ワールド・ダーツ・フェデレイション

ワールド・ダーツ・フェデレイションWorld Darts FederationWDF]、世界ダーツ連盟)は、ダーツ国際競技連盟の1つである。GAISFの加盟団体にもなっている。

1976年、14カ国の代表により組織された。 全ての国々にあるダーツの公式的な国内競技連盟であれば、会員資格に制限はない、としている。

公用語は、英語であり、公式通貨は、USドルである[1]

会員[編集]

以下は、会員となっている国内競技連盟のある国の一覧である (70会員) [2]

イギリスにおいては、ブリティッシュ・ダーツ・オーガナイゼイション (BDO) と、イングランドウェールズスコットランド北アイルランドにおけるそれぞれの団体が、加入している。 ただし、プロフェッショナル・ダーツ・コーポレイション (PDC) は、加入していない。

主なトーナメント[編集]

WDFのトーナメントは、WDFが開催するカップ (cup) のつくイヴェントと、会員が開催するイヴェントから、成り立っている。 これらのイヴェントは、主要なものは順に、プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズというカテゴリに分類されており、メジャーと呼ばれるイヴェントもこれらのカテゴリに分類される。 なお、上位のトーナメントが、必ずしも下位のものより賞金が高いとは限らない[3]

以下は、WDFのメジャーとプラチナ、そしてゴールドのトーナメントである。

メジャー[編集]

トーナメント 初開催 参加者 現チャンピオン 賞金総額
WDF ワールド・ダーツ・チャンピオンシップ 男子 2022年 48 北アイルランドの旗 ニール・ダフ £200,000
WDF ワールド・ダーツ・チャンピオンシップ 女子 2022年 24 イングランドの旗 ボー・グリーブ £87,500
WDF ワールド・ダーツ・チャンピオンシップ ボーイズ 2022年 4 オランダの旗 ブラッドリー・ローズ £9,500
WDF ワールド・ダーツ・チャンピオンシップ ガールズ 2022年 2 イングランドの旗 エレノア・ケアンズ £3,000
ワールド・マスターズ 男子 1974年 291 オランダの旗 ウェスリー・プレジエ €35,000
ワールド・マスターズ 女子 1982年 186 イングランドの旗 ボー・グリーブ €15,000
ワールド・マスターズ ボーイズ 1999年 86 イングランドの旗 ルーク・リトラー €1,280
ワールド・マスターズ ガールズ 1999年 33 イングランドの旗 ペイジ・ポーリング €515

プラチナ (メジャー除く)[編集]

トーナメント 初開催 参加者 現チャンピオン 賞金総額
オランダオープン 男子 1973年 64 オランダの旗 ベリー・ヴァン・ペール 不明
オランダオープン 女子 1973年 64 オランダの旗 アイリーン・デ・グラーフ 不明
オーストラリアンダーツオープン 男子 2019年 24 ベルギーの旗 アンディ・ベイテンス 35,000豪ドル
オーストラリアンダーツオープン 女子 2019年 12 イングランドの旗 リサ・アシュトン 15,000豪ドル

ゴールド (メジャー除く)[編集]

