富山深海長谷

海底地形図 (GEBCO 2021)に見る富山深海長谷。左下の富山湾から蛇行しながら左上に至る。
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海底地形図 (GEBCO 2021)に見る富山深海長谷。左下の富山湾から蛇行しながら左上に至る。

富山深海長谷(Toyama Seachannel、とやましんかいちょうこく)は、富山湾から北に総延長750kmにもおよぶ長大な海底谷である[1]

概要[編集]

長谷は、能登半島飛騨山脈に挟まれた富山湾から発している。湾後部で水深は800m - 1000mに達する[2]。谷は富山トラフ佐渡島の西で北へ向きを変え、大和海盆を蛇行しながら流下し、海底谷の水深は2000mを超えている[2]。谷は青森県黄金崎の西 200km付近で北西へ向きを変えて水深3,500mの日本海海盆[3](日本海盆)へ流下、深海扇状地を形成して消失している[4]

このような深海で長谷を形成した成因は、地上で浸食された河川が沈降したのではなく、陸上から運ばれてくる乱泥流の流下による浸食と考えられている。富山湾では、庄川神通川常願寺川黒部川姫川などの主要河川が、立山連峰からの融雪や洪水土石流で急流となって大量の土砂を運んでおり、その勢いを保ったまま海底で乱泥流を起こし、海底を浸食した結果だと考えられている[1][5]

出典[編集]

  1. ^ a b 産業技術総合研究所富山大学理学部「富山深海海底谷最下流部の海底地形」(PDF)『歴史地震』第18号、歴史地震研究会(静岡大学)、2002年12月27日、221-225頁、2017年11月28日閲覧 
  2. ^ a b 日本の地名がわかる事典『富山深海長谷』 - コトバンク
  3. ^ ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典『日本海海盆』 - コトバンク
  4. ^ 地球ダイナミクス講座”. 富山大学理学部. 2013年11月16日閲覧。
  5. ^ 日本海洋学会 「富山湾における河川から深海への土砂輸送過程」”. 日本海学推進機構. 2013年11月16日閲覧。

関連項目[編集]

座標: 北緯38度30分0秒 東経137度45分0秒 / 北緯38.50000度 東経137.75000度 / 38.50000; 137.75000