マイナンバーカード

マイナンバーカード
マイナンバーカードの表面
種類 身分証明書
交付者 市町村特別区
交付開始 2016年1月
目的
有効地域 日本の旗 日本
受給資格要件 住民票を有する住民
(日本在住の日本国籍を持つ者と在日外国人の両方)
有効期間
  • 18歳以上:
    発行の日から10回目の誕生日まで
  • 18歳未満、電子証明書:
    発行の日から5回目の誕生日まで
手数料 無料
接触型ICカードリーダライタとマイナンバーカード(裏面)

マイナンバーカード: Individual Number Card[1])は、数字12桁の個人番号(以降「マイナンバー」と表記)が記載された日本のICカード身分証である[2]。正式名称は、個人番号カード(こじんばんごうカード)[注 1]という。2024年3月末時点で、人口の73.5 %に当たる9215万人が保有している。

表面には氏名、住所、生年月日、性別、本人の顔写真、臓器提供の意思表示欄、右上部にPRキャラクター「マイナちゃん」のシンボルマーク頭部、裏面にはマイナンバーの記載、個人認証機能のみ出来るICチップがあり、本人確認における身分証明書、本人が設定したパスワードを用いたe-Tax等の電子証明書を利用した電子申請やコンビニエンスストア等での証明書交付など様々な官民のオンラインサービスに利用できる[3]。マイナンバーカードのICチップ内には電子証明書機能があり、「公的個人認証サービス」が使用できる。利用者証明用電子証明書(りようしゃしょうめいようでんししょうめいしょ)と顔認証(又は暗証番号)を利用し、「マイナ保険証」(マイナほけんしょう)としても用いられている[4][5][6]

概要[編集]

マイナンバーカード(個人番号カード)は、日本において「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27号)」(マイナンバー法)に基づき、発行されるプラスチック製のICカード市町村特別区が、住民のうち希望者へ当面の間無料で交付する[7]2016年平成28年)1月に交付が開始された[注 2]。前述のように身分証明書をはじめ、マイナンバー(個人番号)を証明するための書類として利用できる。カードのICチップに格納されている署名用電子証明書・利用者電子証明書は、民間や行政のオンライン手続きなどに利用可能で、幅広いサービスに利用されている( #利用 - 行政分野#利用 - 民間事業#利用 - 官民共用 を参照)。

マイナンバーカードを取得するか否かは任意であり、外出の際にマイナンバーカードを携帯する義務はない[注 3]

略称(マイナカード、マイナ保険証)[編集]

マイナンバーカードを「マイナカード」、マイナンバーカードの健康保険証としての利用を「マイナ保険証」と省略して表記する場合がある。

マイナカード[編集]

メディアにおいては、見出しのみならず記事本文内でも「マイナカード」と表記する事例が存在する[8][9][10]。行政機関では、地方自治体が用いる事例[11][12]はあるが、中央省庁で書面等に「マイナカード」の呼称が使われることは無い。一方、2023年8月4日に行なった岸田文雄首相の記者会見では、冒頭発言において「マイナカード」の呼称が複数回使用された[13]。口頭表現としては政府の公式な場でも用いる状況となっている。

マイナ保険証[編集]

メディアはもとより、中央省庁においても、正式な書面[14]や、WEBサイト[15]、ポスター・パンフレット[16]、イベント[17]等で「マイナ保険証」の呼称を使用している。

但し、「マイナ」のみを切り取ったり[18][19]、「マイナ○○」と記述すること(マイナ普及[20]、マイナ活用[21][22]、マイナ返納[23]、マイナ反対[24]、マイナ保有率[25]、マイナトラブル[26]など)は、その内容がマイナンバー(個人番号)制度を指しているのかマイナンバーカードの事なのかを判別しづらく、#マイナンバーとマイナンバーカードの混同 を招く。

マイナンバーとマイナンバーカードの混同[編集]

マイナンバー個人番号)は、2015年に住民票のある全ての国民・外国人に付番が完了した[注 4]12桁の番号そのもので、物理的形態は存在しない。日本国内に住民票を有する全ての住民にはマイナンバーが付されている[注 5]

これに対してマイナンバーカードは、申請して交付されるプラスチック製のICカードである。本人の氏名、住所、12桁のマイナンバー、顔写真などが印刷されている。2024年3月末時点で73.5 %の日本在住民がマイナンバーカードを保有している[27]

マイナンバーとマイナンバーカードとは、しばしば混同されている[28][29][30]マイナンバーの利用範囲は社会保障、税、災害対策に厳しく限定され、これ以外に使用することは違法である[31]マイナンバーカードは、ICチップの中の電子証明書と「空き領域」を活用し、官民の分野を問わず対面でもオンラインでも本人確認手段として幅広く利用されている[31][32][33][34]。本人確認手段としてのマイナンバーカードの利用では、マイナンバー(個人番号)は使用しない。健康保険証機能(いわゆるマイナ保険証)でもマイナンバーは使用していない[6][注 6][注 7]。個人情報の保護については、マイナンバーおよびマイナンバーを含む個人情報は「特定個人情報」[注 8]として厳格に保護されるが、マイナンバーカードの情報(マイナンバーを含まない部分)には特別の保護規定は存在せず、一般の個人情報として保護される。マイナ保険証などの利用も、マイナンバーを使用しないため、特定個人情報には当たらない。

2023年(令和5年)7月において、大手新聞紙上でもマイナンバーとマイナンバーカードを混同し、意味が通じない記事が見られる[35]。「マイナとひも付け」という表題の記事が、実際にはマイナンバー(個人番号)とのひも付けではなくマイナンバーカードを用いた本人確認処理だった事例も存在する[36]。自治体首長からも、マイナンバー自体とカードを混同した発言が行われている[37]

マイナンバーとマイナンバーカードの違い
項目 マイナンバー マイナンバーカード
形態 12桁の番号そのもの。物理的形態は存在しない 12桁の番号と氏名、住所、写真などを記したICカード (プラスチック製)
保有方法 自動的に付番される[注 9][注 10] 発行には本人からの申請が必要[注 11]
交付状況 2015年11月に付番完了[注 12] 2016年1月から交付開始
保有数 約125百万件(全人口[注 13] 約9215万枚 [注 14]
人口に対する保有率 100.0 % 73.5 % [注 14]
使用範囲 社会保障、税、災害対策 健康保険証国税電子申告公的個人認証運転免許証(予定)など( #利用 - 行政分野#利用 - 官民共用 を参照)
上記の使用範囲以外の応用 不可能であり、違法 官民・分野を問わず本人確認手段として利用可能。例:社員証、出退勤管理、図書の貸出利用など( #利用 - 民間事業#利用 - 官民共用 を参照)
個人情報の保護 特定個人情報[注 8]として厳格に保護される 一般の個人情報として保護される

なお、マイナンバーカードとはICカード型のものだけを指す[注 1]生体認証機能で保護されたスマートフォンへの電子証明書の搭載が2023年(令和5年)からAndroidの主要機種で開始されており、iOS機種にも対応予定(#スマートフォンへの電子証明書搭載に詳述)であるが、それらはマイナンバーカードの機能のうち、電子証明書機能のみを保有するものであって、マイナンバーカードとは呼ばない。

将来はマイナンバーを記載しない「ナンバーレス化」も検討されていたが[31]、次期カードの仕様でもマイナンバーの裏面記載は継続する方針である( #次期マイナンバーカード を参照)。

カードの保有状況など[編集]

多くの住民(日本の住民票に登録された日本人および外国人)が保有し、健康保険証利用や公金受取口座の登録が行なわれている。その保有と登録状況は総務省のWEBサイト[27]、およびデジタル庁政策データダッシュボード」で公開されている。総務省サイトは毎週火曜日に、その週の日曜日時点の件数情報へ更新される(保有枚数情報のみ、月次更新[38][39])。政策データダッシュボードはサイトリニューアルのため、2024年1月21日時点データを以て更新停止。同年4月に再開予定[注 15]

