第63回有馬記念

第63回有馬記念
逃げ粘るキセキを捉えるブラストワンピースら追込み勢。シュヴァルグランの奥に見える白い帽子がオジュウチョウサン
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会(JRA)
競馬場 中山競馬場[1]
施行年 2018年[1]
施行日 12月23日[1]
距離 芝2500m[1]
格付け GI[1]
賞金 1着賞金300,000,000円[1]
出走条件 サラ系3歳以上(国際)(指定)[1]
負担重量 定量[1]
出典 [1][1]
天候[1]
馬場状態 稍重[1]
優勝馬 ブラストワンピース[1]
優勝騎手 池添謙一栗東[1]
優勝調教師 大竹正博美浦[1]
優勝馬主 シルクレーシング[1]
優勝生産者 ノーザンファーム安平町[1]
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映像外部リンク
2018 有馬記念
レース映像 jraofficial(JRA公式YouTubeチャンネル)による動画

第63回有馬記念(だい63かいありまきねん)は、2018年12月23日中山競馬場で施行された競馬競走である。

ブラストワンピースが優勝。鞍上の池添謙一は、同一レース最多勝利記録を更新する4勝目を記録した[2]

ファン投票の結果[編集]

11月18日から12月3日までファン投票が行われ、11月23日に第1回中間発表、11月30日に第2回中間発表、12月7日に最終発表が行われた。最終の有効投票総数は1,386,468票だった[3]

以下の表において出走馬は灰色の枠で表示する。

  • 最終順位上位20頭[3]
最終順位 馬名 性齢 第1回 第2回 最終 出否
票数 順位 票数 順位 票数
1位 レイデオロ 牡4 33,346 1 75,257 1 110,293 出走
2位 アーモンドアイ 牝3 33,175 2 74,054 2 105,561 回避
3位 オジュウチョウサン 牡7 30,273 3 69,127 3 100,382 出走
4位 スワーヴリチャード 牡4 27,612 4 61,345 4 89,456 回避
5位 サトノダイヤモンド 牡5 22,117 6 52,823 5 78,204 出走
6位 キセキ 牡4 17,649 7 44,628 7 75,471 出走
7位 ワグネリアン 牡3 23,152 5 48,578 6 68,049 回避
8位 ミッキーロケット 牡5 17,392 8 40,118 8 59,595 出走
9位 シュヴァルグラン 牡6 15,436 10 36,126 10 55,206 出走
10位 エポカドーロ 牡3 16,901 9 37,491 9 53,492 回避
11位 アルアイン 牡4 11,913 12 30,395 11 45,529 回避
12位 マカヒキ 牡5 11,563 15 28,626 12 43,588 出走
13位 リスグラシュー 牝4 12,700 11 27,485 13 39,393 回避
14位 モズカッチャン 牝4 11,839 13 26,081 15 38,548 出走
15位 フィエールマン 牡3 11,813 14 26,664 14 37,699 回避
16位 サトノクラウン 牡6 8,722 16 19,678 16 27,847 回避
17位 エタリオウ 牡3 7,937 17 17,462 17 25,106 回避
18位 クリンチャー 牡4 7,445 18 16,756 18 24,531 出走
19位 ブラストワンピース 牡3 6,063 19 14,000 19 21,335 出走
20位 ディアドラ 牝4 5,016 20 11,052 20 15,726 回避
  • 最終登録を行った馬のうち、最終順位21位以下で100位までに入った馬の順位[3]
最終順位 馬名 性齢 票数 出否
27位 ミッキースワロー 牡4 8,684 出走
32位 スマートレイアー 牝8 7,464 出走
38位 サクラアンプルール 牡7 5,497 出走
43位 サウンズオブアース 牡7 3,999 出走
44位 パフォーマプロミス 牡6 3,901 出走
  • 最終登録を行った馬のうち、最終順位21位以下で100位までに入らなかった馬[3]
最終順位 馬名 性齢 票数 出否
100位以下 リッジマン 牡5 出走

レース施行前の状況[編集]

各競走の結果[編集]

施行日 レース名 着順 競走馬名
04月29日 第157回天皇賞(春)(GI) 2着 シュヴァルグラン
3着 クリンチャー
06月24日 第59回宝塚記念(GI) 1着 ミッキーロケット
08月19日 第54回札幌記念(GII) 2着 マカヒキ
3着 モズカッチャン
09月23日 第64回オールカマー(GII) 1着 レイデオロ
10月08日 第53回京都大賞典(GII) 1着 サトノダイヤモンド
10月28日 第158回天皇賞(秋)(GI) 1着 レイデオロ
3着 キセキ
11月03日 南武特別(1000万下) 1着 オジュウチョウサン
11月04日 第56回アルゼンチン共和国杯(GII) 1着 パフォーマプロミス
11月11日 第43回エリザベス女王杯(GI) 3着 モズカッチャン
11月25日 第38回ジャパンカップ(GI) 2着 キセキ
12月01日 第52回ステイヤーズステークス(GII) 1着 リッジマン

