ユビュ王

『ユビュ王』の初版(1896年)

ユビュ王』(: Ubu Roi)は、アルフレッド・ジャリ1888年戯曲

不条理演劇に重大な影響を与えた。悪意に満ちた卑劣なユビュ親爺についての演劇。ユビュ親爺が王位を簒奪してやりたい放題の限りを尽くすが追放され、諸国を放浪するという不条理に満ちた物語である

初演[編集]

1896年12月9日パリで初演された。

ユビュ王の第一声「くそったれ!(merdre !)」で始まり、辛辣で卑猥な台詞が続く芝居に客席は騒然となり、大スキャンダルを巻き起こした[1]。この公演によってジャリの名声は高まり、ボナールが飼い犬に「ユビュ」、ステファヌ・マラルメが飼い猫に「ムッシュー・ルビュ」、「マダム・ルビュ」と名付けるなど、「ユビュ」は一種の社会現象となった[1]

関連作品[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b アーサー・ゴールド、ロバート・フィッツデイル、鈴木主税訳『ミシア ベル・エポックのミューズと呼ばれた女』草思社、1985年、83-84ページ