カードの普及状況[編集]

マイナンバーカードの普及状況を示す指標としては、申請件数、交付枚数、保有枚数、健康保険証としての登録数、公金受取口座の登録数がある。

全国[編集]

2024年(令和6年)4月14日時点でのカードの有効申請件数(累計)は約1億0040万件。申請率(日本の人口[注 16]に対する割合)は80.1 %交付枚数(累計)は全国で約9887万枚。日本の人口に対する交付枚数率は78.8 %

2024年(令和6年)3月31日時点での保有枚数(純保有枚数)は全国で約9215万枚。日本の人口に対する保有率は73.5 %。この枚数は、自動車運転免許の保有者数 約8184万人[40]よりも約11 %多い。

2023年(令和5年)7月14日、総務省は、従来発表していた申請件数・交付枚数は「累計」であり、死亡等による廃止分(2023年〈令和5年〉6月末時点で約500万枚[注 17]。)を含んだものと説明[41]。5月末分より廃止分を差し引いた「純保有枚数」も発表することとした[42]。(廃止・失効の詳細は #廃止・失効 を参照)

自治体別[編集]

2022年(令和4年)6月30日のマイナンバーカード交付率公表にて、全国の「特別区・市」区分で初めて宮崎県都城市が80 %を超え、81.3 %となった[43]。2023年(令和5年)4月末時点の発表で新潟県粟島浦村が全国市区町村で初めて100 %を達成(対象者338名)[44]、都城市も「特別区・市」区分にて95.0 %で1位を継続していた[27]。翌2023年(令和5年)5月末時点で、粟島浦村は計算上の交付率が100 %を超過する見込みとなった。これは分母が2022年(令和4年)1月時点の住民基本台帳の人口であること、粟島浦村で取得した後に他の自治体へ転出した者も「粟島浦村での交付者」として計上していること等によるもの[45]。総務省は2023年(令和5年)5月末分より、自治体別の「交付率」の発表を取り止め、代わりに「保有枚数率」を発表するよう改めた。2023年(令和5年)5月末時点で粟島浦村の保有枚数率は80.5 %であった[46]

発表された保有枚数率は、2024年(令和6年)3月末時点において「特別区・市」区分では兵庫県養父市(90.8 %)、「町村」区分では鹿児島県十島村(91.8 %)が首位である。

健康保険証としての利用登録[編集]

健康保険証としての利用登録数(累計)は、約7206万枚。累計交付済みマイナンバーカードのうちの73.8 %[47]、全人口のうちの57.4 % を占める。

公金受取口座の登録[編集]

公金受取口座の登録数(累計)は、約6264万枚。累計交付済みマイナンバーカードのうちの64.2 %[47]、全人口のうちの 49.9 % を占める。

交付金の支給[編集]

2022年(令和4年)6月7日、第2次岸田内閣は「デジタル田園都市国家構想基本方針」を閣議決定[48]。交付金の評価にマイナンバーカードの普及状況を用いることを記載した[注 18]。その後、2022(令和4)年度第2次補正予算の中で、『デジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプ)』を創設。地域のデジタル化事業に対し、マイナンバーカードの申請率も支給要件に加味して交付事業を決めるルールを定めた[49][50][51]。あくまでも「デジタル化事業」に対して交付されるものであり、自治体のマイナンバーカード申請率が高いだけで自動的に受け取ることができるものではない。

2022年(令和4年)12月21日、2023(令和5)年度予算の閣僚折衝において、地方交付税交付金内の「地域デジタル社会推進費」に500億円の「マイナンバーカード利活用特別分」を積み増した。マイナンバーカードの交付率に応じて配分する方針[52][53]。2023年(令和5年)7月28日、「令和5年度普通交付税大綱」を閣議決定。「地域デジタル社会推進費」のうち、500億円分はマイナンバーカードの保有枚数率に応じて決定した[54][55]

形態・セキュリティ・ICチップ機能[編集]

マイナンバーカードは、クレジットカード、日本の運転免許証と同じ寸法のプラスチック製ICカードである(ISO/IEC 7810 ID-1規格)[注 19]。カードには集積回路が埋め込まれていて、裏面には、ICチップと通信するための端子があるほか、非接触カードリーダーに対応のISO/IEC 14443 Type BのRFID近距離無線通信)が搭載されている。

その様式は「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に規定する個人番号、個人番号カード、特定個人情報の提供等に関する命令(平成26年総務省令第85号)」第25条で規定されている。表面には、法令により、持ち主の「氏名」「住所」「生年月日」「性別」「本人の顔写真」[注 1]「マイナンバーカードの有効期限」「旧姓(住民票に記載がある場合)[56]」「通称名(外国人で住民票に記載がある場合)」[注 20]が印刷される。ほかに法令に記載はないが、写真下左に16桁の「製造番号」[57]、写真下右に4桁の「セキュリティーコード」が記される。裏面は、所有者の「マイナンバー」「氏名」「生年月日」が記される。日本国民の生年月日は戸籍通りに和暦で、在日外国人は西暦で記される[注 21]。有効期間は西暦で記される。表面はサインパネル(追記欄)があり、住所や記載事項などを変更した場合に記入する。

マイナンバーは、法律で規定された場合以外は他人に告知せず[注 22]、本カードを身分証明書として使用する際は、表面のみを相手に提示する。法律で規定された業務を行うために必要な場合以外、マイナンバーカードの裏面の複写を保管したりしてはならない[注 23]

ICチップ機能[編集]

マイナンバーカードのICチップ内には、次の情報が記録されている[7]

  • 「マイナンバー」(数字12桁)
  • 「基本4情報」:「氏名」「性別」「生年月日」「住所」
  • 「顔写真」の画像情報
  • 「利用者証明用電子証明書」(「シリアル番号」を含む)とその「秘密鍵」[注 24]
  • 「署名用電子証明書」(「シリアル番号」を含む)とその「秘密鍵」[注 25]
  • 「住民票コード」
  • 4種の「暗証番号(パスワード)」
    • 「券面事項入力補助用暗証番号」(数字4桁)
    • 「利用者証明用電子証明書用暗証番号」(数字4桁)
    • 「住民基本台帳用暗証番号」(数字4桁)
    • 「署名用電子証明書用暗証番号」(英数字6 - 16桁)
  • カードアプリケーション機能(ICチップの空き領域の機能)[58]#空き領域の活用 を参照

医療情報などその他プライバシー性の高い情報は役所等各機関のデータサーバー側にあり、ICチップ内には保持していない[注 26]。チップ内の情報から「本人である」と認証された後にサーバー側のデータが参照可能となる。マイナンバーカード利用時には、カード実物と共に、顔認証[注 27]または暗証番号による認証も合わせた二要素認証が行なわれる。仮に第三者がカードを得ても、それだけでは医療情報などプライバシー情報を参照することは出来ない[4][7][59]

マイナンバーカードのICカードとしてのオペレーティングシステム (OS) は、カードを製造し納品したメーカーによって異なるものが使われており、カードOS間の互換性はない。現在、複数のメーカーがマイナンバーカードを製造し納品しているが、外部インターフェース仕様を規定することで、どのメーカーが製造し納品したカードでも、ICチップ内の動作が異なるにもかかわらず、カードを利用する外部のシステムとの互換性が保たれるようにしている[60]。マイナンバーカードの製造は、地方公共団体情報システム機構 (J-LIS) が「個人番号カード用ICカード製造業務等」として発注しており、随意契約[61]や一般入札[62]で、NTTコミュニケーションズ凸版印刷の2社[63]が契約し、製造している。

シリアル番号[編集]

