横浜ランドマークタワー

横浜ランドマークタワー
プラザ棟(左)とタワー棟(右)
横浜ランドマークタワーの位置(横浜市内)
横浜ランドマークタワー
横浜ランドマークタワー
施設情報
所在地 神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1
座標 北緯35度27分16.53秒 東経139度37分53.30秒 / 北緯35.4545917度 東経139.6314722度 / 35.4545917; 139.6314722座標: 北緯35度27分16.53秒 東経139度37分53.30秒 / 北緯35.4545917度 東経139.6314722度 / 35.4545917; 139.6314722
状態 完成
着工 1990年3月20日 (1990-03-20)
建設期間 3年4か月
竣工 1993年7月14日 (1993-07-14)
開業 1993年7月16日 (30年前) (1993-07-16)
用途 店舗事務所ホテル多目的ホール駐車場
建設費 約2700億円
地上高
最頂部 296.33 m
高さ 296.00 m
最上階 70階(タワー棟)
各種諸元
階数 地上70階・地下3階、塔屋3階(タワー棟)
地上5階・地下4階(プラザ棟)
敷地面積 38,061.51
建築面積 23,208.29
延床面積 392,884.85
※事務所:166,000 m2
*ショッピングモール:74,000 m2
*ホテル:83,000 m2
*駐車場:60,000 m2
*その他:10,000
構造形式 鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造鉄筋コンクリート造
エレベーター数 一般乗用74台
人荷用(非常用)5台
※全て三菱製、プラザ棟は日立
駐車台数 1,400台
関連企業
設計 三菱地所設計
ザ・スタビンス・アソシエイツ
施工 大成建設鹿島建設大林組竹中工務店清水建設戸田建設東急建設間組前田建設工業地崎工業飛島建設青木建設三菱建設フジタ工業熊谷組東亜建設工業山岸建設奈良建設紅梅組若葉建設五洋建設不動建設増岡組安藤建設大豊建設東海興業
デベロッパー 三菱地所
所有者 三菱地所
管理運営 三菱地所プロパティマネジメント
高さに関する記録
1993年から2012年まで日本で最も高い建築物
先代 東京都庁舎
次代 あべのハルカス
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横浜ランドマークタワー(よこはまランドマークタワー)[注 1]は、神奈川県横浜市西区みなとみらいの超高層複合ビル。「横浜みなとみらい21」地区の開発を主導した三菱地所が建築・設計・保有している。

1990年3月20日に着工し、1993年7月16日に開業した。タワー棟は、地上70階建て、高さは296.33m[1][2]で、超高層ビルとしては2023年時点で、東京都に所在する麻布台ヒルズ森JPタワー(325.2m)、大阪府に所在するあべのハルカス(300.0m)に次いで日本で3番目に高い。また、構造物としては東京スカイツリー(634.0m)、東京タワー(332.6m)、麻布台ヒルズ森JPタワー(325.2m)、あべのハルカス(300.0m)、明石海峡大橋(298.3m)に次ぐ日本で6番目の高さである。

概要[編集]

その名の通り、みなとみらい地区ランドマーク・シンボルとなる超高層建築物である。「タワー棟」と低層の「プラザ棟」からなり、タワー棟のオフィス、横浜ロイヤルパークホテル(三菱地所グループ運営のホテル)、スカイガーデン(展望フロア)、プラザ棟のランドマークプラザ(ショッピングモール)、ランドマークホール(多目的ホール)などから構成される。最上階の70階は、ホテルのスカイラウンジと宴会場になっている。

横浜ランドマークタワーはみなとみらい地区の25街区に所在し、横浜市内初の本格的な動く歩道(元々は横浜博覧会の施設)で桜木町駅方面と接続、地下3階[1]・地上70階・塔屋3階[3]のタワー棟と、地下4階・地上5階のプラザ棟からなる。建築面積は23,208m2。延床面積は392,791m2[1]で、東京都豊島区のサンシャインシティ (585,895m2)、愛知県名古屋市中村区のJRセントラルタワーズ (416,565m2) に次ぐ。

