大場正史

大場 正史(おおば まさふみ、1914年1月1日[1] - 1969年7月17日[2])は、日本の翻訳家性文化研究者。 バートン版『千夜一夜物語』の単独訳で知られる。

生涯[編集]

佐賀県生まれ。1968年『千夜一夜物語』ほかの翻訳で河出文化賞受賞。そのほかインドの古典性典『カーマ・スートラ』のほか、性科学などに関する著書、翻訳多数。

著書[編集]

  • 『接吻の文化史』(生活社) 1955
  • 『接吻』(東京ライフ社) 1958
  • 『エロスの戒め』(東京ライフ社) 1958
  • 『男の匂い女の匂い 性における匂いの研究』(第二書房) 1960
  • 『せっぷん千一夜』(桃源社) 1962
  • 『ヴィナス礼讃 世界性風俗志』(光風社書店) 1966
  • 『禁じられた夜話 あらびあん・ないと物語』(桃源社) 1969
  • 『あらびあんないと事典』(編、青蛙房) 1961
  • 『千夜一夜物語絵画集 別巻』(編、桃源社) 1969

翻訳[編集]

  • 『誘拐されて』(R.L.ステイーヴンスン斎藤三夫共訳、五元書庫) 1949、のち角川文庫 1953
  • 『若き性』(ヴィルヘルム・シュテーケルあまとりあ社) 1954
  • 『完全なる配偶者 結婚と配偶者の選択』(ヴァン・デ・ヴェルデ、生活社) 1955
  • 『性と愛の百科事典 正続篇』(レンニー・マカンドリュー、生活社) 1955
  • 『思春期』(ヴィルヘルム・シェテーケル、生活社) 1955
  • 『偶像と女スパイ』(ノラ・マレー、国際文化研究所) 1956
  • 『現代社会の性問題』(ラッセル他、訳編、河出新書) 1956
  • 『百万人の性愛入門』(フィールディング、季節風書店) 1957
  • 『クレムリン 失われた星』(A・オーロフ、鳳映社、海外名著全集) 1957
  • 『性の心理学入門』(ハヴロック・エリス、河出新書) 1957
  • 『戦争か平和か ダレス回顧録』(ジョン・ダレス、鳳映社) 1958、のち改題『戦争か平和か 国務長官回想録』(中公文庫) 2022
  • 『インド人の考え アジア農業の裏表』(ラム・スワルプ、鳳映社) 1958
  • 『マラヤのジャングル 独立風雲録』(ハリー・ミラー、鳳映社) 1958
  • 『男と女の関係 正しい性の理解』(R・マカンドリュー、鳳映社) 1958
  • 『マット・グロッソ 大アマゾン奇談』(ピーター・フレミング、鳳映社) 1958
  • 『世界の性風俗』(W・フィールディング、新流社、世界セクソロジー全集5) 1961
  • 『既婚者の性感』(ロンバート・ケリー、新流社、世界セクソロジー全集6) 1961
  • ソドムの百二十日』(マルキ・ド・サド、新流社、世界セクシー文学全集3) 1961
  • 「アナンガ・ランガ」(新流社、世界セクシー文学全集 別巻3『薫園と愛壇』) 1961
  • 『七つの海』(ピーター・フロイヘン、角川書店角川新書) 1962
  • 『人妻と四人の色男』(新流社) 1962
  • 『双頭の鷲=バートン夫妻』(レスリー・ブランチ、角川書店、世界の人間像11) 1963、のち筑摩書房、ノンフィクション全集18) 1973
  • 『世界性語学事典』(訳著、白凰社) 1963
  • 『死刑執行人の秘密』(H・ブリークレイ、桃源社) 1964、のち改題新版『死刑執行人 その陰惨な栄光』 1978
  • 東方旅行記』(ジョン・マンデヴィル平凡社東洋文庫) 1964
  • 『西洋古典好色文学入門』(F・C・フォルベルグ、桃源社) 1964、のち新版 1976
  • 『古代ローマ風俗誌』(オットー・キーファー、桃源社) 1964、のち改題新版『古代・ローマ風俗文化史』 1978
  • 『西洋拷問刑罰史』(ジョン・スウェイン、雄山閣出版) 1964、のち新版1976、1988、2004
  • 『エジプトの生活 古代と近代の奇妙な混淆』(ウィリアム・レイン、桃源社) 1964、のち改題新版『エジプト風俗誌』 1977
  • 『結婚と性生活』(ロンバート・ケリー, レンニー・マカンドリュ、新流社) 1965
  • 『ドレイ商人冒険記』(M.カウリイ、桃源社、ポピュラー・ブックス)1965、のち改題新版『奴隷商人』 1979
  • 『性の生理学 美と悪の淵をさぐる』(ケネス・ウォーカー池田書店) 1965
  • 『世界の海賊戦記』(P・ゴッス、徳間書店、平和新書)1965
  • 『エロスの歴史 北欧編』全6巻(オーヴ・ブリュセンドルフ, ポール・ヘニングセン、宮西豊逸共訳、二見書房) 1967
  • 『バートン版 カーマ・スートラ』(ヴァーツヤーヤナ、河出書房新社、人間の文学29) 1967、のち角川文庫 1971、のち角川ソフィア文庫 1997
  • 『西トルキスタンへの旅』(ヘンリー・ランスデル、白水社、西域探検紀行全集3・4) 1968
  • 『インド千夜一夜』(編訳、山王書房) 1968 

バートン版「千夜一夜」関係[編集]

  • 『バートン版 千夜一夜物語』第1 - 5 (思索社) 1949 - 1950
  • 『千夜一夜物語』全21巻(角川文庫) 1951 - 1956。改版 全12巻 1969 - 1970
  • 『千夜一夜物語拾遺』第1 - 2 (角川文庫) 1957 - 1958
    • 『アラビアンナイト物語 千夜一夜物語拾遺』(角川文庫) 1965、新装復刊 1990
    • 『バートン版 アラビアンナイト 千夜一夜物語拾遺』角川ソフィア文庫 2013
  • 『千夜一夜風流抄』(生活社、生活社選書) 1955
  • 『千夜一夜の世界』(リチャード・F・バートン、桃源社) 1963、新版 1980
  • 『バートン版 千夜一夜物語』全8巻(河出書房新社) 1967 - 1968、普及版 全10巻、新版 1974
    • 『千夜一夜物語 バートン版』全11巻 (ちくま文庫) 2003
  • 『新千夜一夜物語』全2巻(バートン、桃源社) 1969

脚注[編集]

  1. ^ 『著作権台帳』(
  2. ^ 『人物物故大年表』(