山谷初男

やまや はつお
山谷 初男
本名 山谷 八男
別名義 山谷 初夫
生年月日 (1933-12-19) 1933年12月19日
没年月日 (2019-10-31) 2019年10月31日(85歳没)
出生地 日本の旗 日本 秋田県仙北郡角館町(現仙北市
死没地 日本の旗 日本 秋田県秋田市
職業 俳優
ジャンル テレビドラマ映画舞台
活動期間 1953年 - 2019年
事務所 舞プロモーション
主な作品
テレビドラマ
国盗り物語
ジャングル』シリーズ
映画
キッズ・リターン
テンプレートを表示

山谷 初男(やまや はつお、1933年12月19日[1] - 2019年10月31日)は、日本俳優。本名:山谷 八男[2]。旧芸名は山谷 初夫。舞プロモーションに所属[2]秋田県[2][1]仙北郡角館町(現仙北市)出身。秋田県立角館北高等学校(現:秋田県立角館高等学校)卒業[2]。役者仲間からは「はっぽん」の愛称で親しまれた。

人物・来歴[編集]

八か月の早産で産まれたことから、八男と名付けられたが、生死が危ぶまれていた中、奇跡的に生き続けたことから、もう一つの名前として「初男」を与えられている。その「はつお」から「ハツ坊」「ハッポ」というあだ名がつけられた[3]

高校卒業後に画家を目指して上京。当初は中野の通信学校に入っていたが、昼は代々木の予備校、夜は阿佐ヶ谷の絵の学校にも通う。翌年、東京芸大の洋画科を受験しているが、実技で持参する絵のサイズが小さすぎたことから、この年はあきらめ、二浪していたある日、阿木翁助作の「わが大学にある日々は」という劇団東芸の芝居を観たことにより芝居への情熱が芽生え、パンフレットにあった「研究生募集」にひかれ、そのまま受験して劇団東芸に入団する[3]

1953年、劇団東芸での『ホタルの歌』の三吉役で初舞台を踏む。

有名劇団に入りたいとも思って、俳優座を受けるも不合格で、後に自由劇場、炎座、俳優小劇場の第一回研究生にもなっている(同期に山口崇がいる)[3]

1964年に『ケチまるだし』の森本健二役で映画デビュー。

若い頃は寺山修司主宰の天井桟敷に参加。時代劇での凄みのある悪役をこなす一方、素朴な役柄もこなしていた。日活ロマンポルノにも多数出演していた。

1966年の映画「胎児が密猟する時」、1967年「性の放浪」で、映画評論の新人賞を獲得すると、特異な俳優として注目され始める[3]

この頃結婚するも、滅多に家に帰らず、ロケに出たり、俳優小劇場の海の家に泊まったりが続いたことから、離婚している[3]

1973年、NHK大河ドラマ国盗り物語」の赤兵衛役で、一躍有名になった(1973年に里帰りした際は、実家の旅館に大勢人が集まり、30枚以上の色紙にサインするほどだった)[3]。この頃は、俳優小劇場で知り合った伊佐山ひろ子が恋人だった[3]

2019年10月31日、間質性肺炎のため、秋田市の病院で死去[4][5]。85歳だった。

生家はJR角館駅前の「やまや旅館」である(「食堂やまや」も経営)。

秋田県出身とのことで秋田弁を自在に使えるため、東北弁の役柄が多かった。

1994年4月角館町に小劇場「はっぽん館」を建設。演劇、芸能全般、交流の館として地域に開放している[注釈 1]

特技は東北弁[2][1]手芸[1][3]。特に編み物に関しては、自分で着るベストなどを編んでいることを関根勤黒柳徹子から賞賛された。

出演[編集]

テレビドラマ[編集]

ラジオドラマ[編集]

  • ステレオによる叙事詩「まんだら」(作:寺山修司、1967年、NHK)

映画[編集]

舞台[編集]

テレビアニメ[編集]

劇場アニメ[編集]

吹き替え[編集]

