メイプル (商業施設)

メイプル
Maple
ジャスコ時代の東館外観(2005年5月)
地図
地図
店舗概要
所在地 023-0801
岩手県奥州市水沢横町2-1[1]
座標 北緯39度8分26.8秒 東経141度8分28.2秒 / 北緯39.140778度 東経141.141167度 / 39.140778; 141.141167 (メイプル)座標: 北緯39度8分26.8秒 東経141度8分28.2秒 / 北緯39.140778度 東経141.141167度 / 39.140778; 141.141167 (メイプル)
開業日 ショッピングシティメイプル[2]
1985年(昭和60年)11月13日[2][3]
メイプル
2006年(平成18年)4月6日[4]
閉業日 ショッピングシティメイプル
2005年(平成17年)5月20日[6]
メイプル
2023年(令和5年)4月30日[7]
建物名称 横町市街地再開発商業ビル[2]
施設管理者 水沢中央ビル株式会社[1][5]

株式会社水沢クロス開発[5]
設計者 株式会社都市計画同人[1]
施工者 フジタ工業株式会社[1]
敷地面積 13,375m2[2]
・東棟:約7,073m2[2]
・西棟:約6,302 m²[2]
延床面積 30,482m2[2]
・東棟:約19,908m2[2]
・西棟:10,574 m²[2]
商業施設面積 19,605 m²[8]
中核店舗 ジャスコ水沢店
(1985年11月 - 2005年5月)
ジョイス水沢中央店
(2006年4月 - 2019年2月)
マルイチメイプル店
(2019年6月 - 2022年12月)
店舗数 60(開業時)[1]

約30(2023年1月時点)
営業時間 10:00 - 20:00(専門店街)
※一部専門店では異なる
※地階8:30始業の業務施設あり
駐車台数 385台
前身 ショッピングシティメイプル[2]
最寄駅 水沢駅[1]
最寄バス停 メイプル前
最寄IC 奥州スマートIC
外部リンク 公式サイト
Wayback Machine
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メイプルMaple)は、岩手県奥州市水沢にあった東西2棟からなる複合商業施設[2]。水沢市の市の木であるから「メイプル」と名付けられた[2]

前身のショッピングシティメイプルについても記載する。

概要[編集]

市街地再開発事業によって1985年に開店した「ショッピングシティメイプル」が、核店舗の撤退を理由に2005年を以って閉店したことを受け、営業譲渡された水沢クロス開発が行政などからのバックアップを受けて2006年にリニューアルオープンした複合商業施設である[7]水沢駅からほど近い場所に位置しており、奥州市内では随一の店舗規模を誇っていた[9][8]核店舗を中心に多数のテナントが入居していた地上4階・地下1階建ての東館と、自走式駐車場が大分部を占め、行政施設が入居する地上5階建ての西館で構成される[10][11][12]

ショッピングシティメイプルの開店当時から進行していた小売店の郊外進出による中心市街地の衰退や利用客の流失のほか、小売業の競争激化により核店舗をはじめとしたテナントの撤退で経営状況が悪化していた。また、人口減少の加速などにより客足が伸び悩んでいた最中のコロナ禍に伴う売り上げ減少や電気代の高騰などが追い打ちをかけ、2023年4月を以って二度目の閉店に至った[7][10][13][14]

歴史[編集]

ショッピングシティメイプル時代[編集]

経済環境や消費者の変化により、水沢市中心部にある横町商店街の業況が停滞し始めていたことから、1977年昭和52年)2月に市街地再開発法に基づく横町一番街整備構想を発表したのが始まりである[2]1979年(昭和54年)9月に準備組合を設立し、1981年(昭和56年)3月に横町一番街市街地再開発組合を設立した[2]。同組合が総事業費54億円を投じ、1985年(昭和60年)11月13日に核店舗のジャスコ水沢店と地元で展開する専門店60店舗が出店し、水沢中央ビル運営の「ショッピングシティメイプル」として開店した[2][15][16]

以後、水沢市街地の象徴的な施設として1993年平成5年)には年間約80億円の売上高を記録したが、核店舗であるジャスコが1996年(平成8年)に隣接する前沢町へ出店(ジャスコ前沢店)したのを機に売上が減少した[7][16]。その後は売上が最盛期の6割ほどに落ち込んだことから、2002年(平成14年)6月に水沢中央ビルに対して2005年(平成17年)11月を以って撤退する旨を申し出た。イオンと水沢中央ビルとの協議は平行線の状態が続く中、2004年(平成16年)2月には撤退時期を同年6月下旬に前倒しする方針を打ち出した[16]。同年6月の撤退は免れたものの、2005年(平成17年)5月を以って核店舗の撤退と共に30の専門店も撤退を余儀なくされ、やむなく閉店した[17]

メイプル時代[編集]

この施設は中心市街地の核施設であり、その再生が中心市街地活性化のためには必要不可欠の重要課題であった。このため、当初の計画にはなかったTMO構想の一つに位置づけ、官民あげての取り組みを行い2006年(平成18年)4月の営業再開(核店舗ジョイス)に漕ぎつけた。[要出典]

