中郷 (薩摩川内市)

中郷
薩摩川内市立育英小学校
北緯31度49分57.2秒 東経130度18分39秒 / 北緯31.832556度 東経130.31083度 / 31.832556; 130.31083
日本の旗 日本
都道府県 鹿児島県の旗 鹿児島県
市町村 薩摩川内市
地域 川内地域
人口
2020年10月1日現在)
 • 合計 5,108人
等時帯 UTC+9 (JST)
郵便番号
895-0072 
市外局番 0996
ナンバープレート 鹿児島
運輸局住所コード 46514-0299(中郷町)[1]
46514-0287(中郷)[1]
地図

中郷(ちゅうごう[2])は、鹿児島県薩摩川内市町丁[3]。旧薩摩国薩摩郡中郷中郷村薩摩国薩摩郡東郷中郷村薩摩郡下東郷村大字中郷川内市中郷町郵便番号は895-0072[4]。中郷一丁目から中郷五丁目まで及び中郷町があり、中郷一丁目及び中郷二丁目の全域で住居表示を実施している[5]。人口は5,108人、世帯数は2,189世帯(2020年10月1日現在)[6]

地理[編集]

中郷池付近の航空写真。上池は運動公園町、下池は中郷町に属している。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

薩摩川内市の西部、川内川下流域に所在している。字域の北方には田海町運動公園町高城町、南方には東大小路町原田町、西方には国分寺町、高城町、東方には川内川を挟んで、天辰町白浜町が接している。

字域の中央部を南北に国道267号が通っており、南部を東西に九州新幹線の高架が通過している。中央部には中郷下池が所在しており、もう一つの中郷上池は運動公園町に所在している。

教育施設は字域の北東部に薩摩川内市立育英小学校が所在している。

河川[編集]

  • 川内川(町域の東端を南北に流れる)

湖沼[編集]

町名の由来[編集]

「中郷」という地名は古代の託万郷(たくまごう)がのちに3つの郷に分けられた時に、この地域が3郷のうちで中央(西部は高城郷、東部は東郷)に位置していたことに由来している[7]

歴史[編集]

成立から町村制施行まで[編集]

中郷という地名は平安時代末期より見え、薩摩国のうちであった。この地は「和名類聚抄」で見える高城郡託万郷の地であり、その後東郷と高城郷に分割され、さらに東郷を東郷と中郷に分割されたとされている。戦国期は渋谷東郷氏の支配下にあったが、入来院氏とともに渋谷東郷氏が所領を島津氏に献上し、当地を含めた川北部が薩州家島津義虎に与えられた[7]

江戸時代には薩摩郡中郷(外城)のうちであった。中郷は中郷村のみで構成されており、小之郷に位置づけられていた。明治3年に中郷が東郷に編入され中郷村は薩摩郡東郷のうちとなった[8]村高は「検地目録」及び「天保郷帳」には1,888石余、「旧高旧領取調帳」には1,303石余であったと記載されている[7]

町村制施行以後[編集]

1889年明治22年)4月1日町村制が施行されたのに伴い、それまでの東郷の区域のうち田海村、白浜村及び中郷村の3村の区域より下東郷村が成立し、江戸期の中郷村は下東郷村の大字「中郷」となった。

1957年(昭和32年)4月1日には下東郷村川内市薩摩郡東郷町高城村に分割編入されることとなり、大字中郷の区域は全域が川内市に編入された[9]4月15日に鹿児島県公報に掲載された「 大字の廃止及び町の新設」(鹿児島県告示)により4月1日付で大字中郷を廃し、その区域を以て新たに川内市の町「中郷町」が設置された[3][7]

1981年(昭和56年)には字域の一部が原田町東大小路町に分割された[7]1992年平成4年)には原田町、中郷町の各一部より「中郷一丁目」、「中郷二丁目」、「中郷三丁目」及び「中郷四丁目」を設置する旨の告示があり、土地区画整理法による換地処分が行われた日の翌日に前述の丁目が設置された[10]

2000年平成12年)8月1日に中郷町の一部が運動公園町に分割された[11][12]。同年12月8日には中郷町の一部より分割され、川内市の町名「中郷五丁目」が設置され、中郷町の一部が中郷三丁目、中郷四丁目に編入された[13]

2004年(平成16年)10月12日川内市東郷町入来町祁答院町樋脇町下甑村上甑村鹿島村里村が新設合併し薩摩川内市が設置された[14]。この市町村合併に伴い設置された法定合併協議会において川内市の町・字については「現行通りとする。」と協定されたため、名称の変更は行われずに薩摩川内市の町となった[15]

字域の変遷[編集]

分割実施後 分割実施年月日 分割実施前
原田町の一部 1981年(昭和56年) 中郷町の一部
東大小路町の一部
中郷一丁目及び中郷二丁目 1992年平成4年) 中郷町及び原田町の各一部
中郷三丁目及び中郷四丁目 中郷町の一部
運動公園町の一部 2000年平成12年)
中郷五丁目(全域)
中郷三丁目及び中郷四丁目の一部