特徴的な建物のデザインはアメリカの建築家、ヒュー・スタビンス英語版によるもの。スタビンスによる基本設計に基づき、三菱地所が実施設計を行い[4]、みなとみらい地区における民間第1号プロジェクトとして建設された[5]

当初の計画では、隣接するクイーンズスクエア横浜との間の北側の一角に、丸みを帯びた頭上から見て楕円形のオフィス棟[6]をもう一棟建設(後述の二期棟、横に伸びた窓など外観デザインは一部共通[7][8])する予定であったが、計画は凍結されたままになっている。また、当初は高さ300mのビルとして計画されていたが、建設地が東京国際空港標準出発経路 (SID) と重なり高度制限が発生するため、最終的な高さは296.3mとなり、日本初のスーパートール(高さ300m以上)にはなれなかった経緯がある[9]

69階の展望フロア「スカイガーデン」(地上273m)まで、地上(2階)から最大分速約750m(時速換算で45km/h、上りと下りは同速度)の直通エレベーター(三菱電機製)で結ばれている。なお、このエレベーターは2020年にリニューアルされた。これは、2004年に台北101のエレベーター(最大分速約1,010m〈時速換算で60.6km/h〉)に記録を破られるまでは世界最速で、ギネス世界記録にも掲載されていた[10]。なお、台北101の記録は上りのみであり、下りは現在でも世界最速である[注 2]。また、展望台がさらに高所にある東京スカイツリー・あべのハルカスが開業した現在でも、日本最速のエレベーターである[注 3]。このエレベーターには強風管制運転システムが装備されており、風の強さに応じて通常運行・最高速度の50%に相当する375m/minに減速・半分を停止し残りの半分を375m/minに減速・全面休止の4段階に自動制御される。

この他、ビル全体の制振装置として、上層部にコンピューター制御で揺れを抑える巨大な振り子を備えており[12]、ビル自体も4本を柱とした耐震性の高い構造をとっている。また、災害時などに使用するための緊急用のヘリポートも屋上に備えている[12]

2004年2月には、ランドマークタワーに隣接するクイーンズスクエア横浜の地下に横浜高速鉄道みなとみらい線のみなとみらい駅が開業した。また、2008年には現代美術の国際展「横浜トリエンナーレ2008」の会場に指定され、ランドマークプラザに作品の一部が展示された。

竣工以来20年近く「日本一高いビル」であったが、2012年8月[13]に当時建設中だった「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)が高さ300mに到達したことによって日本一の座を奪われ、2023年6月には東京都港区に建設されていた高さ325.2mの「麻布台ヒルズ森JPタワー」が竣工したことによって東日本で最も高いビルの座も奪われた[注 4]

なお、ランドマークタワーには前述の通り三菱地所による二期棟(当初の案では頭上から見て楕円形のビル[6])の計画もある[14][15][16]が、景気の悪化などを受けて当面凍結(開発時期未定)となっている。この建設予定地はこれまでにバス駐車場やマンションのモデルルームといった用途に利用されたことがあり、今後の開発方針等は不明であるが、2018年2月現在は暫定利用施設としてニコル・グループの自動車ショールーム(ロールス・ロイス・モーター・カーズ横浜[6][17]フェラーリ・ショールーム[18][19][20])が置かれている。

施設[編集]

  • スカイガーデン(展望フロア) - 2階(入口)、5階(出口)、69階 - 273m(タワー棟)
  • 横浜ロイヤルパークホテル - 地下1階(ロビー)、L階(ロビー)、3階(入口)、49-50階、52-68階、70階(タワー棟)、地下1階、L-3階(宴会棟)
    開業当初はニッコーホテルズインターナショナルと提携し「横浜ロイヤルパークホテルニッコー」という名称だったが、提携解消と同時に現在の名称に改称した。
  • オフィスフロア - 1階(ロビー)、3階(ロビー)、8-48階(タワー棟)
  • ショッピングフロア - 1-4階
  • タワーダイニング - 5階(タワー棟)
  • クリニックフロア - 7階(タワー棟)
  • サービス施設・ショールーム - 地下1階、1-35階の一部(タワー棟)
  • ランドマークプラザ - 地下2階-地下1階、1-3階(プラザ棟)
  • ランドマークホール - 5階(プラザ棟)
  • ドックヤードガーデン - 地下2階-地下1階、1階
  • 駐車場 - 地下3階-地下1階
  • 機械室 - 6階、51階

