国際アンデルセン賞

国際アンデルセン賞(こくさいアンデルセンしょう、: Hans Christian Andersen Award)は、「児童文学への永続的な寄与」に対する表彰として贈られる国際的な賞[注釈 1]。「小さなノーベル賞」とも呼ばれるほどの影響力を持つ。賞の名称はデンマークの高名な児童文学者ハンス・クリスチャン・アンデルセンにちなむ。

国際児童図書評議会 (IBBY) によって隔年で授与される。第3回(1960年)まではひとつの作品へ対して授与されていたが、それ以降は作家の全業績を対象としている。現在は作家賞画家賞の2部門が存在する。

また、本賞に準じるものとして、世界各国の評議会によって選出された優秀な児童文学作品を掲載した「IBBYオナーリスト」[6]が隔年で公刊され、作家・画家・翻訳に対して表彰が行われている。

なお、1964年に国際児童図書評議会による図書『国際アンデルセン賞受賞画家絵本選』(ほるぷ出版)で本賞が紹介され、1968年から1969年にかけて講談社より『国際アンデルセン大賞名作全集』全16巻が刊行された[注釈 2][注釈 3]

作家賞[編集]

エリナー・ファージョン

1956年に創設。ただし、1956年から1960年までの3回はひとつの作品に対して、1962年以降は全業績に対して贈られている。

1956年 - 1974年[編集]

1976年 - 1994年[編集]

1996年 - 2014年[編集]

2016年 -[編集]

画家賞[編集]

1966年に創設。

1966年 - 1974年[編集]

1976年 - 1994年[編集]

1996年 - 2014年[編集]

2016年 -[編集]

主な出版物[編集]

発行年順。

  • 国際児童図書評議会 監修『国際アンデルセン賞受賞画家絵本選』ほるぷ出版、1964年。NCID BA4465119X。各98頁、全28巻。
  • 『国際アンデルセン大賞名作全集』講談社、1968年-1969年。NCID BN10890963。全16巻。

参考文献[編集]

