(13打数)と限られたが、7安打を放ち打率.538を記録した。最終的には前年の127試合から100試合以上出場を減らし21試合の出場に終わった。

2017年は、キャンプ中に右腹斜筋筋挫傷で負傷離脱した影響もあり[9]、3年連続開幕一軍はならず、4月22日に一軍登録された[10]。代走、守備固めとして一軍に帯同し98試合に出場した。

2018年は、2年ぶりに開幕一軍入りを果たす。開幕後しばらくは前年同様代走・守備固めでの起用がメインで打席数が少なく打率も低迷していたが、「7番・右翼手」としてスタメン出場した4月21日の中日戦(ナゴヤドーム)で猛打賞を記録したのを皮切りに打撃が大幅に向上。打率は3割を大きく超え、正中堅手の丸佳浩が負傷離脱している間はほぼ全試合に中堅手として起用されるなど一気にブレイクを果たした[11]。5月19日のヤクルト戦(マツダスタジアム)では2点を追う3回裏に自身初の満塁本塁打を放ち、チームを逆転勝利に導いた。その後も6月6日の北海道日本ハムファイターズ戦で自身初のサヨナラ適時打、6月28日の巨人戦で菅野智之から逆転3点本塁打を放つなど随所で活躍を見せたが、7月21日の巨人戦での守備の際に左足を痛め途中交代し、翌日に登録抹消された[12]。8月7日に復帰し、再びスタメンに固定。以降はやや調子を落としながらも3割近い打率をキープし、8月21日からは約1か月間、不調の田中広輔に代わり1番打者として起用された。最終的には126試合に出場し、初めて規定打席に到達。打率.286、5本塁打、46打点、17盗塁という成績を残した。シーズンオフの契約更改では1800万円アップの年俸3400万円(推定)でサインした[13]

2019年は開幕から絶好調で[14]、巨人との開幕カードでは3戦全てでマルチ安打を記録する[15]など開幕から不振に喘ぐ打線を支えた[16]。その後は調子を落とし、5月には前年同様、極度の打撃不振に苦しんでいた田中に代わって1番打者を務めたが、その後はスタメンを外れる試合が相次いだ[16]。結局シーズン終了までに定位置の奪回には至らず、2年連続の規定打席到達とならなかった上、打率.248、2本、16打点と打撃成績を大きく落とした[17]

2020年も打撃の調子が今一つ上がらず、代走や守備固めでの起用が中心となった[18]。2年目の大盛穂や新外国人のホセ・ピレラらが台頭した影響で3年ぶりに出場試合数が3桁を割り[19]、打率.240、盗塁数はわずか2個と低迷した[20]

選手としての特徴・人物[編集]

チーム屈指の高い身体能力の持ち主[21]。50メートルを5秒7で走る俊足[22]と遠投110メートルを誇る強肩を生かした守備に加え[23]、打撃ではパンチ力を秘めている[24]

広島に入団後は、チームのいじられ役として愛され、ムードメーカーとしても活躍している[25]

入団時の監督である緒方孝市から大きく期待されており、緒方が入団時に背負った背番号「37」が託されている[23]。また、2019年に丸佳浩の人的補償で巨人から移籍してきた長野久義が、フロントから緒方が全盛期に背負い、前年まで丸が着けていた背番号「9」を打診されるも、「将来、野間に着けて欲しい」との配慮から断っている[26]。しかし、背番号9は空き番を経て、緒方退任後の2022年途中に入団した秋山翔吾が着けることになった。

広島入団後は同僚で年下の鈴木誠也西川龍馬と互いをいじり合うなど仲が良く、公私ともに親交が深い[21][24]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2015 広島 127 188 170 21 41 7 6 1 63 10 8 2 6 1 10 0 1 37 2 .241 .286 .371 .656
2016 21 25 24 4 7 0 0 0 7 1 1 1 1 0 0 0 0 3 1 .292 .292 .292 .583
2017 98 85 74 34 14 1 0 0 15 2 10 5 4 0 7 0 0 13 1 .189 .259 .203 .462
2018 126 447 405 64 116 14 7 5 159 46 17 10 4 2 30 0 6 69 2 .286 .343 .393 .736
2019 123 353 314 52 78 10 5 2 104 16 14 2 6 1 27 3 5 56 5 .248 .317 .331 .648
2020 70 56 50 10 12 0 0 0 12 1 2 3 2 0 4 0 0 17 0 .240 .296 .240 .536
2021 74 270 250 27 68 7 2 2 85 12 9 1 1 0 17 0 2 29 3 .272 .323 .340 .663
2022 85 338 317 42 99 21 3 0 126 16 7 5 4 0 16 0 1 53 5 .312 .347 .397 .745
2023 108 418 371 37 106 11 1 0 119 26 5 6 8 1 33 0 5 51 10 .286 .351 .321 .672
通算:9年 832 2180 1975 291 541 71 24 10 690 130 73 35 36 5 144 3 20 328 29 .274 .329 .349 .678
  • 2023年度シーズン終了時

年度別守備成績[編集]



外野












2015 広島 99 87 6 1 0 .989
2016 19 14 0 0 0 1.000
2017 92 42 1 0 0 1.000
2018 123 197 3 1 1 .995
2019 109 154 1 2 0 .987
2020 54 33 2 0 0 1.000
2021 72 147 6 1 0 .994
2022 85 145 6 4 2 .974
2023 104 182 4 5 0 .974
通算 757 1001 29 14 3 .987
  • 2023年度シーズン終了時

