湖中の女

初版の表紙

湖中の女』(こちゅうのおんな、The Lady In The Lake)は、アメリカの作家レイモンド・チャンドラーハードボイルド小説1943年刊。私立探偵フィリップ・マーロウを主人公とする長編シリーズの第4作目。

あらすじ[編集]

フィリップ・マーロウは化粧品会社の社長キングズリーから、別荘から失踪した妻を探しだしてほしいという依頼を受ける。湖の別荘を訪ねたマーロウは、湖中に女性の死体を発見する。

登場人物[編集]

フィリップ・マーロウ
私立探偵
デレイス・キングズリー
化粧品会社の社長
クリスタル・キングズリー
デレイスの妻
アドリエンヌ・フロムセット
デレイスの秘書
クリス・レイバリー
クリスタルの愛人
ビル・チェス
別荘の管理人
ミュリエル・チェス
ビルの妻
アルバート・アルモア
医師
フローレンス・アルモア
アルバートの妻
グレイスン夫妻(ユーステス&レティ)
フローレンスの両親
ミルドレッド・ハビランド
看護婦
フォールブルック夫人
家主
ジム・パットン
代理シェリフ
ウェバー
警部
デガーモ
警部補

日本語訳[編集]

  • 「別冊宝石11号 世界探偵小説名作選2 レイモンド・チャンドラア傑作特集」1950年10月に、『湖中の女』(二宮佳景(鮎川信夫)=訳)収録。[日本語訳 1]
出版年 タイトル 出版社 文庫名等 訳者 巻末 ページ数 ISBNコード カバーデザイン 備考
1959年 湖中の女 早川書房 ハヤカワ・ポケット・ミステリ503 田中小実昌 映画とチャンドラー (59.8 編集部) 273 0297-105031-6942 装幀 勝呂忠
1986年5月1日 湖中の女 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫HM 7-4 清水俊二 訳者あとがき 332 978-4150704544 カバーフォーマット:辰巳四郎
カバーデザイン:ハヤカワ・デザイン ほか
2017年12月6日 水底の女 早川書房 (単行本) 村上春樹 訳者あとがき 397 978-4152097286 坂川栄治+鳴田小夜子
(坂川事務所)
2020年1月9日 水底の女 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫HM 7-17 村上春樹 訳者あとがき「これが最後の一冊」 440 978-4150704674 坂川栄治+鳴田小夜子
(坂川事務所)

映画化[編集]

オーストラリアで劇場公開されたときのポスター
湖中の女
(MGM、1947年)原題はLady in the Lake[映画化 1]
ロバート・モンゴメリーが監督・主演を務めた。ただし、映画版ではカメラがマーロウの眼として扱われている[映画化 2]ため、マーロウ役の姿は鏡に映る時くらいしか出てこない。
本作の脚色はチャンドラー自身もかかわっているが、スクリーン・クレジット掲出を断ったため、脚本としてはスティーヴ・フィッシャーのみがクレジットされている。

注釈[編集]

  1. ^ 『聖林殺人事件』、『ハイ・ウィンドォ』、『湖中の女』収録。
  1. ^ 映画のタイトルには原作と違って"The"がつかない。
  2. ^ 尾崎一男 (2019年3月9日). “全編一人称視点の異色作『ハードコア』誕生の背景”. 洋画専門チャンネル ザ・シネマ. 2021年7月10日閲覧。

参考文献[編集]

  • レイモンド・チャンドラー=著,マシュー・J ・ブラッコリ=編集,小鷹信光=翻訳(1988).『ブルー・ダリア』.角川書店. ISBN 4047911755