潜水艦隊

潜水艦隊
Fleet Submarine Force
創設 1981年(昭和56年)2月10日
所属政体 日本の旗 日本
所属組織 海上自衛隊
兵種/任務/特性 潜水艦部隊
人員 約1,800人
所在地 司令部:横須賀基地船越地区
上級単位 自衛艦隊
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横須賀基地

潜水艦隊(せんすいかんたい、英称:Fleet Submarine Force)は、日本海上自衛隊自衛艦隊に属する潜水艦を中心に編成されたタイプ管理部隊である。

概要[編集]

潜水艦隊司令部は船越地区(神奈川県横須賀市船越町7-73)におかれており、潜水艦隊司令官は海将をもって充てられている[1]

2006年(平成18年)の統合幕僚監部の発足以降は自衛隊全体で統合運用が始まり、フォースユーザ―(事態対処責任者)とフォースプロバイダー(練度管理責任者)の考え方が導入されたため、現在の潜水艦隊司令官はフォースプロバイダ―として隷下部隊の練度管理を行い、フォースユーザーの自衛艦隊司令官に部隊を提供する役目を担っている[2]

潜水艦隊編成以前の海上自衛隊の潜水艦部隊は、第1潜水隊群(呉市)と第2潜水隊群(横須賀市)が自衛艦隊隷下に編成上並列に存在、また潜水艦の作戦運用は群司令部相互間により調整を実施しており、指揮・運用が二元化されていた。そのため、両潜水隊群の上位組織として潜水艦隊が設けられることとなり、「防衛庁設置法等の一部を改正する法律」(昭和55年11月29日法律第93号)[3][注 1]により、1981年(昭和56年)2月に新編された。なお、作戦行動中の潜水艦の指揮は潜水艦隊司令部が一括で受け持っていたため、潜水隊群司令部は人事、教育訓練、艦の維持といった機能にとどめ、潜水隊は廃止すべきという意見[注 2]もみられていた。これは潜水艦は単艦での作戦行動が主体で、不要な中間指揮結節を置くべきではないという考えに起因している[4][5]

沿革[編集]

  • 1965年(昭和40年)2月1日:自衛艦隊隷下に第1潜水隊群が新編。)
  • 1973年(昭和48年)10月16日:自衛艦隊隷下に第2潜水隊群が新編。)
  • 1981年(昭和56年)2月10日:自衛艦隊隷下に「潜水艦隊」が新編(司令部、第1潜水隊群、第2潜水隊群、潜水艦教育訓練隊)。
  • 2000年(平成12年)3月9日:第1練習潜水隊を新編[6]。当初所属艦は練習潜水艦「あさしお」(TSS-3601)、「せとしお」(TSS-3602)[7]
  • 2002年(平成14年)3月22日:潜水艦教育訓練隊に横須賀潜水艦教育訓練分遣隊を新編。
  • 2020年(令和02年)10月1日:潜水艦隊司令部が船越地区に完成した自衛艦隊司令部の新庁舎「海上作戦センター」に移転[8][9]
  • 2024年(令和06年)3月8日:第1練習潜水隊を第11潜水隊に改称[10]、試験潜水艦「たいげい」(SS-513)を編入[11][12]

潜水艦隊の編成[編集]

主要幹部[編集]

