任天堂企画制作本部

任天堂企画制作本部
Nintendo Entertainment Planning & Development
京都にある任天堂開発棟の外観
京都にある任天堂開発棟の外観
種類 任天堂の開発部門
略称 EPD
本社所在地 日本の旗 日本
601-8501
京都府京都市南区東九条南松田町2-1
北緯34度58分11秒 東経135度45分22.3秒 / 北緯34.96972度 東経135.756194度 / 34.96972; 135.756194座標: 北緯34度58分11秒 東経135度45分22.3秒 / 北緯34.96972度 東経135.756194度 / 34.96972; 135.756194
設立 2015年9月16日[1]
業種 その他製品
事業内容 家庭用ゲーム機器向けソフトウェアの開発および支援
代表者
支店舗数 2(京都東京
所有者 任天堂株式会社
関係する人物
外部リンク www.nintendo.co.jp
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任天堂企画制作本部(にんてんどう きかくせいさくほんぶ、: Nintendo Entertainment Planning & Development、EPD)は、任天堂最大のゲームソフト開発部門である。この部門はかつて任天堂のソフトウェア開発部門として併存していた情報開発本部(EAD)と企画開発本部(SPD)が2015年9月に統合されて設立されたものである[5][6]

歴史

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2015年9月16日、新たに任天堂の社長に就任した君島達己の下で実施された大規模な企業再編の一環として、任天堂のゲームソフト開発部門であった情報開発本部(EAD)と企画開発本部(SPD)が統合され、企画制作本部が設立された[5][6][7][8]

企画制作本部は、統合された2部門の役割を引き継ぎ、任天堂プラットフォームおよびスマートデバイス向けのソフトウェア開発、並びに知的財産の管理やライセンスアウトを行う。また、外部スタジオとの協働におけるプロジェクトの監修や制作支援も担っている。本部長には企画開発本部の本部長を務めていた高橋伸也が就任し、江口勝也(前情報開発本部副本部長)と小泉歓晃(前情報開発本部東京制作部第2グループマネージャー)が副本部長を務めている[6][9]

設立初期には、上記のほか青沼英二野上恒田邊賢輔手塚卓志坂本賀勇がそれぞれ上級の役職を務め、2019年にはこのうち青沼、野上、田邊が昇進した[10]。また、2023年には高橋と小泉がより上位の役職に昇進し、青沼と音楽スタッフの近藤浩治が上席役員に任命された[11][12][13][14]

2023年時点で、企画制作本部は第10までのプロダクショングループ、スマートデバイスプロダクショングループ、協働開発プロダクショングループ、サウンド統括グループを有していることが確認されている[15][16]

組織構造

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主に京都に拠点を置く企画制作本部は、統合前の2部門と同様の仕組みで運営され、多くのグループに分かれている。本部には10のプロダクショングループが存在し、それぞれがゲームの開発またはプロダクションを担当している。各グループには専任のマネージャー、プロデューサー、プロジェクトリーダーがおり、特定のシリーズやプロジェクトに集中しながら、本部全体の人材を活用して開発を進めている。また、本部長、副本部長、上席統括役員がこれらのプロダクショングループを統括している。以下に現在確認されているグループを示す。

協働開発プロダクショングループ(旧第2プロダクショングループ、2023年に改称[要出典]
外部スタジオが開発し任天堂が発売するタイトルの多くを担当しており、「星のカービィ」、「ゼノブレイド」、「ファイアーエムブレム」、「マリオ&ルイージRPG」シリーズなどが含まれる[17][18][19][20][21]
第3プロダクショングループ
藤林秀麿を中心としたチームを有し、「ゼルダの伝説」シリーズ本編の開発を担当している[22]
第4プロダクショングループ
河本浩一嶋村隆行を中心としたチームを有し、「1-2-Switch」、「Nintendo Labo」、「リングフィット アドベンチャー」、「もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」、「ジャンプロープ チャレンジ」、「ナビつき!つくってわかる はじめてゲームプログラミング」、「Nintendo Switch Sports」、「エブリバディ 1-2-Switch!」などの体を動かすことに重点を置いたゲームやカジュアルゲームといった実験的なタイトルを開発している。同グループはまた、任天堂技術開発本部と共同で「Alarmo」を開発した[23][24]
第5プロダクショングループ
京極あやをグループマネージャーとして、「どうぶつの森」シリーズや「スプラトゥーン」シリーズを開発している[25]
第6プロダクショングループ
外部スタジオが開発し任天堂が発売する「ペーパーマリオ」、「メトロイドプライム」、「ルイージマンション」シリーズなどを監修・プロデュースしている[10]
第7プロダクショングループ
MercurySteamと共同で2D「メトロイド」を開発し、MAGES.とともに「ファミコン探偵倶楽部」シリーズを手がけている[26]
第8プロダクショングループ(別名:Nintendo EPD Tokyo)
3D「スーパーマリオ」シリーズを開発している[27]
第9プロダクショングループ
矢吹光佑をグループマネージャーとして、「マリオカート」シリーズや「ARMS」を開発している[28]
第10プロダクショングループ
2D「スーパーマリオシリーズ」や「スーパーマリオメーカー」シリーズ、「ピクミン」シリーズを開発している[29]
スマートデバイスプロダクショングループ
紺野秀樹をグループマネージャーとして、他のEPDグループと連携してスマートフォン向けゲームの開発や外部スタジオとのプロデュースを担当している[30]