トーナメント 初開催 参加者 現チャンピオン 賞金総額
サウスオーストラリアンクラシック 男子 2023年 32 オーストラリアの旗 カイ・スミス 9,485豪ドル
サウスオーストラリアンクラシック 女子 2023年 8 オーストラリアの旗 アマンダ・ロック 6,540豪ドル
国際ユースチャレンジウィーン ユース 2019年 32 ドイツの旗 ヨリック・ホフケンス 不明
国際ユースチャレンジウィーン ガールズ 2019年 8 イタリアの旗 オーロラ・フォチェサート 不明
ベルギーオープン ユース 2012年 16 オランダの旗 シドニー・ド・フリース 不明
ベルギーオープン ガールズ 2012年 4 イングランドの旗 ペイジ・ポーリング 不明
デンマークオープン 男子 1974年 64 ベルギーの旗 アンディ・ベイテンス DDK 84,800
デンマークオープン 女子 1976年 32 オランダの旗 ノア=リン・ファン・ルーベン DDK 36,400
イングランドクラシック 男子 2009年 64 ウェールズの旗 ロバート・オーウェン £10,905
イングランドクラシック 女子 2009年 32 イングランドの旗 ボー・グリーブ £4,790
アイリッシュオープン 男子 2008年 64 オランダの旗 ジェレ・クラーセン €16,080
アイリッシュオープン 女子 2008年 32 イングランドの旗 ボー・グリーブ €7,040
オランダオープン ユース 1997年 32 オランダの旗 シドニー・ド・フリース 不明
オランダオープン ガールズ 1997年 8 スコットランドの旗 ソフィー・マッキンレー 不明
ワールドオープン ユース 2022年 32 イングランドの旗 キーラン・トンプソン €500
ワールドオープン ガールズ 2022年 8 イングランドの旗 ペイジ・ポーリング €355
ニュージーランドオープン 男子 1981年 64 ニュージーランドの旗 ハウパイ・プハ NZ$10,340
ニュージーランドオープン 女子 1990年 32 ニュージーランドの旗 メアリー・アン・テイナキ NZ$4,520
ニュージーランドオープン ユース 2023年 32 ニュージーランドの旗 ハンター・アイルズ NZ$930
ニュージーランドオープン ガールズ 2023年 16 ニュージーランドの旗 アリーヤ・タウカモ・ポヒオ NZ$930
イジェフスクオープン ユース 2019年 32 ロシアの旗 ニキータ・コズロフ 不明
イジェフスクオープン ガールズ 2019年 16 ロシアの旗 クセ二ア・クロチェク 不明
ノヴゴロドカップ ユース 2013年 32 ロシアの旗 ティムール・トゥチヴァトゥリン 不明
ノヴゴロドカップ ガールズ 2013年 16 ロシアの旗 クセ二ア・クロチェク 不明
ヤングスターズオブダーツ ユース 2018年 32 ロシアの旗 ダニス・ガイシン 不明
ヤングスターズオブダーツ ガールズ 2018年 16 ロシアの旗 クセ二ア・クロチェク 不明
スロバキアオープン ユース 2018年 16 ハンガリーの旗 アンドラーシュ・ボルベリー 不明
スロバキアオープン ガールズ 2019年 4 イングランドの旗 ペイジ・ポーリング 不明

テレビ放送[編集]

現在のテレビ放送されるWDFのトーナメントは、BDOだけではもちろん、WDF全体で見ても、PDCに比べて少ない。

しかし、イギリスにおいては、ワールド・チャンピオンシップは、地上波のしかも公共放送であるBBCによって放送されていることもあり、PDCのものより多くの視聴数を獲得している。 また、BBC Twoの他の番組と比べた週間順位[4] でも、上位に入っている年が多い。

現在放送しているトーナメント[編集]

過去に放送していたトーナメント[編集]

1989年より前は、現在とは異なり、多くのトーナメントが、テレビ放送されていた[3]。 この中には、現在も続くものも、終了したものも存在するが、テレビ放送の中止を受けて、トーナメントそのものが終了となったものも少なくない。 中には、PDCのプレイヤーが参加しなくなったことで、トーナメントのテレビ放送が終了したものもある。

現在も存続するトーナメント[編集]

終了したトーナメント[編集]

話題となるものを抜粋して紹介する。

ランキング[編集]

WDFには、プレイヤーの活躍を示すランキングが存在する。 BDOも独自のランキング・システムを持ち、WDFのものとは異なる。

システム[編集]

WDFのランキングは、現在の活躍による順位を示すものである (毎年、誰が1番活躍したかを決めるようなものではない) 。 対象は、過去12カ月であり、それ以前のものは失効となる。

WDFのトーナメントには、ランキングに反映されるトーナメントと反映されないトーナメントが存在し、ランキングに反映されるトーナメントでは、その順位により、ポイントが獲得できる。 このポイントの合計が高い順に、ランクが決定される。

ポイントが獲得できるのは、プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズの4つのカテゴリに属するトーナメントであり、獲得できるポイントは、それぞれ異なる。 例えば、優勝した場合、それぞれ、270、180、90、45のポイントが獲得できる[7]。 ポイントが高いプラチナやゴールドのトーナメントは、#主なトーナメントを参照。

ポイント表[編集]

プラチナ ゴールド シルバー ブロンズ
優勝 270 180 90 45
準優勝 167 111 56 28
ラスト4 103 68 34 17
ラスト8 64 43 21 11
ラスト16 39 26 13 6
ラスト32 26 17 9 -
ラスト64 13 9 - -