マイナンバーカードの「署名用電子証明書」と「利用者証明用電子証明書」のシリアル番号は、発行番号とも言われ、電子証明書の特定が可能である。マイナンバーカードを活用するサービスにおいて、初回利用時にシリアル番号を記録することで、次回以降のログイン時にシリアル番号を突合せることで利用者を特定することができる。初回の申請時に「署名用電子証明書」を使用した場合でも、地方公共団体情報システム機構を通して、「署名用電子証明書」のシリアル番号から「利用者証明用電子証明書」のシリアル番号を取得することで、ログインで使用する「利用者証明用電子証明書」と突合せることができる。「利用者証明用電子証明書」の有効期限は5年で、「利用者証明用電子証明書」が更新されるとシリアル番号も更新されるが、新「シリアル番号」から旧「シリアル番号」を取得する仕組みがあるため、追尾が可能である[64]。マイナンバーカードを作らない場合や、マイナンバーカードに「利用者証明用電子証明書」を付けない場合は、シリアル番号は発行されない。

マイナンバーカードの「マイナ保険証」の機能では、「マイナンバー」ではなく、「利用者証明用電子証明書」の「シリアル番号」を利用し、マイナンバーカードと健康保険証の紐づけが行われている[65]

地方公共団体情報システム機構(J-LIS)では、民間企業に、マイナンバーカードの「利用者証明用電子証明書」の「シリアル番号」を利用した顧客管理を提案している[66]。総務省自治行政局住民制度課が2015年12月に公表した「個人番号カードの概要及び公的個人認証サービスを活用したオンライン取引等の可能性について」[67]では、

  • シリアル番号を使って、オンラインショップやネットバンクが、個人を長期に渡りモニタリングする構想(23、24ページ)
  • シリアル番号を使って、プラットフォーム事業者が、一人の利用者の情報を、多数の民間事業者との間で集約、発信する構想(29ページ)

が示されている。

マイキーID・マイキープラットフォーム[編集]

マイナンバーカードのICチップ内の「公的個人認証部分」(「利用者証明用電子証明書」と「署名用電子証明書」)と「空き領域部分」を合わせて「マイキー部分」と称する[68]

「マイキーID」とは半角大文字英数(AからZまで26種と0から9まで10種の36種)8桁からなる番号[69]で、「マイナンバーカードのマイキー部分のうち、公的個人認証サービスに対応して本システム利用者が任意で作成し、一意性が確保されたID」である[70]。「公的個人認証サービスに対応して」は、具体的には「利用者証明用電子証明書」の「シリアル番号」にマイキーIDが紐づけされることを意味する。「一意性」があるため、マイキーIDにより、個人は特定される。

「マイキープラットフォーム」はデジタル庁が運営するデータベースで[71]、「マイキーID」に対し「事業者ID」と「サービスID」の組を対応させ、「事業者ID」には決済サービス業者、自治体マイナポイントの事業者、各地の図書館、公共施設などの事業者ごとに付けられるID番号が入り、「サービスID」は各事業者が顧客に付けるID番号(会員番号、利用者番号など)が入る[72]。これにより、「マイキーID」に紐づけられた会員番号などが網羅的に把握できることになり、マイナンバーカード1枚で、ポイントカード、図書館カード、施設利用カードなど何枚ものカードの役割りを代替することができる。逆にプラットフォーム側から見た場合、ある個人がどのような決済システムを利用し、どのような施設の会員になっているか、網羅的に分かることになる。

「マイキープラットフォーム」で保有している個人情報の項目は、e-govサイトの「個人情報ファイル簿」で確認可能である[73]。マイキープラットフォームはマイキーIDに「利用者証明用電子証明書」の「シリアル番号」も紐づけされ、マイナンバーカードが更新の場合や、「利用者証明用電子証明書」が更新の場合も追跡可能である[74]。この機能により、本人が「マイキーID」を失効させて後日新たな「マイキーID」を取得した場合も、同一人物の識別が可能である。

暗証番号、パスワード[編集]

マイナンバーカードには、ICチップに搭載される4種のアプリケーション(AP)のうち3種に対応するため、以下の4種類の暗証番号パスワード)が使用される[7]

  • 「券面事項入力補助用暗証番号」(数字4桁)
  • 「利用者証明用電子証明書用暗証番号」(数字4桁)
  • 「住民基本台帳用暗証番号」(数字4桁)
  • 「署名用電子証明書用暗証番号」(英数字6 - 16桁)
マイナンバーカードのICチップ内のアプリケーション(AP)と暗証番号の対応
ICチップ内の情報 ICチップ内のAP 暗証番号 アクセスコントロール
基本4情報(氏名、住所、生年月日、性別)の画像、顔写真の画像 券面AP なし 照合番号A または 照合番号B
マイナンバーの画像 なし 照合番号A
基本4情報(氏名、住所、生年月日、性別) 券面事項入力補助AP 券面事項入力補助用(数字4桁) 暗証番号 または 照合番号B
マイナンバー 暗証番号 または 照合番号A
利用者証明用電子証明書[75] JPKI-AP 利用者証明用電子証明書用(数字4桁) 暗証番号
署名用電子証明書[75] 署名用電子証明書用(英数字6 - 16桁) 暗証番号
住民票コード(11桁) 住基AP 住民基本台帳用(数字4桁) 暗証番号
  • 照合番号Aは、マイナンバー(12桁)である。
  • 照合番号Bは「生年月日」(6桁)、「カード有効期限年」(4桁)、「セキュリティーコード」(4桁)の14桁の数字。「セキュリティーコード」(4桁)は、マイナンバーカード表面の左下に記載された4桁の数字である。照合番号Bは、マイナ保険証の顔認証プロセスにて使用する。( マイナ保険証 を参照)
  • 4種の暗証番号:券面事項入力補助用(数字4桁)、利用者証明用電子証明書用(数字4桁)、署名用電子証明書用(英数字6 - 16桁)、住民基本台帳用(数字4桁)は、全てマイナンバーカードのICチップ内に格納されている[7]
  • 暗証番号(パスワード)の変更は、パソコンとICカードリーダライタがあれば可能である[76]

暗証番号の失念・再設定[編集]

暗証番号は一定回数連続して誤るとロックが掛かり、使用不能となる[77]

  1. 利用者証明用電子証明書、券面事項入力補助用、住民基本台帳用(数字4桁) - 連続3回誤ると使用不能。ロック解除(再設定)は住民票所在地の役所または一部の郵便局で手続きが必要[78]
  2. 署名用電子証明書(英数字6 - 16桁) - 連続5回誤ると使用不能。ロック解除(再設定)は住民票所在地の役所で手続きが必要。あるいは、利用者証明用電子証明書用暗証番号(数字4桁)が分かれば、パソコンとICカードリーダライタによって初期化が可能[79]。パソコンとICカードリーダライタが無い場合も、マイナンバーカードが読み取り可能なスマートフォンとコンビニ端末でも初期化が可能である[80][81]

2024年1月19日、総務省は能登半島地震 (2024年)被災者に対し、避難先の自治体窓口でも再設定を可能とするよう対応した[82][83]

顔認証マイナンバーカード(暗証番号設定無しカード)[編集]

2023年7月4日、松本剛明総務大臣は、電子証明書を搭載しつつ暗証番号を設定しない形でのマイナンバーカードを11月頃より発行する計画を発表した[84]。これは、認知症などで暗証番号の管理に不安がある者、福祉施設での一括管理や代理交付の際の代理人の負担軽減を意図したもの。マイナ保険証としての利用時は顔認証にて照合する(顔認証で照合できない場合は医療機関職員が目視等にて確認する)。暗証番号の設定が無いため、その他のマイナンバーカード機能、例えばマイナポータルの利用、コンビニ交付サービス等は利用できない[85][86]。現状、マイナンバーカードの各機能の中で顔認証方式・目視確認方式を採用しているものはマイナ保険証のみであり、事実上、マイナ保険証機能に限定したカードとなる[87]

