国際測地学・地球物理学連合

The International Union of Geodesy and Geophysics
略称 IUGG
ウェブサイト http://www.iugg.org/
テンプレートを表示

国際測地学及び地球物理学連合(こくさいそくちがくおよびちきゅうぶつりがくれんごう、英語:International Union of Geodesy and Geophysics、略称:IUGG)は、測地学地球物理学に関する非営利の国際的な学術団体

概要[編集]

IUGG は国際科学会議(ICSU)の加盟団体のひとつである。公用語は英語フランス語

8つの協会と3つの委員会から構成され、それぞれの協会で国際学会を開催している。また4年に一度、IUGGの総会が開催される。2003年現在で76ヶ国からの参加があり[1]、たとえば日本では日本学術会議地球惑星科学委員会IUGG分科会が対応している。また、各協会に対してはIUGG分科会の下に設けられている各小委員会が対応している。

アメリカ合衆国の研究者は、IUGGの会合よりもAGU(アメリカ地球物理学連合)への参加を好む傾向にある。一方で欧州の研究者はIUGGへの参加に積極的であるとされる。日本人も積極的に参加しており、過去に木村栄緯度変化委員長、飯田汲事が国際津波委員長を務めたほか、1999~2003年には河野長がIUGG会長を務めている。

構成組織[編集]

歴史[編集]

IUGGは1919年に万国学術研究会議(IRC、ICSUの前身)の下部団体として設立された。当時の名称は International Geodetic and Geophysical Union(IGGU)であったが、1930年に現在の名称に変更した。

1922年にローマで第1回の総会が開かれた。以後、1963年までは3年に1回、その後は4年に1回の間隔で総会が行われている。

役割[編集]

測地学・地球物理学に関する国際的な定義を採択する。たとえば地球楕円体の定義を決定する際に重要な役割を担い、1924年にはヘイフォード楕円体を採用することを決定した。現在広く用いられている「GRS80」も、IUGG と IAG が採用するよう勧告したことから利用が増加した。そのほか、重力についても IUGG や IAG が定めた基準が広く用いられている。

総会及び歴代会長、事務総長[編集]

IUGG総会は4年に一度、すべての協会が集まって開催される[2]。開催期間は2週間に及ぶ。2007年の大会では、ペルージャ大学をほぼ借り切る形で開催された。

開催年 総会開催都市 参加者数 会長 事務総長
1. 1922 ローマ  イタリア 1919-1933 Charles Lallemand  フランス 1919-1930 Sir Henry George Lyons  イギリス
2. 1924 マドリード  スペイン
3. 1927 プラハ  チェコスロバキア
4. 1930 ストックホルム  スウェーデン 331 1930-1946 Harold St. John Lloyd Winterbotham  イギリス
5. 1933 リスボン  ポルトガル 200 1933-1936 William Bowie  アメリカ合衆国
6. 1936 エディンバラ  イギリス 344 1936-1942 Dan Barfod La Cour  デンマーク
7. 1939 ワシントンD.C.  アメリカ合衆国 805
1942 第2次世界大戦のため中断 (空席)
1945 1946-1948 Bjørn Helland-Hansen  ノルウェー 1946-1951 James Martin Stagg  イギリス
8. 1948 オスロ  ノルウェー 368 1948-1951 Felix Andries Vening-Meinesz  オランダ
9. 1951 ブリュッセル  ベルギー 918 1951-1954 Sydney Chapman  イギリス 1951-1963 Georges R. Laclavère  フランス
10. 1954 ローマ  イタリア 923 1954-1957 Kalpathi Ramakrishna Ramanathan  インド
11. 1957 トロント  カナダ 1165 1957-1960 John Tuzo Wilson  カナダ
12. 1960 ヘルシンキ  フィンランド 1375 1960-1963 Vladimir V. Beloussov  ソビエト連邦
13. 1963 バークレー  アメリカ合衆国 1938 1963-1967 Joseph Kaplan  アメリカ合衆国 1963-1973 George D. Garland  カナダ
14. 1967 チューリッヒ  スイス 2200 1967-1971 Jean Coulomb  フランス
15. 1971 モスクワ  ソビエト連邦 2577 1971-1975 Henry Charnock  イギリス
16. 1975 グルノーブル  フランス 2564 1975-1979 Attia Ashour  エジプト 1973-1991 Baron Paul Melchior  ベルギー
17. 1979 キャンベラ  オーストラリア 1944 1979-1983 George D. Garland  カナダ
18. 1983 ハンブルク  西ドイツ 3204 1983-1987 Devendra Lal  インド
19. 1987 バンクーバー  カナダ 3939 1987-1991 Vladimir Isaacovich Keilis-Borok  ソビエト連邦
20. 1991 ウィーン  オーストリア 4331 1991-1995 Helmut Moritz  オーストリア 1991-1999 Georges Balmino  フランス
21. 1995 ボルダー  アメリカ合衆国 4481 1995-1999 Peter John Wyllie  アメリカ合衆国
22. 1999 バーミンガム  イギリス 4052 1999-2003 河野長  日本 1999-2007 JoAnn Joselyn  アメリカ合衆国
23. 2003 札幌  日本 4151 2003-2007 Uri Shamir  イスラエル
24. 2007 ペルージャ  イタリア 4375 2007-2011 Tom Beer  オーストラリア 2007-2019 Alik Ismail-Zadeh ドイツの旗 ドイツ ロシア
25. 2011 メルボルン  オーストラリア 3392 2011-2015 Harsh K. Gupta  インド
26. 2015 プラハ  チェコ 4231 2015-2019 Michael G. Sideris  カナダ
27. 2019 モントリオール  カナダ 3715 2019-2023 Kathryn Anne Whaler  イギリス 2019-2027 Alexander Rudloff ドイツの旗 ドイツ
28. 2023 ベルリン  ドイツ 2023-2027 Chris Rizos  オーストラリア
29. 2027 仁川  韓国

脚注[編集]

  1. ^ IUGG2003in札幌
  2. ^ かつては概ね3年に1度開催されていた。[1]参照。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]