共同の部隊 (自衛隊)

共同の部隊(きょうどうのぶたい)とは、陸上自衛隊海上自衛隊又は航空自衛隊防衛大臣直轄部隊であって、統合運用による円滑な任務遂行上一体的運営を図る必要がある場合があると認められ、陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊の共同の部隊として置かれたものである。自衛隊法第21条の2及び自衛隊法施行令第30条の12から15に定められている。

従来、自衛隊法第24条第5項の規定により、陸上自衛隊、海上自衛隊および航空自衛隊の「共同の機関」という制度が存在しており、具体的には、自衛隊病院自衛隊体育学校及び自衛隊地方協力本部(かつての自衛隊地方連絡部)が共同の機関として置かれている。

しかしながら「共同の部隊」という制度が存在しなかったため、統合運用の観点から、2007年(平成19年)に自衛隊法を改正(平成19年6月8日公布の、平成19年法律第80号による改正)して設置されたものである。

共同の部隊は、いずれも「自衛隊○○隊」という名称を有する。

共同の部隊の旗に関しては自衛隊の旗#共同の部隊旗等参照。

共同の部隊
設置年月日 部隊名 隊司令
2008年(平成20年)3月26日
- 2022年(令和4年)3月16日
自衛隊指揮通信システム隊 1佐
2009年(平成21年)8月1日 自衛隊情報保全隊 将補
2022年(令和4年)3月17日 自衛隊サイバー防衛隊[1] 将補
2025年(令和7年)3月に新編予定 自衛隊海上輸送群(仮称)[2][3]

根拠法令[編集]

自衛隊法
第21条の2  陸上自衛隊、海上自衛隊又は航空自衛隊の防衛大臣直轄部隊(方面隊中央即応集団自衛艦隊地方隊教育航空集団練習艦隊航空総隊航空支援集団航空教育集団及び航空開発実験集団を除く。)は、統合運用による円滑な任務遂行上一体的運営を図る必要がある場合には、陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊の共同の部隊として置くことができる。
2  前項の共同の部隊の運用に係る防衛大臣の指揮は、統合幕僚長を通じて行い、これに関する防衛大臣の命令は、統合幕僚長が執行するものとするほか、当該部隊に対する防衛大臣の指揮監督について幕僚長の行う職務に関しては、防衛大臣の定めるところによる。

自衛隊法施行令
第4節 共同の部隊
(自衛隊情報保全隊)
第30条の12  陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊の共同の部隊として、自衛隊情報保全隊を置く。
2  自衛隊情報保全隊は、自衛隊情報保全隊本部及び中央情報保全隊その他防衛大臣の定める部隊をもつて編成する。
(自衛隊情報保全隊司令)
第30条の13  自衛隊情報保全隊の長は、自衛隊情報保全隊司令とする。
2  自衛隊情報保全隊司令は、陸将補、海将補又は空将補をもつて充てる。
(自衛隊指揮通信システム隊)
第30条の14  陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊の共同の部隊として、自衛隊指揮通信システム隊を置く。
2  自衛隊指揮通信システム隊は、自衛隊指揮通信システム隊本部及びネットワーク運用隊その他防衛大臣の定める部隊をもつて編成する。
(自衛隊指揮通信システム隊司令)
第30条の15  自衛隊指揮通信システム隊の長は、自衛隊指揮通信システム隊司令とする。
2  自衛隊指揮通信システム隊司令は、1等陸佐、1等海佐又は1等空佐をもつて充てる。

脚注[編集]

  1. ^ 自衛隊指揮通信システム隊を母体に編成
  2. ^ その名も「海上輸送群」自衛隊の新部隊どんな姿に? 陸海空の共同 中国に立ち向かう“運び屋”に”. 乗りものニュース (2023年11月17日). 2023年12月6日閲覧。
  3. ^ 防衛力抜本的強化の進捗と予算-令和6年度概算要求の概要-2023年8月31日、防衛省。

外部リンク[編集]