自然水銀

自然水銀
自然水銀
分類 元素鉱物
化学式 Hg
結晶系 (液体)
へき開
モース硬度
光沢 金属光沢
錫白色
条痕
比重 13.6
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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自然水銀(しぜんすいぎん、native mercury、mercury[1])は鉱物元素鉱物)の一種。化学組成は Hg。常温液体の鉱物。

主に辰砂(HgS)とともに産し、水銀鉱石鉱物となる。

水銀鉱山では採掘の際に機材の熱で自然水銀が気化し、有毒な水銀蒸気が発生する。このため、鉱山労働者は水銀蒸気用の防毒マスクを着用し従事していた。

産出地[編集]

日本国内では北海道イトムカ鉱山奈良県大和水銀鉱山、佐世保市相ノ浦大潟の水銀山[西九州(佐世保・平戸・五島)鉱床群佐世保層群相ノ浦層]での産出が有名である[2]。このうち、イトムカ鉱山は自然水銀が主体であり、削岩中に鉱脈から水のように自然水銀が噴き出す事もあったという。古代には、表層部もしくは浅い地層に中小規模の鉱床が多数存在していたが、採掘が容易で目立つ事(表層部に存在するものはのようになる事もあるという)からそれらは中世までにはほとんどが掘り尽くされたと考えられている。

イトムカ鉱山では自然水銀の産出が多く、水銀蒸気の発生など上記のようなデメリットがあった一方で、浮遊選鉱の前処理において自然水銀の分離が可能であり、製錬を経ずに金属水銀を得る事ができた。

脚注[編集]

  1. ^ 文部省 編『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年。ISBN 4-8181-8401-2 
  2. ^ 堀 純郎「本邦の水銀鑛床」『地質調査所報告』第154號、地質調査所、1953年3月

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]