国道402号

一般国道
国道402号標識
国道402号
地図
地図
総延長 108.4 km
実延長 056.8 km
現道 056.8 km
制定年 1982年昭和57年)
起点 新潟県柏崎市
柳橋町交差点(北緯37度21分37.33秒 東経138度33分5.73秒 / 北緯37.3603694度 東経138.5515917度 / 37.3603694; 138.5515917 (柳橋町交差点)
主な
経由都市
新潟県三島郡出雲崎町長岡市
終点 新潟県新潟市中央区
本町交差点北緯37度55分17.70秒 東経139度2分48.62秒 / 北緯37.9215833度 東経139.0468389度 / 37.9215833; 139.0468389 (本町交差点)
接続する
主な道路
記法
国道8号標識 国道8号
国道352号標識 国道352号
国道460号標識 国道460号
国道116号標識 国道116号
国道7号標識 国道7号
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路
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国道402号 起点
新潟県柏崎市 柳橋町交差点
((国道352号 起点)
国道402号 終点
新潟市中央区 本町交差点
国道116号 終点)

国道402号(こくどう402ごう)は、新潟県柏崎市から新潟市中央区に至る一般国道である。

概要[編集]

柏崎市から新潟市間には、長岡市三条市などを経由する国道8号出雲崎町燕市などを経由する国道116号があるが、この国道402号は日本海に沿って並行するルートである。都市間輸送の役割が濃い前者2路線に比べ、観光路線の色合いが濃い。海沿いの風光明媚なエリアを走行することから、新潟県内の国道国道8号国道113号国道345号国道7号などと合わせて「日本海夕日ライン」という愛称も付与されている。

このうち長岡市寺泊野積から新潟市西蒲区角田浜の13.9 kmの区間には、越後七浦シーサイドライン(えちごななうらシーサイドライン)という愛称がある[1][2]。このシーサイドラインのうち、間瀬から同区五ケ浜までの区間は海岸部を離れて丘陵部で大きく迂回する。

路線データ[編集]

一般国道の路線を指定する政令[3][注釈 1]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。

歴史[編集]

海岸沿いの断崖を抜ける難所の越後七浦シーサイドライン区間は、1971年昭和46年)12月に着工、1974年(昭和49年)6月に南側の野積(当時寺泊町)から西蒲区間瀬(当時岩室村)間が開通[6][7]、翌1975年(昭和50年)7月に北側の間瀬 - 角田浜(当時巻町)間が開通し、全通した[8]。建設にあたっては景観や自然環境への配慮がなされた[9]。当初は有料道路として供用され、新潟県企業局が管理していたが、1990年平成2年)7月21日に無料化、国道に編入された。このシーサイドラインのうち、間瀬から同区五ケ浜にかけての区間はいったん海岸部を離れて丘陵部で迂回している。この迂回区間の海岸部にはかつて角海浜の集落があったが、1969年(昭和44年)に東北電力巻原子力発電所の建設計画を発表したことから、シーサイドラインの経路もこの計画に沿って角海浜を避け、山側を迂回することになった。角海浜は原発建設に伴って1974年(昭和49年)までに住民がすべて転居し廃村。東北電力は1982年(昭和57年)、国に原子炉設置許可の申請を提出したが、1996年(平成8年)に反原発派の町長主導による住民投票をきっかけに建設中止となっている[注釈 5]

新潟市西区北部を経由する同区五十嵐二ノ町(往来橋東詰)から中央区文京町にかけての旧道区間は「産業道路」という通称で呼ばれている。これはかつて同区間が帝国石油の天然ガス井やパイプラインの開発に使われていたことに由来しており、現在も同市西区青山には帝石傘下の帝石パイプラインが事業所を置いている。

年表[編集]

新潟海岸バイパス[編集]

県・新潟市は西区内の海岸沿いを経由する「新潟海岸バイパス」(西区五十嵐三ノ町 - 同区有明町間、延長9.0 km[11])の整備事業に着手し、1984年(昭和49年)に着工した[12]。2000年代半ばまでに東側の坂井輪地区内の区間の大部分が開通し[注釈 6]、その後残っていた五十嵐三ノ町から五十嵐二ノ町に至る2.5 kmの区間では新川河口部に架かる新橋梁「内野新川大橋」などの建設が進められ、2010年(平成22年)11月27日15時に全線が開通した[15][16]。これにより旧道区間の産業道路の交通量が減少し[17]新潟県道2号新潟寺泊線新潟市道曽和インター信濃町線(西大通り)など他の幹線道路で慢性的に発生している朝夕の混雑緩和も期待されている。なお新潟海岸バイパスの全通により、2011年(平成23年)4月2日から有明町以東を含む海岸バイパスの全線が当国道に、旧道の産業道路が市道と県道にそれぞれ指定変更された[18]

旧道[編集]