施行直前の状況[編集]

牝馬三冠を制した後、ジャパンカップを2400mの世界レコードで優勝したアーモンドアイが参戦しない中、アーモンドアイとの対戦がなく、オールカマー・天皇賞(秋)と2連勝中のレイデオロがファン投票1位、単勝オッズでも1番人気に推され、2.2倍というオッズが付いた。続く2番人気には、天皇賞(秋)で3着、世界レコード決着のジャパンカップでアーモンドアイと0.3差の2着に入ったキセキ、高いポテンシャルを評価されながら、クラシックの舞台では実力を発揮することが出来なかった3歳馬ブラストワンピース、2017年エリザベス女王杯の勝ち馬モズカッチャンらが人気の中心。その他、2016年の菊花賞、有馬記念を制し、このレースが引退レースとなるサトノダイヤモンド、同距離のアルゼンチン共和国杯を制したパフォーマプロミス、同年の宝塚記念の勝ち馬ミッキーロケット、前年のジャパンカップを制したシュヴァルグランなどGI勝ち馬7頭、重賞勝ち馬14頭が集結し、フルゲート16頭で行われた。

しかしながら、一般大衆の注目はJ・GI5勝の障害界のスターホースであり、平地転向後条件戦2連勝中のオジュウチョウサン一点に注がれており、平地競走では1000万下(現在の2勝クラス)の身ながら単勝オッズでは9.2倍の5番人気に支持された。オジュウチョウサンは2018年4月14日の中山グランドジャンプで重賞9連勝を達成し、これまでテイエムオペラオーが記録していた「JRA最多重賞連勝記録」(8連勝)を18年ぶりに更新した[4]。オーナー・長山尚義の「オジュウチョウサンを種牡馬に」「武豊騎乗で有馬記念に出走」という夢・意向もあり、同馬は7月から平地競走に復帰。500万下、1000万下を武の騎乗で勝利して有馬記念へ臨んだ。レース前後にはテレビや競馬誌、新聞紙上でオジュウチョウサンの特集、特別番組が組まれるなど、関心の高さを示していた。

レース当日は、雨が降り、馬場状態は稍重でグランプリを迎えた。

出走馬と枠順[編集]

2018年12月23日 第5回中山競馬第8日目 第11競走
天気:曇、馬場状態:稍重、発走時刻:15時25分

負担重量は4歳以上牡馬・セン馬57kg、4歳以上牝馬及び3歳牡馬55kg

枠順は公開抽選会として、BSフジで生中継で行われて決められた。
枠番 馬番 競走馬名 斤量 騎手 調教師 オッズ(人気) ファン投票
1 1 日本の旗オジュウチョウサン 7 57 武豊 和田正一郎 9.2(5人) 3位
2 日本の旗クリンチャー 牡4 57 福永祐一 宮本博 32.2(11人) 18位
2 3 日本の旗モズカッチャン 牝4 55 M・デムーロ 鮫島一歩 9.1(4人) 14位
4 日本の旗マカヒキ 牡5 57 岩田康誠 友道康夫 42.5(12人) 12位
3 5 日本の旗パフォーマプロミス 牡6 57 C・デムーロ 藤原英昭 20.6(7人) 44位
6 日本の旗サトノダイヤモンド 牡5 57 B・アヴドゥラ 池江泰寿 18.1(6人) 5位
4 7 日本の旗サウンズオブアース 牡7 57 藤岡佑介 藤岡健一 144.2(14人) 43位
8 日本の旗ブラストワンピース 牡3 55 池添謙一 大竹正博 8.9(3人) 19位
5 9 日本の旗リッジマン 牡5 57 蛯名正義 庄野靖志 117.2(13人) 100位以下
10 日本の旗ミッキースワロー 牡4 57 横山典弘 菊沢隆徳 28.8(10人) 27位
6 11 日本の旗ミッキーロケット 牡5 57 O・マーフィー 音無秀孝 22.5(8人) 8位
12 日本の旗レイデオロ 牡4 57 C・ルメール 藤沢和雄 2.2(1人) 1位
7 13 日本の旗スマートレイアー 8 55 戸崎圭太 大久保龍志 196.6(16人) 32位
14 日本の旗キセキ 牡4 57 川田将雅 中竹和也 5.9(2人) 6位
8 15 日本の旗シュヴァルグラン 牡6 57 H・ボウマン 友道康夫 22.7(9人) 9位
16 日本の旗サクラアンプルール 牡7 57 田辺裕信 金成貴史 147.0(15人) 38位

