航海条令 (スウェーデン)

航海条令(こうかいじょうれい)とは、1636年スウェーデン政府が発布した条令である。スウェーデンによる生産と輸出の増加を図るためと、バルト海貿易におけるオランダ商人による貿易を規制する事を目的とした。条令はイングランド商人にも適用されたが、実際は、輸送面でスウェーデンはオランダの優位を崩す事が出来なかった事が原因だった。

航海条令では、ストックホルムとオーボ(トゥルク)以北の都市は、外国と直接取引きをする事を禁じられた。さらにイェヴレカルマルが条令に加えられた。これによって取引は以後、ストックホルムが独占していく事となった。条令が制定された背景には、スウェーデン経済の発展と重商主義の政策方針があった。取引をスウェーデンが独占する試みは17世紀を通じて行われた。最も当初は、戦争を行うための財源を確保するところにあった。しかし、この条令発布以後もオランダはバルト海貿易での優位であり続けた。スウェーデンがオランダの優位から脱却するには、17世紀後半以降のスウェーデン商船隊の大規模な発展を待たなければならなかった。

参考文献[編集]

  • 福本治「「バルト帝国」の貿易政策 (1645-1700年) - オランダへの従属からの脱却の試み」『北欧史研究』第6巻第13号、バルト=スカンディナヴィア研究会、1996年5月、69-85頁、ISSN 02866331NCID AN10110090全国書誌番号:00037127 
  • 比嘉清松「イギリスのバルト海貿易とスウェーデン、ロシアの貿易政策との関係について(17世紀中頃-18世紀中頃)」『研究紀要』第15巻、尾道短期大学、1966年3月、89-109頁、ISSN 02875764NCID AN00034065全国書誌番号:00002890