文化財[編集]

国指定[編集]

  • 新田神社文書(百二十四通)九巻、一枚(有形文化財(古文書))[16]
  • 船大工樗木家関係資料(有形文化財(古文書))[16]

県指定[編集]

  • 里八幡神社の大般若波羅蜜多経(有形文化財(書跡・典籍))[16]

市指定[編集]

  • 宥印法印文書(有形文化財(古文書))[17]
  • 清水寺経壺(有形文化財(考古資料))[17]
  • 青磁蓮花唐草文碗 青磁櫛描き文皿(有形文化財(考古資料))[17]
  • 平佐焼絵形(有形文化財(歴史資料))[17]
  • 熊野神社板碑(有形文化財(歴史資料))[17]
  • ロザリオ聖母踏絵(有形文化財(歴史資料))[17]
  • 中郷虚無僧踊(無形民俗文化財)[18]
  • 中郷太鼓踊(無形民俗文化財)[19]

施設[編集]

川内中郷郵便局

公共[編集]

教育[編集]

郵便局[編集]

  • 川内中郷郵便局

寺社[編集]

  • 宅満寺

人口・世帯数[編集]

2020年10月1日現在の中郷一丁目から中郷五丁目、中郷町の人口、世帯数を以下に示す[6]

町・字 人口 世帯数
中郷一丁目 1,181 439
中郷二丁目 554 284
中郷三丁目 583 238
中郷四丁目 666 284
中郷五丁目 349 149
中郷町 1,775 795
5,108 2,189

小・中学校の学区[編集]

市立小・中学校に通う場合、学区(校区)は以下の通りとなる[21]

町丁 番・番地 小学校 中学校
中郷一丁目 全域 薩摩川内市立育英小学校 薩摩川内市立川内北中学校
中郷二丁目 全域
中郷三丁目 全域
中郷四丁目 全域
中郷五丁目 全域
中郷町 全域

交通[編集]

道路[編集]

一般国道

脚注[編集]

  1. ^ a b 自動車登録関係コード検索システム”. 国土交通省. 2021年4月26日閲覧。
  2. ^ 本市の町名一覧について”. 薩摩川内市. 2020年8月8日閲覧。
  3. ^ a b 大字の廃止及び町の新設(昭和32年鹿児島県告示第294号、昭和32年4月15日付鹿児島県公報第4143号所収、 原文
  4. ^ 鹿児島県薩摩川内市中郷の郵便番号”. 日本郵便. 2021年6月28日閲覧。
  5. ^ 住居表示 - 薩摩川内市HP
  6. ^ a b 国勢調査 令和2年国勢調査小地域集計 (主な内容:基本単位区別,町丁・字別人口など)46:鹿児島県”. 総務省統計局 (2022年2月10日). 2022年2月10日閲覧。
  7. ^ a b c d e 角川日本地名大辞典 46 鹿児島県』角川書店 p.428
  8. ^ 鹿児島県の地名 p.420
  9. ^ 市町村の廃置分合(昭和32年総理府告示第223号、昭和32年3月31日付官報号外第14号所収、 原文
  10. ^ 平成4年鹿児島県告示第1038号(町の区域の設定及び字の区域の変更、平成4年4月27日付鹿児島県公報第482号、 原文
  11. ^ 平成12年鹿児島県告示第885号(町の区域の設定及び変更、鹿児島県公報平成12年7月7日付所収)
  12. ^ 『ぐるりっとせんで(川内市広報誌)』2000年9月号 - 川内市
  13. ^ 平成12年鹿児島県告示第1457号(町の区域の設定及び変更、平成12年12月8日付鹿児島県公報第1634号所収、 原文
  14. ^ 市町村の廃置分合(平成16年総務省告示第590号、 原文
  15. ^ 町名・字名の取り扱いについて”. 川薩地区法定合併協議会. 2020年8月8日閲覧。
  16. ^ a b c 薩摩川内市教育委員会 2021, p. 75.
  17. ^ a b c d e f 薩摩川内市教育委員会 2021, p. 77.
  18. ^ 薩摩川内市教育委員会 2021, p. 78.
  19. ^ 薩摩川内市教育委員会 2021, p. 79.
  20. ^ 薩摩川内市教育委員会 2021, p. 32.
  21. ^ 薩摩川内市 義務教育”. 薩摩川内市役所. 2010年9月20日閲覧。

参考文献[編集]

  • 『日本歴史地名体系 47 鹿児島県の地名』平凡社、1998年。ISBN 4-582-49047-6 
  • 令和3年度薩摩川内市の教育” (PDF). 薩摩川内市教育委員会. 2021年5月30日閲覧。

関連項目[編集]

座標: 北緯31度49分57.2秒 東経130度18分39秒 / 北緯31.832556度 東経130.31083度 / 31.832556; 130.31083