摩天楼のクローズドサークル

摩天楼のクローズドサークル
What's in the Dark?
著者 エラリー・クイーン
発行日 アメリカ合衆国の旗1968年
日本の旗2015年
発行元 アメリカ合衆国の旗library
日本の旗原書房
ジャンル 推理小説
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
ウィキポータル 文学
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摩天楼のクローズドサークル[1]』(まてんろうのクローズドサークル、What's in the Dark?[2] )は、1968年に刊行されたエラリー・クイーン推理小説

クイーン名義だが、実際にはミステリ作家のリチャード・デミングが執筆した作品である。片目で左目に眼帯をしたコリガン警部が探偵役を務めるシリーズ第6作。

あらすじ[編集]

ニューヨーク一帯で大規模な停電が起こる。非番のコリガン警部と相棒のベア探偵はバーで飲んでいたが、高層ビルの21階で会計士の自殺死体が発見された事件に駆り出される。ところが、現場の死体のそばに落ちていた銃には発砲後、安全装置がかかっていた。21階には会計事務所を含め3つのテナントがあり、そこで勤務する人々の大半が知り合いだった。

主な登場人物[編集]

  • カールトン・バーンズ - 会計士。バーンズ会計事務所の経営者。高層ビルの21階に事務所がある。事件通報前に帰宅していた。
  • ブライアン・フランク - バーンズ会計事務所の会計士。事務所内で、自殺したと思われる状況で発見される。女性関係にだらしないとの風評あり。
  • ギル・ストーナー - 同じく会計士。既婚者だが、妻がブライアンと浮気をしているらしい。事件通報前に帰宅していた。
  • シビル・グレイヴズ - 会計事務所に勤める事務員の女性。
  • エベレット・グリズウォルド - グリズウォルド宝石店の店長。会計事務所と同じ21階に店を持つ。防犯の為に拳銃を所持し届けも出している。
  • ハワード・クラフト - エベレットの甥。宝石商を継ぐべく、叔父の店で働いている。
  • ラバーン・トマス - 宝石店の店員兼秘書。仕事一筋の年配女性。
  • ミルトン・アダムズ - アダムズ広告代理店の社長。会計事務所や宝石店と同じ21階に会社がある。事件のときは現場に不在だった。
  • エヴァ・ベンソン - 広告代理店の受付係の女性。会計事務所や宝石店の従業員とは顔見知り。
  • サリー・ピーターソン - 広告代理店の美術担当の女性。自信家で横柄な態度だが、それは本性でなく演技だと主張する。
  • ワンダ・ヒッチー - 広告代理店の文書担当の女性。
  • ジェフリー・リング - 広告代理店のコピーライター。シビルからはジェフと呼ばれるくらい親しい。
  • トニー・ターンボルト - 同じくコピーライター。素人探偵気取りのお調子者。
  • ティム・コリガン - 主人公の探偵役。ニューヨーク警察の警部。左目に眼帯をしている。
  • チャック・ベア - ニューヨークの私立探偵。コリガン警部の相棒。コリガンとは同じ戦争に従軍して以来の友人。

提示される謎[編集]

  • クローズド・サークル(停電下の高層ビルのワンフロア)
  • 凶器の銃には、なぜ安全装置がかかっていたのか。

内容[編集]

エラリー・クイーンのペーパーバック描き下ろし[3]作品の一つ。著者のリチャード・デミングはミステリ作家として知られるほか、『チャーリーズ・エンジェル』『刑事スタスキー&ハッチ』のノヴェライズが日本語訳で発行されている[4]。 デミングはlibrary社のコリガン警部もの以外にも、他社でエラリー・クイーン名義の長編を出している。

脚注[編集]

  1. ^ 早川書房では『夜の帳(とばり)が下りる時』の日本語訳である。
  2. ^ 英国版の題名はWhen Fell the Night?
  3. ^ クイーンの『ローマ帽子の謎』に始まる作品群はハードカバーで発売
  4. ^ 「摩天楼のクローズドサークル」解説(原書房)