台湾高速鉄道

台湾高速鉄路
700T型
基本情報
中華民国の旗 中華民国台湾
起点 南港駅
終点 左営駅
駅数 12駅
輸送実績 57,238,942人
(2020年[1]
1日利用者数 156,391
(2020年[1]
開業 2007年1月5日
運営者 台湾高速鉄路公司
路線諸元
路線距離 348.5 km
軌間 1,435 mm(標準軌
線路数 複線
電化方式 交流25kV・60Hz 架空電車線方式
最大勾配 35パーミル
最小曲線半径 6,250 m
最高速度 300 km/h
路線図
台湾高速鉄道路線図
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台湾高速鉄道
各種表記
繁体字 台灣高速鐵路
簡体字 台湾高速铁路
拼音 Táiwān Gāosù Tiělù
注音符号 ㄊㄞˊ ㄨㄢ ㄍㄠ ㄙㄨˋ ㄊ|ㄝˇ ㄌㄨˋ
発音: タイワン ガオスー ティエルー
台湾語白話字 Tâi ôan Ko sok Thih lō͘
日本語読み: たいわんこうそくてつどう
英文 Taiwan High Speed Rail
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台湾高速鉄道(たいわんこうそくてつどう、繁体字中国語: 台灣高速鐵路: Taiwan High Speed RailTHSR)は、中華民国台湾)の台北市南港区高雄市左営区を結ぶ高速鉄道。略称は「台湾高鉄」「高鐵」など。

南港駅から左営駅までの345 kmを最高速度300 km/h、ノンストップ便では所要時間約1時間30分で結ぶ高速鉄道である。同区間は、最速の在来線特急自強号で所要時間3時間59分を要していた(2007年1月開業当時)。総事業費は4,806億台湾ドル(約1兆8千億円)。日本として新幹線の車両技術を輸出・現地導入した初めての事例である。2004年に完工した南部彰化県員林市から高雄市仁武区に至る全長157 kmの連続高架橋「彰化-高雄高架橋」は竣工以降、中華人民共和国の丹陽-昆山特大橋完成まで世界最長の橋梁だった[2]

概要[編集]

当初の開業は2007年1月5日板橋 - 左営間で行われた。もともとの開業予定は2005年10月であったが、饋電工程を巡る欧州理事の介入、韓国ゼネコン(現代建設)の手抜き工事の露見[3][4][5][6] 日欧混合としたシステムの混乱などが工期の遅れや相次ぐトラブルを招き、2006年10月31日に延期された。その後も最終審査の遅れから12月7日に、更に直前の11月29日になって安全上の理由により急遽2007年1月へ再三に渡り延期された。

台湾高速鉄道は、日本の新幹線技術の初の海外への輸出案件であり、三菱重工業東芝川崎重工業三井物産三菱商事丸紅住友商事の日本連合7社により、台湾新幹線株式会社が設立された[7]。台湾新幹線株式会社には、一般社団法人海外鉄道技術協力協会を通じて、JR東海JR西日本日本鉄道建設公団(現 鉄道建設・運輸施設整備支援機構)のスタッフが技術支援を行った[8]鉄道車輌も日本の新幹線技術(JR東海・JR西日本共同)を投入した。日本の新幹線とシステムは一部異なるが、車両が東海道・山陽新幹線700系改良型の700T型である点などから、日本の新幹線とほとんど同じに見える(後述の「特徴」を参照)。

2007年1月5日現地時間7時、板橋駅からそれぞれ1番列車が出発し仮営業運転開始。半額運賃の仮営業運転は当初1月14日までとされたが1月31日まで延長された。同年3月2日には台北駅まで正式に開業した。

2011年に、中華人民共和国で発生した温州市鉄道衝突脱線事故に際して、台湾側は「日本と同じシステムを採用したので、あのような事故はありえない」と発表しており、新幹線の技術を採用したことの意義を強調した[9]。2016年7月1日には、台北駅から南港駅まで約10km延伸開業した[10]

特徴[編集]

台灣交通系列
台湾の交通関連項目

交通部
 公路総局
 電信総局
 民用航空局
 国道高速公路局
 台湾鉄路公司
 桃園国際機場公司

道路
鉄道
海運
航空

国道(高速道路)
省道県道、市道郷道
港湾
空港

中華郵政

台湾の交通史

台湾のバス交通
台湾高速鉄道
捷運
台鉄捷運化

関係法令:
郵政法中華郵政条例
公路法
鉄路法大衆捷運法
航業法
海商法船舶法
商港法漁港法
民用航空法

関連項目:
台湾糖業鉄道
国光汽車客運
台湾鉄路貨運
台湾バス事業者一覧
台湾のIC乗車カード・電子マネー一覧

その他台湾関係記事

文化 - 経済 - 地理
政治 - 教育 - 軍事
人口 - 言語 - 歴史

決められた開業予定にあわせるため車両方式決定に先立ち、土木構造物などを先行して着手した。また後述の経緯により当初は欧州システムを基準に進められたため、分岐器はドイツ製、列車無線はフランス製、車輌などは日本製という、日欧混在システムである。

新幹線との差異は、

  • 自動列車制御装置(デジタルATC)は、単線双方向運転に対応
  • 軌道最小曲線半径は6,250m(新幹線:4,000m[注 1]
  • 分岐システムはドイツ製(38番分岐器[注 2]を多用)
  • 軌道はほぼ全線でJR式スラブ軌道を採用(ただし分岐器周辺はドイツ製Rheda2000スラブが使用されている)
  • 軌道中心間隔は4,500mm(新幹線:4,300mm[注 3]
  • トンネル断面積は90m2(新幹線:64m2
  • 最急勾配は35(新幹線:15‰[注 4]
  • 早期地震警報システムは採用されておらず、地震計との連動(40ガル以上で停止)のみ[11][12]

なお営業形態の違いとして、BOT方式 (Build-Operate-Transfer) を採用していることが挙げられる。すなわち民間事業者が自ら資金を調達して施設を建設 (Build) し、一定期間管理・運営 (Operate) を行い資金を回収した後、将来的には公共に施設を移管 (Transfer) する計画である。日本と同様に国家的事業ながら資金調達の方法や運営の流れが異なる。

経緯[編集]

契約獲得にあたって、フランスドイツによる欧州連合と組む台湾高鉄連盟と、日本連合と組む中華高鉄連盟中国語版とが競合した。プッシュプル方式を提示した欧州連合の方がコストが安価であったこと、台湾がフランスとの繋がりを維持する必要があったことなどから、台湾高鉄連盟は契約を獲得した。対中関係を重視するクリントン政権下のアメリカから戦闘機などが購入出来なかったため、代わりにフランスから購入する必要があったためである。軌道と機関車はドイツ製、客車はフランス製で設計が進められていた[13]

