照り焼き

ブリの照り焼き

照り焼き(てりやき)とは、醤油を基本にした甘みのあるタレを食材に塗りながら焼く調理法。

タレの糖分により食材の表面が艶を帯び、「照り」が出るのが名前の由来。日本では魚、または肉の調理に使われる技法である。日本以外の国では主に肉の調理に使われる。照り焼きに用いられる食材には、ある程度身が締まりつつものあるものが多い。

日本の照り焼き[編集]

食材として有名なものにブリ鶏肉があげられる。ブリ以外の魚では、カジキマグロカツオサケマスサワラハモメロ(銀ムツ)などが用いられる。鶏肉はムネ肉、モモ肉どちらも使用される。また、豚肉牛肉で作られることもある。変わった食材としては、コンニャクイカつくね、肉詰めレンコン、など。ウナギ蒲焼きタレ焼きの焼き鳥も照り焼きの一種である。

アメリカのテリヤキ[編集]

チキン・テリヤキ

照り焼きはアメリカ合衆国でも人気があり、"teriyaki"が辞書に載るほど定着している。しかし、アメリカの「teriyaki」とはテリヤキソースを用いて下味付けをしたすべての「料理」を指し、日本の照り焼きのように「調理法」を指す事とはまったく異なっている。

予め食材をテリヤキソースに漬け込んで調理したり、グリルで焼いた肉類にテリヤキソースをかけたりして食する方法が一般的である。このため日本語でこれらの料理を指す場合には「テリヤキ」とカタカナで表記されることが多い。特段に日本料理に傾倒しているレストランでなくても肉類の照り焼き料理を供する所があり、また、スーパーマーケットなどでは瓶詰めされたテリヤキソースが販売されている。

アメリカのテリヤキソース[編集]

米国でも日本のように醤油と調味料で調合しタレを作る場合もあるが、ほとんどのレストランや一般家庭では既製品のテリヤキソースを使用する。テリヤキソースには味醂、日本酒など日本独自の調味料は使用されず、 頻繁に洋酒、ニンニク、ゴマなど本来の「照り焼きのタレ」と違う原料で製造されている。醤油と砂糖以外には照り焼きのタレとの共通点は少ない。単に甘口のバーベキューソースを指してテリヤキソースと呼ぶ場合もある。2021年7月現在における日本で一般に流通しているものとの比較では「ニンニクを弱めた甘口の焼肉タレ」と思うと近似している。

米国でテリヤキソースが生まれたきっかけは、日本の醤油メーカーキッコーマン1957年に米国内初の醤油販売を開始した事にある。販売を始めてみたが醤油の使用法が当時のアメリカ人には理解されておらず、まだ日本料理も一般的でなかったため販売が伸び悩んでいた。キッコーマンの日系二世のセールスマン、タム吉永が彼の母親の調理した和食、魚の照り焼きをヒントに、肉料理に合う醤油ベースの料理法「テリヤキ」を発案した[1]。テリヤキソース調理法はキッコーマン主催の料理教室や販売促進用の小冊子などで、アメリカに定着し現在の地位を確立してきた。現在[いつ?]でも米国で消費される醤油の殆どは、このテリヤキ調理法に費やされており、純粋な日本料理に消費される醤油の割合は極めて少ない[2]

テリヤキバーガー[編集]

テリヤキバーガーはテリヤキソースで味付けしたハンバーグを挟んだ日本生まれのハンバーガーであり、マクドナルドの本国のチェーン店では販売されてはいない。しかし、同じくアメリカの大手ハンバーガーチェーン店であるCarl's Jr(カールスジュニア)では、2007年5月23日より販売しており、メニューとして定着している[3]。テリヤキバーガーの元祖であるモスバーガーは1980年代にアメリカに進出したが、その後撤退している。

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]