第32回エリザベス女王杯

映像外部リンク
2007 エリザベス女王杯
レース映像 jraofficial(JRA公式YouTubeチャンネル)による動画

2007年11月11日京都競馬場で施行された第32回エリザベス女王杯について記述する。

レース概要[編集]

2007年の3歳牝馬クラシック世代は例年以上のハイレベルと呼ばれ、その3歳馬と一流古馬牝馬との対戦が注目され、本年の牝馬ナンバー1を決めるレースとなる。

レース施行前の状況[編集]

3歳馬は、桜花賞秋華賞優勝馬のダイワスカーレット日本ダービー優勝馬のウオッカオークス優勝馬のローブデコルテが出走。

古馬では、第55回府中牝馬ステークス出走組からは、優勝馬のデアリングハート、2着のアサヒライジング、3着のアドマイヤキッス、4着のディアデラノビア、5着のタイキマドレーヌなど8頭が出走。

その他の路線からは、前走スワンステークス4着で第30回エリザベス女王杯優勝馬スイープトウショウ、本年の札幌記念優勝馬で第136回天皇賞(秋)を回避して挑む第31回エリザベス女王杯優勝馬フサイチパンドラ札幌記念4着のディアチャンスなども出走。

尚、海外からは、ドイツからミスティックリップス(MYSTIC LIPS)とオーストラリアからチンクェチェント(CINQUE CENTO)の2頭が予備登録を行い、ミスティックリップスは出走辞退、チンクェチェントは選出馬となった後に出走辞退し、前年の第31回エリザベス女王杯に続き2年連続で外国馬の出走なしで行われる。ちなみに本年より外国馬の出走枠は5頭から9頭に拡大されていた。

前年度の牝馬二冠馬のカワカミプリンセスは故障のため、フローラステークス優勝馬のベッラレイアが休養のため登録をしなかった。

10月28日に発表された最終登録時点では、出走可能頭数18頭に対し17頭の出馬投票があり、頭数割れのため全馬の出走が可能となっていたが、レインダンスは発熱のため、ソリッドプラチナムが翌週の古都ステークス出走のため、ロフティーエイム福島記念に出走ためそれぞれ回避することになり、最終的に14頭となった。

11月9日に枠順が発表され、11月10日より馬券が発売され、前日最終オッズは、ウオッカが2.1倍で1番人気となり、2番人気はダイワスカーレットの3.6倍、3番人気はスイープトウショウが9.0倍と続いた。

しかし、11月11日の朝になって1番人気に推されていたウオッカが右寛跛行が発生したため、出走取消となった。

出走馬と枠順[編集]

天気:晴、馬場状態:良、発走時刻:15時40分
枠番 馬番 競走馬名 騎手 オッズ 調教師 馬主
1 1 デアリングハート 牝5 藤田伸二 22.0(8人) 藤原英昭 (有)社台レースホース
2 2 スプリングドリュー 牝7 川田将雅 134.7(13人) 堀宣行 加藤春夫
3 3 ウオッカ 牝3 四位洋文 (出走取消) 角居勝彦 谷水雄三
4 スイープトウショウ 牝6 池添謙一 6.6(2人) 鶴留明雄 トウショウ産業(株)
4 5 ローブデコルテ 牝3 福永祐一 14.1(6人) 松元茂樹 前田幸治
6 アドマイヤキッス 牝4 岩田康誠 18.4(7人) 松田博資 近藤利一
5 7 ダイワスカーレット 牝3 安藤勝己 1.9(1人) 松田国英 大城敬三
8 ディアチャンス 牝6 横山典弘 23.4(9人) 清水出美 寺田千代乃
6 9 アサヒライジング 牝4 柴田善臣 10.3(4人) 古賀慎明 寺内正光
10 タイキマドレーヌ 牝4 小牧太 54.2(10人) 松元茂樹 (有)大樹ファーム
7 11 コスモマーベラス 牝5 吉田豊 64.9(11人) 中村均 (有)ビッグレッドファーム
12 フサイチパンドラ 牝4 C.ルメール 8.3(3人) 白井寿昭 関口房朗
8 13 ディアデラノビア 牝5 武豊 10.6(5人) 角居勝彦 (有)キャロットファーム
14 キストゥヘヴン 牝4 幸英明 83.4(12人) 戸田博文 吉田和子

負担重量は4歳以上56kg、3歳54kg。

レース結果[編集]

レース展開[編集]

逃げると目されたアサヒライジングがスタートで1完歩出遅れ、対照的に好スタートを切ったダイワスカーレットが主導権を握る。アサヒは競りかけず2番手に控える。デアリングハート、ローブデコルテ、フサイチパンドラと続き、直後インコースにスイープトウショウがつける。前半1000mを60.9秒の淡々とした流れでレースが進み、3コーナーの坂に差し掛かった付近で、フサイチが外目から3番手にあがる。一方、ローブデコルテは4コーナーで手ごたえが悪くなる。直線、逃げたダイワが後続を突き放しにかかる。フサイチが2番手に浮上、内からスイープ、更に後方で足をためたディアデラノビアが外から追い込むも、ラスト600mを34.1秒でまとめたダイワが悠々逃げ切ってG1連勝を達成した。2~4着は去年の1~3着馬(ただし、入線順は同じ)で人気サイドでの決着。

レース着順[編集]

着順 枠番 馬番 競走馬名 タイム 着差
1 5 7 ダイワスカーレット 2.11.9
2 7 12 フサイチパンドラ 2.12.0 3/4
3 3 4 スイープトウショウ 2.12.2 1馬身1/4
4 8 13 ディラデラノビア 2.12.5 1馬身3/4
5 4 6 アドマイヤキッス 2.12.5 クビ
6 8 14 キストゥヘヴン 2.12.6 1/2
7 6 9 アサヒライジング 2.12.8 1馬身1/2
8 5 8 ディアチャンス 2.12.9 クビ
9 7 11 コスモマーベラス 2.12.9 アタマ
10 6 10 タイキマドレーヌ 2.13.0 1/2
11 4 5 ローブデコルテ 2.13.0 アタマ
12 1 1 デアリングハート 2.13.0 アタマ
13 2 2 スプリングドリュー 2.13.4 2馬身1/2
3 3 ウオッカ 出走取消

データ[編集]

1000m通過タイム 60.9秒(ダイワスカーレット)
上がり4ハロン 45.9秒
上がり3ハロン 34.1秒
優勝馬上がり3ハロン 34.1秒

払戻[編集]

単勝 7 190円
複勝 7 110円
12 210円
4 210円
枠連 5-7 750円
馬連 7-12 850円
馬単 7-12 1,160円
3連複 4-7-12 1,610円
3連単 7-12-4 6,290円
ワイド 7-12 340円
4-7 350円
4-12 790円
  • 返還:馬番3番、枠連3-3

レース後[編集]

  • 前日最終オッズ時点で1番人気に支持されていたウオッカが、当日に出走を取り消したことにより、15億2041万2500円が返還された。
  • 本競走で優勝したことにより、安藤勝己騎手は京都競馬場で行われるGIレースの天皇賞・春、エリザベス女王杯、マイルチャンピオンシップの3レース及びJpnIレースの秋華賞、菊花賞(優勝時はGI)の2レース、合計5レースを全て制した。

外部リンク[編集]