マドレーヌ寺院

マドレーヌ寺院
年末のミサ

マドレーヌ教会、通称マドレーヌ寺院サント・マリー・マドレーヌ聖堂フランス語:Église de la Madeleine)は、フランス首都パリ8区にある聖女マドレーヌ(Madeleineはフランス語で「マグダラのマリア」を指す)を守護聖人とするカトリック教会

概要[編集]

ブルボン朝末期、ルイ15世により聖女マドレーヌに捧げる教会として1764年に建設が始まるが中断。1777年に再び工事が始まるが、フランス革命の勃発により基礎工事半ばの状態で中断していた。

1805年、ナポレオン1世がフランス軍の名誉を讃える栄光の神殿とすることを決定し、建築家ピエール・ヴィーニョン(1763-1828年)が古代神殿風のデザインで設計した。1806年に工事を再開。ナポレオンの失脚後、ルイ18世によってカトリック教会に用途が戻され、1842年に完成した[1]。その外観は、以下に述べるようにキリスト教の教会としてはかなり異例である。

外観はコリント式の高さ30mの柱が52本並べるなど古代ギリシア古代ローマ神殿を模したネオ・クラシック様式(新古典主義建築)である。内部はコリント式の大円柱が連続するペンデンティブドームの天井を支えている。 正面のペディメントアンリ・ルメール作の「最後の審判」の彫刻に飾られ、の扉にはアンリ・ド・トリケティ(Henri de Triqueti)による「十戒」をテーマにしたレリーフが施されている。

内部に入ると右側にジェームス・プラディエ作の『聖母マリア婚礼が、左側にはフランソワ・リュード作の『キリスト洗礼』」像が安置され、主祭壇カルロ・マロケッティらによる『聖マグダラのマリアの歓喜』像で飾られている。

このように多くの美術作品で飾られているマドレーヌ寺院だが、建物内にはサル・ロワイヤル(Salle Royale=王室の間)と呼ばれる部屋があり、現在は「イコン展」をはじめとする美術展など限られたイベントが実施されている。

ランチのみのレストランFOYER DE LA MADELEINE[2]もあり、横から入ることができる。

アリスティッド・カヴァイエ=コルによって建造されたパイプオルガン1849年に設置され、現在のものは1923年に修復を受けたものである。歴代のオルガン奏者は著名な演奏家・作曲家で占められ、その一人であるガブリエル・フォーレが「レクイエム」の初演を行ったことでも知られる。

歴代オルガン奏者[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 『西洋建築史図集』(日本建築学会編、彰国社、1993年)p203、『建築ガイド パリ』(丸善、1991年)p84、『地球の歩き方 パリ&近郊の町』(2017年)p144。
  2. ^ トニー・ラズロ小栗左多里の『フランスで大の字』(ヴィレッジブックス)によれば次の通り(データは2011年のもの)。年会費5€でランチ7.5€で1年間の「会員」になっても前菜+メイン+デザートが出てくるので経済的である。テーブルには既に前菜が何種類か置いてあり、好きな物に替えてもOK。メインも見て選べる。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

座標: 北緯48度52分12秒 東経2度19分27秒 / 北緯48.87000度 東経2.32417度 / 48.87000; 2.32417