レース結果[編集]

ミッキースワローが立ち遅れて最後方からのスタート。最内の1番枠を利してオジュウチョウサンがハナを主張するも、秋古馬GI戦線で常に先手を取りレースを進めたキセキが1コーナー手前で先頭に立つ。直後にミッキーロケット、オジュウチョウサン、クリンチャーやモズカッチャンが付け、1番人気のレイデオロは中団後に控えた。

3コーナーから4コーナーへと向かう中で中団前に位置取ったブラストワンピースが早めに仕掛け、遅れて上がってきたレイデオロの追撃をクビ差振り切り1着入線を果たした。タイムは2分32秒2(稍重)。3歳馬の有馬記念制覇は史上19頭目、鞍上の池添はドリームジャーニー(2009年)、オルフェーヴル(2011・2013年)以来4度目の有馬記念制覇。

さらに1馬身1/4差遅れた3着に中団追走から脚を伸ばしたシュヴァルグランが外枠からの競馬ながら力を示した。なお、オジュウチョウサンは直線半ばまで踏ん張っての9着に終わった。

レース着順[編集]

着順 馬番 競走馬名 タイム 着差 上がり3ハロン
1 8 ブラストワンピース 2:32.2 35.7
2 12 レイデオロ 2:32.2 クビ 35.4
3 15 シュヴァルグラン 2:32.4 1馬身1/4 35.5
4 11 ミッキーロケット 2:32.7 1馬身1/2 36.6
5 14 キセキ 2:32.8 3/4馬身 37.5
6 6 サトノダイヤモンド 2:32.8 クビ 36.2
7 16 サクラアンプルール 2:32.9 クビ 35.6
8 3 モズカッチャン 2:33.0 3/4馬身 36.7
9 1 オジュウチョウサン 2:33.0 アタマ 36.9
10 4 マカヒキ 2:33.0 アタマ 36.3
11 10 ミッキースワロー 2:33.1 1/2馬身 35.4
12 9 リッジマン 2:33.4 2馬身 36.1
13 13 スマートレイアー 2:33.5 クビ 36.4
14 5 パフォーマプロミス 2:33.7 1馬身1/4 36.7
15 2 クリンチャー 2:33.8 1/2馬身 37.5
16 7 サウンズオブアース 2:34.5 4馬身 38.2

データ[編集]

ハロンタイム 6.8-11.6-11.8-11.9-12.2-12.8-12.6-12.2-11.6-11.8-11.8-12.2-12.9
1000m通過タイム 60.8秒(キセキ)
上がり4ハロン 48.7秒
上がり3ハロン 36.9秒
優勝馬上がり3ハロン 35.7秒
上がり最速 35.4秒(レイデオロ)

払戻[編集]

単勝 8 890円
複勝 8 270円
12 130円
15 370円
枠連 4 - 6 970円
馬連 8 - 12 940円
馬単 8 - 12 2400円
3連複 8 - 12 - 15 4910円
3連単 8 - 12 - 15 25340円
ワイド 8 - 12 460円
8 - 15 2560円
12 - 15 690円

エピソード[編集]

テレビ・ラジオ中継[編集]

本レースのテレビ・ラジオ放送の実況担当者

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 2018年12月23日(日)5回中山8日”. JBIS-Search. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月29日閲覧。
  2. ^ 「別冊宝島」競馬激闘史 122頁 有馬記念データ
  3. ^ a b c d 有馬記念ファン投票 最終結果発表! 日本中央競馬会 2018年4月26日閲覧
  4. ^ なお、オジュウチョウサンは重賞全競走が障害競走での勝利であるため、この記録更新以降はオジュウチョウサン側の記録については純然たる「JRA重賞連勝記録」(平地+障害の合算)の他に「JRA障害競走重賞最多連勝記録」として、テイエムオペラオー側の記録については「JRA平地競走重賞最多連勝記録」として取り扱うこととなった。また、JRA以外のレースを含めると1998年タイキシャトルが重賞8連勝を達成している(同馬は重賞6連勝後に国外重賞競走の1勝を挟んでまたJRAでの重賞競走を1勝しての重賞8連勝を達成したが、JRAのレースのみでの連勝ではない)。交流重賞を含めると、2012年1月25日の川崎記念スマートファルコンが記録を更新している。
  5. ^ 競馬「第63回有馬記念」 - 日本放送協会(NHK) NHKクロニクル