マーガレット・ヘファーナン

マーガレット・ヘファーナン
マーガレット・ヘファーナン(2011年)
生誕 1955年 (年齢: 68歳)
アメリカ合衆国テキサス州
住居 バース (イギリス)
出身校 ケンブリッジ大学
職業 実業家
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マーガレット・ヘファーナンMargaret Heffernan 1955–)[1]は、起業家CEO作家、基調講演者[2]テキサス生まれ、オランダで育つ。ケンブリッジ大学修士号[3]、2011年にMBA課程の講師を務めていたバース大学から名誉学位を授与され[4]、同大学経営学部顧問委員会委員を委嘱される[4]。2018年現在、バース大学経営学部の非常勤講師[5]を務める傍ら父の創業したスーパーマーケットチェーンデューンズ・ストア(英語)[注釈 1]を含む複数の会社を経営、夫と2人の子供と大学のあるバース郊外に住んでいる。

来歴[編集]

イギリスではBBCに13年間勤め、多岐にわたるラジオテレビ番組を制作、独立して起業するとテレビ制作関連の任意団体IPPAとMarlin Gas Trading Ltd.を経営した。アメリカ合衆国ではCMGI[8]、InfoMation[9]、iCast社[10]、ZineZone CorporationおよびInformation Corporationで最高経営責任者などの職にあった。

社会人としての振り出しはBBCラジオ入局で、ドキュメンタリー番組制作に配属されて脚本演出を手がける[8]。テレビ番組制作に転じ、ドラマおよびドキュメンタリーの帯番組[注釈 2]制作を経て独立。独立系テレビプロデューサーの組合IPPAの運営に当たると、イギリスで最も信頼できるロビー組織と評された(フィナンシャル・タイムズ評)[8]

アメリカに戻るとテレビ業界から広告業界へ進み、やがて映像メディアが変革期を迎えると予測、テレビ主流からマルチメディアへ焦点を移す課程で会社5社を創業期から経営する。インタラクティブ・メディア開発で大手企業を顧客にした経験[注釈 3][11]を活かすと、ビジネスと効果的なリーダーシップを主題にした著作5冊を執筆する[8]。起業家精神について教える一方、InfoMationでは指導者育成企業でエグゼクティブのメンターを担当[12][9]

ヘファーナンが説く最も包括的なテーマとは、経営者が組織内に埋もれている才能を認識し解放する必要性である[13][14]。主に重大な課題を扱い、従来の価値観に積極的に疑問を投げかけ続けるというスタイルを貫く[15][16]。また自らがかつて経営陣の男女給与格差を是正しようとして苦しい立場に置かれた経験を踏まえ、職位にかかわらず女性に労働市場における男女格差をただす方策を伝えている[10][13]

継続的なイノベーションや社内の才能を育てるリーダーの役割などについて、企業団体[17][18]大学から講演を要請される[5]。なお持論は会社の成功を支えるのは職場で重んじられがちな個人主義ではなく、従業員間の良好な人間関係だと説く[19][15]

テレビ番組の現場では制作側ばかりでなく、2007年に取材対象としてリアリティ番組The Secret Millionaire(英語)チャンネル4)に出演、秘密の篤志家としてノッティンガムで撮影を行い3万イギリスポンドを寄付している(12月19日放送)[4][20][21]

教職[編集]

受賞歴[編集]

父の故郷ダブリンで生活困窮者向けの基金People in Need Trustに寄付し、1988年に市制100周年記念Dublin City Millennium Awardを表彰される。翌1989年には広くダブリン市と市民に貢献したとして創設後まもないDublin City Lord Mayor's Award(ダブリン市長表彰)を、Frank Feely、Ronnie Delaney、Eamonn Coghlanと同時にBen Briscoeから授けられている[22]

アイルランドでは、他の国で国家から贈られるレジオンドヌール勲章や、栄誉称号ナイトに匹敵する表彰は国立大学が行うとされている。ヘファーナンが2007年に贈られたユニバーシティ・カレッジ・コーク名誉法学博士号(Degree of Doctor of Laws, honoris causa)は、アイルランドの経済界に寄せた貢献、生活困窮者を支援し続けたこと、また医学界における糖尿病などの研究や教育に加え、看護の発展に資金と提供してきた功績を称えたものである。これはいわばアイルランドの国民賞相当と位置づけられている[注釈 4]。同年、アイルランド国立大学傘下のユニバーシティ・カレッジ・ダブリンビジネススクールの図書館に寄付し、アイルランド全域で最も近代的な環境を整備させた[24]

マスコミ業界にいた1999年の「インターネットの重要人物100人」(Silicon Alley Reporter)に数えられ[4][25]、「メディアの重要人物100人」(ハリウッド・リポーター)に選ばれる[4]2001年にはAOLを取材した「Tear Down the Wallシリーズで「Silver SABRE」賞PR部門賞を受賞[4]。2015年には著書『A Bigger Prize: Why Competition isn't Everything and How We Do Better』[15]で「Transmission Prize」を受け[26]、同年TEDより『Beyond Measure: The Big Impact of Small Changes』[3]が刊行される。

TED、TEDxトーク[編集]

経営コンサルタントとして人材開発、男女格差など多角的な視点を重用され[16][11]TEDで講演。オーディオブック化されている[3]。邦訳もされた[27][28]

推薦する図書[編集]

企業経営陣向けの必読書を紹介している。

  1. Gentile, Mary C (2010). Giving Voice to Values: How to Speak Your Mind When You Know What's Right. イェール大学出版会. OCLC 940854726 [29]
  2. Packer, George (2013). The Unwinding: An Inner History of the New America. New York, N.Y.: Farrar, Straus and Giroux. ISBN 0374102414. OCLC 901336226 [29]
  3. Catmull, Ed; Wallace, Amy (2014). Creativity, Inc.: Overcoming the Unseen Forces that Stand in the Way of True Inspiration (Unabridged ed.). Random House. ISBN 0679644504. OCLC 989945244 [29]
  4. Collins, Tantum; Silverman, David; Fussell, Chris (2015) (音声CD×10枚(12時間)). Team of Teams: New Rules of Engagement for a Complex World. Michael, Paul; McChrystal, General Stanley (朗読). Portfolio. ISBN 161176372X. OCLC 912495069 [29]

著書[編集]

出版年順

参考資料[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ヘファーナンは14歳から家業のスーパーを手伝ってきたという[6]。そのデューンズ・ストアによるアイルランドの高級スーパーマーケットチェーンの買収は、M・ヘファーナンの娘のAnne Heffernanが交渉を手がけ、不調に終わり話題になった[7]
  2. ^ 歴史ドキュメントTimewatch(英語)、現代の社会問題を扱うArena(英語)ならびに政治家インタビュー番組Newsnight(英語)の制作を手がける[8]
  3. ^ インタラクティブなメディア開発の起業家として営業先はピーター・リンチ(投資家)(英語)トム・ピーターズ(経営コンサルタント)に加えて格付け機関スタンダード・アンド・プアーズ、教材会社ラーニング・カンパニー(英語)などに広げた。その後ソフトウェア開発会社CMGIで企業のウェブ戦略を担当、インターネットビジネス草創期の振興企業の買収を取り持つ[8]
  4. ^ Michael Murphy学長による表彰式の祝辞[23]

出典[編集]

外部リンク[編集]