百島 (広島県)

百島

フェリーより。(2007年8月撮影)
所在地 日本広島県
所在海域 瀬戸内海
座標 北緯34度22分10秒 東経133度15分56秒 / 北緯34.36944度 東経133.26556度 / 34.36944; 133.26556
面積 3.08 km²
海岸線長 11.9 km
最高標高 184.1 m
百島の位置(広島県内)
百島
百島
百島 (広島県)
百島の位置(日本内)
百島
百島
百島 (日本)
プロジェクト 地形
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同島の診療機関「百島診療所」
同島唯一の娯楽施設だった映画館跡「百島東映」

百島(ももしま)は瀬戸内海中部に浮かぶ芸予諸島山陽道筋のほぼ中央に位置する。芸予諸島内の北方の天辺に浮かび、尾道港から鞆の浦の海道中間にある。

中国・四国地方を全体に見渡すと、百島はほぼ中央に位置する。

行政[編集]

広島県尾道市百島町に属する(1955年4月1日に沼隈郡百島村を編入[1])。郵便番号は722-0061(尾道郵便局管区)。

尾道市旧百島支所の建物は、尾道市に編入される前の1954年に沼隈郡百島村の村役場として建築された[2]。2022年7月22日、文化審議会は旧尾道市役所百島支所庁舎を登録有形文化財とするよう答申した[3]

尾道市新百島支所の建物は百島簡易郵便局と一体となった建物で、2017年に完成し「百島みんなの家」の愛称がつけられている[4]

島名の由来[編集]

百島(ももしま)は、昔樹が多く「桃島」と読んだが、いつの頃からか「百」の字が充てられるようになったとも言う。また、かつて磯島と五十島の二島があって、それが一島になって百島に改めたとも言う。

さらに一説として、尾道から今治までの芸予諸島が百にも及び、その天辺に位置し、その百諸島を代表する島として百島と名づけられたとも言う。

歴史[編集]

室町時代になるまで百島の歴史資料は殆ど皆無だが、菅原道真大宰府に流される途中、百島に立ち寄り一袖残したという伝説もあり、現在百島町福田地区に天満宮がある。

また1441年(嘉吉元年)、嘉吉の乱で敗れた赤松満祐の一族が百島に逃れて住み着いて、以来追っ手の襲来に備えた弓の稽古が由来の「お弓神事」が今尚毎年1月11日に催しされている。これは、百島村上水軍との関連が強いと言われている。

室町時代〜安土桃山時代[編集]

江戸時代[編集]

  • 1700年元禄13年)の福山藩内での御検地水帳が資料として残存している。屋敷所有者、屋敷借用者、本百姓、水呑百姓石高、耕地数などが記録されている。

明治〜昭和初期[編集]

百島人口2,127人のうち59世帯255人(12%)が、現在の北海道岩見沢市栗沢町茂世丑地区に入植開拓。現在百島4〜5世代の郷土出身者が定住。
百島人口403世帯 2,358人。
耕地の面積、島民の人口を養えず、北海道関東四国九州の国内四方へ。
さらに海外である北米南米ハワイ豪州マニラ朝鮮台湾へ移住。
当時の沼隈郡誌の記録には「百島の者、一般に質朴勤勉にして徳義を重んじ、信義を守り、克く難苦に堪え、忍耐力強気を以て、至るところに成功者を出し、土地開拓に或いは商業漁業運送業に大規模の経営を競る者、その数少なからず」云々とある。
沼隈郡誌による「百島村人文誌」には、このように記されている。
「人情敦煌にして懇切掬べきものあり、殊に女子の勤労と男子の海外発展には特筆に価す。又敬神崇佛の念一段深く、貯蓄心に富み、納税成績良好なり」。

戦後〜現代[編集]

  • 1945年昭和20年)の終戦後、復員等で百島の人口はピークとなるが,その後は過疎化が進み,人口減少が甚だしく進む。
  • 2000年平成12年)に百島幼稚園と百島小・中学校が統合され併設されている。
  • 最近ではテレビドラマやバラエティ番組で有名人、著名人多数が百島を訪問している。
  • また映画、ドラマでも数本、百島がロケ地として選ばれている。
    記憶に残る映画は、百島泊港で撮影された1986年制作井筒和幸監督「犬死せしもの」。出演者は当時若かった真田広之佐藤浩市安田成美今井美樹等。
  • 1997年NHK制作ドラマ極楽遊園地」の舞台となる。泊地区の高台には、主演千秋実さんの最後の出演ドラマとなった。また、出演された藤村俊二さんの直筆の記念石碑が置かれている。
  • 地元尾道出身の大林宣彦監督作品の映画「あした」のロケ地もある。
  • 2001年平成13年)、11月25日・・タレントの間寛平関西テレビ企画・放映による「百島アミーゴマラソン」が行われた。メキシコオリンピック銀メダリスト君原健二をはじめとして、元ボクシング世界チャンピオン、芸能人多数、また全国からのマラソン愛好者が百島に集った。
  • 2005年平成17年)、12月24日・・定年後、百島に帰島した藤田氏が、故郷の百島活性化のためイチゴ栽培経営に乗り出した。その物語が、テレビ朝日系列番組「人生の楽園」で紹介された。
  • 2006年平成18年)、百島小・中学校の総合学習を取材した中国放送製作のドキュメンタリー番組「いきいき!夢キラリ ボクらの島をドキュメント!」が民間放送教育協会から文部科学大臣賞を受賞している。
  • 2007年平成19年)1月11日 NHKの夜7時の全国ニュースで「百島の弓取り神事」が報道・紹介された。
  • 2011年平成23年)3月27日 5年ぶりに百島診療所がオープン。
  • 2012年平成24年)11月4日 アート・ベース百島(廃校となった百島中学校を再利用したもの)が発信。
  • 2013年平成25年)1月16日 フジテレビ系列番組「おじゃマップ」で百島診療所が取り上げられる。訪問出演者:香取慎吾(SMAP)、山崎弘也(アンタッチャブル)、小池栄子、川越シェフ、世良公則。
  • 2022年令和4年)10月10日 NHK鶴瓶の家族に乾杯」で笑福亭鶴瓶が訪れる。

交通[編集]

水上交通[編集]

島内の福田港から尾道港と常石港との間でフェリー旅客船が運航されている。

尾道〜戸崎〜歌〜満越〜福田(百島)〜常石

陸上交通[編集]

島の産物[編集]

かつては、百島の貝(あさり)と百島大根が、とりわけ美味しいと有名であった。

現在、百島の代表的な農業産物は、イチゴきぬさやエンドウ玉ねぎキャベツブロッコリーぶどう、ささげ、みかんでこぽんポンカンハッサク甘夏、冬橙、らっきょうゆずレモンネーブル等。

島出身の著名人[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 市域の変遷図 尾道市 (2022年7月24日閲覧)
  2. ^ 旧尾道市役所百島支所庁舎、益田の新比惠家住宅主屋など登録有形文化財へ 中国新聞 (2022年7月24日閲覧)
  3. ^ 生活支え「島の財産」旧尾道市百島支所、国登録文化財へ 中国新聞 (2022年7月24日閲覧)
  4. ^ MONTHLY 建築士 HIROSHIMA No.127 公益社団法人 広島県建築士会 (2022年7月24日閲覧)

外部リンク[編集]