しかしアメリカがF-16戦闘機の売却に同意したこと、ICEが死者約101名・負傷者約80名という脱線事故エシェデ事故)を起こしたこと、1999年9月21日台湾大地震が発生したが、欧州方式は地震に対する防御策が十分ではなかったことなどから、日本側が盛り返し始める。最終的に台湾政府は、台湾高鉄の協力先を早期地震検知警報装置(ユレダス)を導入していた日本連合に切り替えることに決定した(ただし、欧州側の意向で、ユレダスやその改良型のテラスが実際に採用されることはなく、単純な地震計連動に留まった[11])。最終的に車輌は日本、配電・制御は欧州、土木工事は国際入札を行うことに決まった。このため欧州連合は、台湾高鉄に違約金を請求した。

事態が紛糾したのは、欧州と日本を推すグループが、それぞれ政治家と結びついた結果、政争が鉄道の場に持ち込まれたのが一因とされる。台湾では(台湾に限らず、日本を含むどの国でも程度の差はあれ、鉄道建設に政治は介入する)鉄道建設は政治と強く結びついており、技術力の優劣だけでは契約できない事情がある。

以上の経緯にもかかわらず、欧州連合のコンサルティング契約、および、欧州連合が作成した仕様書はそのままであった。このことはスケジュールのみならず、全体的な足かせであるとの評価が日本の高速鉄道専門家から出ている(自動券売機はフランス製であったが、開業当日にトラブルを起こすなどの問題を起こしている)。また、試運転列車の運転士として、JR西日本出身の元新幹線運転士5名が起用され、営業運転での運転技術指導も当初はJR東海が行う予定だったが、JR東海は日欧混在システムを理由に、指導責任が持てないと通告した。

これでは、開業時に運転士が不足すると判断した台湾高鉄公司は、妥協策として、高速鉄道の運転経験が豊富なフランスTGVドイツICE出身者38名を運転士に起用し、台湾人運転手に対する運転技術指導も彼らが行うという体制が採られた。

また、地下線路の台北 - 板橋間の台鐵が、暫定的に高鐵用の線路を使っていた箇所を改修する工事も遅れ、2007年1月5日の開業に間に合わなかった。それ以外の中間駅についても、多くは中心市街地から離れたところに立地しているにもかかわらず、乗り換え交通手段の整備や営業準備が遅れている箇所がある。

年表[編集]

車輌[編集]

  • 700T型
  • 増備車
    • 当初は700T型を2008年と2010年に8編成ずつ、2018年に5編成の増備が予定されていたが、開業が遅れたことにより、この日程もずれている。
    • 2008年11月20日に台湾高鐵公司は2011年以降に新型車両の投入を表明[14]、その後2012年4月19日に同公司の取締役会で66億2112万台湾ドル(約183億円)を投じて従来と同じ700T型電車4編成48両を2013年から2016年にかけて購入し、増備することを決定した[15]。2015年に予定されている新設4駅の開業や休日ラッシュ時など増加し続ける輸送人員に対応するためである。かねてから一部装備の台湾メーカー参入がアナウンスされていたが、普通車座席(標準車廂座椅)に台湾製が導入される[16]
  • 業務用車両
  • 導入予定
    • N700S
      • 700Tの後継として12両編成12本が導入予定[18]
  • 過去の車両

駅一覧[編集]

台湾高速鉄道全駅配線図


駅名 駅間距離
(km)
累計距離
(km)
接続路線 所在地
日本語 中国語
正体字
南港駅 南港車站 - -9.202 台湾鉄路管理局縦貫線
台北捷運板南線
台北市 南港区
台北駅 台北車站 9.202 0.0 台湾鉄路管理局:縦貫線
台北捷運:淡水信義線・板南線
桃園捷運桃園機場捷運
中正区
板橋駅 板橋車站 7.216 7.216 台湾鉄路管理局:縦貫線
台北捷運:板南線・環状線
新北市
板橋区
桃園駅 桃園車站 29.165 36.381 桃園捷運:桃園機場捷運 ⇒ 高鉄桃園駅 桃園市
中壢区
新竹駅 新竹車站 29.894 66.275 台湾鉄路管理局:六家線六家駅 新竹県
竹北市
苗栗駅 苗栗車站 32.686 98.961 台湾鉄路管理局:台中線豊富駅 苗栗県
後龍鎮
台中駅 台中車站 60.868 159.829 台湾鉄路管理局:台中線 ⇒ 新烏日駅
台中捷運緑線 ⇒ 高鉄台中駅
台中市
烏日区
彰化駅 彰化車站 28.153 187.982   彰化県
田中鎮
雲林駅 雲林車站 24.594 212.576   雲林県
虎尾鎮
嘉義駅 嘉義車站 33.104 245.680 台湾糖業鉄道蔗埕線嘉義駅 嘉義県
太保市
台南駅 台南車站 62.276 307.956 台湾鉄路管理局:沙崙線沙崙駅 台南市
帰仁区
左営駅 左營車站 31.328 339.284 台湾鉄路管理局:縦貫線 ⇒ 新左営駅
高雄捷運紅線 ⇒ 左営駅
高雄市
左営区

各駅の構造[編集]

各駅の構内配線とホームの形式
配線分類 2面4線 2面2線+通過線 2面4線+通過線 3面6線(始終着駅)
構内図
該当駅 台北駅板橋駅 桃園駅新竹駅苗栗駅
彰化駅雲林駅嘉義駅
台南駅
台中駅 南港駅左営駅

運営[編集]

台湾高速鉄道のホーム(台南駅)
運行管理センター(桃園市)
改札口の様子(桃園駅)
券売機・受取機(台北駅)
台湾高速鉄道の高架橋
ホーム別発車案内
運行案内

運行形態[編集]

現段階では列車の愛称はなく数字のみで、台湾鉄路管理局(台鐵)の優等列車や日本の新幹線のような列車愛称は設定されていない。ただし、終着駅まで全駅に停車する列車を「各站停車」、途中通過する駅がある列車を「直達」、台中駅止まりの列車を「区間車」と称して区別されることが多い。