脚注の典拠。主な執筆者の姓の順。

  • コンスタンス・ヴィダー「ピーター・シス 自由の芸術家(2012年国際アンデルセン賞受賞者 ; 画家賞)」『ブックバード日本版』第12号、マイティブック 編、ISSN 1884-7862 掲載誌別題『Bookbird : a journal of international children's literature』
  • ウーリー・オルレブ(Uri Orlev)「国際アンデルセン賞受賞挨拶(<特集>第25回IBBYオランダ大会報告(2))」『JBBY : Japanese Board on Books for Young People』通号 89、日本国際児童図書評議会、1997年2月、7-9頁。 
  • 「1998年度国際アンデルセン賞受賞者紹介」『JBBY : Japanese Board on Books for Young People』、日本国際児童図書評議会 編、1998年11月、25-28頁。 
  • 「年度国際アンデルセン賞受賞者 E・チェンバース、Q・ブレイク(特集 IBBY50周年記念バーゼル大会)」『JBBY : Japanese Board on Books for Young People』第96号、日本国際児童図書評議会、2003年6月、7-9頁。 
  • 「IBBY情報 2004年度国際アンデルセン賞 受賞者紹介」『JBBY : Japanese Board on Books for Young People』第98号、日本国際児童図書評議会 編、2005年6月、36-39,2。 
  • 「2008年 国際アンデルセン賞 受賞者決定(特集 第31回IBBYコペンハーゲン大会に向けて)」『JBBY : Japanese Board on Books for Young People』第101号、日本国際児童図書評議会 編、2008年6月、22-27頁。 
  • 「IBBYより 2008年国際アンデルセン賞受賞者紹介」『JBBY : Japanese Board on Books for Young People』第102号、日本国際児童図書評議会 編、2009年6月、36-38頁。 
  • キャサリン・パターソン、早川 敦子「国際アンデルセン賞受賞スピーチ(〈特集〉第26回IBBYインド大会報告(その2))」『JBBY : Japanese Board on Books for Young People』通号 90、日本国際児童図書評議会 編、1999年2月、4-6頁。 
  • マイティブック(編)「上橋菜穂子さん 国際アンデルセン賞受賞!」『ブックアンドブレッド : 日本国際児童図書評議会(JBBY)会報』第119号、日本国際児童図書評議会、2014年6月、12-15頁。 掲載誌別題『Book & bread : Japanese Board on Books for Young People (JBBY) bulletin』
  • マイティブック(編)「角野栄子さん「国際アンデルセン賞」受賞 おめでとう特別企画」『ブックアンドブレッド : 日本国際児童図書評議会((JBBY)会報』第137号、日本国際児童図書評議会、2018年12月、12-22頁。 
  • レーナ・マイセン(Maissen, Leena)「国際アンデルセン賞受賞者たち(国際シンポジウム「国際アンデルセン賞の軌跡」報告 ; 第一部 講演会〈講演要旨〉)」『国立国会図書館月報』第517号、国立国会図書館、2004年4月、2-4頁、ISSN 0027-9153 掲載誌別題『National Diet Library monthly bulletin』
  • ペアトリス・アルコビアレ・モイア「マリア・テレサ・アンドゥルエット:形容詞のない文学(2012年国際アンデルセン賞受賞者 ; 作家賞)」『ブックバード日本版』第12号、マイティブック 編、2013年3月、11-18頁。 掲載雑誌別題『Bookbird  : a journal of international children's literature』
  • 「'96国際アンデルセン賞受賞者紹介」『JBBY : Japanese Board on Books for Young People』第81号(通号 81)、日本国際児童図書評議会、1996年11月、15-19頁。 
    • 「画家賞クラウス・エンジカート(Klaus Ensikat) 」もき かずこ 訳、p.18-19頁。
    • 母袋 夏生「作家賞ウーリー・オルレブ(Uri Orlev)〔含 主な作品・受賞歴〕」 15-17頁。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ レファレンス協同データベースより、近畿大学中央図書館レファレンスサービス[1]の回答には、日外アソシエーツ株式会社(編)『世界の賞事典』[2]ならびにIBBY公式サイト[3]および『日本の国際アンデルセン賞受賞者たち』(国際子ども図書館の小展示)で紹介された[4][5]
  2. ^ エリナー・ファージョン著『銀色のしぎ』・『ガラスのくつ』、アストリッド・リンドグレーン著『長くつしたのピッピ』・『いたずらっ子エーミール』 、エーリヒ・ケストナー著『点子ちゃんとアントン』・『サーカスの小人とおじょうさん』、 マインダート・ディ=ヤング著『キャンディいそいでお帰り』・『いぬがやってきた』、 ルネ・ギヨ著『ぞうの王子サマ』・『チンパンジーのウオロ』 、トーベ・ヤンソン著『たのしいムーミン一家』・『ムーミン谷の冬』、 J・M・サンチェス=シルバ著『けがれなきいたずら』・『ろばのノン』、ジェームス・クリュス著『風のうしろのしあわせの島』・『パウリーネと風の中の王子』
  3. ^ 国立国会図書館デジタルコレクションより『国際アンデルセン大賞名作全集』(1968年・講談社)。公開範囲は特筆する場合を除き、国立国会図書館・図書館送信参加館内。
  4. ^ J・レップマンは当賞の初回から第3回の審査をとりまとめ、終生、審査員を務めた。ミュンヘン国際児童図書館の創設者で国際児童図書評議会会長。その名前を冠したイェラ・リップマン章(Jella-Lepman Medal)は児童書界に貢献した人々・法人を顕彰する[7]

出典[編集]