2023年10月13日、本件を実施するための省令改正について、総務省が意見募集を開始した[88]。名称は「顔認証マイナンバーカード」となり[89][90][91]、12月導入開始見込み[92][93][94]。12月15日省令改正[95]を経て導入開始[96][97]。交付数は2024年2月末時点で9,313件[98]

顔認証[編集]

マイナ保険証において、顔認証技術を使用している。これはICチップ内に持つ顔写真情報[注 28]と、端末のカメラから得た顔情報を照合・認証するもの。医療機関向けのカードリーダーは複数のメーカーから製造・出荷されている[99]が、顔認証の精度は厚生労働省が統一的な基準を定めている。具体的には、他人受入れ率(FMR、誤合致率)が0.01%の時に本人拒否率(FNMR、誤非合致率)を0.6%以下とすることを定めている[100]。また、第三者機関(アメリカ国立標準技術研究所 (NIST) 等)における顔認証精度の評価結果か、当該顔認証エンジンの導入実績等の提示も必要となる[101]

  • 他人受入れ率(FMR、False Matching Rate、誤合致率) - 本人と異なる顔で照合した結果の内、“同じ顔”と判断される確率。FAR(False Acceptance Rate)、偽陰性、第二種過誤[102]
  • 本人拒否率(FNMR、False Non-Matching Rate、誤非合致率) - 本人の顔で照合した結果の内、“異なる顔”と判断される確率。FRR(False Rejection Rate)、偽陽性、第一種過誤[102]

一般に、他人受入れ率(FMR、誤合致率)を下げようとする(認証精度を厳格にする)と、本人拒否率(FNMR、誤非合致率)が上がってしまう(本人の顔でも “異なる” と判定してしまう確率が上がってしまう)。医療機関向けカードリーダーでは、他人受入れ率が0.01%(1万人に1人)の精度の中で、本人拒否率を0.6%(1,000人中6人=約167人に1人の割合)以下に抑えるよう求めている。このため、1日の受診患者が167人規模の医院や病院では、毎日のように本人拒否が発生することになる。その場合は顔認証を再実施する。再認証は10回まで可能[103][104]。「本人」であるにも関わらず10回連続で拒否される確率は、もし独立事象と仮定すれば16710=約168垓7192京分の1だが、1度本人拒否が発生すれば、同条件での再試行では再び本人拒否が発生するため、独立事象という仮定は誤りであり、単純な10乗を取る左記の計算は誤りである。顔認証はマスク着用状態でも判定されるが[105]、カードリーダーメーカーは、再認証の際は念のためマスク・眼鏡・帽子等を外すよう呼び掛けている[106]

マイナ保険証の顔認証技術は、ICチップ内に持つ顔写真情報を照合の基礎としており、平面情報のみである。AppleFace IDのような深度も含めた立体構造での照合[107]は行われない。よって顔写真のコピーでも認証されしまうという報道もある[108][109]

磁気ストライプ[編集]

マイナンバーカードには、ICチップだけでなく磁気ストライプも実装されている[110]。印鑑登録証カードの登録機や読み取り機等、自治体が従来より所有していた機器の継続利用を可能とすることが主な目的[注 29]。自治体が、必要な情報(印鑑登録証番号や図書館利用者番号等)を磁気ストライプ部へ記録し、印鑑登録証カード、図書館カード等として使用することができる[111]。デジタル庁が公開する「自治体におけるマイナンバーカードの活用事例」のうち「磁」の記号が磁気ストライプを使用したもの。ほとんどが印鑑登録証カードとしての利用である。

マイナンバーカードのセキュリティ対策[編集]

  • マイナンバーカードのICチップに格納する情報の限定[7][112]
  • カード内の公的個人認証アプリケーションや券面事項確認アプリケーション、券面事項入力補助アプリケーションなど、それぞれへの条件や暗証番号等のアクセス権情報の設定[7][112]
  • アプリケーションファイアウォールによるカード内のアプリケーションの独立[7][112]
  • 偽造や不正な読み出しを目的とした不正行為に対応するための対抗措置(耐タンパー性[7][112][113]
    • 物理的読出対策 - 光が当たるとメモリ内容消去、メモリ回路素子が表面から観察できない、電圧異常やクロック異常等の検知で動作停止、メモリ素子の物理配置ランダム化&暗号化により解読不可
    • ICチップの電力消費量や処理時間などを測定・解析することへの対策 - 消費電力や処理時間を攪拌(かくはん)することで、読み取った信号の統計的な解析を困難にする
  • 暗証番号の入力試行回数の制限(一定回数連続して失敗すると本人や委任状を持った人が役所にて初期化する必要がある。#暗証番号の失念・再設定 を参照)
  • ISO/IEC15408認証の取得[7][112]
  • レーザーエングレーブやマイクロ文字など、券面の偽変造を防止するための加工[7][112]

その他のセキュリティ対策[編集]

  • (紛失等による)マイナンバーカードの一時利用停止が24時間365日できるコールセンターの運営[114]

スマートフォン対応・デジタルカード化[編集]

スマートフォンへのマイナンバーカード電子証明書機能の搭載、次にその他のマイナンバーカード機能自体の搭載など「デジタルカード化」が順次進められている[115][116]

平井卓也初代デジタル大臣は、マイナンバーカードは国民皆保険を維持のために導入したと語っている。現行のの保険証は医療機関入力ミス・なりすましで年間500万回以上に誤りがある。更にはレセプト情報の反映は2か月後なので、処方薬の悪用も止められない問題を明かした。デジタル保険証化で年間5730億円の社会保障費が節減できるため、デジタルカードに変えると語っている[116]

スマートフォンへの電子証明書搭載[編集]

2023年5月11日、スマートフォンに電子証明書が搭載可能となった。「スマホ用電子証明書」と称する[117]。これは #暗証番号、パスワード で挙げられた4つのアプリケーション(AP)のうちJPKI-APのみをスマートフォン内に持つものであり、公的個人認証法に基づく[注 30]。マイナンバー法の個人番号カード(マイナンバーカード)には該当せず、マイナンバーも利用しない[注 31]。スマホ用電子証明書は、マイナンバーカード内の電子証明書と同等の最高位の身元確認保証レベル (IAL3) を持つ[118]

2023年5月11日、Android OSの認定機種[119]に限って、利用者証明用電子証明書、署名用電子証明書の搭載が可能となった[120]。以下の日程で、各サービスがマイナンバーカード無しで利用可能となる[121]

スマホ用電子証明書のシステム仕様[編集]

スマホ用電子証明書は、スマートフォン内の安全領域とされる「GlobalPlatform Secure Elements」(GP-SE)へ格納される[138]。同領域のデータは他のアプリやOSさえもアクセス出来ない強固な安全性を持つ[139][140]。一方でスマホ用電子証明書は、端末の初期化でも削除されない。機種変更等で端末を手放す際は自身で電子証明書の失効手続きを行なうことが、公的個人認証法で義務付けられている[注 33]。失効手続きを行なわなかったとしてもパスワードが分からなければ第三者による悪用は無い[141]が、スマートフォン所持者の法的義務および万全を期すため、デジタル庁[141]や、メルカリ[142]ヤフオク![143]PayPayフリマ[144]ゲオ[145]らは、スマートフォンを売却や出品する際は電子証明書の失効手続きを欠かさぬよう呼び掛けている。

スマートフォン内のGP-SEと外部サーバー(Trusted Service Manage)の間の通信には、国際標準に準拠したセキュアチャネルプロトコル(SCP03、Secure Channel Protocol 3)を使用し、通信経路途中でのデータの盗聴防止対策を講じている[118]

