区検察庁

区検察庁(くけんさつちょう)は、日本検察庁の種類の1つであり、簡易裁判所に対応する検察庁である。

一般に区検(くけん)と略される。

区検察庁の組織[編集]

区検察庁には、検事副検事(以上2官が検察官)、検察事務官及び検察技官が置かれる。なお、副検事は、区検察庁の検察官の職のみにこれを補するものとされている[1]

区検察庁にあっては、法務大臣が、検察官が足りないため必要と認めるときは、区検察庁の検察事務官にその庁の検察官の事務を取り扱わせることができる[2]。 この場合の検察事務官を特に「検察官事務取扱検察事務官」という。

2人以上の検事又は検事及び副検事の属する各区検察庁には、上席検察官(じょうせきけんさつかん)各1人が置かれ、検事を以てこれに充てられる[3]

上席検察官の置かれた各区検察庁においては、その庁の上席検察官が、その他の各区検察庁においては、その庁に属する検事又は副検事(副検事が2人以上あるときは、検事正の指定する副検事)が庁務を掌理し、且つ、その庁の職員を指揮監督する[4]

管轄区域外に設置される区検察庁[編集]

基本的に、簡易裁判所は、それぞれの管轄区域内に庁舎が置かれている。それに対して、区検察庁の庁舎は必ずしも管轄区域内に置かれるとは限らず、複数の区検察庁が同一庁舎に同居している例もある。具体的には、次のようなケースがある。

  1. 最高検察庁の位置並びに最高検察庁以外の検察庁の名称及び位置を定める政令(昭和22年政令第35号)第三表(以下「第三表」と略)において、簡易裁判所とは異なる市町村に所在地が定められているケース - 石岡区検察庁(水戸市石岡簡易裁判所石岡市)、岡谷区検察庁(諏訪市岡谷簡易裁判所岡谷市)、など
  2. 第三表において、簡易裁判所と同じ市町村に所在地が定められているものの、非常駐庁舎のため検察庁ウェブサイトでは異なる(常駐先の)庁舎を案内しているケース - 茨木区検察庁(茨木簡易裁判所と同じく茨木市に所在するが、非常駐庁舎のため[5]、ウェブサイトでは大阪市福島区の大阪中之島合同庁舎を案内[6])、熱海区検察庁(熱海簡易裁判所と同じく熱海市に所在するが、非常駐庁舎のため[7]、ウェブサイトでは沼津市静岡地方検察庁沼津支部庁舎を案内[8])、など

区検察庁一覧[編集]

は地検本庁所在地、は地検支部所在地、下線は管轄区域外に所在する他の区検庁舎において事務を取り扱う区検察庁(詳細は前述)を示す。

北海道地方[編集]

札幌地方検察庁管内
  • 札幌・岩見沢・室蘭・小樽・滝川・浦河岩内・苫小牧夕張伊達静内
函館地方検察庁管内
  • 函館江差松前・八雲・寿都
旭川地方検察庁管内
  • 旭川・名寄・紋別留萌・稚内深川富良野中頓別天塩
釧路地方検察庁管内
  • 釧路・帯広・網走・北見・根室本別遠軽標津

東北地方[編集]

青森県
岩手県
宮城県
秋田県
山形県
福島県

関東地方[編集]

茨城県
栃木県
群馬県
埼玉県
千葉県
東京都
神奈川県

中部地方[編集]

新潟県
富山県
石川県
福井県
山梨県
長野県
岐阜県
静岡県
愛知県

近畿地方[編集]

三重県
滋賀県
京都府
大阪府
兵庫県
奈良県
和歌山県

中国・四国地方[編集]

鳥取県
島根県
岡山県
広島県
山口県
徳島県
香川県
愛媛県
高知県

九州・沖縄地方[編集]

福岡県
佐賀県
長崎県
熊本県
大分県
宮崎県
鹿児島県
沖縄県

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ 検察庁法16条2項。
  2. ^ 検察庁法附則36条。「当分の間」とされているが、現在も存続している。
  3. ^ 検察庁法10条1項。
  4. ^ 検察庁法10条2項。
  5. ^ 国有財産の監査結果について” (PDF). 近畿財務局. p. 2 (2015年6月16日). 2016年8月6日閲覧。
  6. ^ 管内検察庁の所在地・交通アクセス”. 大阪地方検察庁 (2016年1月25日). 2016年8月6日閲覧。
  7. ^ 平成27年度国有財産監査の結果について” (PDF). 東海財務局. p. 4 (2016年5月18日). 2016年8月6日閲覧。
  8. ^ 静岡地検,管内検察庁の所在地・交通アクセス”. 静岡地方検察庁 (2015年6月16日). 2016年8月6日閲覧。

関連項目[編集]