  • 柏崎市大字椎谷:柏崎市道
  • 柏崎市大字椎谷:廃道
  • 新潟市西区五十嵐三ノ町 - 新潟市西区五十嵐二ノ町(五十嵐二ノ町交差点):新潟県道140号内野停車場線
  • 新潟市西区五十嵐二ノ町(五十嵐二ノ町交差点) - 新潟市中央区文京町(文京町交差点):新潟市道文京町五十嵐二の町線
  • 新潟市中央区学校町通二番町(学校町二番町交差点) - 新潟市中央区白山浦一丁目(白山浦一丁目交差点):新潟市道中央2-177号線
  • 新潟市中央区白山浦一丁目(白山浦一丁目交差点) - 新潟市中央区学校町通一番町(市役所前交差点):新潟県道164号白山停車場女池線

路線状況[編集]

新潟県三島郡出雲崎町久田
(2019年4月撮影)

越後七浦シーサイドラインのうち、間瀬から同区五ケ浜までの区間は海岸部を離れて丘陵部でに入り、急勾配と急カーブ、さらに2本のトンネル(角海トンネル、五ケ浜トンネル)で海岸部を大きく迂回している。

バイパス[編集]

  • 椎谷岬トンネル(柏崎市大字椎谷)
    • 旧道は日本海に沿って椎谷岬(観音崎)付近を上り下りする区間だったが、2007年7月19日新潟県中越沖地震で大規模な土砂崩壊が発生し、通行不能となった。長らく通行止の措置が取られ、周辺部を大きく迂回する必要があったが、椎谷岬トンネルの完成により2010年1月7日に供用を再開した。なお旧道の崩壊箇所は廃道となった他、前後は柏崎市道に指定変更された。
  • 新潟海岸バイパス(新潟市西区五十嵐三ノ町 - 新潟市西区有明町)
  • 経路変更区間(新潟市西区有明町 - 新潟市中央区文京町)
  • 学校町ミニバイパス(新潟市中央区学校町通二番町 - 新潟市中央区学校町通一番町)

通称[編集]

日本海夕日ライン区間
新潟県長岡市寺泊志戸橋
  • 北陸道
  • 越後七浦シーサイドライン
    寺泊町野積 - 巻町角田浜を結ぶ海岸線沿いのルートの愛称。1970年代に開通した有料道路当時の道路愛称名がそのまま引き継がれている[19]
  • 産業道路
  • 日本海夕日ライン
  • 西大通り
  • 蔵所堀通り
  • 東中通り
  • 柾谷小路

重複区間[編集]

三島郡出雲崎町の住吉町交差点
ここから起点側(柏崎方面)は
国道352号との重複となる
国道116号(重複区間)からの分岐
新潟市中央区 関屋昭和町交差点
  • 国道352号(柏崎市柳橋町・柳橋町交差点) - 三島郡出雲崎町大字住吉町・住吉町交差点)
  • 国道460号(柏崎市柳橋町・柳橋町交差点) - 新潟市西蒲区五ヶ浜)
  • 国道116号国道289号(新潟市中央区関屋昭和町三丁目・関屋昭和町交差点 - 新潟市中央区本町通七番町・本町交差点(終点))

道路施設[編集]

橋梁[編集]

  • 安政橋(柏崎市)
  • 野積橋(長岡市)(現橋は1967年(昭和42年)6月開通。旧橋は1931年(昭和6年)開通で、大河津分水にかかる橋として最も古い[20]。)
  • 魚見橋(新潟市西蒲区)
  • 内野新川大橋(新潟市西区)
  • 浜浦橋(新潟市西区 - 新潟市中央区)

トンネル[編集]

  • 椎谷岬トンネル(柏崎市)
  • 刈羽トンネル(刈羽村)
  • 角海トンネル(新潟市西蒲区)
  • 五ケ浜トンネル(新潟市西蒲区)
  • 小浜トンネル(新潟市西蒲区)
  • 角田トンネル(新潟市西蒲区)

道の駅[編集]

交通量[編集]

地点 平日24時間交通量(台)
2010年度
(平成22年度道路交通センサスより)
2005年度
(平成17年度道路交通センサスより)
柏崎市松波一丁目 13,771 14,106
柏崎市西山町石地 02,369 02,334
三島郡出雲崎町字久田 02,148 02,747
長岡市寺泊郷本 01,951 02,898
長岡市寺泊野積 04,428 05,938
新潟市西蒲区間瀬 01,849 05,423
新潟市西蒲区越前浜 04,114 03,644
新潟市西区五十嵐1の町 07,269 15,870

地理[編集]

越後七浦

新潟市や燕市の中心市街地から比較的近い位置にある「越後七浦シーサイドライン」の区間は、海面から一段高い絶壁の海岸岩場を走っており、海に近い砂浜の横、海水浴場と漁師町の間など、道路の雰囲気は変化に富む[1][2]。シーサイドラインは前述した日本海夕日ラインの観光の基幹となっており、弥彦山角田山の西麓を日本海に沿って走行する区間となっている[1][2]。日本海の荒波に打ち砕かれて形成された奇岩、怪石が沿線随所に点在し、特に越後七浦の「弁天岩」「立岩」は全国でも稀少例の露出枕状溶岩として天然記念物に指定されている[19]

