航空方面隊

航空方面隊の配置

航空方面隊(こうくうほうめんたい、: Air Defence Force)は、航空自衛隊航空総隊の隷下部隊の一つ。この項では、航空方面隊と同様の性格を有するが規模の小さい航空混成団(こうくうこんせいだん、: Composite Air Division)についても記述する。

概要[編集]

航空方面隊は、戦闘航空部隊たる航空総隊に直属する隷下部隊[1]として、担当空域の防空に関する責任を担う[2]。それぞれ1~2個戦闘航空団、1個高射群、1個航空警戒管制団、その他の直轄部隊(航空施設隊航空音楽隊等)からなり[3]、担当防衛区域において戦闘部隊を統括する。現在、航空自衛隊に航空方面隊は「北部航空方面隊(北空)」、「中部航空方面隊(中空)」、「西部航空方面隊(西空)」、「南西航空方面隊(南空)」の四つがある[1]。航空方面隊司令官は空将をもって充てられる[4]

航空混成団は、1個戦闘航空団[5]、1個高射群、1個航空警戒管制隊、その他の直轄部隊(航空施設隊、航空音楽隊)からなり[3]、担当防衛区域において戦闘部隊を統括する。航空自衛隊には航空混成団は「南西航空混成団(南混)」の一つしかなかった[1]が、2017年6月30日をもって廃止、7月1日に航空方面隊に改編された[6][7]。航空混成団司令は空将をもって充てられていた[8]

既に大元の目的である地域防衛の所要は存在しておらず、その戦力も管轄地域を超えて活動しているため、その必要性が薄れた今日、整理することが望ましいとの意見もある[9]

沿革[編集]

  • 1957(昭和32)年 三沢基地に「臨時北部航空司令部訓練隊」を、入間川に航空集団司令部「臨時中部司令所」を編制。
  • 1958(昭和33)年 臨時北部航空司令部訓練隊を「北部航空方面隊」司令部に、航空集団司令部臨時中部司令所を「中部航空方面隊」司令部に改編。
  • 1959(昭和34)年 春日基地に「西部航空司令所」を編制。
  • 1961(昭和36)年 西部航空司令所を「西部航空方面隊」司令部に改編。
  • 1973(昭和48)年 那覇基地に「南西航空混成団」司令部を編制。
  • 2017(平成29)年 南西航空混成団を「南西航空方面隊」に改編。

脚注[編集]

  1. ^ a b c 自衛隊法(昭和29年法律第165号)第20条及び第21条別表第3”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局 (2019年6月19日). 2020年1月5日閲覧。
  2. ^ 中部航空方面隊の任務
  3. ^ a b 平成24年度防衛白書(陸・海・空自衛隊の編成)
  4. ^ 自衛隊法施行令(昭和29年政令第179号)第28条の15”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局 (2019年8月30日). 2020年1月5日閲覧。
  5. ^ 南西航空混成団の戦闘機部隊は、平成28年1月31日に戦闘航空団に改編。
  6. ^ 防衛省設置法等の一部を改正する法律(平成二十九年六月二日公布法律第四十二号、出典:官報号外平成二十九年六月二日:号外第百十六号より)
  7. ^ 防衛省設置法等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令(平成二十九年六月二十三日公布政令第百六十四号、出典:官報号外平成二十九年六月二十三日:号外第百三十四号より)
  8. ^ 自衛隊法施行令等の一部を改正する政令(平成29年政令第166号)新旧対照表 自衛隊施行令第28条の18”. 防衛省・自衛隊ホームページ. 防衛省 (2017年6月23日). 2020年1月5日閲覧。
  9. ^ 文谷数重「防衛費倍増前にすべきは組織の整理」軍事研究2022年9月号222頁。

関連項目[編集]