最高位戦日本プロ麻雀協会

一般社団法人
最高位戦日本プロ麻雀協会
略称 最高位戦
設立 1976年
種類 職能団体
法人番号 5011005005499 ウィキデータを編集
法的地位 一般社団法人
本部 東京都千代田区神田三崎町3丁目1番3号榎本一輝ビル2階
重要人物 代表 新津潔
ウェブサイト saikouisen.com
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最高位戦日本プロ麻雀協会(さいこういせんにほんプロマージャンきょうかい)は、競技麻雀職能団体。略称は「最高位戦」。代表新津潔(2022年9月現在)[1]。1981年設立の日本プロ麻雀連盟、1997年設立の麻将連合-μ-、2001年設立の日本プロ麻雀協会は、いずれも最高位戦に参加していたプロが袂を分かつ形で設立した競技団体である[2]

これまで東京本部のみで運営していたが、2013年より関西本部、2014年より北海道本部が発足。さらに2016年より東海支部、2017年より新潟支部、2020年より九州本部、2022年には東北支部が発足するなど全国展開しつつある[1]

概要[編集]

同協会最高峰のタイトル戦である最高位戦は、1976年に創設されたが、第1期(1976年)から第9期(1984年)までは竹書房発行の麻雀専門誌『近代麻雀』(現在は廃刊。現存する同名の麻雀劇画誌とは別物)によって主催・運営され、同誌の誌上タイトル戦だった。しかし『近代麻雀』が編集方針の変更等の理由により、最高位戦の主催・運営を打ち切ったため、第10期(1985年)から団体名を『日本麻雀最高位戦』として、参加選手による自主運営という形で開催されるようになり、これが現在の組織の母体となっている。2013年に現在の『一般社団法人最高位戦日本プロ麻雀協会』の団体名になった[1]

かつては日本プロ麻雀連盟における「麻雀格闘倶楽部」や「ロン2」、日本プロ麻雀協会における「セガ四人打ち麻雀MJ」のように団体が協力する有力なオンライン麻雀ゲームを持たなかったため、一般の麻雀ファンとの直接の接点となるメディアへの露出が少なかった。しかし、最近は後発のオンライン麻雀ゲーム「Maru-Jan」「雀ナビ四人麻雀オンライン」との提携を行ったり、2017年稼働の「セガNET麻雀 MJ Arcade」に日本プロ麻雀協会所属選手、麻将連合-μ-所属選手、RMU所属選手共々参戦しているほか、麻雀に特化したSNSである「はこてんパラダイス」(2018年にサービス終了)に多くのプロが参加するなど、一般ファンとの接点を拡げる活動を積極的に行っている。また、2013年からニコニコ生放送「スリーアローズチャンネル」で、麻将連合-μ-、日本プロ麻雀協会、RMUの団体と共に、タイトル戦から競馬予想など麻雀とは関係がないバラエティ番組まで多種多様な放送を展開している。

組織[編集]

役員

代表新津潔

副代表近藤誠一

顧問

主な所属選手[編集]

男性[編集]

代表、副代表、理事、理事補佐、顧問タイトル獲得者は上部

女性[編集]

理事、理事補佐、タイトル獲得者は上部

過去に所属していたプロ[編集]

主催タイトル戦・主催イベント[編集]

主要タイトル戦[編集]

最高位戦
1976年に創設され、全プロ団体でも最古のタイトル戦。昇降級ありのリーグ戦で実施され、団体最高峰タイトルの位置づけ。
前年度最高位と、最上位であるA1リーグの1位〜3位が、最高位決定戦を行い、その期の最高位を決定する。
現最高位は竹内元太
飯田正人杯・最高位戦Classic
2006年に創設されたタイトル戦。最高位戦で第22期まで使用されていた「一発・裏ドラなし」の、旧最高位戦ルールを採用。
創設当初は自団体プロのみのタイトル戦だったが、第3期より他団体へのプロにも出場資格が開放された。
現Classicは伊藤高志
發王戦
読み方は「りゅうおうせん」。1992年に創設され、団体内で2番目に古いタイトル戦である。同じ面子で規定回数の半荘を打ち、上位2名が勝ち上がっていくトーナメント制を採用。
一般アマチュアや、他団体のプロにも参加資格がある。
現發王位は有賀一宏
新輝戦
2017年創設、団体内で最も新しいタイトル戦。
自団体所属者のみ参加可能で、現行の「最高位戦ルール」、旧ルール「Classicルール」、赤ドラを使用する「赤ありルール」を採用しているのが特徴。新津潔の「新」と金子正輝の「輝」の2字をとって命名された。
現新輝は竹内元太

女流タイトル戦[編集]

