ロデオ (コープランド)

ロデオ』(英語Rodeo)は、アメリカ合衆国の作曲家アーロン・コープランド1942年に作曲したバレエ音楽、およびバレエ音楽から抜粋した管弦楽組曲。バレエは2幕からなり、『バーント牧場での求愛』(The Courting at Burnt Ranch)の副題があった[1]

概要[編集]

バレエ・リュス・ド・モンテカルロ(モンテカルロ・ロシアバレエ団)の委嘱により1942年6月に作曲され、同年9月にオーケストレーションが完了した[2]当初は弦楽オーケストラのために構想されたが、後に通常のオーケストラ用に変更された[要出典]。バレエの初演は1942年10月16日、ニューヨークメトロポリタン歌劇場において、アグネス・デ=ミル(Agnes de mille)の振り付け・主演[3]、フランツ・アラースの指揮によって行われ成功を収めた[4]

演奏会用組曲[編集]

コープランドは、このバレエ音楽を元に、『ロデオより4つのダンスのエピソード』」(Four Dance Episodes from Rodeo )と題された演奏会組曲を作った。これは以下の4曲から構成されている。

  1. カウボーイの休日(Buckaroo Holiday)
  2. 畜舎の夜想曲(Corral Nocturne)
  3. 土曜の夜のワルツ(Saturday Night Waltz)
  4. ホーダウン(Hoe-Down)

1943年5月28日に、アーサー・フィードラー指揮、ボストン・ポップス・オーケストラによって3曲が抜粋初演され、翌6月にアレクサンダー・スモーレンス(Alexander Smallens)指揮、ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団の野外演奏会(Stadium concert)において組曲全曲が初演された[2]

楽器編成[編集]

ホーダウン[編集]

  • 終曲の《ホーダウン》は、アメリカ民謡の『ナポレオンの退却』(Bonaparte's Retreat )に基づいている。
  • 1946年にコープランドは、この部分のみを弦楽合奏用に編曲し、新たにバレエ音楽として独立させたほか、後年にはヴァイオリン用のアンコール・ピースとしても編曲している。
  • 1972年にイギリスのロックバンドのエマーソン・レイク・アンド・パーマーが、ロック風のアレンジで演奏し、アルバム『トリロジー』に収録している。
  • 全米畜産業者牛肉連盟(National Cattlemen's Beef Association)の国内テレビコマーシャル "Beef: It's what's for dinner"(1990年代〜)に利用され、アメリカ国内で有名になった。
  • ユニバーサル・スタジオ・ジャパン内に2006年まであった「アニマル・アクターズ・ステージ」のショー中の音楽として使われていた。

脚注[編集]

  1. ^ リチャード・フリード、石井宏訳 CD(CC33-3479)ライナーノート
  2. ^ a b ブージー・アンド・ホークス社のスコア序文
  3. ^ デ=ミルは同年に、西部の牧場を舞台にしたブロードウェイミュージカル『オクラホマ!』の振り付けも行っている(出典:『岩波 - ケンブリッジ世界人名辞典』岩波書店、1997年)。
  4. ^ 『名曲解説全集5・管弦楽曲(下)』音楽之友社、1959年