  • 2007年
    • 開業当初及び台北駅の正式開業時における運行本数は台北・板橋 - 左営間で1日17往復、加えて台北・板橋 - 台中間の区間運転が2往復だった。本来の計画では1日88往復の予定であったが、運転士を含む乗務員の育成が遅れているための措置として計画より減らして運行を開始することになった。開業時の運転士は全員がフランス人であった。
    • 台北駅正式開業時点での台北 - 左営間の所要時間は100分(途中板橋・台中のみ停車、1日3本)と130分(各駅停車、1時間間隔の運行)、運賃は1,490台湾ドル(普通車)と2,440台湾ドル(ビジネス車)だった(全車指定席)。運行時間は6時50分(台北発の左営行) - 22時40分(左営からの台北着)。
  • 2008年
    • 曜日別ダイヤを導入。
    • 2008年3月現在の運行本数は、金曜・月曜は60往復、平日火曜-木曜は57往復、週末は63往復である(台北 - 台中間の区間運転を含む)。
    • 台北 - 左営間の所要時間は96分(途中板橋・台中のみ停車、ほぼ毎時2本運行)と108分(桃園・新竹通過もしくは嘉義・台南通過の直達快車、1日数本運行)、120分(各駅停車、ほぼ毎時2本運行)。
    • 月曜日から木曜日までの運賃は1,190台湾ドル(普通車指定席)と1,560台湾ドル(ビジネス車)及び1,070台湾ドル(自由席)、週末・祝日・連休前日の運賃は1,490台湾ドル(指定席)と1,950台湾ドル(ビジネス車)及び1,340台湾ドル(自由席)である(2008年3月31日より適用)。運行時間は6時30分(台北発の左営行) - 23時30分(左営からの台北着)。
  • 2009年
    • 2008年12月改正後のダイヤは、金曜・月曜は67往復、平日火曜-木曜は65往復、週末71往復である(台北 - 台中間・左營 - 台中間の区間運転を含む)。
    • 年初に経営危機や不況の影響で固定費を削減するために減便措置が取られたが、半年ほどで底打ち状態から回復しつつある。
    • 「双色割引」導入により、ピーク時間帯は割引なし、閑散時は列車・曜日により15%割引の1265台湾ドル、もしくは35%割引の965台湾ドル(普通車指定席)となる。自由席は終日一律7%割引の1385元、ビジネス車(JRのグリーン車相当)は終日一律20%割引の1950台湾ドルとなっている。
  • 2010年
    • 国内経済や自社の経営が回復傾向にあり、前年度の減便体制から徐々に増発が重ねられている。年初改正後のダイヤは、月曜59往復、火曜58往復、金曜68.5往復、土曜66.5往復、休日71.5往復である。
    • 7月改正以降、IC乗車券導入に伴い「双色割引」は廃止、自由席料金に回数券と定期券が設定されている。
    • 台北-左営間の料金は自由席(普通乗車券)で終日3%割引の1445台湾ドル、8回分の自由席IC回数券で10055台湾ドル(1回あたり約1256台湾ドル)、30日間の自由席IC定期券で42480台湾ドル(1日1片道あたり708台湾ドル)、指定席は暫定措置として夏季以降指定便のみ1割引を継続、ビジネス車は引き続き一律20%割引の1950台湾ドルとなっている。
  • 2011年
    • 週単位での定期列車運行本数は915本を維持したまま、多客期の増便が行われた。
    • 1月から普通車指定席向けに「早鳥優恵」と称した事前購入割引を導入し、15日前までの購入で3割引、8日前までの購入で1割引となっている。1列車あたりの割当数や、時間帯・曜日により対象外の便もあるが、割引率縮小となった自由席より安くなるケースもある。
    • 接続する台鐡路線の開通によるアクセス改善や、数々の営業施策により、上半期で黒字を計上。年間利用客数も前年比12.7%増加した。
    • 繁忙期に停車駅を「台北-板橋-台中-台南-左営」に絞った直達快車(列車番号は1300番台)の運行がなされた。
    • スマートフォン (iOSAndroid) での予約・乗車ができるサービス「台灣高鐵 T Express 」(1人用)や、悠遊カードの一種で記名式ポストペイの「悠遊聯名カード」による自由席乗車サービスが秋以降順次始まるなど、利便性を向上させている。
    • 車内での弁当販売を廃止(パン類の軽食に置き換え)し、代わりに駅構内には台湾鐡路局のキオスク「台鉄弁当」(台鐵便當)を設置した。
  • 2012年
    • 「台灣高鐵 T Express」アプリの対応OSに、Windows MobileSymbian MobileWindows Phoneが追加された。
    • 9月乗車分から普通車指定席向け割引制度を「早鳥優恵」と称する事前購入割引に変更した。8日前までの購入で3.5割引、1割引となっている。1列車あたりの割当数や、時間帯・曜日により対象外の便もある。また、11月乗車分からは普通車指定席の「早鳥優恵」を利用する事前購入で2割引の設定となる。
  • 2014年
    • 複数人数での予約に対応していなかった「台灣高鐵 T Express」が、1つの予約番号で10名(ただし、各自アプリのインストールが必要)まで乗車可能となった。
  • 2016年
    • 予約時に普通車指定席の窓側か通路側の選択(商務車は席番での選択)がブラウザからのネット予約(7月27日)とコンビニ端末(8月3日)、T-EXPRESSアプリ(12月)で可能となった。[19]
  • 2021年

1月4日販売分より予約開始日を従来の乗車28日前から29日前に拡大[20]

運賃[編集]

  • 乗車する座席等級、距離により異なり、乗客人数や身柄でも異なる。切符は普通車普通運賃を基準とする。同一列車に異なる等級のサービスが存在するのは台湾の鉄道事業で初の実例である。
  • JRの新幹線と異なり、途中駅で改札を出ずに異なる列車同士を乗り継いでも料金は通算されない(自由席を除く)。
  • 指定の列車に乗り遅れた場合、そのチケットは無効扱いだったが、毎月約15,000席の空席が生じていたため、2013年8月より当日の後続列車の自由席への乗車を認めることとなった[21]
  • 切符は、乗車駅の改札通過から3時間30分の時間制限があり、時間内に下車駅の改札を通過しないと不正乗車となる。
  • 以下の表は割引未適用の普通車運賃と割引適用の商務車運賃