GP-SEへの格納について、総務省が始めに立ち上げた「スマートフォンへの利用者証明機能ダウンロード検討サブワーキンググループ」(2015年11月から2018年6月まで)では、SIMカードのセキュアエレメント (SE) への情報格納を志向していた[注 34]。しかし携帯電話事業者は、SIMカードの第三者への開放を縮小/廃止する方向であった[146]。そのため2020年11月に新たに開始した「マイナンバーカードの機能のスマートフォン搭載等に関する検討会」では、「モバイルFeliCa」のセキュアエレメント (FeliCa-SE) へ格納するよう方針を変更した[147]。その後、FeliCa-SEはGlobalPlatformに準拠したものであることを明確にするため、呼称を「GP-SE」へ変更し[148]、同領域への格納が決定した[149]

iOS端末 (iPhone) への電子証明書搭載[編集]

iOS端末 (iPhone) にもセキュアエレメントは搭載されている[150]。しかしiOS端末のセキュアエレメントは、Apple以外による利用が認められていない[151]。開放にはiOSの改修が必要とされている[152]

2022年12月15日、岸田文雄首相は来日中のApple社ティム・クックCEOへ、iPhoneへの電子証明書搭載を直接要請した[153][154]。クックCEOは「取り組みたい」と回答したが、搭載時期は未定であり、実現は2024年以降の見通しと報じられた[155]。2023年4月25日、河野太郎デジタル大臣はiOS搭載について「やりますよという話は決まっておりますので、あとは時期の問題だと思います。」と述べた[注 35]。その後、河野大臣は、iPhoneへの対応について8月8日「働きかけをしているところ」[注 36][156]、12月1日「鋭意努力しているところ」[注 37]と述べた。2024年3月1日には「春または6月くらいのタイミングで何らかのアナウンスが行なわれる可能性がある」と報じられた[157]。3月5日、河野大臣は会見で「多くの方がお待ちかねのiPhoneへのスマホ搭載も頑張っているところだ。もうちょっとお待ちいただきたい」と述べた[158]。笑顔で語ったと報じられている[159]。3月22日、河野大臣は会見で、2025年の確定申告時期には間に合わせるよう自らAppleへ念押しした旨を述べた[160][161]

スマホ用電子証明書搭載の経緯[編集]

電子証明書以外の機能のスマホ搭載[編集]

電子証明書以外のマイナンバーカード機能をスマートフォンへ搭載し、さらに利便性を上げることが計画されている[121][168]。2024年3月5日、政府は「情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律案[169]を閣議決定し第213回国会へ提出した[170]。左記法案の中でマイナンバー法を改正し、「カード代替電磁的記録」という定義を新設。移動端末設備(スマートフォン)に対してマイナンバーカード記載事項(氏名、氏名の振り仮名(予定)、住所、生年月日、性別)および顔写真情報が搭載可能となる[171][172]。これにより、カードからデータを読み取ることなく、スマートフォン内の情報(カード代替電磁的記録と電子証明書)のみでできるオンライン手続きが増えると期待されている[173][174]。また店頭等、対面の場でもカード代替電磁的記録から氏名等を提示し、実物のカード無しでの本人確認が可能となる[175]

技術仕様[編集]

2023年8月28日、デジタル庁は「マイナンバーカード機能等のスマートフォンへの搭載に係る実証事業(技術検証・要件検討)」の公募を実施した[176]。その調達仕様書には下記の技術を用いることが記されている[177]

  • ISO/IEC18013-5:2021に規定されているmdoc Data modelを活用して、mdocファイルにマイナンバーカードの情報を格納し、発行・管理する
  • 合わせて既存のスマホ用電子証明書発行で使用しているSP-TSM (Service Provider - Trusted Service Manager) 等も改修

ISO/IEC18013-5:2021は、モバイル運転免許証 (mDL、Mobile driving licence) に関する国際規格[178]。運転免許証に限らず、広くデジタル身分証(デジタルID)の国際規格でもある[179]

2024年4月16日、デジタル庁は「マイナンバーカード機能等のスマートフォンへの搭載に係る実証事業に伴う暗号方式の委託研究」の公募を実施した[180]。その調達仕様書で、ハイブリッド暗号方式 (HPKE, Hybrid Public Key Encryption) [181]を用いることが記されている[182]

電子証明書以外の機能のスマホ搭載の経緯[編集]

沿革[編集]

  • 2015年平成27年)10月23日~11月下旬 - 市区町村から、順次、住民に個人番号の通知書(通知カード)が簡易書留で郵送される[183]
  • 2016年(平成28年)
    • 1月 - マイナンバーカードの交付を開始[183]
    • 1月 - 公的個人認証・ICチップを民間に開放[183]
  • 2017年(平成29年)11月13日 - マイナポータルの本格運用を開始[184]
  • 2019年(平成31年・令和元年)
    • 1月 - e-Taxのログインでマイナンバーカードの利用が可能になる[185]
    • 5月24日 - 第198回国会にて「情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律案」が可決・成立[186]。5月31日公布[187]。デジタル手続法、デジタルファースト法と呼ばれる[188]。マイナンバーカード関連では、下記の改正が行われた[189][190]
      • 利用者証明用電子証明書で、暗証番号入力を要しない方式を開始(公布から1年以内に施行)
      • 通知カードを廃止し、マイナンバーカードへの移行促進を図る(公布から1年以内に施行 → 2020年5月25日施行[注 45]
      • 国外転出者(在外日本人)に対して、マイナンバーカード・電子証明書の利用を可能とする(公布から5年以内に施行 → 2024年5月27日施行[注 46][191][192]
  • 2020年(令和2年)
    • 5月25日 - 通知カードを廃止[注 45]。以後、マイナンバー新規取得者への通知は、個人番号通知書によって行われる[193]
  • 2021年(令和3年)
    • 3月4日 - マイナ保険証の試行運用を11都府県の19医療機関・薬局にて開始[194]。同年10月20日より本格運用を開始[195]
    • 5月12日 - 第204回国会にてデジタル改革関連法案が可決、成立[196][197]。マイナンバーカード部分に関する制定・改正内容は下記のとおり
      • デジタル庁を設置。マイナンバーカード、マイナポータルの所管が総務省からデジタル庁へ移管される(9月1日施行)[198]
      • 公金受取口座登録制度の創設[199]
      • マイナンバーカードの利便性向上(郵便局での電子証明書更新業務を可能とする、スマートフォンへの電子証明書搭載)[166]
  • 2022年(令和4年)
    • 4月1日 - 2018年(平成30年)6月に、成年年齢を18歳に引き下げること等を内容とする「民法の一部を改正する法律」が成立し、この日から施行。マイナンバーカードの有効期限等も変更された。
    • 10月13日 - 河野太郎デジタル大臣が、マイナンバーカード関連の今後の計画について、以下の3点を発表した[167]
      1. 2024年秋に、従来の健康保険証を廃止しマイナ保険証へ一本化 (→ マイナ保険証 を参照)
      2. 2024年度末までの早い時期に、運転免許証とマイナンバーカードを一体化(従来の運転免許証は廃止しない) (→ #運転免許証として を参照)
      3. 2023年5月11日から、スマートフォンへの電子証明書搭載を開始 (→ #スマートフォン対応 を参照)
  • 2023年(令和5年)

発行対象・方法[編集]

発行対象、申請方法[編集]

マイナンバー(数字12桁の番号そのもの)は2015年11月までに、住民票があるすべての者(国民と外国人)に付番されている。マイナンバー(個人番号)を持つ者は、年齢にかかわらず誰でも、マイナンバーカードを持つことができる[206]。但し、在外日本人は国内に住民票が無く、マイナンバーカードを持つことはできない。

2020年5月24日までに発行された「通知カード」、または2020年5月25日以降に発行された「個人番号通知書」から申請することで、マイナンバーカードの交付を受けることが出来る[207]新生児は、出生届を届けて住民票が作成されてから約1か月後に、世帯主あてに個人番号通知書が届けられる[208]。これを用いて新生児のマイナンバーカードを申請することができる。既に「通知カード」や「住民基本台帳カード」を所持している場合は、マイナンバーカードの交付を受ける際に市区町村へ返納する必要がある。

