土屋恵一郎

土屋 恵一郎(つちや けいいちろう、1946年12月23日 - )は、日本法学者法哲学)、演劇評論家。前明治大学学長、名誉教授、博士(法学)。教務理事。観世文庫理事。北京大学日本文化研究所顧問。

人物[編集]

東京都墨田区向島出身。1969年明治大学法学部卒業、同大学院法学研究科博士課程単位取得満期退学。明治大学法学部助教授、教授をへて、学長を2020年まで務め、名誉教授中村雄二郎のもとでハンス・ケルゼンジェレミ・ベンサムなどの研究をするかたわら、能を中心とした演劇研究の「橋の会」に参加し、身体論とりわけ舞踏・舞踊・ダンスについての評論があり、1990年『能 現在の芸術のために』で芸術選奨新人賞受賞。芸術選奨選考委員。

一時はベンサムを通して独身論を試みていたが、本人は婚姻している。法哲学については、主流の法哲学とは一線を画した研究をおこなっている。『正義論/自由論』は宮崎哲弥によって、分かりにくい比喩で余計分かりにくくしていると評された[1]岩波書店との関係が深く、能楽界に人脈が豊富である。

2022年に書籍『独身者の思想史:ロック・ヒューム・ベンサム 増補版』を博士論文として提出(論文博士)し、亀本洋を主査に博士(法学)を取得した[2]

著作[編集]

単著[編集]

  • 『社会のレトリック 法のドラマトゥルギー』新曜社 1985
  • 『能 現在の芸術のために』新曜社 1989 のち岩波現代文庫、「能、世阿弥の現在」角川ソフィア文庫  
  • 『元禄俳優伝』岩波書店 1991  のち岩波現代文庫 
  • 『ダンスの誘惑』青土社 1992
  • 勅使河原蒼風河出書房新社 1992
  • 『独身者の思想史 イギリスを読む』岩波書店 1993
  • 『ベンサムという男 法と欲望のかたち』青土社 1993 「怪物ベンサム 快楽主義者の予言した社会」講談社学術文庫
  • 『正義論/自由論 無縁社会日本の正義』岩波書店 1996 のち現代文庫
  • 『ポストモダンの政治と宗教』岩波書店 1998
  • 『処世術は世阿弥に学べ!』岩波アクティブ新書 2002  
  • 『能、ドラマが立ち現れるとき』角川選書 2014
  • 世阿弥 風姿花伝』NHK「100分de名著」ブックス 2015
  • 『独身者の思想史 ロック・ヒューム・ベンサム 増補版』新曜社 2022

聞き書き[編集]

共著[編集]

  • 『知の橋懸り—能と教育をめぐって』中沢新一との共著 明治大学出版会 2017

[編集]

  1. ^ 宮崎『「自分の時代」の終わり』104P
  2. ^ 土屋恵一郎『独身者の思想史 : ロック・ヒューム・ベンサム』 明治大学〈博士(法学) 乙第566号〉、2022年。NAID 500001555363https://id.ndl.go.jp/bib/0328169762023年8月21日閲覧 
    土屋恵一郎『独身者の思想史 : ロック・ヒューム・ベンサム』(増補版)新曜社、2022年。ISBN 9784788517530NCID BC12559657全国書誌番号:23650447https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I031935727-00