現在のランキング[編集]

以下のランキングは、2024年2月21日現在のものである。

男子[編集]

順位 選手 ポイント
1 北アイルランドの旗 ニール・ダフ 1123
2 オランダの旗 ウェスリー・プレジエ 906
3 ニュージーランドの旗 ベン・ロブ 765
4 オランダの旗 アレクサンダー・メルクス 678
5 香港の旗 カイ・ファン・レオン 641
6 スコットランドの旗 マーク・バリリ 626
7 イングランドの旗 ダレン・ジョンソン 590
8 オーストラリアの旗 ピーター・マチン 576
9 イングランドの旗 マーティン・ターナー 572
10 アメリカ合衆国の旗 レナード・ゲイツ 567

女子[編集]

順位 選手 ポイント
1 イングランドの旗 ボー・グリーブ 2867
2 オランダの旗 アイリーン・デ・グラーフ 1786
3 ウェールズの旗 リアン・オサリバン 1380
4 イングランドの旗 デタ・ヘッドマン 1333
5 イングランドの旗 リサ・アシュトン 1247
6 オランダの旗 ノア=リン・ヴァン・ルーヴェン 1019
7 ニュージーランドの旗 ウェンディ・ハーパー 969
8 オランダの旗 アレッタ・ワジャー 963
9 イングランドの旗 カースティ・ハッチンソン 928
10 オーストラリアの旗 キム・ミッチェル 922

ボーイズ[編集]

順位 選手 ポイント
1 デンマークの旗 ルーカス・ジェンセン 418
2 ハンガリーの旗 ゾンボル・バラニー 410
3 ハンガリーの旗 バラズ・ショタク 398
4 オーストラリアの旗 ミッチェル・ガルビー 321
5 ハンガリーの旗 ダニエル・ソーカ 319
6 アイルランドの旗 エイダン・オハラ 291
7 チェコの旗 マティアシュ・レホン 290
8 ニュージーランドの旗 ハンター・アイルズ 281
9 ドイツの旗 ヨリック・ホフケンス 270
10 ハンガリーの旗 ロバート・ヴァダス 256

ガールズ[編集]

順位 選手 ポイント
1 イングランドの旗 ペイジ・ポーリング 1350
2 スコットランドの旗 ソフィー・マッキンレー 1031
3 ハンガリーの旗 クリスティナ・トゥライ 830
4 イタリアの旗 オーロラ・フォチェサート 360
5 ハンガリーの旗 ハンナ・マルタ・ラバコジ 292
6 アメリカ合衆国の旗 テイラー・ファレル 270
7 オーストラリアの旗 ブリアナ・ピケット 264
8 ベルギーの旗 ジャナ・レイズ 257
9 オーストラリアの旗 ジェマ・スペンス 248
10 スロバキアの旗 ビビアナ・ブギロワ 248

現在のランキングは、以下を参照。

過去のWDF No. 1s[編集]

以下は、WDFのランキングにおいて、年末に1位だったプレイヤーである[8][9][10]