タワー棟エレベーター[編集]

タワー棟(2015年7月)

タワー棟エレベーター数は53台であり、そのうち地下駐車場兼宴会場用バンクだけが日立製であり、そこ以外はすべて三菱製。なお、スカイガーデン直通用および非常用を除き三菱製のエレベーターの機種はホテル部客室直通用バンクも含めすべてアクセルシリーズに統一していたが、2020年のスカイガーデンリニューアルに伴い、エレベーターも順次現行型にリニューアルされている。

  • O-11〜O-14(4基Bバンクエレベーター):B3 - B1, 1, 3, 5, 7 - 10
  • O-15〜O-18(4基Aバンクエレベーター):B1, 1, 3, 5, 9 - 15
  • O-21〜O-22(2基Cバンクエレベーター):B1, 1, 3, 5, 15 - 25
  • O-23〜O-28(6基Cバンクエレベーター):1, 3, 5, 15 - 25
  • O-31〜O-32(2基Eバンクエレベーター):B1, 1, 3, 5, 25 - 36
  • O-33〜O-38(6基Eバンクエレベーター):1, 3, 5, 25 - 36
  • O-41〜O-42(2基Dバンクエレベーター):B1, 1, 3, 5, 36 - 48
  • O-43・O-45〜O-48(5基Dバンクエレベーター):1, 3, 5, 36 - 48
  • O-51 (展望フロアバリアフリールート用) :B2 - 5
  • OE-1・OE-2(北側2基非常用エレベーター):B3 - 70
  • HE-1・H-21・H-22(南側3基非常用エレベーター):B3 - 70 (H-21・H-22はB2 - 2 ,49-50,52-70)
  • H-11〜H-17(7基横浜ロイヤルパークホテルエレベーター):B1, L, 49, 50, 52 - 68, 70(51階は通過、69階は不停止)
  • H-41 (横浜ロイヤルパークホテルバックヤード用) : 69, 70
  • ???(4基横浜ロイヤルパークホテル地下駐車場兼宴会場用エレベーター。ここだけ日立製):B3 - B1, L, 2 - 4 (左側だけ5階に行くが不停止)
  • ???(1基横浜ロイヤルパークホテル地下駐車場用エレベーター):B3 - B1, L, 2 - 3 (4階 - 5階は関係者との関係から不停止)
  • V-11・V-12(2基展望フロア直通用エレベーター):2, 5, 69(スピードメーターモニター搭載、V-13号機はリニューアルに伴い廃止)

テレビ中継局として[編集]

アナログテレビ放送時代(2011年7月24日まで)、タワーの屋上には、NHK関東広域圏民放キー局およびtvkの横浜みなとテレビ中継局があった。

アナログテレビ時代、横浜市内では基本的に、キー局は東京タワーからの、tvkは神奈川県立三ツ池公園からの放送をそれぞれ視聴している世帯が多かった。しかし、ランドマークタワーの建設によって大規模な受信障害が発生することが予想されたことから、その補償措置として、各局と三菱地所が費用を負担する形で設けられた。

通常こうした場合は、三菱地所が免許人となってSHF波を使った再送信が行われるが、影響が広範囲にわたる恐れがあったことから、異例のUHF波による中継局設置となった。

対象地域には横浜市中心街が含まれているが、ランドマークタワー近隣ではアンテナの仰角を大きく取らねばならず、市販品で対応できないため視聴世帯が少ない一方、下末吉台地の影響で東京タワー方向に受信障害を生じている神奈川区の一部地域などでは、UHFアンテナ1本で全局視聴が可能になる[注 5]ことから、ランドマークタワーにアンテナを向ける世帯も多い。