緑色数字:普通車指定席運賃,赤色数字(斜めの数字):ビジネス車運賃(南港・台北・板橋相互間のみは発売しない),単位:台湾ドル

  • 2015年12月1日以降(同日開業の新3駅発着を除き、2013年の値上げ前の水準に戻された。南港は2016年7月以降)
南港 (205) (245) 400 560 735 1,060 1,205 1,325 1,500 1,830 2,000
40 台北 (205) 350 510 680 1,000 1,140 1,280 1,455 1,780 1,950
70 40 板橋 320 470 640 965 1,110 1,240 1,420 1,740 1,910
200 160 130 桃園 320 495 805 965 1,095 1,260 1,590 1,760
330 290 260 130 新竹 325 655 805 925 1,110 1,430 1,600
480 430 400 280 140 苗栗 485 630 760 925 1,260 1,430
750 700 670 540 410 270 台中 320 440 615 940 1,110
870 820 790 670 540 390 130 彰化 295 460 800 965
970 930 900 780 640 500 230 110 雲林 340 660 830
1,120 1,080 1,050 920 790 640 380 250 150 嘉義 495 655
1,390 1,350 1,320 1,190 1,060 920 650 530 420 280 台南 325
1,530 1,490 1,460 1,330 1,200 1,060 790 670 560 410 140 左營
  • 2013年10月8日-2015年11月30日
台北 225 380 560 1,095 1,595 1,955 2,140
45 板橋 345 515 1,060 1,560 1,910 2,095
175 140 桃園 345 880 1,380 1,740 1,925
315 280 140 新竹 715 1,215 1,565 1,750
765 730 590 450 台中 670 1,030 1,215
1,180 1,145 1,005 860 410 嘉義 540 715
1,480 1,445 1,305 1,160 710 295 台南 355
1,630 1,595 1,455 1,310 860 450 150 左営

普通運賃(普通票/全票)[編集]

  • 台湾高鉄公司内部規定あるいは法令による規定外を除き、普通票(全票)は12歲以上の旅客に適用される。
  • 標準車普通運賃(全票)は政府策定による大人1人1kmあたり3.655元/人x1.2倍(=x4.386倍)で算出し、10元単位で四捨五入する(台北-左営の例:339.284x3.655x1.2=1,488.…→1,490)
  • ビジネス車普通運賃(全票)は標準車の基準運賃に1.5倍加算後200元追加(1人1kmあたり6.579元で算出後小数点以下を切り捨て、200元加算)、10元単位で四捨五入したものをビジネス車運賃とする(同上:1,490x1.5=→2,235+200=2435→2,440)

優待運賃(優待票)[編集]

全票と孩童票のルール

優待運賃とは敬老割引(敬老票)、小児割引(孩童票)、身障者割引(愛心票)を包括した総称。 標準車の優待運賃は標準車普通運賃の半額。ビジネス車の優待運賃はビジネス車普通運賃の半額。

  • 敬老割引:満65歳以上(乗車当日に満65歳を迎えた者も含む)で、中華民国国民身分証を所持する台湾人、パスポートを所持する外国人に適用される。
  • 小児割引:12歳未満の旅客。身長150センチ以上の12歳未満旅客は身分証明書を提示する(日本と違い、小学生でも12歳を迎えた者は大人運賃が適用される)。
  • 障害者割引:身体障害者手帳所持者あるいはその付添人1人に適用される。

無賃(免票)[編集]

普通運賃を支払った旅客または成年旅客に同伴する6歳未満の幼児は無賃である。旅客ごとに無賃幼児2人を同行できる。身長115センチ以上の6歳未満の幼児旅客は身分証明書を提示する。

割引運賃、きっぷ[編集]

上述の各種割引のほかに、日本人を含む外国人向けに 高鉄パス(高鐵周遊券)、台湾鉄路管理局の路線も合わせて利用できる 高鉄・台鉄ジョイントパス(雙鐵周遊券) が各国指定旅行代理店などで購入できるほか、台湾の代理店に引換券を申し込み、現地で受け取ることもできる。いずれも窓口での引換えと自由席を除き、座席指定が必要。また、いずれのパスも、ビジネス車には利用できない。引換えや乗車の際にはパスポートの提示が必須である。

  • 現地通貨建て料金[22](小児半額)
    • 高鉄パス:3日間用2,400台湾ドル、5日間用3,600台湾ドル
    • 双鉄パス:3日間用3,800台湾ドル、5日間用5,500台湾ドル

クレジットカード[編集]

窓口、券売機、インターネット予約サービス、T Express(アプリ)では各種クレジットカードが利用可能である。さらに一部の窓口では、非接触IC(NFC)のVisa payWave[23] や、MasterCard pay passでも決済が可能となっている。ネット予約やT Expressは、日本を含む海外からでも予約や決済ができ、窓口で使える2つのNFCも、カードと同様に外国人でも利用できる。

運行本数の推移[編集]

ダイヤ改正日 1日の
最大運行本数
(上下計)
1週間の
運行本数
(上下計)
曜日ごとの運転本数(南下/北上)
火・水・木 日・祝
2007年1月5日 38   266   - - - - -
2007年3月31日 50   350   - - - - -
2007年6月1日 62   434   - - - - -
2007年7月27日 74 [24] 518   - - - - -
2007年9月14日 91 [25] 637   - - - - -
2007年11月9日 113 [26] 791   - - - - -
2008年1月18日 126 [27] 834   120 114 120 126 126
2008年5月16日 127   836   120 114 121 126 127
2008年7月4日 140 [28] 928   132 128 132 140 140
2008年12月1日 142 [29] 942   134 130 134 142 142
2009年3月16日 134 [30] 816   106 106 128 130 134
2009年7月1日 137 [31] 863   116 116 132 130 137
2010年1月8日 143 [32] 879   118 116 137 133 143
2010年7月1日 146 [33] 892   120 118 137 135 146
2010年7月12日 146 [34] 907 [35] 123 121 140 135 146
2010年10月1日 146   915 [36] 127 125 144 139 146
2013年9月2日 150   927 [37] 128 126 146 141 150
2013年12月23日 153   954 [38] 133 130 151 143 153
2015年12月1日 153   969 [39][40]
2016年7月1日 156   943 [41] 127 125 153 138 156
2011年夏季
7月1日-8月31日
    927 [42] - - - - -
2012年夏季
6月29日-9月3日
    927 [43] - - - - -
2013年夏季
6月28日-9月1日
    945 [44] - - - - -

号数(車次)の振り方[編集]

基本は下りは奇数・上りは偶数の3桁で100番台は台北・板橋・台中停車の最速達列車、200番台は台北・板橋・台中・台南停車の速達列車、203号は台北出発,板橋・台中・嘉義・台南停車の速達列車、1202号は板橋通過運転,台北・台中・嘉義・台南停車の速達列車、295号(元399号)は板橋通過運転,台北・桃園・台中・嘉義・台南停車の速達列車、300番台は南港-台中間は南港・台北・桃園・台中駅のみ停車,台中-左營間各駅停車の半直達車(2018年6月30日まで1300番台は南港-台中間は南港・台北・板橋・台中駅のみ停車,板橋-台中通過運転,台中-左營間各駅停車の首都半直達車,300号、333号、3300番台は南港-台中間は南港・台北・桃園・台中駅のみ停車,台中-左營間各駅停車の空港半直達車となっている)、600番台は苗栗、彰化、雲林駅通過の各駅停車、696号は台北行,苗栗、彰化、雲林駅通過の各駅停車、800番台は各駅停車、500番台は南港-台中(500番台、1500番台のみ)・台中-左營(1往復,583号、598号のみ)区間運転の各駅停車となっている。
曜日限定の準定期列車は4桁となり、1***となる。桃園国際空港增発特別臨時列車は3***と上1桁に3が付加される。季節・臨時列車は8***と上1桁に8が付加される(全車自由席,ビジネスクラスはを除いて)。なお、下3桁は定期列車同様停車パターンに準じる。