記録[編集]

初記録

背番号[編集]

  • 37(2015年 - )

登場曲[編集]

  • Dragostea Din TeiO-Zone(2015年 - 2018年)
  • 「Numa Numa 2 (feat. Marley Waters)」 ダン・バラン(2019年 - )
    • サビのフレーズが苗字の「野間」を連想させることにちなんで、東海地区大学野球リーグでの先輩(中京学院大学OB)でもある同僚の菊池涼介が一方的に選曲[27]2015年4月7日の対巨人戦から使用している[3]。なお、O-Zoneのボーカルであるダン・バランは野間が同曲を登場曲に使用していることを知っており、2018年に明治神宮野球場で広島戦を観戦すると「長い間野間さんの登場曲に使ってもらい、本当にうれしい。GOカープ、GO広島!」と話す動画をTwitterで配信[27]。それを偶然見つけた野間は「びっくりした。ありがたいですね」と語り、菊池と2人で「いたずらでもこうなるんだ」と盛り上がったという[27]

関連情報[編集]

CM出演[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 広島 - 契約更改 - プロ野球」日刊スポーツ。2023年12月5日閲覧
  2. ^ 広島ドラ1野間峻祥 「女手ひとつ」のサポートを母親が語る
  3. ^ a b c 広島野間、12球団新人最速プロ1号」『日刊スポーツ』2015年4月20日。2024年4月13日閲覧
  4. ^ ドラ1野間が仮契約「37」継承 Daily Sports Online 2014年11月19日
  5. ^ 中日ドラ2左腕号泣…広島ドラ1野間 史上初!プロ初打者で一発見舞った スポニチ Sponichi Annex 2015年4月20日掲載
  6. ^ a b “隙あらば野間”はカープの投資だ!緒方監督が野間峻祥に見る壮大な夢。」Number Web、2015年11月27日。2016年3月19日閲覧
  7. ^ 『2016 プロ野球オール写真選手名鑑』スラッガー(日本スポーツ企画出版社)、167頁。ISBN 978-4905411369 
  8. ^ 広島野間二軍落ち「消極的な姿が目立った」緒方監督日刊スポーツ 2016年4月3日
  9. ^ 広島野間が離脱、右腹斜筋筋挫傷で2~3週間の安静日刊スポーツ 2017年2月23日掲載
  10. ^ 広島野間、ロッテ香月ら登録/22日公示日刊スポーツ 2017年4月22日掲載
  11. ^ ベースボール・マガジン社『週刊ベースボール』2018年10月1日号 p.13.
  12. ^ 広島・野間が登録外れる 21日巨人戦で左足首を負傷サンスポ 2018年7月22日掲載
  13. ^ 広島野間は1800万増「来年も頑張らないと」日刊スポーツ 2018年11月30日掲載
  14. ^ 広島・野間峻祥 持ち直した危機感が活路を開く/スタートダッシュに成功 | 野球コラム」『週刊ベースボールONLINE』。2023年2月27日閲覧
  15. ^ 丸とはちがう「3番打者」に! スピードでファンを魅了する広島・野間」『BASEBALL KING』2019年4月1日。2023年2月27日閲覧
  16. ^ a b 非情采配は期待の裏返し。眠れる獅子・野間峻祥は吠えて試練に打ち勝つ」『web Sportiva』2019年6月7日。2023年2月27日閲覧
  17. ^ 広島・野間“20発打法習得”でパワーアップ!し烈外野手争い勝ち抜く」『スポニチ Sponichi Annex』2019年12月25日。2023年6月20日閲覧
  18. ^ 広島・野間、阪神・髙山ら計11選手が抹消 31日のプロ野球公示」『BASEBALL KING』2020年8月31日。2023年8月16日閲覧
  19. ^ 広島・野間は400万円減 河田新ヘッド「会う度にフォームが変わってる」と指摘」『スポニチ Sponichi Annex』2020年11月26日。2023年8月16日閲覧
  20. ^ 広島・野間 400万円ダウンで危機感「もう、くすぶっていてもダメ」 走攻守全てで巻き返し誓う」『スポニチ Sponichi Annex』2020年11月25日。2023年8月16日閲覧
  21. ^ a b 高校までは無名の外野手 広島・野間峻祥の球歴とは?」『BASEBALL KING』2015年4月28日。2021年3月23日閲覧
  22. ^ 野間峻祥」『週刊ベースボールONLINE』。2021年3月23日閲覧
  23. ^ a b 衝撃!ドラ1野間レーザービーム3発」『デイリースポーツ』2015年2月9日。2021年3月23日閲覧
  24. ^ a b ドラ1野間パンチ力も…連日絶賛の嵐」『デイリースポーツ』2015年2月3日。2021年3月23日閲覧
  25. ^ 実は冷静? 広島打線のムードメーカー・野間が止まらない | 野球情報」『週刊ベースボールONLINE』2018年6月12日。2021年3月23日閲覧
  26. ^ 広島・長野の背番号が5に決定「9は野間が将来一人前になって付けたらいいと…」」『SANSPO.COM(サンスポ)』2019年1月10日。2021年3月23日閲覧
  27. ^ a b c 広島野間が感激 打席登場曲の世界的歌手からエール」『日刊スポーツ』2018年9月19日。2022年5月21日閲覧

関連項目[編集]

外部リンク[編集]