ローライダー

ローライダー(lowrider)は、自動車を特徴のある形状に改造した車両、及びその運転者。また、それに付随するチカーノから発祥した文化。

概要[編集]

車高を低くすることが特徴。場合によってはフレームが地面に接触する程落とすが、多くが油圧式の車高調整システムを搭載し、これにより最低地上高=ロードクリアランスが確保できるため、走行に支障が無い様にされている。更に標準のタイヤ、ホイールより径の小さい物を装着することで、車体をより大きく、車高をより低く見せることを演出する。車高の低い車を使う者、ということから「ローライダー」と呼ばれる。

歴史[編集]

発祥は明確ではないが、1950年代アメリカ西海岸イーストロサンゼルスにおいてメキシコ系移民(いわゆる「チカーノ」と呼ばれる人々)が行っていたカスタムが源流とされている。当時南部より移住してきた彼らは、非合法で移住し不法就労を行っていた者が多く存在した。それゆえに低所得者が多く、自動車を購入しようとしても新車を買うことができなかった。そこで安価で購入した中古車 (1930年代-1940年代のシボレー車) に対して、新車に負けない美しさと豪華さを持たせようとカスタムを行ったのがローライダーの始まりとされている。正確な書物には記されていないが、チカーノや黒人が行って来たカスタムの一つである。最初にハイドロリクスを作ったとされる人物は、当時L.A.のコンプトンに住む者だったらしい。エアクラフトのパーツを流用しフロントサスを上下に動かすだけのシステムが最初のハイドロであった。ローライダーは、裕福な白人によるホットロッドに対抗するスタイルとして、共に西海岸のカスタム文化の源流とされており、そこから様々なカスタムへと発展している。

定義[編集]

スリーホイラーという状態でディスプレイしているシボレー・インパラ

一般にローライダーと認識される車は以下の装備を施し

  • キャンディペイントと呼ばれるベースコート(シルバーやゴールド)などの下地に半透明色何層も塗り重ねた美しい車体塗装を施している物や、ミューラル(壁画)と言う絵筆やエアブラシを用いた、独特なメキシコ文化を表現したペイントが施されることもある。
  • 一般的に数十本のスポークより構成される小径(13-14インチ)のワイヤーホイール(デイトンなど)及びホワイトリボンタイヤを装着している(これは古いアメリカ車に標準で装備されていたホイールをモチーフとしている)が、ユーロ、トラックがベースの場合はこの限りでは無い。セントラ(日産サニーのアメリカ向けモデル)やシビックなどのコンパクトカーがベースとなる場合、大径(15-18インチ)クロームメッキのアメリカ国内向けアロイホイールも装着される。また、1980年代後半から1990年代前半においてピックアップトラック、サムライ、トラッカーなどをベースとした場合15インチのワイヤーホイルを履かせるスタイルが多々見受けられた。
  • ショーカーは必ずと言っていいほどメッキ加工されている。オーナーによっては見えないところまでこだわっている。

また、カスタムする際に使用する車両、パーツは、アメリカ国内向けの製品を用いるのが鉄則である。

文化・コミュニティ[編集]

大きな関係のある商品
  • ホットウィール - ミニカー。現在では様々な種類があるが、初期のころは特にキャンディーペイントがウリの一つであった(ただし車両は本来対極にあるはずのホットロッドが中心)。
ローライダーを題材にしたゲームソフト
関連雑誌/メディア

1988年から1999年まで修伝社から発刊された。USグランドエフェクトを装着した、日産 EXA キャノピー等のコンパクトカーが掲載された。[1巻1号通号no.1(1988年9月)]~12巻6号[通号]no.130(1999年6月)

  • カーズ (映画) - 様々な車種をモデルにしたキャラクターが登場するが、ローライダーをモチーフにしたキャラクター(ラモーン)が登場する。

日本におけるローライダー文化[編集]

1980年代年代初頭にかけてローライダーがブームとなると様々なカスタマイザーが流れてきておりカスタム(日本国内専用車をベース)が散見されるようになる。近年は再びアメリカ車がカスタムの中心となっている。

脚注[編集]

関連項目[編集]