発行者、交付者[編集]

マイナンバーカードは住民が、直接または地方自治体を介して地方公共団体情報システム機構 (J-LIS) へ申請し、J-LISが作成・発行する[注 11]。作成者・発行者は地方自治体ではない。その上で、交付は地方自治体が行なう。交付者はその自治体の市町村長である[注 52]

交付方法[編集]

対面交付の原則と身元確認保証レベル[編集]

マイナンバーカードは、法令により、申請者本人が役所等へ来庁し、自治体職員が対面で本人確認の上で交付することが定められている[注 53]。これによってマイナンバーカードは、「行政手続におけるオンラインによる本人確認の手法に関するガイドライン」(2019年2月15日、各府省情報化統括責任者 (CIO) 連絡会議決定)が規定する身元確認保証レベル (Identity Assurance Level) において3段階中最高位 (IAL3) の身分証明書に位置付けられている[209]

具体的には、「行政手続におけるオンラインによる本人確認の手法に関するガイドライン」の最終ページ「別表C」にあるように、

  • 対面で登録すること
  • 公的な写真付き身分証明書1種の提示
  • 申請情報の公的な台帳(住民票など)照合
  • 重複登録ではないことの確認

を行えば、身元保証レベルは最高位(IAL3)となる。

同ガイドラインはアメリカ国立標準技術研究所 (NIST) のガイドライン「Digital Identity Guidelines (NIST Special Publication 800-63-3)」とも整合性を持ったもの。そこから、マイナンバーカードの電子証明書を用いたオンライン手続き(公的個人認証サービス)もIAL3相当の行為と見なされている[210]。また、マイナンバーカードの電子証明書から生成されたスマートフォン用電子証明書も、同様にIAL3相当である[118][210]

対面確認の種類[編集]

交付を受けるためには、運転免許証日本国旅券(パスポート)などの公的身分証明書を市町村・特別区の窓口に持参し、窓口で対面による本人確認を受ける必要がある。後掲の通り、デジタル学生証等も認められている。この本人確認を申請時に行なう「申請時来庁方式」と、交付時に行なう「交付時来庁方式」がある[211]。申請時来庁方式の場合はその段階で本人確認が済んでいるため、カードの交付は郵送であることが多い[212]。申請時来庁方式は必ずしも庁舎での受付に限らず、出張申請受付も多用されている[213]。一方で申請時来庁方式は、顔写真を取り違えてカードを発行(郵送)するといった単純ミスも発生している。(→「#地方自治体(区市町村)の単純ミス」を参照)

交付時来庁方式の場合は、発行されたマイナンバーカードを受け取る際に、役所の専用端末で各種の暗証番号・パスワードを登録する[7]。申請時来庁方式の場合は、申請した暗証番号・パスワードをあらかじめ設定された状態で本人へカードが届けられる。利用者電子証明書や署名用電子証明書については、申請時に「利用しない」にチェックを入れた場合は発行されない。15歳未満の者に署名用電子証明書は原則発行されない[214]

本人確認は、従来は「書類」を提出することとなっていたが、施行規則を改正し、2024年5月上旬からはデジタル学生証等、「電磁的記録に記録された事項を移動端末設備(スマートフォン)の映像面に表示したもの」でも可能となる[215][216]

マイナンバーカードの申請や交付が困難な者への対応[編集]

多くの住民にマイナンバーカードを交付すべく、下記の取り組みが行なわれている。

過去には、自治体職員以外の者が本人確認行為を実施する案も検討されたが、いずれも制度化は見送られている(下記)。

受刑者への交付[編集]

2023年9月、収監中の受刑者へのマイナンバーカードの交付に制約があることが報じられた[234]。マイナンバーカード発行開始前の2015年9月28日付けで法務省矯正局[235]が全国の刑務所へ発信した事務連絡において、「釈放後に取得すれば足りる」「便宜を図る必要は無い」と書かれていたことが原因。長期の受刑者の場合、運転免許証は失効することがあり、健康保険証も廃止予定であることから、特に釈放予定者が出所前に公的な身分証明書をあらかじめ取得しておくことは、円滑な社会復帰において重要な要素とされている[236]

2023年10月31日、法務省矯正局は通知を改め、希望する者に対して刑務所は必要な支援をするよう求めた[237][238]。住民票が消除[注 55]されている受刑者は、刑務所の所在地を当人の住所とすることも可能[240]。申請では自治体職員が刑務所を訪問し出張受付することや、交付では家族らによるカードの代理受領が困難な場合は刑務官らが受け取ることを示している[241]

在外公館での交付[編集]

従来、海外赴任等により日本国内での住民票登録が無くなると、マイナンバーカードも連動して失効する扱いであった。2024年5月27日より、日本国籍とマイナンバーを有するが日本国内に住民票登録が無い海外在住者も、在外公館でマイナンバーカードの申請・交付が可能となった[242][243]。この場合の住所地は、戸籍の附票に基づいて設定される[244][245]

利用 - 行政分野[編集]

オンライン手続のための証明書(電子証明書)として[編集]

「非接触型 ICカード リーダ/ライタ」と「マイナンバーカード」

オンライン手続において、マイナンバーカードのICチップ内に持つ署名用電子証明書を使用し本人確認を行うことができる。「公的個人認証」と称する。

マイナンバーカードへの署名用電子証明書の格納は任意である。希望しない場合はマイナンバーカード申請時に、ICチップへ格納しないよう選択することが出来る。

公的個人認証を行なう際、マイナンバーを入力および使用することは一切ない[注 56]

マイナポータルでの利用[編集]

マイナポータルとは、マイナンバーと関連づけられた行政機関が持つ情報や行政機関間での情報連携の履歴の取得、オンライン申請等ができるサービスである。各種行政手続き(申請)や、世帯・年金・税・医療費などの情報閲覧ができる。

マイナンバーカードは、マイナポータルへのログイン時に必要となる。

e-Tax(国税電子申告・納税システム)での利用[編集]

e-Tax(国税電子申告・納税システム)とは、国税庁が運営するオンラインサービス。国税に関する申告・申請・納税などに利用できる。

マイナンバーカードを使用する方式では、 事前の税務署長への届出や国税電子申告・納税システム用のID・パスワード、 電子証明書の登録などが不要である[246]が、事前作業として、国税庁の「利用者識別番号(数字16桁)」と「利用者証明用電子証明書」のシリアル番号を紐づける必要がある[247]。この時、納税者は「利用者識別番号(数字16桁)」を意識することはなく、e-Taxへのログインはマイナンバーカードで行うことになり、マイナンバーカード側の「利用者証明用電子証明書」のシリアル番号と、e-Tax側に保存された「シリアル番号」で管理されることになる。

e-Taxでのマイナポータル連携(確定申告・年末調整)[編集]

確定申告年末調整で必要となる各種書類について、発行者から電子交付の形で受け取り、マイナポータルを介して申告に用いることが可能[248]。以下の各種書類が電子交付に対応しており、申告書作成時に控除額・納税額等が自動計算され、書類は電子的に添付・提出される[249]

サービス・電子申請機能での利用(全体)[編集]

サービス電子申請機能(ぴったりサービス)とは、市町村の行政手続きの検索とオンライン申請を行えるもの[270]

2020年3月31日時点で、1,562の地方公共団体(人口カバー率98.5%)がインターネットでの手続の検索・比較に対応している[271]。子育て分野で937の地方公共団体(人口カバー率74.1%)、介護分野で63の地方公共団体(人口カバー率7.4%)、被災者支援分野で27の地方公共団体(人口カバー率0.9%)が電子申請に対応している[271]

2023年3月末時点で、子育て・介護関係の26手続をマイナポータルから実施できる自治体割合は、65.1%(1,741自治体中、1,133自治体)[272]