この事業は、中小商業者、水沢市、水沢商工会議所が出資した特定会社「株式会社水沢クロス開発」が事業主体となって、国・県の補助金を得て総事業費7億9629万3千円で実施したものである。また、この事業実施にあたっては、県・市・地元商工団体が事業主体と一体となって「水沢市大型商業施設再生事業促進委員会」を組織して再生事業を支援・促進してきたほか、日本ショッピングセンター協会からの全面的なバックアップも受けた。中心商店街にある大型商業ビルの再生モデルとして全国が期待し、注目していた。[要出典]

2019年(平成31年)2月24日に閉店したジョイス水沢中央店の跡地にマルイチが同年6月27日に出店した[18]

近年は老朽化による改修費用や電気料金の値上げ、新型コロナウイルス感染症に伴う売り上げ減少によって資金繰りを悪化させ、2023年4月を以って閉店する旨を表明した[14]。奥州市が再生策を模索しており、閉店後に土地や施設一帯を取得する方針を出した。その後は改修工事などを施した上で民間企業へ譲渡する案が浮上している[19]

年表[編集]

  • 1977年昭和52年)2月 - 市街地再開発法に基づく横町一番街整備構想を発表[2]
  • 1979年(昭和54年)9月 - 準備組合を設立[2]
  • 1981年(昭和56年)3月 - 横町一番街市街地再開発組合を設立[2]
  • 1984年(昭和59年)11月 - 施設を着工[14]
  • 1985年(昭和60年)11月13日 - 水沢中央ビル運営の「ショッピングシティメイプル」として開店[2]。核店舗はジャスコ水沢店[2][3][18]
  • 1989年平成元年) - 東館と西館を繋ぐ連絡通路が竣工[2]
  • 2002年(平成14年)6月 - ジャスコ水沢店(イオン)が水沢中央ビルに対し撤退を表明[16]
  • 2004年(平成16年)3月22日 - 後の運営会社となる、有限会社水沢中央開発を設立[20]
  • 2005年(平成17年)
  • 2006年(平成18年)4月6日 - 施設を改築し、水沢クロス開発運営の「メイプル」として開店[4]。核店舗はジョイス水沢中央店[21]
  • 2019年(平成31年・令和元年)
  • 2022年(令和4年)
    • 8月8日 - 東館の下りエスカレーターを稼働停止[14]
    • 10月28日 - 電気料金の値上げや、新型コロナウイルス感染症に伴う売り上げ減少により、運営困難な状況であると表明[14]
    • 12月31日 - 核店舗「マルイチメイプル店」が撤退[23][24]
  • 2023年(令和5年)
    • 4月1日 - 東館の3・4階フロアと4階駐車場、連絡通路と複数のエレベーター・階段を閉鎖[25]
    • 4月30日 - 民間テナントとの賃貸契約を解約し、閉店[7][10]

運営会社[編集]

株式会社 水沢クロス開発
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
023-0801
岩手県奥州市水沢字横町95番地
設立 2005年6月3日
業種 貸事務所業
法人番号 8400601000763
事業内容 商業施設「メイプル」の管理運営
代表者 破産管財人 日高拓郎[26]
資本金 1,000万円
外部リンク メイプルHP内
Wayback Machine
特記事項:2023年5月11日破産手続開始決定
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株式会社水沢クロス開発(かぶしきがいしゃ みずさわクロスかいはつ)は、岩手県奥州市水沢に本社を置いている日本の企業2004年3月22日に有限会社水沢中央開発として設立し、後に有限会社水沢クロス開発へ社名変更した[20]

2005年6月3日には水沢市(現・奥州市)や水沢商工会議所(現・奥州商工会議所)が出資して株式会社へ移行された[20]

商業施設「メイプル」の運営管理を事業内容としていた[14]

水沢クロス開発は2023年5月11日に盛岡地方裁判所水沢支部から破産手続開始決定を受けた[26][27]

フロアとテナント[編集]

フロア概要[編集]

約30の専門店や施設で構成されていた。西館は、奥州市の行政施設(公共機関)や交流館となっている。

また、両館を繋ぐ連絡通路「スカイブリッジ」が4階部分に設置されているが、2023年4月1日から閉鎖された[25]

東館 西館
R階 屋上駐車場
5/R階 屋上駐車場
4階 レストラン&アミューズメント・駐車場 駐車場(東側)
3階 ライフ、バラエティのフロア
2階 ファッション、バラエティのフロア 行政施設
1階 フード&ライフベイシックのフロア 市交流館
B1階 コミュニティー&カルチャーのフロア
※西館駐車場の内、1-3階・4階西側・5階は「横町一番街商店街振興組合」の月極駐車場の為、利用不可だった

テナント・施設[編集]

閉店に先立ち、2023年3月末を以って行政施設(公共機関)を除く大半のテナントが撤退した[7][10]