女流最高位戦
2001年創設、自団体所属女流のリーグ。団体の女流であれば、最高位戦・女流最高位戦、両方のリーグに参加も可能。
昇降級ありのリーグ戦で実施されるが、下位リーグでも優勝すれば挑戦者決定プレーオフに出場できるのが特徴で、入会から1期での女流最高位奪取も可能。
現女流最高位は相川まりえ
女流名人戦
『月刊プロ麻雀』主催の大会として1984年に開始された[3]。2010年(第15期)より最高位戦主催となり[3][4]、大会システムが一新された[3]
プロ・アマ混合のオープンタイトル戦として開催されており、一発・裏ドラありの最高位戦ルールを採用している[5]
現女流名人位は谷崎舞華

その他タイトル戦[編集]

新人王戦
2012年(第37期)より新設。第36期までは、最高位戦B1リーグ首位昇級者へ「新人王」の称号が与えられていたが、新たにタイトル戦として争われる。 出場資格については以下の通り。
  1. 「入会5年目かつ35歳未満」「30歳未満」のいずれかを満たすこと
  2. 上記条件を満たしていても「所定のタイトル戦優勝者」「Aリーグ経験者」のいずれかを満たす場合は、出場できない
現新人王は小川瑠以

その他リーグ戦・イベント[編集]

プロアマリーグ
各本部・支部にて、プロとアマチュアが混在で実施されるリーグ戦。2019年現在、東京・関西・東海・北海道においては、「最高位戦ルール」「Classicルール」の2リーグ。新潟は「最高位戦ルール」の1リーグ。
アマチュアが優勝や上位入賞で、タイトル戦予選免除や、プロアマリーググランドチャンピオン大会・アマ最高位戦などの出場権が得られる。
また、参加プロが上位入賞した場合は、所属組が上昇する可能性があるなど、プロ側にもメリットを設けている。
現アマ最高位は小西隆之(2016年以来2回目)
最高位戦ペアマッチ
自団体のプロに加え、他団体のプロ・業界外の著名人・非プロ業界関係者・アマ強豪などを迎え、2人1組のペアで戦う新年イベント。
ベストドレッサー賞も設けられており、コスプレで参加する参加者が多いのも特徴。
特別昇級リーグ
リーグ総数の増加に伴い、下位リーグ所属者により大きいチャンスを与える目的で2014年(第39期)に創設された。
最高位戦リーグにおける上位昇級や、他タイトル戦の上位入賞などにより参加権利が得られる。
特別昇級リーグの成績により、最高でB1リーグに飛び級することができる。
関西王者決定戦
2017年から始まったタイトル戦で関西本部・東海支部所属の選手に出場権利があり、以下の選抜方法により5名を選抜し、2日間に渡り最高位戦ルールで対局を行い、優勝者は「関西王者」の栄誉を手に入れる。
現関西王者は酒井一興
北海道王者決定戦
2019年から始まったタイトル戦で北海道Aリーグの上位4名に出場権利があり、最高位戦ルールで行う。ディフェンディング制は採用していない。
現北海道王者は鷲見智和(2019年以来2回目)

歴代タイトルホルダー[編集]

