補題

数学において、「補助定理」(: helping theorem) あるいは補題 (: lemma) [注 1]とは、それ自体が興味深いステートメントと言うよりも、むしろ、より大きな結果を得る一歩として使われる、証明された命題である。

定理との比較[編集]

補題と定理の間に形式的な区別は全くなく、意図の違いのみである。

しかしながら、補題は定理の証明を助けることのみを目的とする(あまり重要でない)結果であり、証明へ至る道の途中に置かれた「飛び石」のようなものである[2]

よく知られた補題[編集]

数学において強力な結果のあるものは,最初はそれら本来の狭い目的に由来していて,補題として知られる。 それらの中には、たとえば以下のようなものがある:

例えば、ベズーの補題デーンの補題英語版ユークリッドの補題ファルカスの補題英語版ファトゥの補題ガウスの補題英語版Greendlingerの補題 英語版伊藤の補題ジョルダンの補題中山の補題ポワンカレの補題リースの補題シューアの補題シュワルツの補題ウリゾーンの補題英語版米田の補題ツォルンの補題

これらの結果は当初はあまりにも簡単であるかまたは個別の興味ある結果を保証するためのあまりにも技術的なものだと見なされたが,最終的にそれらの登場する理論にとっては要(かなめ)となるものであることが判明したものである。

関連項目[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ 英語の複数形はlemmataもしくはlemmas[1]。語源は古代ギリシャ語λῆμμαlemma )「受け取ったものの総称。贈り物、利益もしくは賄賂(わいろ)など」を示す。

出典[編集]

  1. ^ Higham, Nicholas J. (1998) (英語). Handbook of Writing for the Mathematical Sciences. Society for Industrial and Applied Mathematics. pp. 16. ISBN 0-89871-420-6 
  2. ^ Richeson, Dave (2008年9月22日). “What is the difference between a theorem, a lemma, and a corollary?” (英語). 2015年1月2日閲覧。

外部リンク[編集]

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