通過する自治体[編集]

交差する道路[編集]

※柳橋町交差点(起点) - 住吉町交差点間:国道352号重複、柳橋町交差点 - 五ヶ浜交差点間:国道460号重複

新潟県柏崎市
新潟県刈羽郡刈羽村
新潟県柏崎市
新潟県三島郡出雲崎町
新潟県長岡市
新潟市西蒲区
新潟市西区
新潟市中央区

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
  2. ^ 2006年1月1日、長岡市に編入。
  3. ^ 2005年10月10日、新潟市に編入。2007年4月1日、政令指定都市に移行して、西蒲区発足。
  4. ^ a b c d e f g 2022年3月31日現在
  5. ^ 五ケ浜トンネル北側で接続する国道460号の五福トンネル(巻南バイパス)も、もともとは巻原発の建設に合わせて整備されたバイパス道路である。
  6. ^ 1988年(昭和63年)4月に市道小針線から松海が丘までが開通[12]、同年7月に上新栄町まで西延伸[12]、1990年(平成2年)8月に坂井五十嵐一の町線まで西延伸[13]、1996年(平成8年)6月に五十嵐二の町まで西延伸[14]

出典[編集]

  1. ^ a b c 小川、栗栖、田宮 2016, p. 65.
  2. ^ a b c 中村純一編 2017, p. 65.
  3. ^ 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2019年10月31日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g 表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況” (XLS). 道路統計年報2023. 国土交通省道路局. 2024年4月20日閲覧。
  5. ^ 一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2012年11月27日閲覧。
  6. ^ 広報いわむろ 第145号 1974年5月1日 p.1 6月1日 越後七浦シーサイドライン開通 間瀬⇔野積 5.3km - 岩室村
  7. ^ 広報いわむろ 第147号 1974年7月1日 p.1 奇岩と老松 越後七浦シーサイドライン 開通を祝して - 岩室村
  8. ^ 広報いわむろ 第159号 1975年7月1日 p.1 7月15日越後七浦シーサイドライン全線開通 角田←13.9km→野積 - 岩室村
  9. ^ 広報いわむろ 第116号 1971年12月1日 p.1 〝越後七浦シーサイドライン〟の着工近し 49年4月開通の予定 - 岩室村
  10. ^ 一般国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令(昭和56年4月30日政令第153号)”. 法庫. 2012年11月27日閲覧。
  11. ^ 新潟市西部地域土木事務所>個別事業紹介(一般国道402号)(2012年4月9日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  12. ^ a b c 市報にいがた 第1118号 1988年7月31日 p.1 伸びる海岸バイパス 松海が丘-上新栄町間開通 今年に入り 1,600メートルが完成 - 新潟市
  13. ^ 市報にいがた 第1223号 1990年8月5日 p.4 8月7日 国道402号バイパス 上新栄幹線-坂井五十嵐1の町線間が開通 - 新潟市
  14. ^ 市報にいがた 第1532号 1996年7月7日 p.1 国道402号バイパス 五十嵐二の町まで延長 - 新潟市
  15. ^ 市報にいがた 第2270号 2010年8月29日 p.5 新川を跨ぐ道路橋 名称を募集 - 新潟市
  16. ^ 市報にいがた 第2280号 2010年11月7日 p.2 新潟海岸バイパス 道路橋の名称「内野新川大橋」に決定 - 新潟市
  17. ^ 2011道路整備効果事例集 5-12 一般国道402号 新潟海岸バイパス”. 国土交通省道路局. 2020年10月17日閲覧。
  18. ^ 市報にいがた 第2297号 2011年3月6日 p.4 国道402号 ルートが変更 - 新潟市
  19. ^ a b 中村淳一編 2018, p. 77.
  20. ^ 長岡市『長岡市政100年のあゆみ』246・247頁参照
  21. ^ 【市内初】ラウンドアバウトが西蒲区角田浜に導入されます』(pdf)(プレスリリース)新潟市、2016年1月10日。 オリジナルの2016年8月5日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20160805200409/https://www.city.niigata.lg.jp/shisei/koho/houdou/pressrelease2802.files/160210_2.pdf2016年5月12日閲覧 

参考文献[編集]

  • 小川秀夫、栗栖国安、田宮徹 著「越後七浦シーサイドライン」、中村純一編 編『ニッポン絶景ロード100』枻出版社〈エイムック〉、2016年4月10日、65頁。ISBN 978-4-7779-3980-0 
  • 中村純一編 編「越後七浦スカイライン」『日本の絶景道100選』枻出版社〈エイムック〉、2017年4月10日、65頁。ISBN 978-4-7779-4572-6 
  • 中村淳一編 編『日本の絶景ロード100』枻出版社、2018年4月20日。ISBN 978-4-7779-5088-1 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]