ランプ (道路)

東京湾アクアライン海ほたる連絡用ランプ。写真左下が左折ループ、右は逆方面への合流用ランプ。

ランプ(英:ramp, 傾斜する、勾配をなす、傾斜路)もしくはランプウェイとは、高低差のある場所を連結する道路の一形態。

特に道路交通においては、相互の道路を立体交差とする場合において、高さの異なる道路相互を連結するための車道のことである[1][2]。なお、ジャンクション(英:junction)は、接合点、合流点のこと。

立体交差におけるランプ[編集]

形状[編集]

ランプは形状により以下の4種類に大別される[3]

  • 左折直結ランプ - 左折のため本線の左側から直接分岐する。
  • 右折直結ランプ - 右折のため本線の右側から直接分岐する。日本では右側車線ほど高速で車が通過するため、都市内高速道路のように土地利用の制約がある場合やジャンクションで大量かつ高速で車をさばく場合以外は適切とは言えない。
  • ループ - 一旦左(右)に出てからループで約270度回転して右折(左折)する。半径の制約があるため走行性に悪影響を及ぼす。
  • 準直結ランプ - 一旦左(右)に出てから行先とあまり方向を変えずして右(左)に方向転換する。立体交差構造物が必要となり、地形的な制約や十分な交通量がないと経済的ではない形状である。

日本のランプは、道路本線車道から別の道路の本線車道へ連絡する道路である。一般的には一方通行であるが、この限りではない。道路構造令では、第1種道路の高速自動車国道、及び自動車専用道路と第2種道路の都市高速道路の場合は、他の道路との接続をランプにて接続しなければならない。ただし、本線車道の相互での平面接続は除かれる。

このランプの形状がインターチェンジの形式を定める基本的な要素となる[4]

幾何構造[編集]

ランプの種別は以下の通り分類される[5]

上級道路の区分 ランプの種別
第1種道路 A規格またはB規格(特別の場合D規格)
第2種道路 C規格(特別の場合A規格)
第3,4種道路 B規格(特別の場合D規格)

ランプの規格と幅員の関係は下表の通りとなる(単位:メートル[5]。第1種道路の道路相互あるいは第2種道路の道路相互を連結するランプ(ジャンクションにおけるランプ)の場合は本線の規格に準じるか、交通の状況によってはA規格を適用する[5]。第2種道路でA規格ランプを用いる場合は車線幅員3.25 m、右側路肩幅員0.75 mにできる[5]

横断構成要素 車線

幅員

路肩幅員 1方向1車線ラ

ンプの総幅員

1方向2車線、

2方向2車線ラ ンプの総幅員

1方向1車線 1方向2車線、

2方向2車線、 左右とも

左側 右側
ランプ種別 A規格 3.50 2.50 1.00 0.75 7.00 8.50
B規格 3.25 1.50 0.75 0.75 5.50 8.00
C規格 3.25 1.25 0.75 0.50 5.25 7.50
D規格 3.25 1.00 0.50 0.50 4.75 7.50

倉庫におけるランプウェイ[編集]

多階建て倉庫のランプウェイ
寶組・東扇島倉庫)

多階建ての倉庫において、トラックを各階に乗り入れ、直接荷降ろし作業を行う事が可能な傾斜路を指す[6]。これを備えた倉庫は「ランプウェイ倉庫」と呼ばれ、貨物をエレベーターやコンベアを用い昇降させる方式と比較し効率化を図っているが、建設コストが割高となり、スペース上の制約や防炎上の制限を受ける[6]

船舶または輸送機におけるランプウェイ[編集]

RO-RO船のランプウェイから岸壁に降りる車
機体後部のカーゴランプを降ろした状態のA400M

車両がフェリー等の船舶または輸送機などの航空機に自走して乗降できる、架橋構造の傾斜路を指す[6]

脚注[編集]

出典[編集]

参考文献[編集]

  • 日本道路協会『道路構造令の解説と運用』丸善出版、2021年3月31日。ISBN 978-4-88950-138-4 

関連項目[編集]