酒田産業会館

酒田産業会館
情報
用途 事務所、店舗、集会所、駐車場[1]
設計者 アール・アイ・エー・進藤・キャドウイング設計共同体[1]
施工 林・菅原特定建設工事共同企業体[1]
建築主 個人施行者、酒田商工会議所[1]
構造形式 S造[1]
敷地面積 2,915.05 m² [1]
建築面積 1,313.14 m² [1]
延床面積 4,447.70 m² [1]
状態 完成
階数 地上4階[1]
高さ 19.822m[1]
エレベーター数 2基[1]
駐車台数 37台[1]
着工 2020年10月[1]
竣工 2021年9月[1]
開館開所 2021年10月11日
所在地 山形県酒田市中町二丁目5-10
座標 北緯38度54分56.4秒 東経139度50分11.0秒 / 北緯38.915667度 東経139.836389度 / 38.915667; 139.836389 (酒田産業会館)座標: 北緯38度54分56.4秒 東経139度50分11.0秒 / 北緯38.915667度 東経139.836389度 / 38.915667; 139.836389 (酒田産業会館)
テンプレートを表示

酒田産業会館(さかたさんぎょうかいかん)は、 山形県酒田市中町二丁目に所在する施設建築物。交差点斜め向かいに酒田市役所、隣に酒田の商業のシンボルだったマリーン5清水屋(2021年閉店)が位置する。

概要[編集]

1976年(昭和51年)の酒田大火で罹災を免れた旧酒田産業会館(1967年竣工)の建替えの機会を捉え、「耐震性・耐火性に優れた性能を有する建物への更新」に留まらない、「酒田中心市街地に求められる機能を兼ね備えた建物」へと更新を図り[2]、併せて、中心市街地の活性化のためには、まちを訪れる消費者のみならず、中心市街地で事業を営む地元事業者のための環境を整える必要がある、との考えに立ち、金融・生保・損保機能、酒田市産業振興センター等の事業者支援機能を集積した[2]。加えて、それらとまちを繋ぐ、情報発信センター、FMスタジオギャラリーとして活用できるロビープロムナード、そして酒田まちなかホールを整備し、「まちと地域産業と市民を繋ぐ」場所づくりが行われた[2]

このプロジェクトは、酒田商工会議所を施行者とする個人施行による第一種市街地再開発事業で、従前権利者は土地所有者5名、建物所有者3名、テナント2名のところ、従後は従前の土地・建物所有者である酒田商工会議所、荘内銀行、酒田市の三者が施設を取得した[3]。施設規模は従前延床面積4,878㎡に対して従後は延床面積4,443㎡と、まちのための新たな機能を付加しながらも施設規模が同等となる合理的な計画となっている[3]。事業費は25億88百万円、荘内銀行、酒田商工会議所が取得した保留床の価格は約14億90百万円であり、おおむね、1,000~1,200千円/坪程のコスト負担により、新しい機能が併設された新産業会館への建替えが実現している[3][4]

施設[編集]

中心市街地における回遊性の向上のため、市役所から商業ゾーンへ繋がる目抜き通りに面して誰でも自由に行き来できる屋内歩行者空間「プロムナード」を配置、プロムナードを介して「まちのロビー」に至る計画としている。「まちのロビー」はオフィスやホール、銀行、コワーキングスペースがある市の産業振興センターすべての用途の共用ロビーであり、FMスタジオとカフェの機能を有した様々な人と情報の交流の場として機能する[5]。2・3階は酒田商工会議所をはじめ事務所や金融機関等が入居する業務フロアであり、4階には250人程度収容可能な「酒田なかまちホール」が配置されている[5]。ホール内は縦連窓と折り上げ天井を連続させ、自然光間接照明による光の帯をつくり、壁には地元産の酒田杉がふんだんに使用されている[5]

外観は「酒田らしさ・継承」をコンセプトに酒田の伝統建築の、並びに旧産業会館の大きなが印象的な外観イメージをモチーフとして、スラブの張り出しによる水平ラインを強調した[5]。「継承」として、旧産業会館の素材の再利用にも取り組み、旧建物の外部足元廻りに使われていた袴石(白御影石)は、新しい建物でも同じく袴石に採用するなどした[5]

入居企業等
1階
  • 荘内銀行酒田中央支店
  • 地産地消カフェ/まちの観光案内
  • 酒田市産業振興センター(サンロク)
2階
3階
4階
  • 酒田まちなかホール・会議室
  • シェアキッチン

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n 『近代建築』2022年6月号 p.167.
  2. ^ a b c 『近代建築』2022年6月号 p.164.
  3. ^ a b c 『再開発コーディネーター』2022 No.216 p.8.
  4. ^ “新酒田産業会館が完成 市街地を元気に願い11日オープン”. 荘内日報. (2021年10月10日). http://www.shonai-nippo.co.jp/cgi/ad/day.cgi?p=2021:10:10:10685 2022年12月30日閲覧。 
  5. ^ a b c d e 『近代建築』2022年6月号 p.166.

参考文献[編集]

  • 「酒田中町二丁目地区第一種市街地再開発事業 酒田産業会館」『近代建築』2022年6月号
  • 「新しいまちがはじまる… 酒田中町二丁目地区第一種市街地再開発事業 まちに新たな役割を果たす 酒田産業会館」『再開発コーディネーター』2022 No.216