札幌市資料館

札幌市資料館
外観(2011年9月)
札幌市資料館の位置(札幌市内)
札幌市資料館
札幌市内の位置
施設情報
事業主体 札幌市
管理運営 札幌市資料館運営共同事業体(指定管理者[1]
開館 1973年
所在地 060-0042
北海道札幌市中央区大通西13丁目
位置 北緯43度3分30.7秒 東経141度20分14.9秒 / 北緯43.058528度 東経141.337472度 / 43.058528; 141.337472座標: 北緯43度3分30.7秒 東経141度20分14.9秒 / 北緯43.058528度 東経141.337472度 / 43.058528; 141.337472
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札幌市資料館(さっぽろししりょうかん)は、北海道札幌市中央区にある、札幌市の資料館。札幌市の歴史と文化について、さまざまな展示・紹介が行われている。

概要[編集]

刑事法廷の展示

1973年(昭和48年)11月3日に開館した[2]

建物は札幌控訴院庁舎として司法省会計課の設計により1926年(大正15年)8月に建てられたもので[3]、1997年(平成9年)に国の登録有形文化財に北海道内で初めて登録された[4]。2020年には国の重要文化財に指定された[5]

2006年(平成18年)8月1日より民間の指定管理者が管理、運営を行っている。

裁判所の移転を受けてその建物を利用して開館した。大通公園の西に隣接し、東端のさっぽろテレビ塔に対し、東西に長い公園の西を締めくくる位置にある。

「北海道文学館」の移転を受けて1995年(平成7年)9月28日に新装開館し[6]、市民向けのギャラリー6室と[6]札幌出身の漫画家の「おおば比呂司記念室」が開設されている[7]

「札幌市文化資料室」の移転後に内部が大幅に改装され[8]、2006年(平成18年)11月3日に大正時代の控訴院の法廷が復元されて公開された[9]

かつてあった展示[編集]

北海道文学館[編集]

1979年(昭和54年)3月8日、建物の南側半分の貸与を受けて「北海道文学館」の展示室、閲覧室、収蔵庫が開設され[10]、その事務局も設置された[11]。これは1966年(昭和41年)の設立以来、デパートや公共施設での文学展などを展開しながら資料収集をおこなってきた任意団体の北海道文学館が初めて備えた常設の展示スペースでもあった[12]。その後1984年(昭和59年)11月3日には札幌出身の作家・船山馨の直筆原稿や書簡、文房具などを展示する「船山馨記念室」が新設され[13]、翌1985年(昭和60年)4月には札幌市にゆかりのある作家たちの資料を集めて「札幌文学展示室」が設けられるなど[14]、かつては文学関連の資料・展示が豊富であった[12]

北海道文学館はその後1988年(昭和63年)に任意団体から財団法人に移行し、1995年(平成7年)9月22日に北海道立文学館が開館するのにともない、管理運営を北海道教育委員会から委託されて市資料館からは移転した[15]。「船山馨記念室」および「札幌文学展示室」は北海道文学館の転出後も存続したが、1997年(平成9年)4月の一部リニューアルの際に廃止となった[16]

札幌市考古資料室[編集]

そのほか、1977年(昭和52年)11月3日に開設された「札幌市考古資料室」が長く存在していたが[17]、これは2006年(平成18年)4月に「札幌市文化資料室」(現・札幌市公文書館)として旧豊水小学校跡へ、拡張する形で移転している[18]

建物[編集]

控訴院時代の写真

現在札幌市資料館がある建物は、函館から移転して設けられた札幌控訴院のために、1924年(大正13年)に建築が始まり、2年後に完成した。 途中、財政難と関東大震災によって規模を縮小する設計変更を余儀なくされた。

下部構造は鉄筋コンクリートで、上に煉瓦を積み、外壁に札幌軟石を用いている。札幌控訴院が戦後に札幌高等裁判所になっても用いられた。

札幌軟石は、戦前には主に装飾用に盛んに用いられたが、戦後には石資源の枯渇もあって、採石はほとんどされなくなった。 札幌軟石の建築物は、建て替えとともに消えていき、今では数えるほどしか残っていない[19]。 札幌市資料館の建物は、1997年5月に国の登録有形文化財に登録された。2020年12月には「旧札幌控訴院庁舎1棟 附 門2所」として国の重要文化財に指定された[5]

1987年(昭和62年)5月から夜間にライトアップされている[20]

脚注[編集]

  1. ^ 指定管理者による管理運営が行われている施設
  2. ^ 『北海道 文学散歩 2 道央編』 立風書房、1982年10月。ISBN 978-4651501529
  3. ^ 札幌市教育委員会 『新札幌市史 第3巻通史3』 北海道新聞社、1994年5月。
  4. ^ “道内初 登録文化財に2件 札幌市資料館、函館・五島軒本店旧館 保護審 文相に答申”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1997年2月22日)
  5. ^ a b 令和2年12月23日文部科学省告示第140号
  6. ^ a b “改修の札幌市資料館 28日に再オープン ギャラリー6室開放”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1995年9月22日)
  7. ^ “おおばさんしのび 記念室がオープン 札幌市資料館内に”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1995年9月28日)
  8. ^ “全面オープン11月3日 札幌市資料館 刑事法廷を復元”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2006年8月22日)
  9. ^ “大正時代の法廷復元 札幌市資料館 模擬裁判など開催”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2006年11月4日)
  10. ^ 「道文学館に待望の“城” 札幌市が助け船 資料館の半分貸与確約」『北海道新聞』北海道新聞社、1979年3月8日。
  11. ^ 「文学館・きたみなみ 2」『北海道新聞』北海道新聞社、1988年6月16日。
  12. ^ a b 北海道文学館 札幌 わが国地域文学館運動のさきがけを果たし北海道の精神遺産を守る人びとの熱情 〔第23号/1987年11月号〕”. ウェブマガジン カムイミンタラ 〜北海道の風土・文化誌 (1987年11月). 2023年7月2日閲覧。 ※札幌市資料館内にあった北海道文学館展示室の写真あり。
  13. ^ 「足跡をたどる遺品300点 船山馨記念室オープン」『北海道新聞』北海道新聞社、1984年11月4日。
  14. ^ 「札幌文学展示室が誕生 札幌市資料館」『北海道新聞』北海道新聞社、1985年4月8日。
  15. ^ 札幌市教育委員会: “新札幌市史 第5巻 通史5(下) / 第十編 現代の札幌 / 第九章 芸術・文化の拡がり / 第二節 文化施設・行政と文化団体 / 一 文化施設 :道立文学館と道立文書館”. 札幌市中央図書館 - 新札幌市史デジタルアーカイブ. 札幌市 (2005年3月). 2023年7月2日閲覧。
  16. ^ 「札幌市資料館、一部リニューアル 歴史・裁判資料を充実」『北海タイムス』北海タイムス社、1997年3月21日。
  17. ^ 「3日、待望のオープン」『北海道新聞』北海道新聞社、1977年11月3日。
  18. ^ 「札幌市教委文化資料室 旧豊水小に移転 広さ2.5倍 「郷土史研究に利用を」」『北海道新聞』北海道新聞社、2006年4月4日。
  19. ^ 札幌市教育委員会文化資料室 『さっぽろ文庫7 札幌事始2』 北海道新聞社、1979年。
  20. ^ “空にくっきり資料館 札幌4番目の夜間照明点灯”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1987年5月27日)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]