メルセデス・ベンツ・スタジアム

メルセデス・ベンツ・スタジアム
Mercedes-Benz Stadium
メルセデス・ベンツ・スタジアムの位置(アトランタ内)
メルセデス・ベンツ・スタジアム
施設情報
所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
Martin Luther King Jr Dr SW
and Northside Dr NW
ジョージア州アトランタ 30313
(actual)
位置 北緯33度45分19.30秒 西経84度24分4.29秒 / 北緯33.7553611度 西経84.4011917度 / 33.7553611; -84.4011917座標: 北緯33度45分19.30秒 西経84度24分4.29秒 / 北緯33.7553611度 西経84.4011917度 / 33.7553611; -84.4011917
起工 2014年5月19日[1][2]
開場 2017年8月26日 (6年前) (2017-08-26)
所有者 ジョージア・ワールド・コングレス・センター・オーソリティ[3]
運用者 アトランタ・ファルコンズ・フットボール・クラブ[3]
グラウンド FieldTurf[4]
建設費 14億米ドル(projected)
設計者 HOK[5]
tvsdesign[6]
Goode Van Slyke[6]
Stanley Beaman & Sears[6]
プロジェクト
マネージャー
ICON Venue Group[7]
構造設計者 Buro Happold/Hoberman[8]
サービス
エンジニア
WSP[8]
総合建設者 HHRM JV (Comprising Hunt Construction Group, Holder Construction, H. J. Russell & Co. & C. D. Moody Construction Co.)[6]
ウェブサイト MercedesBenzStadium.com
旧称
ニュー・アトランタ・スタジアム (建設中)
使用チーム、大会
アトランタ・ファルコンズ (NFL) (2017–現在)
アトランタ・ユナイテッドFC (MLS) (2017–現在)
ピーチボウル (NCAA) (2017–現在)
セレブレーションボウル (NCAA) (2017–現在)
チックフィルAキックオフゲーム (NCAA) (2017–現在)
収容人員
71,000 (expandable to 75,000 for Super Bowls and FIFA World Cup, 83,000 for the NCAA Final Four and other events), 42,500 (MLS configuration, expandable 71,874)

メルセデス・ベンツ・スタジアム(Mercedes-Benz Stadium[9])は、アメリカ合衆国ジョージア州アトランタに位置するドーム型スタジアムであり、IoTを利用したスマートスタジアム[10]ジョージア・ドームの代替施設として2017年8月26日に開場した。ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のアトランタ・ファルコンズメジャーリーグサッカー(MLS)のアトランタ・ユナイテッドFCが本拠地として使用している。現在、ジョージア州政府がジョージア・ワールド・コングレスセンター公社英語版を通じて所有しており、ファルコンズとアトランタ・ユナイテッドの親会社であるAMBグループ英語版(アーサー・ブランク)によって運営されている。2016年6月時点で、総建設費は16億米ドルと見積もられていた。

概要[編集]

第53回スーパーボウル開催の様子

本スタジアムは、2017年8月26日に正式オープンとなった。当時は開閉式屋根システムが不完全であったにもかかわらず、ファルコンズはプレシーズンゲームでアリゾナ・カージナルスと対戦した。 開場に伴い、それまでジョージア・ドームで開催されていたSECフットボールチャンピオンシップゲーム英語版ピーチボウルなどいくつかのイベントは、本スタジアムでの開催へと変更されている。2018年には、カレッジフットボール全米王座決定戦[11]MLSカップ(アトランタ・ユナイテッドがホームフィールドの優位性を保持していたことから)が、2019年には第53回スーパーボウルが開催された。

かつてファルコンズが本拠地にしていたジョージア・ドームに隣接した場所に建設された。

建設中は「ニュー・アトランタ・スタジアム」という名前であったが、2015年8月に自動車メーカーのメルセデス・ベンツUSA社が命名権を取得し、「メルセデス・ベンツ・スタジアム」となった。27年契約で総額3億2400万ドルという、メルセデス・ベンツ史上最大のマーケティング契約となった。なお、同社はNFLニューオーリンズ・セインツのホームスタジアムであるメルセデス・ベンツ・スーパードーム(旧称:ルイジアナ・スーパードーム)の命名権も保有している。

2026年に開催されるFIFAワールドカップ26では、FIFA(国際サッカー連盟)による施設命名権行使禁止規定により、「アトランタスタジアム」の名称で使用される予定

設計[編集]

屋根[編集]