ナレーション[編集]

  • NHKスペシャル
    • 巨大生物を育てる奇跡の海(2000年、NHK)
    • 海のけもの道を探せ(2002年、NHK)
  • ハイビジョンスペシャル
    • 北国の盆 いのちのかがり火〜西馬音内盆踊りとともに〜(2012年、NHKBSプレミアム)

バラエティ[編集]

CM[編集]

  • 東京電力(バックに流れていた「僕は3丁目の電柱です」の歌)
  • 唐土庵「生もろこし」(秋田ローカル、大黒様姿で秋田民謡の「秋田大黒舞」を踊る)
  • 秋田県観光PR「ま、ま、そのまま、そのまま。秋田県・食い道楽編」ナレーション(2002年、「温泉天国編」は浅利香津代

音楽[編集]

  • 『山谷初男の放浪詩集 新宿/山谷初男 with はちみつぱい』LP:SF-1045(1974年)
  • 『山谷初男の放浪詩集 新宿/山谷初男 with はちみつぱい』CD:PCD-1589(1998年) ※寺山修司の解説、ライナーをとうじ魔とうじと湯浅学が担当
  • 『山谷初男の放浪詩集 新宿/山谷初男 with はちみつぱい』CD:VICL-62206(2006年) ※寺山修司の解説 当時のレコードジャケットのデザインのまま、CDサイズに縮小
  • 『koki/山谷初男』CD:HAPPON-001(2003年)
  • 『心の本棚-放浪の俳人 山頭火/朗読 山谷初男』CD:KICG-5024(2004年)
  • 『寺山修司ラジオ・ドラマCD「まんだら」/出演 山谷初男 他』CD:KICC-547(2005年)
  • 『名作を聴く(2)〜国木田独歩/朗読 山谷初男』CD:KICG-5057(2006年)
  • 『名作を聴く(10)〜近代小説集/朗読 山谷初男 他』CD:KICG-5067(2006年)
  • 『日本人のこころと品格〜学問のすゝめ/朗読 山谷初男』CD:KICG-5079(2007年)
  • 『koki/山谷初男』CD:HAPPON-001(2006年)
  • 『kiju/山谷初男』CD:HAPPON-002(2010年)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 由来は新宿ゴールデン街で飲んでいた崔洋一らから呼ばれていた愛称だと『昭和は輝いていた』で語られた。
  2. ^ a b ノンクレジット。
  3. ^ 当初この役はハナ肇が当てられ収録が進められていたがハナの急逝により山谷が代役を務め収録し直された。
  4. ^ 遺作。

出典[編集]

  1. ^ a b c d 山谷初男 - 日本タレント名鑑
  2. ^ a b c d e 日本タレント名鑑'82』VIPタイムズ社、1981年、218頁。 
  3. ^ a b c d e f g h サンデー毎日・1973/2/25号、38-43ページ。
  4. ^ “俳優・山谷初男さん死去 「やすらぎの郷」などに出演”. 朝日新聞. (2019年11月3日). https://www.asahi.com/articles/ASMC33K7LMC3UBUB003.html 2019年11月3日閲覧。 
  5. ^ 個性派俳優、山谷初男さん死去 85歳、仙北市角館町出身 - 秋田魁新報電子版 2019年11月3日
  6. ^ ドラマ「やすらぎの刻〜道」やすらぎの刻〜道【2019年8月19日 テレビ朝日】 ザテレビジョン(0000948694-96)
  7. ^ 東宝特撮映画全史 1983, p. 538, 「主要特撮作品配役リスト」
  8. ^ まえがみ太郎”. 日本アニメーション. 2016年6月29日閲覧。
  9. ^ 風を見た少年”. メディア芸術データベース. 2016年8月16日閲覧。

参考文献[編集]

  • 『東宝特撮映画全史』監修 田中友幸東宝出版事業室、1983年12月10日。ISBN 4-924609-00-5 

関連項目[編集]

俳優小劇場 創立メンバー

外部リンク[編集]