アナログ廃止以降、地上デジタルテレビ放送の中継局については設置不要と判断されたため、アナログ放送停波に伴い廃局となる予定であった[21]。しかし、総務省の現地調査によると、デジタル放送完全移行するまでに、難視対策が間に合わない世帯が、横浜市内で併せて2,000世帯に上ることがわかった。これは全国的に見ても影響するエリアが最大級の規模だという。

このため、急遽デジタル波用の「みなとみらい中継局」を新設することになり、2012年9月1日に開局した[22]。いったん廃局を決めた中継局を復活させる事態は、極めて異例のケースである。

アナログテレビ放送(横浜みなと中継局)[編集]

放送局名 チャンネル 空中線電力 ERP 放送対象地域 放送区域内世帯数
tvkテレビ神奈川 48ch[23] 映像30W[23]
/音声7.5W
映像220W
/音声56W
[要出典]
神奈川県 不明
NHK東京教育 50ch[23] 関東広域圏
NHK東京総合 52ch[23] 関東広域圏
NTV日本テレビ 54ch[23] 映像210W
/音声52W
[要出典]
TBSテレビ 56ch
CXフジテレビ 58ch[23]
EXテレビ朝日 60ch[23]
TXテレビ東京 62ch[23]
  • 2011年7月24日にすべて廃止。

デジタルテレビ放送(みなとみらい中継局)[編集]

リモコンキーID 放送局 物理チャンネル 空中線電力 ERP 放送対象地域 放送区域内世帯数 偏波面 開局日
1 NHK東京総合 51ch 3W 27W 関東広域圏
(茨城県、栃木県及び群馬県を含まない)[24]
101万9,610世帯 送信所の北西方向
水平偏波

送信所の南西方向
垂直偏波
2012年9月1日
2 NHK東京教育 47ch 関東広域圏
3 tvkテレビ神奈川 49ch 神奈川県
4 NTV日本テレビ 52ch 関東広域圏
5 EXテレビ朝日 46ch
6 TBSテレビ 45ch
7 TXテレビ東京 50ch
8 CXフジテレビ 48ch

歴史[編集]

  • 2012年6月29日 - 予備免許交付
  • 2012年7月4日 - 試験放送開始
  • 2012年8月24日 - 本免許交付
  • 2012年9月1日 - 本放送開始

外部リンク[編集]

放送エリア[編集]

  • 【神奈川県】横浜市鶴見区、中区、磯子区、金沢区、港北区、戸塚区、港南区、旭区、緑区、栄区、泉区、青葉区、都筑区および川崎市宮前区の各一部・横浜市神奈川区、西区、南区および保土ヶ谷区の全域
  • みなとみらいデジタル中継局放送エリア (PDF) - 総務省関東総合通信局

オフィス[編集]

オフィスの入居率は90%を超える。

ビル固有の郵便番号220-81xx(xxは階層で、地下・階層不明の場合は220-8190)。

スカイガーデン[編集]

スカイガーデン
スカイガーデンからの夜景

69階の展望フロア「スカイガーデン」は地上からの高さが273mで、360度の眺望が堪能できる展望施設である。横浜港東京湾をはじめ、東京都心部や房総半島三浦半島伊豆半島富士山秩父山地など、関東平野一円を望むことができる[25]。ビルの展望台としては日本で2番目の高所にある。なお、ビルの最上階(70階)はホテルのスカイラウンジおよび宴会場となっており、こちらの高さは地上277mである。

定期的なイベントとして、毎年秋にプリキュアシリーズのイベントが開催されることがある[26][27][28]

日本の他の建築物における展望台の高さは以下の通り。

ランドマークプラザ[編集]

ランドマークプラザ
Landmark Plaza
ランドマークプラザのガーデンスクエア (2008年)
店舗概要
所在地 神奈川県横浜市西区みなとみらい2-2-1
座標 北緯35度27分18秒 東経139度37分52.1秒 / 北緯35.45500度 東経139.631139度 / 35.45500; 139.631139
開業日 1993年7月16日
施設管理者 三菱地所プロパティマネジメント
延床面積 74,000 m²
商業施設面積 26,000 m²
店舗数 159店
駐車台数 1,400台
最寄駅 横浜高速鉄道みなとみらい線みなとみらい駅
最寄IC 首都高速神奈川1号横羽線みなとみらい出入口
外部リンク 横浜ランドマークタワー
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ランドマークプラザのエスカレーター

