懸田克躬

懸田 克躬かけた かつみ
1954年
生誕 懸田 克躬かけた かつみ
(1906-01-30) 1906年1月30日
日本の旗 日本宮城県
死没 (1996-03-01) 1996年3月1日(90歳没)
日本の旗 日本
居住 日本の旗 日本
国籍 日本の旗 日本
研究分野 精神医学
精神分析学
精神病理学
脳波学
研究機関 東北帝国大学医学部
東京大学医学部
順天堂大学医学部
出身校 東北帝国大学医学部医学科
医学博士東北帝国大学1937年
影響を
受けた人物
丸井清泰
プロジェクト:人物伝
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懸田 克躬(かけた かつみ、1906年1月30日 - 1996年3月1日)は、日本医学者精神科医。専門は、精神分析学脳波学学校法人順天堂第七代堂主、第四代理事長順天堂大学名誉教授。学位は、医学博士[1][2]

経歴[編集]

  • 1906年1月30日 - 宮城県に生まれる
  • 1931年3月 - 東北帝国大学医学部卒業
  • 1937年 - 医学博士東北帝国大学)の学位を取得[2]。東京帝国大学医学部精神神経科入局
  • 1948年4月1日 - 東京大学医学部脳研究室講師
  • 1950年4月21日 - 順天堂医学専門学校教授
  • 1950年9月4日 - 順天堂医科大学教授(順天堂医学専門学校精神医学教室初代主任教授)
  • 1960年10月19日 - 学校法人順天堂大学理事(-1984年3月31日)
  • 1961年7月21日 - 順天堂大学医学部長(-1972年3月31日)
  • 1965年11月30日 - 日本学術会議会員(2期)
  • 1968年5月18日 - 全国医学部長病院長会議会長就任
  • 1971年3月31日 - 理事会で定年を1年延長
  • 1972年3月31日 - 順天堂大学医学部教授を定年退職
  • 1972年4月1日 - 順天堂大学学長(-1980年3月31日)
  • 1979年4月13日 - 医学教育振興財団初代理事長
  • 1984年4月1日 - 学校法人順天堂顧問(-1987年12月23日)
  • 1987年12月24日 - 学校法人順天堂理事
  • 1988年2月1日 - 学校法人順天堂理事長(-1992年3月31日)
  • 1990年7月1日 - 順天堂史編纂委員会委員長
  • 1992年4月1日 - 学校法人順天堂顧問
  • 1996年3月1日 - 逝去[1][3]

人物[編集]

日本における精神分析学・臨床脳波学の基礎を築いた人物である。フロイト精神分析を研究した。また、エリッヒ・フロム『愛するということ』の翻訳はロングセラーになった。学校法人順天堂において、初の創立者一族以外から理事長に就任した。

著書[編集]

  • 『模範看護学』 南山堂書店、1937
  • 『感覚の世界』 創元社、1943
  • 『現代の精神分析』誠文堂、1954
  • 『現代人の精神医学教室』 日本評論新社、1956
  • 『新しい頭脳の衛生 心の病をなおすには』 実業之日本社、1956
  • 『眠りと夢』 岩波新書、1957
  • 『マネージャー病』 東洋経済新報社、1958
  • 『病的性格 10の類型とその行動』 中公新書、1965
  • 『愛について 愛の生態学』 中公新書、1968
  • 『ユングとフロム』中央公論社、1974

編著・共著[編集]

  • 『医学概論』 佐々貫之共編、南山堂、1951
  • 『新英和医学辞典』 内薗耕二・渡辺良孝共著、医学書院、1957
  • 『臨床心理学』 西谷三四郎共著、誠信書房、1958
  • 『現代人の精神医学』 河出書房新社、1964
  • 『社会精神医学』 加藤正明共編、医学書院、1970
  • 『現代精神医学大系24 司法精神医学』 武村信義・中田修共編、中山書店、1976
  • 『現代精神医学大系 第1巻 C 精神医学総論 3』 中山書店、1978

翻訳[編集]

  • 『脳髄の構造と機能』 シヤラー、創元社、1941
  • 『新しき医学への道』 ビンガー、創元社、1950
  • 『理性なき現代 社會生活における非合理的な力の研究』 フランツ・アレクサンダー、井村恒郎・佐々木斐夫共訳、みすず書房、1950
  • 『取扱いにくい子供の医学 親と教師と医者のために』 ウイリアム・ムーデイ、三一書房、1951
  • 『児童習癖相談室』 D.A.ソム、原弘毅共訳、国土社、1951
  • 『感覚の世界』 ブッデンブロック、創元社、1952
  • 『少年不良化の精神分析』 K.フリードランダー、みすず書房、1953
  • 『フロイド選集 第5巻 性慾論』 日本教文社、1953
  • 『幼児のしつけ方』 スーザン・アイザックス、要書房、1954
  • 『精神病質人格』 クルト・シュナイダー、鰭崎轍共訳、みすず書房、1954
  • 『宗教精神病理学入門』 クルト・シュナイデル、保谷真純共訳、みすず書房、1954
  • 『脳髄の構造と機能』 シャラー、東京創元社、1955
  • 『フロイド選集 第9巻 ヒステリー研究』 吉田正己共訳、日本教文社、1955
  • 『精神分析の発達』 クララ・ソンプソン、角川新書、1957
  • 『愛するということ』 エーリッヒ・フロム、紀伊国屋書店、1959
  • 『生きている脳』 W.G.ウォルター、内薗耕二共訳、岩波書店、1959
  • 『フロイド選集 第17巻 自らを語る』 日本教文社、1959
  • 『若い女性の心理 第1-3』 ヘレーネ・ドイッチュ、塙英夫共訳、日本教文社、1964
  • 『母親の心理 第1-3』 ヘレーネ・ドイッチュ、原百代共訳、日本教文社、1964
  • 世界の名著 フロイト 精神分析学入門』中央公論社、1966(責任編集)

論文[編集]

  • 「日本語構音に関する研究」『口腔病誌』(1937)
  • 「フロイトとその後の精神分析」『科学』第19巻 (1949)
  • 「精神医学の新しい流れ」『児童心理と精神衛生』第1巻3号 (1950)
  • 「意識障碍と脳波」『脳研究』第4巻 (1950)
  • 「児童理解と精神分析」『児童心理』第5巻5号 (1951)
  • 「精神分析学の系譜」『思想』第342号 (1952年12月)
  • 「精神分析派」「フロイト」『心理学講座 1. 現代心理学』中山書店 (1953)
  • 「フロイト」『異常心理学講座第4部異常心理学の代表者たち (第4分冊)』みすず書房 (1954)
  • 「精神心理学の問題」『現代心理学 6. 精神の生理学』河出書房 (1955)
  • 「フロイト学説とその歴史的背景」『思想』第388号 (1956)
  • 菅又淳と共著「性格異常」『異常心理学講座第1部異常心理学 D. 性及び性格 (第一分冊)』みすず書房 (1956)
  • 「社会精神医学」『異常心理学講座第1部 E. 社会病理学1 (第一分冊)』みすず書房 (1958)

脚注[編集]

  1. ^ a b 『精神分析学入門 I』中央公論新社、2001年6月。ISBN 9784121600080 
  2. ^ a b 懸田克躬. “日本語音の構音に関する研究”. 国立国会図書館. 2014年1月26日閲覧。
  3. ^ 順天堂 - 歴代の堂主紹介”. 学校法人順天堂. 2014年1月26日閲覧。

参考文献[編集]

関連人物[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]