トラストバンクが運営する「LoGoフォーム」も、マイナンバーカードによる公的個人認証の上で、オンラインでの行政手続きや来庁予約等が可能。2024年2月2日時点で655の自治体が使用している[273]

サービス・電子申請機能での利用(罹災証明書)[編集]

罹災証明書のオンライン申請は、2022年度末時点で1,741自治体のうち1,002の自治体が対応している[274]。2023年9月25日、デジタル庁は、未対応自治体の参加を改めて呼び掛けた[275]

2024年1月5日、能登半島地震 (2024年)に際し、デジタル庁は改めて罹災証明書のオンライン申請を紹介し[276]、河野太郎デジタル大臣[277]とデジタル庁[278]は利用を呼び掛けた。1月23日、河野大臣は、今回災害救助法が適用された47自治体のうち23自治体がマイナンバーカードとマイナポータルを用いたオンラインによる罹災証明書申請を受け付けており、それによる申請は5,575件になったと述べた[279][280]。続けて、1月26日には、輪島市での罹災証明書申請のうち96%がオンライン申請であると述べた[281][282]。但し輪島市はマイナンバーカードを用いないオンライン申請も可能としており、左記の割合はそれも含めたものである。

サービス・電子申請機能での利用(出生届)[編集]

2024年1月28日、出生届を、マイナポータルによるオンライン申請を可能とする方針が報じられた[283]。2024年夏に一部地域で先行導入、2026年度をめどに全国実施する方針。出生届は医師らによる「出生証明書」が必要。先行導入期は出生証明書をスマートフォン等で撮影し添付する方式を取る。全国実施時期には、医師らが出生証明書の情報を市町村へ電子送信可能とする。

サービス・電子申請機能での利用(子育て関連)[編集]

2024年2月6日、こども家庭庁において、保育所の見学予約・入園申請等をマイナンバーカードとマイナポータルを用いてオンライン化する構想が報じられた[284]

サービス・電子申請機能での利用(給付支援)[編集]

2024年2月13日、デジタル庁は、給付金関係の自治体事務を支援する「給付支援サービス」を提供開始した[285]コロナ禍物価高騰対策として、行政では様々な給付金を実施している。また2024年は定額減税と給付措置が予定されている[286]。これら給付措置の対象者抽出、申請、給付をオンライン化し、自治体と対象者の負荷軽減を図るもの[287]。2023年度にまず17自治体、2024年度に計71自治体が導入予定[288]

自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)[編集]

自動車保有における、検査登録・保管場所証明(車庫証明)等の行政手続、およびその手続にかかる手数料や税などを納付を、オンラインで実施可能とするもの[289][290]。2017年4月3日本格開始[291]

法人設立ワンストップサービスでの利用[編集]

法人設立ワンストップサービスとは、法人設立に必要な手続きの検索や申請書類の作成・提出、申請状況の確認などを行えるもの。法人設立ワンストップサービスでは、各行政機関への書類の提出やいくつもの書類で重複している項目の自動入力などを行うことができる。2020年1月20日開始[292]、2021年2月26日対象サービス拡大[293]

運転免許証更新講習のオンライン化[編集]

運転免許証の更新における講習を、自宅等においてオンラインで受講可能。2022年2月1日より、優良運転者講習(いわゆるゴールド免許保有者向け)のオンライン化モデル事業を北海道警察千葉県警察京都府警察山口県警察の4道府県警で開始[294]。2023年3月17日、モデル事業効果の検証報告書を公表[295][296]。左記の4道府県警では、2023年10月2日から一般運転者講習もオンライン講習の対象となった[297][298][299]。2023年度以降、全国実施のためのシステム改修。2024度末以降、全国でオンライン講習を実施予定[300]

失業認定手続きでの利用[編集]

2022年10月1日より、失業認定手続きでマイナンバーカードが利用可能となった。マイナンバーカードを用いて本人確認を行なうことで、受給資格者証への写真貼付や、各種続きにおける受給資格者証の持参が不要となった[301]

パスポート(日本国旅券)の申請[編集]

2023年3月27日よりパスポート(日本国旅券)のオンライン申請が可能となった[302][303]。従来、申請時と受領時の2回、窓口へ訪問する必要があったが、その内の「申請」部分がオンライン化された。

国家資格管理[編集]

国家資格の取得時や引っ越し時の管理事務にマイナンバーカードを用いて、住民票などの添付を不要とするもの。対象資格の総数は約80。2024年6月から8月に介護福祉士社会福祉士精神保健福祉士公認心理師の4資格で開始し、2024年度内に約40資格の手続きをオンラインで完結させる[304]

自治体サービス[編集]

MaaS分野での利用[編集]

地域のコミュニティバス乗合タクシー等でICTを用いる、いわゆるMaaS (Mobility as a Service) にマイナンバーカードを用いるケースがある。

2022年11月8日、群馬県前橋市は、マイナンバーカードを交通系ICカードとひも付け、地域交通やコミュニティバスの市民限定割引を提供する「MaeMaaS」を開始した(マイナンバーカードから得る住所情報によって、該当エリアの住民であることを確認している)[305]。2023年3月15日、対象エリアを群馬県全域に拡大し、名称を「GunMaaS」へ改めた[306][307]

2023年10月2日、高知県中土佐町は、コミュニティバス等の運賃無料化事業(対象は65歳以上または障害者手帳を持つ町民)において、従来の利用者証に代えて、マイナンバーカードを用いたサービスを開始した[308][309][310]

2024年1月23日、駅探は、自社の「駅探MaaSソリューション」にマイナンバーカードによる認証を組み込んだ[311]

2024年2月1日、広島電鉄は、同社の新乗車券システム「MOBIRY DAYS」とマイナンバーカードをひも付け、地域住民の運賃割引サービスを開始した[312][313]

2024年2月1日、愛知県日進市で、マイナンバーカードを用いて、住民に対する自動運転バスの乗車予約サービスを開始[314][315][316][317]

2024年3月1日、北海道三笠市で「行政MaaS」として “移動市役所” サービスを開始。市民はマイナンバーカードを用いて行政サービスや、災害時にはその支援を受けることができる[318][319]

その他、香川県坂出市[320][321]など。

地域サービスでの利用[編集]

2023年10月、福島県昭和村、岐阜県美濃市で、電子書籍専門の「電子図書館」サービスを開始した[322]

2023年11月21日、広島県福山市をはじめとした備後圏域6市2町で、休日保育の予約にマイナンバーカードを活用することを発表[323][324]

2024年1月17日、富山県朝日町が、マイナンバーカードを用いた、子ども・高齢者の見守りサービス「LoCoPiあさひまち」を開始した[325][326][327]

災害支援での利用[編集]

2023年9月27日、宮城県が女川町を対象地域とした「原子力災害避難支援アプリ」の運用を開始[328][329][330]。マイナンバーカードの基本4情報(氏名、住所、生年月日、性別)を活用し、プッシュ通知や避難所受付等を行なうもの[331]

2023年11月13日、兵庫県養父市が、マイナンバーカードを活用した避難所管理システムの導入を発表。日立製作所のシステムを使用[332][333]

2023年10月23日、神奈川県小田原市他複数自治体で、広域災害を想定した避難者支援業務でマイナンバーカードを用いる実証実験を行なった[334][335][336]。2024年2月28日には神奈川県庁と横浜市で実証実験を実施[337]。一方、能登半島地震 (2024年)では、2024年1月26日、デジタル庁・防災DX官民共創協議会・JR東日本(東日本旅客鉄道)が共同で、Suicaを利用した被災者情報把握を開始した[338]。JR東日本が、Suicaカード18,000枚とカードリーダー350台を無償提供する[339]。マイナンバーカードを使わないことについて河野大臣は「NFC Type-B対応のカードリーダーが準備できなかった」と述べた[281][340]。2月7日、石川県志賀町にて開始[341]。Suicaカードの無償提供は21,000枚へ増加[342]

