メルセデス・ベンツ・W124

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W124/S124/C124/A124/V124/F124/VF124は、メルセデス・ベンツのミディアムクラス、初代Eクラスを指すコードネームである。頭文字のW”はセダン、“S”はステーションワゴン、“C”はクーペ、“A”はカブリオレ、“V”はリムジン、“F”はローリング・シャーシ、“VF”はロングホイールベース・ローリング・シャーシを表す。

初代 W124/S124/C124/A124/V124/F124/VF124 (1985年-1995年/1985-1993年:ミディアムクラス)[編集]

メルセデス・ベンツ・Eクラス (初代)
W124 後期型 前
W124 後期型 後
概要
販売期間 1985年-1995年
ボディ
乗車定員 5名/7名
ボディタイプ 4ドアセダン
5ドアステーションワゴン
2ドアクーペ
2ドアカブリオレ
6ドアリムジン
駆動方式 FR/4WD
パワートレイン
エンジン ガソリン:
2.2L/2.3L 直列4気筒
2.6L/2.8L/3.0L/3.2L直列6気筒
4.2L/5.0LV型8気筒
最高出力 ガソリン:
100-243kW(135-330PS)
ディーゼル:110.4kW(150PS)
最大トルク ガソリン:
209.8-490.3N·m(21.4-50kg·m)
ディーゼル:
272.6N·m(27.8kg·m)
変速機 4速MT/5速MT/4速AT/5速AT
車両寸法
ホイールベース 2,715-2,800mm
全長 セダン:4,740-4,755mm
ワゴン:4,765mm
クーペ/カブリオレ:4,655mm
全幅 セダン:1,740-1,795mm
ワゴン/クーペ/カブリオレ:
1,740mm
全高 セダン:1,410-1,445mm
ワゴン:1,490-1,500mm
クーペ:1,400mm
カブリオレ:1,390mm
車両重量 セダン:1,350-1,700kg
ワゴン:1,530-1,710kg
クーペ:1,550-1,580kg
カブリオレ:1,810kg
その他
最小回転半径 セダン:5.2-5.5m
クーペ/カブリオレ:5.1m
4MATIC:5.7m
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W123型の後継車にあたる。ボディは4ドアセダン、5ドアステーションワゴン、2ドアクーペ、2ドアカブリオレ、6ドアリムジンが存在した。機構的にはW201型 (190E)のサイズと全長を大型化したもので、台形の小ぶりなテールランプが特徴。リアサスペンションは長らく続いたセミトレーリングアーム式から190Eで開発されたマルチリンク式に変更されている。フラッシュサーフェイス (外板の平滑化) が推し進められた結果、メルセデス市販車では史上初となる0.29のCd値となった。

当時、日本ではバブル景気だったこともあって大量に輸入され、正規輸入車・並行輸入車ともにバラエティに富んでいる。例としては、ヤナセより1989年、1991年に発売された260Eのロングホイールベース車がある。これは定員8名の6ドアのリムジンであるが、単にホイールベースを延長したものではなく、メルセデス・ベンツ本社がホワイトボディ (車体構造を形作る段階のもの) より製作しリムジンの懸念材料である剛性低下を抑えていた。

「最善か無か」の時代に作られた最後のミディアム・クラスとして現在でも人気は高くW124を中心に扱う中古車販売店も存在するが、生産終了から相当の年数が経過していることもあり良好な個体は減少している。

歴史[編集]

1985年、ドイツ本国で発売開始。翌1986年に日本発売、当初はセダンの230E、300E、300Dターボ。1987年、260Eとクーペの300CEが追加とともに230Eの右ハンドル車を設定。1988年、ステーションワゴン230TEを追加。1989年、300TE、260E 右ハンドル追加。260Eロングホイールベース (6ドアリムジン) を限定販売。1990年、外装を中心にマイナーチェンジ。クーペに装備されていたサイドプロテクトパネル (サッコプレート) を全車に標準装備とした。ガソリン車の燃費計を廃止。クーペは300CE-24に切り替わり、4MATICが300Eに設定された。

W124 500E

1991年、500Eおよび400Eを追加。260Eリムジン限定販売。なお、500Eは標準車のボディにエンジンベイ及びフロアトンネル拡大などの補強を行い、500SL (R129系) に搭載されていたV8エンジン及び足回りを移植したモデルで、標準車に比べフロントフェンダーが大きく張り出している。開発はポルシェのバイザッハ研究所が担当し、生産工程の一部も1992年までポルシェの工場で行われていた。1994年に生産終了となるが、最終限定車としてE500リミテッドが500台限定で発売された。日本へは未導入ながら多数が並行輸入された。

400Eは北米や日本向け(ただし右ハンドル仕様は開発されていない)のグレードで、開発のきっかけとなったのは1989年発売のレクサスLS400 (日本名トヨタ・セルシオ) であった。W124はレクサスLSよりも1クラス下のセグメントに属するが、北米での価格・車格はほぼ同等で実質的なライバルとされていた。400SEと同じエンジンを積みながら排気系スペースの問題でパワーダウンしたが、後の圧縮比見直しで改善されている。日本向けのみ420が「死に」読めるということで語呂が悪いと言うことで日本向けのみ400として販売された。

A124 320CE

1992年、マイナーチェンジと同時にカブリオレの320CEが追加された。直列4気筒、直列6気筒ガソリンエンジンを刷新し4バルブDOHC化。急加速などを除き原則2速発進であったトランスミッションも変更となり、280E以下のグレードは1速発進するものに変更されている。装備は400Eと同じ8穴デザインのアルミホイールが全車に、運転席エアバッグを全車標準装備とした。1993年、外装を中心としたマイナーチェンジを機にEクラスへ移行する。ボンネットとトランクリッドのデザイン、ウインカーレンズの色変更、バンパーモールがカラーキー化された。内装では助手席エアバッグとマイクロフィルター付エアコンを標準装備とした。

グレード[編集]

日本でのグレード
グレード 排気量 エンジン 最高出力・最大トルク 変速機 駆動方式
220E
220TE
E220
2,198cc 直列4気筒DOHC 150PS/21.4kg・m 4速AT
(クーペのみ5速AT)
FR
230E
230TE
2,297cc 直列4気筒OHC 135PS/20.6kg・m
260E
260Eロングホイールベース
2,597cc 直列6気筒OHC 165PS/23.0kg・m
280E
E280
2,799cc 直列6気筒DOHC 200PS/28.2kg・m
300E
300CE
300TE
300E 4MATIC
300TE 4MATIC
E300 4MATIC
2,960cc 直列6気筒OHC 185PS/26.5kg・m FR
4MATICは4WD
300Dターボ
E300ターボディーゼル
2,996cc 直列6気筒OHC
ディーゼルターボ
150PS/27.8kg・m FR
300CE-24
300E-24

300TE-24

2,960cc 直列6気筒DOHC 225PS/27.6kg・m 4速AT
(クーペのみ5速AT)
320E
320CE
320TE
320CEカブリオレ
E320

E320 カブリオレ

3,199cc 直列6気筒DOHC 225PS/32.3kg・m 4速AT
(クーペ/カブリオレのみ5速AT)
400E
E400
4,195cc V型8気筒DOHC 275PS/42.0kg・m
1993年9月より285PS/42.0kg・m
4速AT
500E
E500
4,973cc V型8気筒DOHC 330PS/50.0kg・m
1992年12月より325PS/49.0kg・m
4速AT

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]