ランドマークプラザは、プラザ棟の中に開設されたショッピングモール。5層にわたる吹き抜けがあるガーデンスクエアが大きな特徴である。タワー棟とは4Fを除く各フロアで接続されている。また、モール内を東西に貫くメイン通路 (1-3F) はみなとみらい地区の歩行者動線クイーン軸」の一部となっている[29]。この軸を介してクイーンズスクエア横浜の低層部を貫くクイーンモールパシフィコ横浜方面とも接続している。

ファッション、インテリア、ホビー、レストラン、郵便局・銀行ATMなど様々なテナントが入居している。主なテナントは本項末尾の通り。みなとみらい地区では初期に開業し、高級店が多く入居した。その後の地区開発によって多くのショッピングモールが開業していったが、現在でも周辺より比較的ブランド力の高い店舗が多い。

なお、タワー棟のエレベーターは三菱製だが、プラザ棟のエレベーター・エスカレーターの一部は日立製である。またプラザ棟のみなとみらい大通りエントランス側には、世界でも希少な螺旋状のスパイラルエスカレーター(三菱製)が設置されている[30]

イベント[編集]

定期的なイベントとしては、1Fガーデンスクエアではピアノ演奏のほか、近年では毎年秋にプリキュアシリーズのスカイガーデンで開催される催事と同時にテレビシリーズのステージイベントが開催されることがある[31][32]。またクリスマスシーズンには、スワロフスキー製のクリスタルツリーが飾られ、疑似的な降雪を発生させるイベントもある。5Fランドマークホールで行われていた映画上映会「ランドマークシネマコレクション」は2011年3月末に終了した[33]

サービス[編集]

  • 駐車場
駐車場はタワー・ロイヤルパークホテル共通で、約1,400台収容可能。
  • みなとみらいポイントカード・三菱地所グループCARD

主なテナント[編集]

1F[編集]

2F[編集]

3F[編集]

4F[編集]

5F[編集]

なお、横浜能楽堂が大規模改修工事により休館(2024年1月から2026年6月[35])となり、工事期間中にあたる2024年4月中旬から2026年3月にかけてランドマークプラザ5階に狂言の普及を図る施設「OTABISHO(おたびしょ)横浜能楽堂」を開設する予定である[36]

B1F・B2F[編集]

ドックヤードガーデン[編集]

ドックヤードを再活用している(上奥に見えるのはランドマークタワー)

みなとみらい地区の敷地はかつて三菱重工業横浜造船所の移転跡地を埋め立てにより拡張したものであり、横浜ランドマークタワーは造船所のドック跡地に建設された。

現在、イベントスペースやオープンテラスとして利用されているドックヤードガーデンは、日本に現存する最古の石造りドックヤードであった旧・横浜船渠(後の三菱重工業横浜造船所)第2号ドックを復元・保存したものである。設計者は大日本帝国海軍技師の恒川柳作である。このドックは1896年に竣工し、1973年に使用を中止するまで70数年間、港湾施設として重要な役割を果たしてきた。

横浜市は早い段階から第2号ドックの保存活用を計画し、建築史家・村松貞次郎(当時東京大学教授)ら専門家の意見を基に保存計画が立てられた。みなとみらいの土地造成に伴い海岸線がドックから離れたが、工事中の1989年4月には横浜市認定歴史的建造物に認定され、復元作業が全面的に行われ、1993年の横浜ランドマークタワーの開業とともに、ドックヤードガーデンとしてオープンした。

ドックの内部はレストラン街となっている。1997年12月には国から重要文化財の指定を受けた。重要文化財指定名称は「旧横浜船渠株式会社第二号船渠」である[37]。さらに2007年11月には経済産業省による近代化産業遺産に認定されている。敷地の都合から長さが10m短縮されて復元されており[38]、全長約107m、全幅(上端)約29m、深さ約10m[39]である。