官職名 階級 氏名 補職発令日 前職
潜水艦隊司令官 海将 伍賀祥裕 2023年08月29日 統合幕僚監部運用部長
幕僚長 海将補 戸井雄一郎 2024年03月28日 対潜評価隊司令
訓練主任幕僚 1等海佐 岡田亮介 2024年04月05日 第1練習潜水隊司令
→2023.12.22 潜水艦隊司令部勤務
後方主任幕僚 1等海佐 神沼俊昌 2022年08月22日 潜水艦隊司令部勤務
第11潜水隊司令 1等海佐 原利光 2024年03月08日 第1練習潜水隊司令
潜水艦教育訓練隊司令 1等海佐 佐志倫郎 2023年10月14日 大湊地方総監部防衛部長
→2023.9.19 第1潜水隊群司令部勤務
歴代の潜水艦隊司令官
(特記ない限り海将・指定職2号)
氏名 在任期間 出身校・期 前職 後職 備考
01 安陪祐三 1981.2.10 - 1981.6.30 海兵75期 第2潜水隊群司令 佐世保地方総監
02 藤川常夫 1981.7.1 - 1983.10.11 海兵75期 海上自衛隊幹部候補生学校 退職
03 石原俊三 1983.10.12 - 1985.12.19 東京水産大
2期幹候
呉地方総監部幕僚長 就任時海将補
1984.3.2 海将昇任
04 末 貞臣 1985.12.20 - 1987.12.10 海保大2期・
6期幹候 
横須賀地方総監部幕僚長 統合幕僚会議事務局長
05 久保 彰 1987.12.11 - 1989.8.30 防大1期 退職
06 新井利康 1989.8.31 - 1991.6.30 海保大4期・
9期幹候
07 佐藤 雅 1991.7.1 - 1993.3.23 海保大7期・
12期幹候
統合幕僚会議事務局第2幕僚室長 呉地方総監
08 西村義明 1993.3.24 - 1995.6.29 防大6期 自衛艦隊司令部幕僚長 退職
09 平賀源太郎 1995.6.30 - 1996.6.30 防大7期 統合幕僚会議事務局第1幕僚室長
10 坂部邦夫 1996.7.1 - 1997.6.30 防大10期 海上幕僚監部人事教育部長 舞鶴地方総監
11 三成裕二 1997.7.1 - 1998.12.7 防大8期 自衛艦隊司令部幕僚長 退職
12 明野充功 1998.12.8 - 2000.6.29 防大10期 阪神基地隊司令
13 田内 浩 2000.6.30 - 2002.3.21 防大12期 海上幕僚監部調査部長 大湊地方総監
14 中尾誠三 2002.3.22 - 2004.3.28 防大14期 海上幕僚監部監理部長 佐世保地方総監
15 田村 力 2004.3.29 - 2005.7.27 防大15期 横須賀地方総監部幕僚長 海上自衛隊幹部学校
16 杉本正彦 2005.7.28 - 2007.11.1 防大18期 海上幕僚監部監理部長 呉地方総監
17 小林正男 2007.11.2 - 2009.3.23 防大17期 海上幕僚監部監察官 退職
18 永田美喜夫 2009.3.24 - 2011.4.26 防大20期 阪神基地隊司令
19 矢野一樹 2011.4.27 - 2013.8.21 防大22期 海上幕僚監部装備部長
20 鍜治雅和 2013.8.22 - 2015.8.3 防大24期 海上自衛隊第1術科学校
21 道満誠一 2015.8.4 - 2016.12.21 防大26期 海上幕僚監部監察官 横須賀地方総監
22 佐伯精司 2016.12.22 - 2017.12.19 東京大
35期幹候
海上幕僚監部装備計画部長 退職
23 髙島辰彦 2017.12.20 - 2020.3.17 京都大
35期幹候
統合幕僚監部総務部長
24 小座間善隆 2020.3.18 - 2021.12.21 明治大
39期幹候
佐世保地方総監部幕僚長 海上自衛隊補給本部
25 俵 千城 2021.12.22 - 2023.8.28 防大33期 海上幕僚監部指揮通信情報部長 佐世保地方総監
26 伍賀祥裕 2023.8.29 - 防大35期 統合幕僚監部運用部長

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 本改正と同時に曹長等の階級が新設された。
  2. ^ 潜水隊不要論自体は太平洋戦争時から出ていた。

出典[編集]

  1. ^ 自衛隊法施行令(昭和29年政令第179号)第16条の10”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2019年12月23日閲覧。
  2. ^ ホーム > 自衛艦隊について > 組織・編成 海上自衛隊
  3. ^ 「防衛庁設置法等の一部を改正する法律」(昭和55年11月29日法律第93号)
  4. ^ 本当の潜水艦の戦い方255~256頁、中村秀樹、光人社NF文庫、2006年6月14日。
  5. ^ これが潜水艦だ66~70頁、中村秀樹、光人社NF文庫、2008年6月16日。
  6. ^ 平成14年防衛白書
  7. ^ 海上自衛隊潜水艦史 世界の艦船10月号増刊 No665,2006年,海人社
  8. ^ 「海上作戦センター運用開始(2020年10月1日)」朝雲新聞(2020年10月8日付)
  9. ^ 防衛省 海上自衛隊 [@JMSDF_PAO] (2020年10月1日). "10月1日、海上自衛隊は、海上作戦センターの運用開始記念式典を横須賀市で行いました。". X(旧Twitter)より2020年10月1日閲覧
  10. ^ 防衛省発令(1佐人事)2024年3月8日
  11. ^ 防衛省 海上自衛隊 [@JMSDF_PAO] (2024年3月8日). "本日第11潜水隊が新編されました。". X(旧Twitter)より2024年3月8日閲覧
  12. ^ 海上自衛隊 潜水艦隊(公式) [@JMSDF_SBF] (2024年3月13日). "潜水艦隊 に新しい部隊が誕生しました!!". X(旧Twitter)より2024年3月13日閲覧

外部リンク[編集]