スタジアムの特徴的な屋根と「Halo」

スタジアムの特徴として、8枚の半透明になった三角形のパネルで構成された「ピンホイール」と呼ばれる開閉式の屋根があげられる。8枚のパネルはそれぞれ2本の平行なレール上で動作しており、1本のレールがパネルを動かし、もう1本のレールがパネルを安定させている。 屋根を閉じるのにかかる時間は、屋根を開く時に比べて若干短くなるが、それは屋根を開く際、最初にシールを外し、パネルが脱線しないよう最後には減速しなければならないため。 屋根が開くと、パネルは鳥の翼が伸びているような錯覚が起こるよう設計されている。

建築家のビル・ジョンソンは、屋根の円形の開口部は、ローマのパンテオン(「パンテオン」は建物デザインのワーキングネームでもある)に影響を受けたと説明した。屋根は、光をコントロールするために不透明度を調整できる透明で軽量なポリマー素材で作られており、外観は外からの眺められるよう大部分が透明なポリマーかガラス製である。アトランタのスカイラインを遮らないようにするために、東側のエンドゾーンではミドルコンコースとアッパーボウルが削られている。

屋根の下には、58×1,100フィート(18×335m)のリング状になった大型映像表示装置「Halo」がある。スクリーンの総面積は62,350平方フィート(5,793m2)で、メーカーのダクトロニクスは、ジャクソンビルTIAAバンク・フィールド(同じくダクトロニクス製)に設置された「現在のNFL最大の単一ディスプレイボードの3倍の大きさ」と表現している。 ダクトロニクスは、サッカーの試合のフィールドレベルの広告ボードなど、他にも20,000平方フィート(1,900m2)以上のLEDボードを設置している。

主な試合[編集]

NFL[編集]

2015年5月19日、2019年の第53回スーパーボウルを開催することが決まった。スーパーボウル自体では、2000年の第34回スーパーボウルジョージア・ドーム)以来となるアトランタでの開催となった。

スーパーボウル[編集]

年度 試合 日程 AFCチーム スコア NFCチーム 観客動員数
2018 第53回スーパーボウル 2019年2月3日 ニューイングランド・ペイトリオッツ 13 - 3 ロサンゼルス・ラムズ 70,081

カレッジバスケットボール[編集]

2020NCAAファイナルフォーを開催する予定だったものの、2020年3月12日新型コロナウイルスの流行により中止となった。将来のファイナルフォーのスケジュールに関する契約上の義務のため、アトランタが別のファイナルフォーを開催できるのは最も早くて2031年である[12]

カレッジフットボール[編集]

カレッジフットボール・プレーオフ準決勝のオクラホマ大学ルイジアナ州立大学(2019年12月28日)

ピーチボウルセレブレーションボウル英語版SECフットボールチャンピオンシップゲーム英語版チックフィルAキックオフゲーム英語版は、2017年シーズンにジョージア・ドームから本スタジアムに開催地を変更した。SECチャンピオンシップとは2027年までの長期契約を結んでいる。2019年2月26日、ジョージア工科大学イエロージャケッツが2020年から2024年まで毎年1試合ホームゲームを行うことに合意したことが発表された[13]

2018年1月8日、カレッジフットボール・プレーオフナショナルチャンピオンシップ英語版を開催した。1982年以来の主催となるナショナルチャンピオンシップの試合は、ジョージア大学ブルドッグスがアラバマ大学クリムゾンタイドに延長戦で敗れた。

ハイスクールフットボール[編集]

2017年12月8日、クラス1A私立学校とクラス3Aのジョージア州高等学校協会英語版(GHSA)フットボールチャンピオンシップゲームが開催された。同日に予定されていた残りの2つのチャンピオンシップゲームのクラス5Aとクラス6A、そして当初翌日に予定されていた4つのゲームは、週末にアトランタを襲った大雪のために延期され、キャンパス内の会場にて開催された。 2018年の同大会は、12月8日にアトランタ・ユナイテッドがMLSカップ2018を開催することが決まり、また12月15日に2018セレブレーションボウルも予定されていたため、12月11日・12日に開催された。2019年5月、GHSAは、本スタジアムが旧ジョージア・ドームに比べてレンタルコストが高いことを理由に、2019年からメインスタジアムをセンターパーク・スタジアム英語版(当時のジョージア・ステート・スタジアム。元々のセンテニアル・オリンピックスタジアムターナー・フィールド)に移すことを発表した[14]

サッカー[編集]

2017年10月22日、アトランタ・ユナイテッドは本スタジアムでMLSレギュラーシーズンの対トロントFC戦を行い、71,874人の観客を集め、9月のオーランド・シティ戦で打ち立てたMLS単独試合での最大の観客数の記録を更新。また、アトランタ・ユナイテッドは単一シーズンの観客動員数の記録を更新。

2017年10月23日、2018年MLSオールスターゲームが本スタジアムでイタリアのクラブ、ユヴェントスと対戦することを発表。2018年8月1日に開催され、72,317人の観客を集め、MLSオールスターゲームの観客動員数の新記録を樹立。

