交響的変奏曲 (ドヴォルザーク)

交響的変奏曲 作品78 B.70チェコ語: Symfonické variace pro orchestr)は、アントニン・ドヴォルザークが作曲した管弦楽作品ブラームスの『ハイドンの主題による変奏曲』の影響が少なからず指摘されている。

作曲の経緯[編集]

作品の構想は1877年の始め頃から行われ、8月6日に作曲に着手するが、オペラいたずら農夫英語版』の作曲のために延ばしたため、オーケストレーションが完成されたのは同年の9月28日のことであった。この時の作品番号(Op.)は38が与えられた。

初演は同年の12月2日プラハでルデヴィート・プロハスカの指揮する劇場の管弦楽団によって行われたが、作品番号は40と変更されている。その後約10年間は演奏されていなかったが、1887年3月6日にドヴォルザークの指揮で行われたプラハのルドルフィヌムでの演奏会で、大きな反響を受けたため、当時イギリスでの公演を控えていたウィーン・フィルハーモニー管弦楽団指揮者ハンス・リヒターにこの作品を演奏するように依頼している。5月12月に行われたイギリスでの公演は成功を収めたため、翌1888年ジムロック社から作品78として出版された。

楽器編成[編集]

フルート2(ピッコロ持ち替え)、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、ティンパニトライアングル弦五部

構成[編集]

ハ長調の主題と28の変奏から構成され、演奏時間は約24分。なお主題は1877年の初頭に作曲された男声合唱曲『3つの歌』 (B.66) からの第3曲「私は流しのヴァイオリン弾き」(Ja jsem huslar)である(この主題は1876年ピアノ協奏曲に原型が見られる)。また全体は以下の4つの部分に分けることが可能である。

  • 第1部分:主題、第1変奏、第2変奏、第3変奏
  • 第2部分:第4変奏 - 第16変奏
  • 第3部分:第17変奏 - 第26変奏
  • 第4部分:第27変奏 - 第28変奏(フィナーレ)

参考文献[編集]

  • 作曲家別名曲解説ライブラリー6 ドヴォルザーク (音楽之友社

外部リンク[編集]