所さんのまもるもせめるも

所さんのまもるもせめるも
ジャンル 横スクロールアクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
開発元 イスコ
ハル研究所
発売元 エピックソニー
プロデューサー 所ジョージ
北島肇
ディレクター 長崎行男
デザイナー 島武実
プログラマー ハル研究所
音楽 澤和雄
美術 所ジョージ
人数 1人
メディア 512キロビットロムカセット[1]
発売日 日本 198706271987年6月27日
その他 型式:ESF-TO/49-6R-1
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所さんのまもるもせめるも』(ところさんのまもるもせめるも)は、1987年6月27日に、エピックソニーレコードから発売されたアクションゲーム所ジョージ全面監修によるタレントゲーム[2]

概要[編集]

時間制限制の横スクロールアクションゲーム所ジョージを操り、千代田区東京都)から所沢市埼玉県)の所御殿(自宅)を目指す。ループで同じ面を進まなければならない。攻撃方法の1つである水鉄砲はゲージが少なくなると飛距離が縮む。ライフ制で、敵に当たるごとにライフが減り、すべてなくなるとミスとなる。

ゲーム内容[編集]

システム[編集]

マップは東京23区のうち12区(千代田区新宿区渋谷区文京区港区品川区目黒区世田谷区豊島区中野区杉並区練馬区)と市部(保谷市田無市(保谷市と田無市は現在の西東京市)、東久留米市東村山市所沢市、所家)で構成される。各区および市ごとに1ステージとなっており、各ステージ開始前には全体のマップ中、現在いるステージの場所が青い矢印で表示される。クリアしたステージには赤字で「所」のマークがつく。

区部では各ステージの一番右まで行き、建物の中に入るとボスが待っている。ボスを倒すとゴールの扉に入ることができる(一部のステージのみボスを倒さなくとも奥に進める)。扉は練馬区を除いて複数存在し、各扉ごとにワープできるステージが2つずつ決まっている。ただ、2つのうちどちらに行けるかはランダムで決まり、場合によってはすでにクリアしたステージにもう一度挑まなければならないときもある。練馬区には1つしか扉がなく、入れば自動的に市部(保谷市)へ行くことができる。すべての区をクリアする必要はなく、最終的に練馬区をクリアすれば再び区部に戻ることはない。

市部では区部のようなループはなく、所家まで一本道となる。各ステージの一番右でボスを倒し、最後の建物の屋根からジャンプすると自動的に次のステージに行くことができる(所沢は「所家」の扉を開けると無条件でクリア)。所家は屋内のステージで、1階から3階まである。3階の一番奥でラスボスを倒すとゲームクリアとなり、エンディングが見られる。

なお、区部と市部ではグラフィック、敵の種類が大きく異なり、市部に入ると突然農村のような田舎の風景になる。BGMも区部、市部、所家でそれぞれ異なる。

アクション[編集]

基本的には敵を水鉄砲で倒したり避けたりしながら、ステージの一番右まで到達することが目的となる。水鉄砲は撃つごとに「WATER」ゲージが減り飛距離が短くなるが、ゼロになっても撃つことはできる。区部ではステージによって高速道路や地下面が存在し、地上では手に入らないアイテムが手に入る場合もある。高速道路が存在するステージでは、ある特定の木に水鉄砲の水をかけて伸ばし、その上からジャンプすると行くことができる。一度でも敵に当たると地上に戻る(ライフは減らない)。地下面は特定のマンホールから落ちると行くことができる。

アイテム[編集]

画面の特定の部分を水鉄砲で撃つとアイテムが出ることがある。以下の8種類のアイテムが存在する。

  • 白ビン - 「WATER」ゲージを4目盛り回復させる。
  • 黄ビン - 一定時間無敵になる(BGMは変化しないが、無敵の間は所さんの体が黄色く点滅する)。
  • 赤ビン - 通常の2倍の攻撃力を持った弾を撃つことができるようになる。
  • 白ハート - 「LIFE」ゲージを2目盛り回復させる。
  • 赤ハート - 「LIFE」ゲージを1目盛り回復させる。
  • 星 - 「LIFE」および「WATER」を満タンにする。
  • 時計 - 時間を一定量戻す。
  • ESマーク - コンティニューが無限回できるようになる。

ミスの条件[編集]

以下の場合はミスとなる。残機はなく一度ミスすると即ゲームオーバーとなるが、初期状態では3回までコンティニューできる。ESマーク(前述)を取った場合は何度でもコンティニュー可能。市部(保谷市から所家)でミスし、コンティニューすると保谷市(市部の最初)からの再開となる。

  • 「LIFE」ゲージがゼロになったとき[2]
  • 時間切れになったとき[2](画面上部の太陽と雲が時間とともに徐々に近づいていき、重なると時間切れ)。
  • 穴、海に落ちたとき[2](一部のマンホールは除く)。

これらのミスは簡単に起こるので一部ではクソゲーという評価もある[2]

ゲームオーバーの画面では、欧陽菲菲の『ラヴ・イズ・オーヴァー』の歌詞のパロディが表示され、BGMもその歌詞があてはめられるものとなっている。

設定[編集]

ストーリー[編集]

ウサギ年の1987年、「マイルストーン」でブラブラしていた所さんは、所沢に残してきた長女「さやか」の「助けて、ママがロボットになっちゃったの」というテレパシーを感じる。急いで「マイルストーン」を出ると、見慣れた街は「ファミコン」の景色となり、日頃仲のいいスタッフは「レプリカント」に姿を変えて、所さんに歯向かってきた。スタッフを「レプリカント」に変えたのは誰か、長女「さやか」は無事なのか。暴力がダメな人である所さんは、穏便に済ませるために、「レプリカント」の陰湿な強さをくぐり抜けて、都心から郊外を経由して所沢へと急いだのであった[3]

ステージ構成[編集]

千代田
文京
新宿
豊島
中野
渋谷
品川
練馬
杉並
世田谷
目黒
保谷
田無
東久留米
東村山
所沢
所御殿

スタッフ[編集]

  • トータルプロデューサー:所ジョージ
  • キャラクターデザイン:所ジョージ
  • エグゼクティブ・プロデューサー:丸山茂雄
  • プロデューサー:北島肇
  • ディレクター:長崎行男
  • トータルプランナー:島武実
  • アシスタントプランナー:山元哲治
  • プログラム:ハル研究所
  • 音楽:澤和雄

評価[編集]

評価
レビュー結果
媒体結果
ファミ通24/40点[4]
ファミリーコンピュータMagazine16.31/30点[1]

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、4・6・7・7の合計24点(満40点)[4]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り16.31点(満30点)となっている[1]。また、同雑誌1991年5月10日号特別付録の「ファミコンロムカセット オールカタログ」では、「ピリピリくるゲーム」と紹介されている[1]

項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.15 2.70 2.71 2.61 2.45 2.69 16.31

関連書籍[編集]

  • 所さんのまもるもせめるも必勝攻略法 双葉社刊 1987年6月
  • 所さんのまもるもせめるも アクアク大冒険 双葉社刊 1987年7月 - 「ファミコン冒険ゲームブック」の一作で、所自身が原作を担当。タイトルこそ同じだがゲームとは無関係のストーリーになっている。

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 「5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、80頁。 
  2. ^ a b c d e M.B.MOOK『懐かしファミコンパーフェクトガイド』20ページ
  3. ^ 取扱説明書より
  4. ^ a b ファミコン通信』第12巻、アスキー、1987年6月12日。 

外部リンク[編集]