誘導棒

誘導棒(ゆうどうぼう)は、交通整理車両誘導等に使用される懐中電灯の一種。 「誘導棒」は商品名であり、道路交通法上の正式名称は「赤色灯」である[注 1]

消防団の交通誘導灯(赤色灯)

交通誘導灯(こうつうゆうどうとう)や赤灯(あかとう)、合図灯(あいずとう[注 2])、停止棒(ていしぼう)、停止合図灯(ていしあいずとう)などと様々な名称で呼ばれることもある。
これに似た、路上で警察官が持っている赤と白の2色に塗り分けられた棒は、誘導棒ではなく「指揮棒」や「停止棒」[1]と呼ばれる物である。

英語では"Traffic Wand"と呼ばれる。また、警察官交通誘導警備員などの間では、赤く細長い形状から「ニンジン」と俗称されることがある[2]

構造[編集]

一般的な製品は全長約50cm程度であり、持ち手と、持ち手から伸びる透明または半透明なライト部分で構成されている[3]。持ち手の部分に電池スイッチを内蔵しており、スイッチを入れるとライト部分のLED電球など発光素子が光を発する事によって全方向から視認できる光が出るようになっている[4]。現在は300円程度でダイソー等の雑貨店でも販売されている。

多くの場合、ライト部分に赤色の素材や赤色発光ダイオードを使用するなどして、赤色の光を発する構造になっている。発光ダイオードの採用前は、懐中電灯の先に薄く赤いプラスチック製の棒が付いたような構造で、透けた光で赤く点灯するだけだったが、現在は点滅するタイプが主流となっており、緑色・青色に発光するもの、赤青と交互に点滅するものなどが存在する[5]。電池を使用しないタイプの誘導棒も売られているが、これはライト部分を反射材に代えたもので、日中や夜間で光源がある場合に使用されている。

民生用と警察庁仕様では構造が異なり、警察庁仕様は市販されていない(警察用は手元にも白色灯が付随しており、夜間はこれで身分証や運転免許証を確認する)。

使用方法[編集]

 交通警備#誘導方法 も参照。

誘導棒の振り方によって、誘導される車がどのように行動すればよいかを示すことができるため、交通整理や工事現場・駐車場等の車両誘導に使用されている。より視認性を重視する場合は、全長90cmの長いタイプを用いたり、同時に二本の誘導棒を使用することもある。鉄道の軌道付近での工事作業の場合、赤色誘導灯だと列車に緊急停止を促していると誤解されかねないため、緑や青の誘導灯を用いる。誘導を行うにあたっては一台一台の車両に向かってハッキリと判りやすい合図を行うことが最も重要で、二輪車やトラックといった車種で異なる運転席の高さにも注意する必要がある。交通誘導を行なう警備会社では、警務職の初任研修での必修項目である。

交通誘導の用途以外では、アイドルの親衛隊がコンサート会場等で使用[6]したり、その外見が酷似していることから、しばしばライトセーバービームサーベルになぞらえられたり、それらに見立てて遊ぶ光景も見られる[7]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 緊急自動車の屋根部積載の赤ランプも「赤色灯」と呼ばれるが、これは「赤色警光灯」が正しい名称である。
  2. ^ Google検索ではこちらでヒットする可能性が高い。

出典[編集]

  1. ^ 西川善株式会社「指揮棒(停止棒)」
  2. ^ 株式会社古淵警備保障 2017.05/08 「ニンジン」
  3. ^ 興味津々 2022.02/16 「LED誘導灯 ダイソー」
  4. ^ ダイソーで330円の誘導灯 買ってみた【動画】
  5. ^ 株式会社オーム電機 「誘導灯」
  6. ^ シリコンとお笑いに魂を売った男 2012.04/15 「ももクロのライブ用サイリウムを強化しました」
  7. ^ 普通より長い誘導灯、ライトセーバーのようだ【動画】

関連項目[編集]