西館[編集]

アクセス[編集]

県道113号県道226号の交差点(水沢字大町)そばに位置していた。

鉄道[編集]

バス[編集]

自動車[編集]

駐車場[編集]

当施設の駐車場は385台利用可能で、当施設の利用に限らず3時間まで無料で利用可能だった。

施設駐車場 駐車台数 駐車可能時間 備考
東館4階駐車場 151 10:00 - 20:00 高さ制限2.1m
屋上駐車場 8:30 - 21:00(平日)

9:00 - 21:00(休日)

西館立体駐車場 234 10:00 - 20:00
※駐車場や連絡通路の利用時間は、事情により変更する場合があった

周辺[編集]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f “日本のSC メイプル”. ショッピングセンター 1986年4月号 (日本ショッピングセンター協会) (1986年4月1日).pp9
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 水沢市史編纂委員会編 『水沢市史 第五巻(近代2)』 水沢市史刊行会、1990年3月。 pp471
  3. ^ a b ジャスコ(株)『ジャスコ三十年史』(2000.12)”. 渋沢栄一データベース. 2022年7月4日閲覧。
  4. ^ a b 広報おうしゅう18年4月本号 - まちの話題”. 奥州市. 2022年11月3日閲覧。
  5. ^ a b “メイプル来年4月閉店 奥州・水沢 「市主体で再生」検討”. 岩手日日新聞 (岩手日日社). (2022年11月15日). pp奥州・金ケ崎版
  6. ^ a b 2006年2月期(81期)中間決算参考資料”. イオン株式会社. p. 15. 2022年11月3日閲覧。
  7. ^ a b c d e f メイプル 歴史に幕 水沢 商店街閑散、「寂しい」【奥州】」『岩手日日』、2023年5月1日、9面。2023年5月1日閲覧。
  8. ^ a b 2021年末時点 3.都道府県・市区町村別SC一覧”. 一般社団法人 日本ショッピングセンター協会. p. 2 (2022年6月). 2023年5月3日閲覧。
  9. ^ 「メイプル」来春に閉店 奥州市が取得、民間譲渡へ」『毎日新聞』、2022年12月14日。2023年5月3日閲覧。
  10. ^ a b c d 中心市街地 象徴に幕 水沢メイプルあす閉店 公共施設は入居継続」『胆江日日新聞』、2023年4月29日。2023年5月1日閲覧。
  11. ^ 店舗紹介”. Wayback Machine. 2023年1月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月3日閲覧。
  12. ^ アクセス・駐車場”. Wayback Machine. 2023年1月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月3日閲覧。
  13. ^ 奥州の商業施設メイプル閉店 入居の公的機関は継続」『胆江日日新聞』、2023年5月1日。2023年5月3日閲覧。
  14. ^ a b c d e f “メイプル来春閉店へ 運営会社のクロス開発 入居テナントに通知(水沢)”. 胆江日日新聞. (2022年11月1日). http://www.tankonews.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=9065 2022年11月3日閲覧。 
  15. ^ “日本のSC メイプル”. ショッピングセンター 1986年4月号 (日本ショッピングセンター協会) (1986年4月1日).pp7
  16. ^ a b c d ジャスコ水沢店6月撤退方針」『岩手日報』、2004年2月17日。2023年9月25日閲覧。オリジナルの2004年4月16日時点におけるアーカイブ。
  17. ^ a b 広報みずさわ - まちの話題”. WARP. 2005年12月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月3日閲覧。
  18. ^ a b c マルイチ 待望の開店 メイプル内食品スーパー 市民らで施設に活気【奥州】」『岩手日日』、2019年6月28日。2022年12月23日閲覧。
  19. ^ 「メイプル」来年4月閉店…奥州市取得方針 改修後、民間へ譲渡」『讀賣新聞オンライン』、2022年11月15日。2022年11月15日閲覧。
  20. ^ a b c d 会社概要”. Maple. 2023年1月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月1日閲覧。
  21. ^ ジョイスが退店へ 奥州・メイプル水沢中央店 郊外大型店の影響で」『岩手日日』、2018年12月27日。
  22. ^ 来月24日で閉店 奥州 ジョイス水沢中央店」『岩手日日』、2019年1月16日。2022年11月3日閲覧。
  23. ^ 惜しまれながらマルイチ閉店 奥州、メイプルの核店舗」『岩手日報』、2023年1月1日。2023年1月2日閲覧。
  24. ^ マルイチメイプル店閉店のお知らせ”. マルイチ (2022年12月24日). 2022年12月31日閲覧。
  25. ^ a b あすから3-4階閉鎖 連絡橋も通行不可(水沢・メイプル)」『胆江日日新聞』、2023年3月31日。2023年5月3日閲覧。
  26. ^ a b (株)水沢クロス開発(岩手)/貸事務所業NetIB-NEWS 2023年5月22日
  27. ^ 奥州・メイプルの運営会社が破産 資金繰り悪化で岩手日報 2023年5月16日

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

公式サイト