大相撲平成29年11月場所白鵬対嘉風
大相撲平成29年11月場所白鵬対嘉風(おおずもうへいせい29ねん11がつばしょはくほうたいよしかぜ)では、大相撲平成29年11月場所11日目の結びの一番について解説する。
概要[編集]
福岡国際センターで行われた大相撲平成29年11月場所11日目の11月22日、結びの一番で横綱白鵬が関脇嘉風に寄り切りで敗れた。ここまで10連勝で、気合十分の立ち合いだったが、踏み込んでこなかった嘉風にもろ差しを許した。直後に、待ったと言わんばかりに脱力したが、立ち合いは成立。そのまま一気に土俵の外に押し込まれた。
しかし白鵬は腰に手を当てて土俵に戻ろうとせず、土俵下で約1分間、右手を挙げながら審判にアピール。物言いは付かず、嘉風が勝ち名乗りを受け、弓取り式が始まっても、首をかしげながら、土俵にとどまったまま。花道を引き揚げる際には、付け人から差し出されたタオルをはねのけるなど、怒りは収まらなかった。
自他の反応[編集]
大相撲平成29年11月場所11日目[編集]
白鵬は「納得いかないというのはない」と平静を装ったが、「呼吸が合わなかった」と未練を見せた。嘉風は「ふわっとした立ち合いをひらめいた。横綱が力を抜いたが、(立行司の式守)伊之助さんが『残った』と言ったので、行っていいんだと攻めた」と顔がほころんだ。
八角理事長(元横綱北勝海)は「勝負に対する執念の表れだが、潔くね…。待ったと思ったのか、自分で判断してはいけない」と苦言を呈した[1]。
大相撲平成29年11月場所12日目[編集]
八角理事長(元横綱北勝海)は「39回優勝しているけど、まだ修行の身ということ。こうやって頭をぶつけて人間的にも成長していくんじゃないかな。失敗したけど大きくなるチャンス」とエールを送った。
その後の白鵬[編集]
大相撲平成29年11月場所12日目、十両土俵入りが始まる前の午後1時55分。通常よりも1時間以上早く場所入りした白鵬は、真っ先に審判部へと向かった。伊勢ケ浜審判部長代理(元横綱旭富士)、藤島(元大関武双山)、山科(元小結大錦)同副部長の前で謝罪し、11日目の嘉風戦での行為について厳重注意を受けた。約3分後に退室した白鵬は、表情一つ変えることなく支度部屋へ入っていった。
関脇御嶽海戦では、完璧な立ち合いで、左を差して右上手を取って寄り切った。「いつもの感覚という気持ちで土俵に入った。引きずってなかったんじゃないかな」と冷静な表情。審判部室でのやりとりについては「昨日のことでちゃんと説明を受けた。自分も納得した。今後気をつけます、と話した」と明かした。そして「ファンのみなさんも、ああいう相撲を見たくないでしょうし、だから(ビデオを)見てほしかった。申し訳ない」と問題行動を起こした理由を説明した[2]。