松江府

江蘇省の松江府の位置(1820年)

松江府(しょうこうふ)は、中国にかつて存在した元代から民国初年にかけて、現在の上海市一帯に設置された。

概要[編集]

1277年至元14年)、元により華亭県華亭府が置かれた。1278年(至元15年)、華亭府は松江府と改称され、華亭県を管轄した。1292年(至元29年)、華亭県北部に上海県が分割設置された。

1542年嘉靖21年)、によりに華亭県及び上海県の一部に青浦県が設置された。松江府は南直隷に属した。明末は倭寇の被害を受け、特に嘉靖年間には史書に被害記録が数多く記載されている。

清朝成立後の1656年順治13年)に婁県1724年雍正2年)に奉賢県金山県南匯県福泉県1743年に青浦県に編入)が設置された。1805年嘉慶10年)に川沙庁が設置された。松江府は江蘇省に属した。清末の太平天国の乱では太平天国軍の3度にわたる攻撃を受けたが、清朝の守備軍は全て撃退している。

辛亥革命が勃発すると1911年宣統3年)11月6日に松江府は独立を宣言、軍政分府を設置した。その後成立した中華民国1913年民国2年)、府制廃止に伴い松江府は廃止となり、管轄県は江蘇省の直轄とされた。