2013年7月より開業20周年を記念して、180度体感型のプロジェクションマッピングによる演出イベントが開催されている[40]

なお、横浜船渠の第1号ドックは1985年以来、「日本丸メモリアルパーク」として保存活用されており、2000年12月に「旧横浜船渠株式会社第一号船渠」の名称で国の重要文化財に指定されている[41]

ランドマークタワーが登場する作品[編集]

  • ゴジラvsモスラ
    ゴジラと戦うバトラの攻撃により、建設途中だったタワーの上半分がへし折られる。この作品は1992年の公開であったため、タワーが開業前に破壊されてしまったことになる。東宝プロデューサーの田中友幸が三菱地所と懇意にしていたことから登場が実現し、公開後も開業の宣伝になったと好感触であったという[42]
  • ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃
    モスラを狙うゴジラの熱線により、防衛陸軍部隊が展開していた展望台を吹き飛ばされる。
  • ヨコハマ買い出し紀行
    少し未来の横浜で海面上昇により、基底部は海中に没している。一応船で渡って登ることができるが、エレベーターはとうの昔に利用できなくなっており、69階の展望室までは歩いて登らなければならない。作中では横浜の海の名所として、遠景のみ物語の背景として何度か登場している。
  • 百鬼夜翔
    タワーが敵ネットワーク「ナイト・フォッグ」との最終決戦の舞台となる。
  • ロング・ラブレター〜漂流教室〜
    タイムスリップしてしまった未来でユーラシア大陸の砂漠化が進行し、日本全土もその影響を受けている。その砂漠化によりタワーはボロボロになっている。
  • 怪盗セイント・テール
    第3話でセイントテールを追って飛鳥ジュニアが宝石泥棒に人質にされたり、セイントテールがルビィをペットにした場所でもある。
  • 緋弾のアリア
    原作第3巻・アニメ第12話でのキンジ・アリア・理子とブラドの戦闘において、ランドマークタワーの屋上が使用された。
  • こちら葛飾区亀有公園前派出所
    秋本・カトリーヌ・麗子の父が経営する会社の系列のビルとして描かれている。
  • オレンジ屋根の小さな家』、『妹-あかね-
    横浜の風景として何度か描かれている。
  • 名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌
    怪盗キッドの逃走経路として使用されている。また、EDの映像にも、横浜の景色で実際のものが登場する。
  • 桃太郎電鉄シリーズ
    横浜の物件として「ランドセルタワー」のモデルとなっている。
  • 映画 プリキュアオールスターズDX みんなともだちっ☆奇跡の全員大集合!
    2009年の横浜開港150周年記念と同作品がタイアップ、映画の舞台として横浜みなとみらい21を舞台にしている。エンディングにも横浜の名所である横浜中華街よこはまコスモワールド横浜赤レンガ倉庫が描かれている。
  • 『地球防衛軍、地球防衛軍2』
    地球防衛軍、地球防衛軍2に横浜ランドマークタワーに似た建物が登場している。
  • 『劇場版TOKYO MER〜走る緊急救命室〜
    2021年放送のTBSドラマの映画版。ランドマークタワーで前代未聞の大規模火災が発生。横浜市からの要請を受け出動したTOKYO MERの前に現れたのは横浜に創設された救命チームYOKOHAMA MERだった。2つのチームは地上70階に取り残された193人の命を救う為に大規模な救出作戦を展開する。ドックヤードガーデンや日本丸メモリアルパークを使用し横浜市消防局も撮影に協力。
  • 重甲ビーファイター
    オープニングで横浜みなとみらい21地区およびランドマークタワー屋上の空撮映像が使用されている。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ランドマークとは地理学上の特徴物や目印という意味の一般名詞。転じてシンボルやモニュメントの意味にも用いられる。
  2. ^ ランドマークタワーのエレベーターは三菱電機製であるのに対し、台北101のエレベーターは東芝エレベータ製である。また、2016年には上海中心のエレベーターが最大分速約1,230m(時速換算で73.8km/h)で上りの世界最速記録を更新しているが、こちらもランドマークタワーと同じく三菱電機製である[11]。このことから日本製のエレベーターは、世界最速の座を長年維持している。
  3. ^ 東京スカイツリーのエレベーターは最大分速約600m(時速換算で36km/h、地上と第1展望台を結ぶエレベーターの場合)である。
  4. ^ 現在でも神奈川県内で最も高いビルには変わりがない。
  5. ^ tvkでも同様のキャンペーンを行った。