停車駅パターン[編集]

2018年7月以降[編集]

種別 番台 南港 台北 板橋 桃園 新竹 苗栗 台中 彰化 雲林 嘉義 台南 左營 台北との所要時間
()内は南港
直達車 1xx 93-94分(104-105分)
直達快車 2xx(12xx) 99分(110分)
直達快車 203(12xx) 105分(-)
直達快車 1202 95分(103分)
直達快車 1293 108分(119分)
半直達車 295 108分(119分)
半直達車 3xx(13xx) 119分(130分)
半直達車 1334、1346 119分(-)
各駅停車 6xx(16xx) 117分(128分)
各駅停車 696 124分(-)
区間車 5xx(15xx)   64分~68分(75~80分)
区間車 583、598   64分~65分
各駅停車 8xx 134分(145分)

日中のパターンダイヤ(南行)

種別 番台 発車

時刻

南港 台北 板橋 桃園 新竹 苗栗 台中 彰化 雲林 嘉義 台南 左營 待避
各駅停車 8xx 0分 彰化:直達(1xx)

雲林:各駅(6xx)

各駅停車★ 6xx(16xx) 10分 新竹 or 桃園:直達(1xx)

雲林:各駅(8xx)

直達車 1xx 20分 新竹 or 桃園:各駅(6xx)

彰化:各駅(8xx)

区間車★ 5xx(15xx) 25分   -
各駅停車 6xx(16xx) 35分 新竹 or 桃園:直達(2xx)
直達快車★ 2xx(12xx) 40分 新竹 or 桃園:各駅(6xx)
直達快車☆ 3xx(13xx) 50分 -

日中のパターンダイヤ(北行)

種別 番台 発車

時刻

左營 台南 嘉義 雲林 彰化 台中 苗栗 新竹 桃園 板橋 台北 南港 待避
各駅停車 6xx(16xx) 0分 新竹 or 桃園:直達(2xx)
区間車★ 5xx(15xx) 04分   苗栗:直達(2xx)
直達快車★ 2xx(12xx) 15分 苗栗:区間(5xx)

新竹 or 桃園:各駅(6xx)

各駅停車 8xx 25分 彰化:各駅(6xx)

苗栗:直達(1xx)

各駅停車★ 6xx(16xx) 35分 彰化:各駅(6xx)

新竹 or 桃園:直達(1xx)

直達快車☆ 3xx(13xx) 45分 -
直達車 1xx 55分 嘉義:直達(2xx)

苗栗:各駅(8xx)

新竹 or 桃園:各駅(6xx)

  • ●:停車、-:通過、★曜日毎に設定される臨時列車、☆多客期のみ設定される臨時列車。

2018年1月1日-2018年6月30日[編集]

種別 番台 南港 台北 板橋 桃園 新竹 苗栗 台中 彰化 雲林 嘉義 台南 左營 台北との所要時間
()内は南港
直達車 1xx(11xx) 93-94分(104-105分)
直達快車 2xx(12xx) 99分(110分)
直達快車 203(12xx) 105分(-)
直達快車 295 108分(119分)
空港半直達車 3xx(33xx) 119分(130分)
首都半直達車 13xx 119分(130分)
各駅停車 6xx(16xx) 117分(128分)
各駅停車 696 124分(-)
区間車 5xx(15xx)   64分~68分(75~80分)
区間車 583、598   64分~65分
各駅停車 8xx 134分(145分)

日中のパターンダイヤ(南行)

種別 番台 発車

時刻

南港 台北 板橋 桃園 新竹 苗栗 台中 彰化 雲林 嘉義 台南 左營 待避
各駅停車 8xx 0分 彰化:直達(1xx)

雲林:各駅(6xx)

各駅停車★ 6xx(16xx) 10分 新竹 or 桃園:直達(1xx)

雲林:各駅(8xx)

直達車 1xx(11xx) 20分 新竹 or 桃園:各駅(6xx)

彰化:各駅(8xx)

区間車★ 5xx(15xx) 25分   -
各駅停車 6xx(16xx) 35分 新竹 or 桃園:直達(2xx)
直達快車★ 2xx(12xx) 40分 新竹 or 桃園:各駅(6xx)
首都直達快車☆ 13xx 50分 -
空港直達快車☆ 3xx(33xx) 50分 -

日中のパターンダイヤ(北行)

種別 番台 発車

時刻

左營 台南 嘉義 雲林 彰化 台中 苗栗 新竹 桃園 板橋 台北 南港 待避
各駅停車 6xx(16xx) 0分 新竹 or 桃園:直達(2xx)
区間車★ 5xx(15xx) 04分   苗栗:直達(2xx)
直達快車★ 2xx(12xx) 15分 苗栗:区間(5xx)

新竹 or 桃園:各駅(6xx)

各駅停車 8xx 25分 彰化:各駅(6xx)

苗栗:直達(1xx)

新竹:空港半直達(3336号,88xxのみ)

各駅停車★ 6xx(16xx) 35分 彰化:各駅(6xx)

新竹 or 桃園:直達(1xx)

首都直達快車☆ 13xx 45分 -
空港直達快車☆ 3xx(33xx) 45分 新竹:臨時各駅(88xx,3336号のみ)
直達車 1xx(11xx) 55分 嘉義:直達(2xx)

苗栗:各駅(8xx)

新竹 or 桃園:各駅(6xx)

  • ●:停車、-:通過、★曜日毎に設定される臨時列車、☆多客期のみ設定される臨時列車、33xx番台(桃園国際空港增発特別臨時半直達車)ば2018年祝日のみ設定される臨時列車,停靠駅:南港-台北-桃園-台中-彰化-雲林-嘉義-台南-左營(13xx番台ば中南部地区首都半直達車,停靠駅:南港-台北-板橋-台中-彰化-雲林-嘉義-台南-左營,2018年7月以降ダイヤ改正,13xx番台停靠駅から南港-台北-桃園-台中-彰化-雲林-嘉義-台南-左營変更する設定される,33xx番台ば廃除される)。

2017年10月31日-2018年1月1日[編集]

