世界ミステリ全集

世界ミステリ全集』(せかいミステリぜんしゅう)は、早川書房1972年から1973年にかけて刊行した、翻訳ミステリ小説の叢書全集)である。全18巻。編集委員は、小鷹信光稲葉由紀石川喬司だった[1]

刊行リスト[編集]

『37の短篇』収録作品[編集]

ハヤカワ・ミステリ版『天外消失』および『51番目の密室』に再録されているものは、その旨を示す。

  1. エドガー・ライス・バロウズ「ジャングル探偵ターザン」(斎藤伯好訳) - 『天外消失』に再録
  2. ブレット・ハリデイ英語版「死刑前夜」(都筑道夫訳) - 『天外消失』に再録
  3. ジェイムズ・サーバー虹をつかむ男」(鳴海四郎訳)
  4. クレイグ・ライス「うぶな心が張り裂ける」(小笠原豊樹訳) - 『51番目の密室』に再録
  5. ジョルジュ・シムノン「殺し屋」(北村良三訳) - 『天外消失』に再録
  6. エリック・アンブラー「エメラルド色の空」(小泉喜美子訳) - 『天外消失』に再録
  7. ヘレン・マクロイ「燕京綺譚」(田中西二郎訳) - 『51番目の密室』に再録
  8. フレドリック・ブラウン「後ろを見るな」(曽我四郎訳) - 『天外消失』に再録
  9. クレイトン・ロースン「天外消失」(阿部主計訳) - 『天外消失』に再録
  10. ハリイ・ケメルマン九マイルは遠すぎる」(永井淳訳)
  11. カーター・ディクスン魔の森の家」(江戸川乱歩訳) - 『51番目の密室』に再録
  12. アーサー・ウィリアムズ「この手で人を殺してから」(都筑道夫訳) - 『天外消失』に再録
  13. トマス・フラナガン「北イタリア物語」(宇野利泰訳)
  14. ロイ・ヴィカーズ「百万に一つの偶然」(宇野利泰訳) - 『51番目の密室』に再録
  15. Q・パトリック「少年の意志」(北村太郎訳) - 『51番目の密室』に再録
  16. ジョン・D・マクドナルド「懐郷病のビュイック」(井上一夫訳) - 『天外消失』に再録
  17. ロバート・アーサー英語版「51番目の密室」(宇野利泰訳) - 『51番目の密室』に再録
  18. イーヴリン・ウォー「ラヴデイ氏の短い休暇」(永井淳訳) - 『天外消失』に再録
  19. C・B・ギルフォード「探偵作家は天国へ行ける」(宇野利泰訳) - 『天外消失』に再録
  20. E・A・ポーR・ブロック燈台英語版」(吉田誠一訳) - 『51番目の密室』に再録
  21. フランク・R・ストックトン英語版女か虎か英語版」(中村能三訳) - 『天外消失』に再録
  22. ロアルド・ダール「おとなしい兇器」(田村隆一訳)
  23. リチャード・マシスン「長距離電話」(吉田誠一訳)
  24. エヴァン・ハンター「歩道に血を流して」(都筑道夫訳)
  25. ヘンリイ・スレッサー「死刑執行の日」(村上啓夫訳)
  26. ジャック・フィニイ「死者のポケットの中には」(福島正実訳)
  27. アル・ジェイムズ「白いカーペットの上のごほうび」(小鷹信光訳) - 『天外消失』に再録
  28. ポール・アンダースン「火星のダイヤモンド」(福島正実訳) - 『天外消失』に再録
  29. デイヴィッド・イーリイフランス語版「ヨット・クラブ」(高橋泰邦訳)
  30. ジャック・リッチー「クライム・マシン」(丸木聰明訳)
  31. コーネル・ウールリッチ「一滴の血」(稲葉明雄訳) - 『51番目の密室』に再録
  32. ウィリアム・ブルテン「ジョン・ディクスン・カーを読んだ男」(伊東守男訳)
  33. スティーヴン・バー「最後で最高の密室」(深町真理子訳) - 『天外消失』に再録
  34. ロバート・L・フィッシュ「アスコット・タイ事件」(吉田誠一訳) - 『51番目の密室』に再録
  35. リース・デイヴィス英語版「選ばれた者」(工藤政司訳) - 『51番目の密室』に再録
  36. エドワード・D・ホック「長方形の部屋」(山本俊子訳) - 『51番目の密室』に再録
  37. クリスチアナ・ブランド「ジェミニイ・クリケット事件」(深町真理子訳) - 『51番目の密室』に再録

エラリイ・クイーンの『黄金の十二』(1949年)や江戸川乱歩の短編ベストテン(1950年)以降の作品を中心とする方針であったため、いわゆる「黄金期」以前の古典的作品は含まれていない[2]

関連書籍[編集]

第18巻『37の短篇』を再編集したアンソロジーが、2008年から2010年にかけてハヤカワ・ミステリより刊行されている。

  • 『天外消失 世界短篇傑作集』ハヤカワ・ミステリ 1819 2008年12月。 ISBN 978-4-15-001819-1 - 14篇収録。
  • 『51番目の密室 世界短篇傑作集』ハヤカワ・ミステリ 1835 2010年5月。 ISBN 978-4-15-001835-1 - 12篇収録。

脚注[編集]

  1. ^ 鏡明『ずっとこの雑誌のことを書こうと思っていた』(フリースタイル)P.60
  2. ^ H・K 著「解説」、早川書房編集部 編『天外消失 世界短篇傑作集』早川書房ハヤカワ・ミステリ〉、2008年12月15日、320頁。ISBN 978-4-15-001819-1