  1. ^ 近畿大学中央図書館. “国際アンデルセン賞とはどのような賞か? また歴代の日本人の受賞者を知りたい。”. iss.ndl.go.jp. 2021年4月2日閲覧。
  2. ^ 世界の賞事典』日外アソシエーツ株式会社、2005年https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007644032-00 ISBN 4816918876、参考資料:【資料1】(本学所蔵 377.7//Se22)
  3. ^ IBBY Website:Hans Christian Andersen Awards” (英語). 2014年3月27日閲覧。参考資料:【資料2】
  4. ^ 日本の国際アンデルセン賞受賞者たち」(pdf)2011年、2014年3月27日閲覧 参考資料:【資料3】NDL国際子ども図書館小展示
  5. ^ 寄与者:山梨県立図書館: “備考:1994(平成6)年度の国際アンデルセン賞の受賞者はだれか知りたい(山梨県立図書館)”. 2014年3月27日閲覧。
  6. ^ 【2020年 「IBBYオナーリスト」日本の推薦作品決定】”. 日本国際児童図書評議会(JBBY). 2021年4月1日閲覧。
  7. ^ Jella Lepman Meda” (英語). www.ibby.org. 2021年4月2日閲覧。
  8. ^ JBBY 1996, pp. 15–17, 母袋 夏生「作家賞ウーリー・オルレブ(Uri Orlev)〔含 主な作品・受賞歴〕」
  9. ^ JBBY 1997, pp. 7–9, ウーリー・オルレブ「国際アンデルセン賞受賞挨拶」 松村美佐子 訳
  10. ^ パターソン & 早川 1999, pp. 4–6
  11. ^ モイア 2013, pp. 11–18
  12. ^ ブックアンドブレッド 2014, pp. 12–15
  13. ^ ブックアンドブレッド 2018, pp. 12–22
  14. ^ 展覧会の図録2点。『カリジェと安野光雅展 : メルヘンの世界をたずねて : 国際アンデルセン賞画家』(Carigiet, Alois、安野光雅(著);大矢鞆音昆野あづさ(編集);日本放送出版協会、1992年、NCID BN14188371)、『アロイス・カリジェ展』(NHKサービスセンター、2002年、NCID BA60762409)。
  15. ^ JBBY 1996, pp. 18–19, クラウス・エンジカート(Klaus Ensikat)、もき かずこ 訳
  16. ^ ヴィダー 2013, pp. 4–10

関連項目[編集]

関連資料[編集]

発行年順

  • 国際児童図書評議会『国際アンデルセン賞受賞画家絵本選』ほるぷ出版、1964年。NCID BA4465119X
  • 「特集・世界の絵本賞」『月刊絵本』第5巻第2号(通巻51号)、1977年2月。
    • 「カラー口絵・世界の絵本賞」
    • 光吉夏弥「世界の絵本賞」 コールデコット賞、ニューヨーク・タイムズ選定・年間最優秀イラストレーッテッド・ブックス、ケート・グリーナウェイ賞、国際アンデルセン賞。
    • 「春の児童図書祭賞、ブラチスラバ・イラストレーション隔年展(BIB)、ボストン・グローブ:ホーン・ブック賞」
  • ほるぷ出版『国際アンデルセン賞・10人の世界 : 絵本と原画展』朝日新聞社、日本国際児童図書評議会、1985年、NCID BA42451790
  • 『「国際アンデルセン賞・IBBYオナーリスト受賞図書展」リスト』、日本国際児童図書評議会、1995年、NCID BA30265212
  • 伊藤牧夫『国際アンデルセン賞』日本国際児童図書評議会、2000年、NCID BA48011440
  • International Board on Books for Young People、さくまゆみこ福本友美子『国際アンデルセン賞の受賞者たち : 1956-2002』メディアリンクス・ジャパン、2003年、ISBN 4902035014NCID BA64511885
  • 『国際アンデルセン賞とIBBYオナーリスト : IBBYがすすめる世界の児童書』日本国際児童図書評議会、2010年、NCID BB16173643
  • 「特集国際アンデルセン賞画家賞」『絵本BOOK END = えほんブックエンド』絵本学会機関誌編集委員会(編集)、朔北社(発売)、2012年。2011年、ISBN 9784860850999NCID BB08912490
  • 小林 亜佑美「国際アンデルセン賞受賞スピーチから読み解くヤンソン作品の変化」『異文化. 論文編』第16号、法政大学国際文化学部、2015年4月、153-178頁。 

外部リンク[編集]

国立国会図書館