種別 番台 南港 台北 板橋 桃園 新竹 苗栗 台中 彰化 雲林 嘉義 台南 左營 台北との所要時間
()内は南港
直達車 1xx(11xx) 93-94分(104-105分)
直達快車 2xx(12xx) 99分(110分)
直達快車 203(12xx) 105分(-)
直達快車 1202 99分(109分)
直達快車 295 108分(119分)
空港半直達車 300、333 119分(130分)
首都半直達車 13xx 119分(130分)
各駅停車 6xx(16xx) 117分(128分)
各駅停車 696 124分(-)
区間車 5xx(15xx)   64分~68分(75~80分)
区間車 583、598   64分~65分
各駅停車 8xx 134分(145分)
  • ●:停車、-:通過、★曜日毎に設定される臨時列車、☆多客期のみ設定される臨時列車

2017年4月30日-2017年10月30日[編集]

種別 番台 南港 台北 板橋 桃園 新竹 苗栗 台中 彰化 雲林 嘉義 台南 左營 台北との所要時間
()内は南港
直達車 1xx(11xx) 93-94分(104-105分)
直達快車 2xx(12xx) 99分(110分)
直達快車 203(12xx) 105分(-)
直達快車 1202 99分(109分)
直達快車 295、200 108分(119分)
空港半直達車 333 119分(130分)
首都半直達車 13xx 119分(130分)
各駅停車 6xx(16xx) 117分(128分)
各駅停車 696 124分(-)
区間車 5xx(15xx)   64分~68分(75~80分)
区間車 583、598   64分~65分
各駅停車 8xx 134分(145分)
  • ●:停車、-:通過、★曜日毎に設定される臨時列車、☆多客期のみ設定される臨時列車

2016年7月1日-2017年4月29日[編集]

種別 番台 南港 台北 板橋 桃園 新竹 苗栗 台中 彰化 雲林 嘉義 台南 左營 台北との所要時間
()内は南港
直達車 1xx(11xx) 93-94分(104-105分)
直達快車 2xx(12xx) 99分(110分)
直達快車 203(12xx) 105分(-)
直達快車 1202 99分(109分)
直達快車 295 108分(119分)
空港半直達車 333 119分(130分)
首都半直達車 13xx 119分(130分)
各駅停車 6xx(16xx) 117分(128分)
各駅停車 696 124分(-)
区間車 5xx(15xx)   64分~68分(75~80分)
区間車 583、598   64分~65分
各駅停車 8xx 134分(145分)
  • ●:停車、-:通過、★曜日毎に設定される臨時列車、☆多客期のみ設定される臨時列車

2015年12月-2016年6月[編集]

種別 番台 台北 板橋 桃園 新竹 苗栗 台中 彰化 雲林 嘉義 台南 左營 所要時間
直達車 1xx(11xx) 96分
直達快車 2xx(12xx) 108分
直達快車 295、250 108分
半直達車 3xx(13xx) 120分
半直達車 333 120分
区間車 5xx(15xx)   59分~71分
区間車 581、596   65分~72分
各駅停車 6xx(16xx) 120分
各駅停車 8xx 138分
  • ●:停車、-:通過。

2012年3月-2015年11月[編集]

種別 番台 始発駅 台北 板橋 桃園 新竹 台中 嘉義 台南 左営 終着駅
直達車 100-299 台北 - - - - 左営
1300番台 台北 - - - 左営
直達快車 300番台 台北 - - 左営
1352 左営 - - 台北
399 台北 - - 左営
各駅停車 600-799 台北 左営
区間車 500-549 台北 台中
550-599 台中 左営

● : 停車、■ : 一部の列車が通過、- :通過、▼ : この駅のうち1駅に停車、▲ : この駅のうち0 - 1駅に停車、◆ : 臨時列車

2007年1月(仮営業開始)当時[編集]

種別 番台 始発駅 台北 板橋 桃園 新竹 台中 嘉義 台南 左営 終着駅
直達車 100-199 板橋 - - - - 左営
各駅停車 400-499 板橋 左営
区間車 500-599 板橋 台中

● : 停車、■ : 一部の列車が通過、- :通過、▼ : この駅のうち1駅に停車、▲ : この駅のうち0 - 1駅に停車、◆ : 臨時列車

自由席[編集]

台湾では自由座と称され、10-12号車に設定されている(列車により、9-12号車の4両、8-12号車の5両、1-3号車・9-12号車の7両の場合もあり)。
開業当初は全車指定席(對號座)であったが、料金面でのテコ入れを兼ねて2007年11月より導入された。
当初は10-12号車の3両だったが、その後乗客の急増により9号車も自由席化された。料金面の効果もあり、その後も需要は旺盛で、始発駅から満席に近い列車が多い。
2008年4月現在で高鐵公司内部では自由席の5両化も検討していたという。しかし、割引運賃の拡大とともに(列車によっては、指定席のほうが安くなっている)、2009年夏季ダイヤより2両に減車され、金-日曜日は全車指定席になった。
2010年7月1日のダイヤ改正より、回数券と定期券が設定されたため、再び元の全日3両に戻された(2010年7月以降、朝夕ラッシュ時のみ一部4両)。各車両端部の前後1列は優先席博愛座)である。
片道・往復とも指定日のみ有効で、乗車駅改札入場時から3時間30分が有効期間となる。2008年の春節期間は全車指定席に戻された。
混雑時には車内検札ができておらず、キセル行為が発覚したときはメディアで大きく報道された。
また、2008年の清明節輸送では、あまりの混雑に車掌判断で7-8号車も自由席として開放され、指定席客の顰蹙を買った。
  • 標準車(普通車)全車自由席
    • 2007年11月までの全車指定席の制度下では、台風による運休・遅延時に限り、当日有効のチケット所持者を対象として指定列車の指定車両以外への乗車を認めていた。
    • 2008年3月以降、総統選挙に伴う帰省ラッシュで初めて標準車全車自由席の臨時列車が設定された。清明節期間中の4月6日には該当する3本の列車で通路・デッキにまで立ち客が溢れて乗車率150%を記録し、急遽台中駅始発の臨時を増発するなど、一定の効果をみせた。また、その後も沿線でのイベントや、混雑がみられる時間帯に臨時列車として随時設定されている。

営業[編集]