2018年3月11日、アトランタ・ユナイテッドは、本スタジアムで行われたMLSレギュラーシーズンの対D.C.ユナイテッド戦で、72,035人の観客の前で試合を行い、MLS史上最大の観客数の記録を樹立。

2018年12月8日、アトランタ・ユナイテッドは、2018年MLSカップ決勝でポートランド・ティンバーズを迎え撃った(ポートランドに対するレギュラーシーズンの成績によりホームフィールドアドバンテージを獲得)。アトランタはポートランドを2-0で破り、初のMLS優勝を果たす。この試合では73,019人の観客が集まり、メジャーリーグサッカー1試合の最多観客動員記録を更新。

2019年8月14日、アトランタ・ユナイテッドは2019年カンペオネス・カップでメキシコのクラブ、クルブ・アメリカを迎え撃った。アトランタはアメリカを3-2で破り、40,128人のサポーターの前でカンペオネスカップの初優勝を果たす。この入場者数はカンペオネスカップの入場者数記録を更新した。

その他[編集]

ファルコンズとユナイテッドが勝利するたびに列車のクラクションが鳴り響くが、これはアトランタの鉄道の歴史にちなんでいる。

脚注[編集]

  1. ^ Tucker, Tim (2014年5月15日). “Falcons Set Ground-Breaking Ceremony for Monday”. The Atlanta Journal-Constitution. http://www.ajc.com/news/sports/football/falcons-set-ground-breaking-ceremony-for-monday/nfxPx/ 2014年5月28日閲覧。 
  2. ^ Tucker, Tim (2014年5月19日). “At Stadium Groundbreaking, Blank Lobbies for a Super Bowl”. The Atlanta Journal-Constitution. http://www.ajc.com/news/sports/football/at-stadium-groundbreaking-blank-lobbies-for-a-supe/nfzg3/ 2014年6月3日閲覧。 
  3. ^ a b Tucker, Tim (2013年11月14日). “Comparing Braves, Falcons Stadium Deals”. The Atlanta Journal-Constitution. http://www.ajc.com/news/news/comparing-braves-falcons-stadium-deals/nbsX6/ 2014年2月21日閲覧。 
  4. ^ WATCH: Video Shows How New Atlanta Stadium Will Transform into Home of 2017 Expansion Team”. Major League Soccer (2014年4月23日). 2014年4月24日閲覧。
  5. ^ Hanzus, Dan (2013年4月30日). “Atlanta Falcons' Stadium Concepts a Peek Into Future”. National Football League. 2013年4月30日閲覧。
  6. ^ a b c d "Atlanta Falcons Move to Next Stages of Stadium Design Project" (Press release). Atlanta Falcons. 18 June 2013. 2014年2月21日閲覧
  7. ^ New Atlanta Stadium”. ICON Venue Group. 2014年2月21日閲覧。
  8. ^ a b Saporta, Maria (2013年4月29日). “GWCCA Committee Approves 360 Architecture for Stadium Design”. Atlanta Business Chronicle. http://www.bizjournals.com/atlanta/news/2013/04/29/gwcca-committee-approves-360.html?page=all 2014年2月21日閲覧。 
  9. ^ Tucker, Tim. Falcons officially announce Mercedes-Benz as naming rights partner. The Atlanta Journal-Constitution. August 24, 2015.
  10. ^ 日本にまだない「スマートスタジアム」 モデルはメルセデス・ベンツ”. Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン) (2020年6月15日). 2021年5月11日閲覧。
  11. ^ Taylor, John. “Atlanta (2018), Santa Clara (2019), New Orleans (2020) selected as future title game sites”. CollegeFootballTalk. 2015年11月4日閲覧。
  12. ^ Glier, Ray (2020年3月14日). “Atlanta Will Have To Get Back In Line For Final Four” (英語). Forbes. 2021年1月9日閲覧。
  13. ^ Georgia Tech to play 5 games at Mercedes-Benz” (英語). ESPN.com (2019年2月26日). 2021年1月9日閲覧。
  14. ^ Holcomb, Todd (2019年5月7日). “GHSA moves football finals to Georgia State”. The Atlanta Journal-Constitution. https://www.ajc.com/blog/high-school-sports/ghsa-moves-football-finals-georgia-state/sK9fc2kspX2M5sDt5q7yZN/ 2021年1月9日閲覧。 

外部リンク[編集]

開催イベントとテナント
前本拠地:
ジョージア・ドーム
1992 - 2016
アトランタ・ファルコンズの本拠地
2017 - 予定
次本拠地:
n/a
-
先代
USバンク・スタジアム
ファイナルフォー会場
2020年
次代
ルーカス・オイル・スタジアム