脚注

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出典

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  1. ^ 代表取締役の異動および役員の委嘱・管掌・担当変更に関するお知らせ”. 任天堂 (2015年9月14日). 2017年2月9日閲覧。
  2. ^ 任天堂『有価証券報告書 第84期(2023年4月1日 - 2024年3月31日) 役員の状況』(レポート)2024年6月28日https://www.nintendo.co.jp/ir/pdf/2024/security_q2403.pdf#page=352024年7月10日閲覧 
  3. ^ 『スーパーマリオメーカー2』でより深みを増す“つくる”と“あそぶ”。そのこだわりを手塚卓志プロデューサーに聞く【E3 2019】”. ファミ通.com (2019年6月27日). 2023年7月23日閲覧。
  4. ^ ”マリオ音楽”制作秘話~名古屋出身・近藤浩治さん~”. NHK名古屋 (2023年6月27日). 2023年7月23日閲覧。
  5. ^ a b Nintendo Consolidates Its Game Development Teams”. Wired. Condé Nast (2015年9月14日). 2015年9月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月15日閲覧。
  6. ^ a b c Nintendo Reveals Restructuring Plans”. IGN. Ziff Davis (2015年9月14日). 2015年9月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月15日閲覧。
  7. ^ Yoshimura, Takuya (2015年9月14日). “Notice Regarding Personnel Change of a Representative Director and Role Changes of Directors”. www.nintendo.co.jp. 2015年9月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年1月10日閲覧。
  8. ^ 「人事、任天堂」日本経済新聞 (2015-09-15)
  9. ^ Totilo, Stephen (2015年9月14日). “Some Inside Baseball For Nintendo Fans As EAD Transforms”. Kotaku. 2021年4月30日閲覧。
  10. ^ a b Eiji Aonuma And Multiple Others Have Been Promoted At Nintendo”. Nintendo Life (2019年6月15日). 2019年6月17日閲覧。
  11. ^ Ask the Developer Vol. 5, Nintendo Switch Sports–Part 1 - News - Nintendo Official Site” (英語). www.nintendo.com. 2023年5月10日閲覧。
  12. ^ Ask the Developer Vol. 9, The Legend of Zelda: Tears of the Kingdom—Part 1 - News - Nintendo Official Site” (英語). www.nintendo.com. 2023年5月10日閲覧。
  13. ^ Ask the Developer Vol. 11, Super Mario Bros. Wonder—Part 1 - News - Nintendo Official Site” (英語). www.nintendo.com. 2023年10月18日閲覧。
  14. ^ Annual Report 2024”. www.nintendo.co.jp (2024年7月8日). 2024年7月9日閲覧。
  15. ^ スマホ版『ファイアーエムブレム ヒーローズ』 配信前に気になるアレコレを開発者に聞いてみた!”. ファミ通App (2017年2月1日). 2023年7月23日閲覧。
  16. ^ 開発者に訊きました : ピクミン4”. 任天堂 (2023年7月20日). 2023年7月23日閲覧。
  17. ^ Ask the Developer Vol. 4, Kirby and the Forgotten Land”. Nintendo of Europe GmbH. 2023年7月22日閲覧。
  18. ^ Ask the Developer Vol. 6, Xenoblade Chronicles 3 – Chapter 1”. Nintendo of Europe GmbH. 2023年7月22日閲覧。
  19. ^ Ask the Developer Vol. 8, Fire Emblem Engage – Chapter 1”. Nintendo of Europe GmbH. 2023年7月22日閲覧。
  20. ^ Ask the Developer Vol. 10, Pikmin 4 – Chapter 1”. Nintendo of Europe GmbH. 2025年4月14日閲覧。
  21. ^ Ask the Developer Vol. 15, Mario & Luigi: Brothership – Chapter 1”. Nintendo of Europe GmbH. 2024年12月5日閲覧。
  22. ^ Ask the Developer Vol. 9, The Legend of Zelda: Tears of the Kingdom – Chapter 1”. Nintendo of Europe GmbH. 2023年7月22日閲覧。
  23. ^ Ask the Developer Vol. 5, Nintendo Switch Sports”. Nintendo of Europe GmbH. 2023年7月22日閲覧。
  24. ^ Ask the Developer Vol. 14, Nintendo Sound Clock: Alarmo – Chapter 1”. Nintendo of Europe GmbH. 2024年12月5日閲覧。
  25. ^ Ask the Developer Vol. 7, Splatoon 3 – Chapter 1”. Nintendo of Europe GmbH. 2023年7月22日閲覧。
  26. ^ Ask the Developer Vol. 12, Emio – The Smiling Man: Famicom Detective Club – Chapter 1”. Nintendo of Europe SE. 2025年1月18日閲覧。
  27. ^ 『スーパーマリオ オデッセイ』小泉Pに訊く、心に刺さる驚きを目指した“箱庭マリオ”の革新と、名作が続く任天堂開発の秘訣(1/3)”. ファミ通.com. KADOKAWA Game Linkage (2017年10月25日). 2025年4月14日閲覧。
  28. ^ Breaking Down the Staff Behind Arms”. Nintendo World Report (2017年6月15日). 2025年4月14日閲覧。
  29. ^ Ask the Developer Vol. 10, Pikmin 4 – Chapter 2”. Nintendo of Europe GmbH. 2023年7月22日閲覧。
  30. ^ スマホ版『ファイアーエムブレム ヒーローズ』 配信前に気になるアレコレを開発者に聞いてみた! | ファミ通App【スマホゲーム情報サイト】”. ファミ通App. 2024年2月27日閲覧。