 累積赤字は2009年6月末で資本金の66%に当たる702億台湾元(約1,950億円)[45]
2007年度の営業赤字が294億元と振るわなかったが、これは主に開業前からの資金調達に苦しんだ結果としての利払い負担や莫大な減価償却費計上による。
2008年の営業赤字は約250億台湾元。損益分岐点は乗客数が1日平均約8万2,000人で、2年目でようやく平日でもこの水準に届くようになった。単月度ではあるが2008年3月に収支均衡、同4月に黒字転換を果たしている。
しかし、利用者数は計画の半分以下の1日約8万人にとどまり[45]、出資者のリーマン・ブラザーズ(香港法人)が破綻するなど、金融危機の影響で利息軽減案や増資案が進展せず、累積赤字が資本金(約1,050億台湾元)の6割を超えるようになった。
経営難に陥った台湾高速鉄道は、開業1年半にして、政府の管理下に置かれて再建されることとなった[45]
 結局2010年1月8日、金融機関との協議が決着し、3,863億元の低利借り換えが成立[46]。ひとまずこの危機は収束することとなった。
 2011年上半期の連結決算で初めて黒字を達成した[47](半期単位では実質的に2010年下半期から)。
最終的に、通年でも黒字となった[48]
2014年末には利用者数累計が2億9709万人に達し、2015年1月に3億人を突破(詳細な日時は不詳)した。また2015年2月22日には一日の利用者数が23万9000人を超え,営業開始以来最高を記録した。
しかし、一部の株主が配当金の支払いと株の買い戻しを求めて2014年に提訴したり、2015年1月7日、国民党の立法委員たちが同党の議員総会で18人の全員一致で、交通部と台湾高速鉄路公司が提出した財務改善計画を否決するなど、再び経営破綻の危機に陥った為に2015年9月10日、台湾高速鉄路公司は臨時株主総会を開き、発行株の6割を減資する一方、交通部などが300億台湾元(約1100億円)を出資する財務改善案を了承した[49][50]

営業実績[編集]

年別営業状況
利用人員/年(人)[1] 利用人員/日(人)[1] 座席キロ:A[注 5] 輸送人キロ:B[1] 座席利用率:B/A
(Load Factor)[1]
運行本数 [51] 列車キロ
Train-km[51]
客車キロ
Passenger Car-km[注 6]
定時運行率
(5分以内)[1]
営業収入
(億台湾ドル[注 7]
単年度収支
(億台湾ドル・税引前)
2007 15,555,656 43,090 7,838,644,289 3,520,173,426 44.91% 24,400 7,925,828 95,109,936 99.47% 135.02[52] −293.98[52]
2008 30,581,261 83,555 15,089,499,008 6,566,119,575 43.51% 45,900 15,257,330 183,087,960 99.19% 230.47[52] −250.09[52]
2009 32,349,260 88,628 14,821,653,184 6,863,960,208 46.31% 45,286 14,986,505 179,838,060 99.25% 233.23[53] −47.91[53]
2010 36,939,596 101,204 15,296,119,539 7,491,019,590 48.97% 46,960 15,466,248 185,594,976 99.21% 276.35[53] −12.10[53]
2011 41,629,303 114,053 15,781,051,602 8,147,869,493 51.63% 48,553 15,956,574 191,478,888 99.87% 322.36[54] 31.85[54]
2012 44,525,754 121,655 15,829,068,364 8,641,573,257 54.59% 48,682 16,005,125 192,061,500 99.40% 339.84[55] 39.57[55]
2013 47,486,859 130,101 15,858,327,738 9,118,060,276 57.50% 48,859 16,034,710 192,416,520 99.38% 361.01[56] 27.09[56]
2014 48,024,758 131,575 16,167,495,855 9,235,162,292 57.12% 50,467 16,347,317 196,167,804 99.61% 385.09[56] 26.58[56]
2015 50,561,954 138,526 16,186,948,588 9,654,960,687 59.65% 50,532 16,366,984 196,403,808 99.66% 519.01[57] [注 8]188.33[57]
2016 56,586,210 154,607 16,512,526,628 10,488,339,832 63.52% 51,106 16,696,185 200,354,220 99.43% 406.10[57] 49.97[57]
2017 60,571,057 165,948 17,040,173,121 11,103,358,620 65.16% 51,751 17,229,700 206,756,400 99.72% 434.35[58] 64.78[58]
2018 63,963,199 175,242 17,249,709,128 11,558,787,218 67.01% 52,437 17,441,565 209,298,780 99.43% 454.15[59] 73.11[59]
2019 67,411,248 184,688 17,629,990,176 11,994,452,919 68.03% 53,727 17,826,078 213,912,936 99.88% 475.07[59] 77.75[59]
2020 57,238,942 156,391 17,407,299,001 9,912,062,318 56.94% 53,076 17,600,909 211,210,908 99.74% 391.37[60]
累積利用客数
  • 2007年5月28日:500万人(144日目)
  • 2007年9月18日:1,000万人(257日目)
  • 2007年12月21日:1,500万人(351日目)
  • 2008年3月7日:2,000万人(428日目)
  • 2008年7月5日:3,000万人(548日目)
  • 2008年10月23日:4,000万人(658日目)
  • 2009年2月13日:5,000万人(771日目)
  • 2010年8月3日:1億人(1,307日目)[61]
  • 2011年12月5日:1億5,000万人(1,796日目)
  • 2012年12月17日:2億人(2,174日目)[62]
  • 2015年1月:3億人
  • 2016年12月4日:4億人(3,622日目)[63]
  • 2018年7月23日:5億人(4,218日目)[64]
  • 2020年1月17日:6億人(4,761日目)[65]

営業上の競合など[編集]

航空便との競合[編集]

2000年前後の台北-高雄間の航空路線は、4社(遠東(ファー・イースタン)航空華信航空(マンダリン・エアー)立榮航空(ユニ・エアー)復興航空(トランスアジア航空)で1日50往復程度、年間800万人以上(2都市間の利用客数では東京(羽田) - 札幌(新千歳)、東京(羽田) - 福岡に次ぐ)の輸送実績があったが、台湾高速鉄道の開業を控え、徐々に減便していた。

高鐵開業後の2008年5月に国内線大手の遠東航空が経営破綻するなど、最も影響を受けた国内の交通機関である。最近では高速バス同様、割引運賃を値上げする事業者が出ている。