出典[編集]

  1. ^ a b c CTBUH - Landmark Tower, ランドマークタワー
  2. ^ Emporis - Yokohama Landmark Tower, 横浜ランドマークタワー
  3. ^ 横浜ランドマークタワー 建築概要(公式サイト内)
  4. ^ 横浜ランドマークタワーについて(公式サイト内)”. 2018年3月10日閲覧。
  5. ^ a b ~みなとみらい21地区 民間第1号プロジェクト~ 「横浜ランドマークタワー」開業 25 周年 (PDF) (三菱地所株式会社 2018年7月12日)
  6. ^ a b c ランドマークタワーの二期棟計画(当面延期?)キャッシュ(みなとみらい線周辺散歩日記 2006年3月26日)/ランドマークタワーの二期棟キャッシュ(同ブログ記事 同年7月31日)/高級車ショールーム ランドマークタワー二期棟予定地キャッシュ(同ブログ記事 2009年12月11日)
  7. ^ パンフレット『LANDMARK TOWER』(1993年発行) / 『ウォーターフロント・シティ横浜:みなとみらいの誕生』(横浜都市発展記念館 編集、公益財団法人横浜市ふるさと歴史財団 2017年10月7日発行) p.60
  8. ^ 山崎真司、「横浜ランドマークタワーの構造設計」『溶接学会誌』 1992年 61巻 2号 p.107-112, doi:10.2207/qjjws1943.61.2_107
  9. ^ 東京空港事務所からのお知らせ(現在の東京国際空港の制限表面
  10. ^ 大成建設「超高層ビル」研究プロジェクトチーム『超高層ビルの"なぜ"を科学する』(初版)アーク出版、2009年、14頁。ISBN 978-4-86059-076-5http://www.ark-gr.co.jp/shuppan/contents/book_sale/4860590767/ 
  11. ^ 三菱電機のエレベーター「世界最速・最長」に ギネス認定(日本経済新聞 2016年12月9日)
  12. ^ a b 超高層ビル「ランドマークタワー」の屋上はどうなってる!?(はまれぽ.com 2012年10月3日)
  13. ^ 大阪「あべのハルカス」高さ日本一のビルに 300メートル到達 - 日本経済新聞 2012年8月30日
  14. ^ 「(仮称)MM21地区47街区開発計画」着手 -みなとみらい21地区にコーエーテクモゲームスが本社を移転- (PDF) (三菱地所株式会社 2016年10月27日)
  15. ^ みなとみらい21地区47街区 コーエーテクモゲームス新本社を含む複合施設着工 (PDF) (三菱地所株式会社 2017年12月1日)
  16. ^ スーパーオートバックスみなとみらい店の跡地はどうなる?(はまれぽ.com 2016年11月29日)
  17. ^ ロールス・ロイス・モーター・カーズ横浜(公式ページ)
  18. ^ Nicole Competizione フェラーリ 横浜 ショールーム(公式ページ)
  19. ^ フェラーリ、ニコルと正規ディーラー契約を締結 2014年春に横浜みなとみらいにフェラーリ・ショールームをオープン(Car Watch 2013年10月3日)
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  41. ^ 旧横浜船渠株式会社第一号船渠 (ドック) - 文化遺産オンライン文化庁
  42. ^ 「第7章 平成ゴジラシリーズを作った男たち 富山省吾」『平成ゴジラ クロニクル』川北紘一 特別監修、キネマ旬報社、2009年11月30日、224頁。ISBN 978-4-87376-319-4 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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