年度 最高位戦 Classic 發王戦 新輝戦 女流最高位 女流名人位 新人王[注 2] アマ最高位
最高位 優勝者 發王位 新輝 女流最高位 女流名人位 新人王 アマ最高位
1976 1 灘麻太郎(順位率部門)
川田隆(得点部門)
1977 2 田村光昭
1978 3 小島武夫
1979 4 小島武夫(2)
1980 5 田村光昭(2)
1981 6 狩野洋一
1982 7 大隈秀夫
1983 8 青野滋
1984 9 金子正輝
1985 10 佐藤孝平
1986 11 金子正輝(2)
1987 12 金子正輝(3)
1988 13 西田秀幾
1989 14 飯田正人
1990 15 飯田正人(2) 發王戦
1991 16 飯田正人(3) 發王位
1992 17 飯田正人(4) 1 田中英知(連盟)
1993 18 徳久英人 2 新津潔
1994 19 井出洋介 3 伊東一
1995 20 飯田正人(5) 4 原浩明(麻将)
1996 21 五十嵐毅 5 原浩明(2)(麻将)
1997 22 岩川聖基 6 伊藤優孝(連盟)
1998 23 飯田正人(6) 7 伊藤優孝(2)(連盟) 女流名人位
1999 24 金子正輝(4) 8 土井泰昭(協会) 女流最高位 女流名人位
2000 25 飯田正人(7) 9 佐々木慶太(連盟) 女流最高位 1 杉本勝子
2001 26 古久根英孝 10 吉田幸雄(連盟) 1 渡辺洋香 2 天路圭子 アマ最高位
2002 27 古久根英孝(2) 11 菊池俊幸(101) 2 山口まや 3 梅崎左池子 アマ最高位
2003 28 飯田正人(8) 12 菊池俊幸(2)(101) 3 山口まや(2) 4 加藤木英子 1 寺本喜一
2004 29 尾崎公太 Classic 13 藤中慎一郎(連盟) 4 山口まや(3) 5 清水奈津子 2 加藤將
2005 30 古久根英孝(3) 優勝者 14 瀬戸熊直樹(連盟) 5 根本佳織 6 川原玲子 3 上窪晃
2006 31 張敏賢 01 立川宏 15 竹内孝之(連盟) 6 根本佳織(2) 7 清水奈津子(2) 4 前田東吾
2007 32 張敏賢(2) 02 飯田正人 16 石野豊(協会) 7 根本佳織(3) 8 竹内成子 5 津田一臣
2008 33 飯田正人(9) 03 下出和洋(麻将) 17 水巻渉 8 根本佳織(4) 9 小谷ナナ 6 西村健志
2009 34 飯田正人(10) 04 坂本大志 18 土井泰昭(協会) 9 根本佳織(5) 10 土井裕美子 7 木村誠
2010 35 村上淳 05 村上淳 19 石橋伸洋 10 石井あや 11 近藤加那子 新人王[注 2] 8 木原孝文
2011 36 石橋伸洋 06 宇野公介 20 佐藤聖誠 11 茅森早香 12 奥村知美 新人王 9 石川貞夫
2012 37 近藤誠一 07 松ヶ瀬隆弥(RMU) 21 佐藤聖誠(2) 12 花本まな 13 横井里美 37 坂本宗瞳 10 楢原和人
2013 38 新井啓文 08 木原浩一(協会) 22 水巻渉(2) 13 小池美穂 14 北島朋子 38 友添敏之 11 牧野卓人
2014 39 村上淳(2) 09 村上淳(2) 23 水巻渉(3) 14 大平亜季 15 眞崎雪菜 39 川村俊平 12 兵頭英昭
2015 40 近藤誠一(2) 10 石井一馬 24 中嶋和正 15 大平亜季(2) 16 小池美穂 40 前田和也 13 田澤和也
2016 41 近藤誠一(3) 11 飯沼雅由 25 松本吉弘(協会) 16 大平亜季(3) 17 真希夏生 41 鈴木隆将 14 小西隆之
年度 最高位戦 Classic 發王戦 新輝戦 女流最高位 女流名人位 新人王[注 2] アマ最高位
最高位 優勝者 發王位 新輝 女流最高位 女流名人位 新人王 アマ最高位
2017 42 村上淳(3) 12 堀慎吾(協会) 26 石野豊(2)(元協会) 1 今西祐司 17 西嶋千春 18 相楽美佳 42 平野透 15 一方井潤
2018 43 近藤誠一(4) 13 長谷川来輝 27 中嶋和正(2) 2 村上淳 18 西嶋千春(2) 19 中月裕子(協会) 43 小池諒 16 関谷洋右
2019 44 坂本大志 14 森本俊介 28 白鳥翔(連盟) 3 山田独歩 19 西嶋千春(3) 20 木崎ゆう 44 松井夢実 17 篠原啓太
2020 45 醍醐大 4 村上淳(2) 20 伊藤奏子 21 松山由希 45 岩澤圭佑
2021 46 鈴木優 15 平島晶太 29 仲林圭(協会) 5 中郡慧樹 21 内間祐海 22 小宮悠 46 小田直人
2022 47 竹内元太 16 下出和洋(2)(麻将) 30 仲林圭(2)(協会) 6 粟野大樹 22 西嶋千春(4) 23 中月裕子(2)(協会) 47 村中啓太 18 木造淳
2023 48 竹内元太(2) 17 伊藤高志 31 7 竹内元太 23 相川まりえ 24 48 小川瑠以 19 小西隆之

新型コロナウィルス感染拡大に伴い開催中止

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 神崎はつみ名義で登録していた
  2. ^ a b c 36期(2011年度)以前は最高位戦B1リーグの首位昇級者への称号であったが、37期(2012年度)よりタイトル戦として発足。期数はタイトル戦発足以前を継承。

出典[編集]

  1. ^ a b c 団体概要”. 最高位戦日本プロ麻雀協会. 2022年9月21日閲覧。
  2. ^ 麻雀遊戯王 (12 February 2021). 麻雀プロ団体の歴史を近藤誠一プロに教えてもらった! (YouTube). 竹書房. 2022年9月21日閲覧
  3. ^ a b c 武中真 (2010年3月28日). “第15期女流名人戦観戦記・前編”. 最高位戦日本プロ麻雀協会. 2020年12月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月9日閲覧。
  4. ^ 麻雀ウォッチ編集部 (2011年2月15日). “「第16期女流名人戦」3月13日より開幕!!”. 麻雀ウォッチ (ムー). オリジナルの2020年3月7日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200307155653/https://mj-news.net/news/201102151868 2020年12月9日閲覧。 
  5. ^ 麻雀ウォッチ編集部 (2016年1月28日). “オールカマー女流タイトル戦「第17期女流名人戦 」2月13日より開幕!”. 麻雀ウォッチ (ムー). オリジナルの2020年12月8日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20201208151121/https://mj-news.net/news/2016012833067 2020年12月9日閲覧。 

外部リンク[編集]