  • 台北-高雄線
    • 高鐵開業前年の2006年は台北-高雄線は265万1120人の輸送実績があった[66]
    • 高鐵が開業すると、4社計24往復体制で高鐵との集客戦が始まった。一時は4社の共通シャトル運賃を設定したり(後に廃止)、割引運賃を高鐵のスタンダード・クラス(普通車指定席)とほぼ同額に設定(普通運賃で2200元前後を1400元前後)した。それにもかかわらず、原油高もあって減少傾向は止まらず、8月までで搭乗率40%台にまで落ち込んだ。
    • 秋からは最安で1,090元まで値下げし、搭乗率をほぼ90%に回復させた社もあり、高鐵側の成長を一時的にでも止めることに成功したが、終始高鐵の利便性に押され気味であった(ただし、定員200人以下の小型機主体のため、日本における大型旅客機と新幹線の競合とは単純に比較できない)。
    • 結局、2007年の実績は133万5717人とほぼ半減した。2008年3月1日に4社のうち、2往復を運航していた立榮航空が撤退。
    • 同年7月1日、復興航空が国際線扱いの経由便(澳門-高雄-台北線)を残して撤退。
    • 2008年夏以降、華信航空が減便を繰り返しながらも、週3往復運航していたが、2009年6月からは週5往復に増便された(現在は毎日1往復に増便)。
    • 2010年5月1日、復興航空が毎日1往復で再参入。
    • 2012年3月1日、復興航空が運航休止。華信航空の週3往復のみに
    • 2012年8月31日、華信航空が台北-高雄線から撤退し、この区間の空路が消滅
  • 台北-台南線
    • 前年度の106万1387人から51万1670人と半減。2008年3月1日に1往復を運航していた遠東航空が撤退。
    • 同年8月1日、復興航空の撤退で路線が消滅。
  • 台北-嘉義線
    • 2007年8月16日に唯一運航していた立榮航空が撤退したため路線が消滅。
  • 台北-台中線
    • 2007年4月29日に台北-台中線(華信航空)が撤退し、この区間の空路は消滅。
    • 最盛期には2社で19往復体制だったが、2006年末で1日2往復に過ぎず、搭乗率も2割以下だった。
  • その他西海岸線
    • 台北 - 恆春線では開業直後の2007年3月1日で復興航空が廃止、立榮航空のみが週3往復を運航。2012年9月から週2往復に減便、2014年9月より運休。
    • 台北 - 屏東線は立榮航空が週3往復の運航をしていたが、2011年8月8日のラストフライトを以って撤退。空港自体も11日以降に閉鎖され、空軍基地となった。[67][68]

在来線(台鐵・台湾鐵路局)との競合[編集]

民営の高鐵と国営の台鐵は並行路線で競合する。台鐵の西部幹線(台北 - 台中 - 高雄)ではほぼ全面的に競合するが、台鐵はむしろ高速バスの脅威に晒されていた。
自強号で台北-高雄が4時間 - 4時間半、台北-台中では2時間強と所要時間では長距離になるほど不利である。
高鐵は市街地から離れた駅が多く、開業遅れとやや高めの料金だったこともあり、台鐵から高鐵への転移は予想を下回っていた。
料金面では台北-高雄(左営)では845元の自強号に対し、高鐵は1,490元(普通車指定席)。
しかし、2007年11月に高鐵側が自由席を設定し、同時に2割引の販促を展開すると、料金が高鐵が自強号より安くなる区間ができた(台北-新竹など)。数度にわたる高鐵の増発もあって、高雄駅では売上減がそれまでの7%から16%に拡大した。
2007年の実績は輸送人員・旅客収入ともに増加したものの、高鐵開業を見据えて展開していた捷運化が功を奏したとの見方が強く、実際に200km以上での長距離輸送分野ではマイナス成長となった。
2008年の春節期間には、東部幹線で運用中の太魯閣号を西部幹線の台中・彰化・員林まで達する臨時列車を2往復設定した。
この列車は台北-台中を90分台で結んだため、新烏日駅経由で高鐵の各駅停車と乗り継ぐよりも速いケースがあり、台北-員林間でも6割以上の乗車率を記録した。
しかし、帰省シーズンの西部幹線全体の輸送量は高鐵側が1年前より約3倍に増発したこともあり、4%ほど減少した。
2月25日からは彰化-花蓮の太魯閣号を好評につき定期列車化(後日、員林まで延伸)したが、1日1往復にすぎず、高鐵との本格的な競合とは言いがたい。
5月15日のダイヤ改正では、2次車の投入により、太魯閣号の本数がほぼ倍増され、西部幹線でも彰化 - 基隆間運転の列車が新設されたが、主力の自強号は途中停車駅を増やしたことで、所要時間が大幅に増加した。
2009年6月、台北-高雄間を845元から599元、台北・松山-台中・彰化間を375元から299元(限定便のみ)にした割引を開始。
2016年4月のダイヤ改正[69] により、1日1往復ではあるが(同年10月に1往復増発)、松山 - 潮州間に普悠瑪号が投入され、台北から市内のアクセス面で優位な台南は3時間10分前後、
途中停車駅の増加で現在4時間強から5時間弱かかっている高雄間は3時間40分前後で、直通が強みとなる屏東・潮州へは4時間強で結ばれる。
台北 - 高雄間ではかつてのEMU300型での最速記録3時間47分(台南のみ停車)を更新し、停車駅は、松山・台北・板橋・台中・嘉義・台南・高雄・屏東・潮州。
また既存の彰化・斗六発着で北廻線花蓮直通の普悠瑪号に週末運転の太魯閣号も追加され、100分以内の台中(他の自強号では2時間強)だけでなく彰化・員林・斗六といった
高速鉄道駅へのアクセスが不便[70] なエリアでの利便性向上が図られる。[71]

国道客運(高速バス)との競合[編集]

高速バスは台北-高雄で5時間、普通運賃は500 - 600元程度だが、曜日や時間帯に応じて様々な割引策を講じている。 国光汽車客運統聯客運和欣客運阿羅哈客運 などの大手4社以外にも中小事業者の運行も多い。 事業者によっては24時間運行もなされている。 西海岸に2本の高速道路があり、大都市間だけでなく中小都市も高頻度かつドア・ツー・ドアで結び、また料金格差もあり、高鐵開業後もしばらくは影響を受けずにいた。むしろ同業者同士の競争が熾烈である。

しかし自由席設定後に台鐵と同様、長距離便で最大3割減となる運行事業者もあった。また、ここ最近の原油高にもかかわらず、一部では台北-台中が100元台、台北-台南が200元台、台北-高雄が300元台を打ち出すなど、価格破壊が熾烈を極めている。

雲林駅開業後、同県内を拠点とする日統客運中国語版は長距離利用客が急減し、一部停留所を閉鎖した[72]

将来[編集]

屏東延伸計画[編集]

屏東延伸構想
hCONTg
↑台南・台北方面
KDSTa hSTR
燕巣車両工場
hSTRl hABZg+r
ehHST
北高雄駅(仮称)
STRc2 xhABZg3
LSTR+r STR+l ABZr+1x2
台湾鉄路管理局縦貫線
INT-L INT-R exSTRc1 exhABZg+4
新左営/高鉄左営
LSTR ENDExe exhSTR
exLSTR+l
exABZgr exhSTR
exLSTR tLSTR extSTRa@g exhSTR
exLSTR tINT-L extINT-R exhSTR
高雄
exLSTR tSTRe extSTRe exhSTR
exLSTR hKRZWae exhKRZWae exhKRZWae
高屏渓
exLSTR LSTR exSTRl exSTRq exhABZg+r
exLSTR LSTRl LSTRq