男子 女子
1976 ウェールズの旗 アラン・エヴァンス -
1977 イングランドの旗 ジョン・ロウ -
1978 ウェールズの旗 レイトン・リース -
1979 イングランドの旗 ジョン・ロウ -
1980 イングランドの旗 エリック・ブリストウ -
1981 イングランドの旗 エリック・ブリストウ -
1982 スコットランドの旗 ジョッキー・ウィルソン -
1983 イングランドの旗 エリック・ブリストウ -
1984 イングランドの旗 エリック・ブリストウ アメリカ合衆国の旗 サンディ・レイタン
1985 イングランドの旗 エリック・ブリストウ ニュージーランドの旗 リリアン・バーネット
1986 イングランドの旗 ジョン・ロウ イングランドの旗 リンダ・ベァトゥン
1987 イングランドの旗 ボブ・アンダーソン スウェーデンの旗 マーリット・ファーゲルホルム
1988 イングランドの旗 ジョン・ロウ イングランドの旗 ジェイン・ケンプスター
1989 イングランドの旗 ボブ・アンダーソン イングランドの旗 シャロン・コルクロー
1990 イングランドの旗 エリック・ブリストウ イングランドの旗 シャロン・コルクロー
1991 イングランドの旗 フィル・テイラー イングランドの旗 シャロン・コルクロー
1992 イングランドの旗 ロッド・ハリントン イングランドの旗 マンディー・ソロモンズ
1993 ベルギーの旗 レオ・ローレンス イングランドの旗 マンディー・ソロモンズ
1994 イングランドの旗 スティーブ・ビートン イングランドの旗 デタ・ヘッドマン
1995 ウェールズの旗 リッチー・バーネット イングランドの旗 デタ・ヘッドマン
1996 イングランドの旗 マーティン・アダムズ イングランドの旗 デタ・ヘッドマン
1997 イングランドの旗 マーティン・アダムズ イングランドの旗 デタ・ヘッドマン
1998 イングランドの旗 ロニー・バクスター オランダの旗 フランシス・フーンセラール
1999 オランダの旗 レイモンド・ファン・バルネフェルト イングランドの旗 トリナ・ガリバー
2000 オランダの旗 レイモンド・ファン・バルネフェルト イングランドの旗 トリナ・ガリバー
2001 イングランドの旗 マーヴィン・キング イングランドの旗 トリナ・ガリバー
2002 イングランドの旗 ジョン・ウォルトン イングランドの旗 トリナ・ガリバー
2003 イングランドの旗 マーティン・アダムズ オランダの旗 フランシス・フーンセラール
2004 オランダの旗 レイモンド・ファン・バルネフェルト イングランドの旗 トリナ・ガリバー
2005 オランダの旗 レイモンド・ファン・バルネフェルト イングランドの旗 トリナ・ガリバー
2006 イングランドの旗 マーティン・アダムズ イングランドの旗 トリナ・ガリバー
2007 スコットランドの旗 ゲイリー・アンダーソン イングランドの旗 トリナ・ガリバー
2008 イングランドの旗 スコット・ウェイツ オランダの旗 フランシス・フーンセラール
2009 イングランドの旗 トニー・オシェイ イングランドの旗 トリナ・ガリバー
2010 イングランドの旗 マーティン・アダムズ イングランドの旗 デタ・ヘッドマン
2011 イングランドの旗 スコット・ウェイツ イングランドの旗 デタ・ヘッドマン
2012 イングランドの旗 スティーブン・バンティング イングランドの旗 デタ・ヘッドマン
2013 イングランドの旗 ジェームズ・ウィルソン イングランドの旗 デタ・ヘッドマン
2014 イングランドの旗 アラン・ノリス イングランドの旗 デタ・ヘッドマン
2015 リトアニアの旗 ダリウス・ラバナスカス イングランドの旗 デタ・ヘッドマン
2016 リトアニアの旗 ダリウス・ラバナスカス イングランドの旗 デタ・ヘッドマン
2017 イングランドの旗 スコット・ミッチェル オランダの旗 アイリーン・デ・グラーフ
2018 ウェールズの旗 ジム・ウィリアムズ イングランドの旗 デタ・ヘッドマン
2019 ウェールズの旗 ニック・ケニー オランダの旗 アイリーン・デ・グラーフ
2020 ウェールズの旗 ウェイン・ウォーレン イングランドの旗 デタ・ヘッドマン
2021 ベルギーの旗 ブライアン・ラマン イングランドの旗 デタ・ヘッドマン
2022 オランダの旗 イェレ・クラーセン イングランドの旗 ボー・グリーブ
2023 ベルギーの旗 アンディ・ベイテンス イングランドの旗 ボー・グリーブ

脚注[編集]

  1. ^ General Information WDF
  2. ^ Member Countries 2011年1月6日更新 WDF
  3. ^ a b Darts Event Calendar Darts Database
  4. ^ BARB Archived 2009年2月21日, at the Wayback Machine. Weekly Top 30s, Weekly Top 10sより。
  5. ^ これは、ジョン・ロウが、テレビ放送されるトーナメント史上初のナイン・ダート・フィニッシュを達成したトーナメントである。
  6. ^ a b これらのカテゴリは、メジャーであったが、PDCのプレイヤーが参加しなくなったことにより、テレビ放送が中止されたことを受け、トーナメントそのものが終了した。
  7. ^ WDF POINTS ALLOCATIONS WDF
  8. ^ WDF World Ranking Systems: Roll of Honour (1984-2008) WDF
  9. ^ WDF Awards 2009 WDF
  10. ^ WDF Monetary Awards: Wolfie & Deta top the 2010 rankings WDF

外部リンク[編集]