2024年3月、熊本県熊本市[343][344]、石川県加賀市[345]が避難所受付アプリの運用を開始。事前にマイナンバーカードから住所、氏名、生年月日、性別を登録する。

デジタル地域通貨[編集]

2023年10月2日、石川県珠洲市と北國銀行が、デジタル地域通貨アプリ「トチツーカ」のサービスを開始。利用登録にはマイナンバーカードの署名用電子証明書を用いる[346][347]

その他、埼玉県さいたま市[36]、熊本県天草市[348][349]など。

自治体から住民への個別通知[編集]

xID社の「SmartPOST」を使用し、自治体から住民へ個別通知を実施する。郵送コスト削減に資するもの。

  • 岐阜県下呂市 - 就学援助決定通知書、乳幼児健診等の案内、他[350][351][352]
  • 北海道上富良野町 - 町議会選挙(2023年8月実施)の入場券[353][354]
  • 宮崎県都農町 - 軽自動車税納付通知[355][356]、保育料の決定通知など[357]
  • 山形県庄内町 - 住民・職員への会議案内・職員への源泉徴収等[358]
  • 鹿児島県鹿屋市 - 子育て関係の案内・通知[359]

自治体独自のポイント給付事業[編集]

大阪府阪南市[360][361]、愛知県蒲郡市[362][363][364]、長崎県[365][366]、群馬県前橋市[367]

自治体独自企画[編集]

宮城県デジタルスタンプラリー[368][369][370]、神奈川県藤沢市[371][372]、三重県広域連合「美村パスポートサービス[373][374][375][376]、石川県加賀市「e-加賀市民証」[377]

公共施設予約・利用の自動化、無人化[編集]

京都府京丹後市[378]、山形県長井市[379]

健康増進事業[編集]

宮崎県都農町[380]、岐阜県養老町[381][382]、宮崎県都城市[383][384]、青森県むつ市[385]、兵庫県三田市[386][387]

総合アプリ・サービス[編集]

佐賀県佐賀市[388][389]、静岡県藤枝市[390]、石川県加賀市[391][392][393]、栃木県那須塩原市[394]、長崎県大村市[395][396]、静岡県袋井市[397][398]

教育での利用[編集]

2020年12月25日閣議決定の「デジタル・ガバメント実行計画」(2020年版)では、GIGAスクール構想の中で学習者のIDをマイナンバーカードと紐付け、転校・進学等における教育データの持ち運び方策を掲げた。2022年度までに検討し、2023年度以降、希望する家庭・学校において実現するとした[注 57]

本構想について日本経済新聞は「マイナンバーで学習管理」[399][400]と、#マイナンバーとマイナンバーカードを混同した記事を発信した。FNNITmediaはマイナンバーカードと正しく報じ、教育データの持ち運び(ポータビリティ)によって転校時の引き継ぎのデジタル化が進むなど、利点を挙げている[401][402]

2023年3月、文部科学省は「学校教育におけるマイナンバーカード活用ガイドブック」を発行。学校教育におけるマイナンバーカードの活用方策案として以下の2ケースを挙げた。

  1. 学習者から学校・教育委員会への情報連携 - 入学手続・学籍変更等の事務手続のオンライン化
  2. 学校・教育委員会から学習者への情報連携 - 証明書の電子交付、教育データ(学習履歴・成績等)の学習者への連携

上掲の2020年12月に発表した「転校・進学等における教育データの持ち運び方策」は学校・教育委員会間での情報連携であり、個人認証の場面は無く、マイナンバーカードを使う合理性は無いと記載されている[注 58]

運転免許証として[編集]

2022年4月19日、第208回国会にて改正道路交通法が可決、成立[403]。4月27日公布[404]。本改正の中で、運転免許証とマイナンバーカードの一体化に関する規定が設けられた[405][406]。本改正の同規定は公布から3年以内(2025年4月26日まで)に施行することが定められている。2022年10月13日、河野太郎デジタル大臣は、2024年度末までの中で可能な限り前倒しして施行することを発表した[167]。住所変更の際に、市役所・特別区役所・町村役場とは別に警察署または運転免許試験場へ赴く必要があったが、一体化後は不要となる。健康保険証は廃止する方針だが運転免許証の廃止は想定されていない[407][408]。法改正においても、マイナンバーカードへの免許証情報の登録は「申請することができる」と任意であることが明示されており、現行の運転免許証を廃止する規定は存在しない[注 59]

運転免許証の一体化においては、マイナ保険証のように電子証明書を用いてサーバーへ問い合わせる方式ではなく、ICチップ内の区分部分(いわゆる空き領域)へ運転免許証の記載事項(氏名、生年月日、住所、免許証交付年月日、有効期限の末日、免許種類、免許証番号など)や本籍、顔写真を記録する方法を取る[注 60][409]。これは、健康保険証情報を照会するのは医療機関が大半であるのに対し、運転免許証情報の照会は、警察機関のみならず民間でも多数想定される(レンタカーの利用、バス・タクシー会社等でのドライバー管理など)ことから、サーバーへの通信を必要とせず、ICチップ内のみのローカルで照会可能となるよう設計されたもの。

2023年6月9日閣議決定の「デジタル社会の実現に向けた重点計画」[410]では、運転免許証とマイナンバーカードの一体化運用開始後、極力早期に「モバイル運転免許証」の実現を目指すと記されている。スマートフォンに免許情報を記録するもの。

マイナポイント事業での利用[編集]

新型コロナワクチン接種証明書アプリでの利用[編集]

健康保険証他、医療関連[編集]

公金受取口座の登録[編集]

2022年3月28日から、マイナンバーカードとマイナポータルを用いて公金受取口座の登録が可能となった[411]

インターネット投票[編集]

選挙にあたり、マイナンバーカードで本人確認を行ない、投票所へ行かずオンライン(インターネット)上で投票するもの。実現には各種の課題が存在し、公職選挙法等の法改正も伴う。2024年2月15日、デジタル行財政改革の「課題発掘対話」が行なわれた[412][413]。3月24日、河野太郎デジタル大臣は2028年予定の参議院議員通常選挙から在外日本人のオンライン投票実施を目指すと表明した[414][415]

外国人在留カードとの一体化[編集]

日本に在留資格を持つ外国人は在留カードが交付され、携帯・提示義務がある。#今後の活用予定 に記載のとおり、2023年版の『デジタル社会の実現に向けた重点計画』で2025年度に在留カードと一体化することが掲げられている。2024年2月25日、3月中に出入国管理法改正案を国会へ提出し、2025年度より在留カードとマイナンバーカードを一体にした新たなカードの発行すると報じられた[416]。3月15日、出入国在留管理庁は「出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案」を第213回国会へ提出した[417]。改正法案にはマイナンバーカードと一体化した「特定在留カード」の創設が記されている[418][419]

利用 - 民間事業[編集]

電子証明書(公的個人認証サービス)の民間利用[編集]

概要[編集]

マイナンバーカードの署名用電子証明書を用いた本人確認(公的個人認証サービス)は2016年1月に民間開放され[420]総務大臣の認定を経て利用が可能である[421][422]

本サービスはオンライン(非対面)で完結する本人確認方法 (eKYC) として、犯罪収益移転防止法(犯罪による収益の移転防止に関する法律)施行規則第6条1項1号「ワ」[注 61][423][424]、携帯電話不正利用防止法(携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律)施行規則第3条1項1号「チ」[注 62][425]古物営業法施行規則第15条3項11号[注 63][426][427]で認められた本人確認方法である。本人確認が電子証明書のみで完結し、身分証明書画像、厚みの画像、顔写真等の送信は不要。「本人確認の最上位」とされる[428][429]。オンライン(非対面)での契約においては将来的に本方式へ一本化することが計画されている。(→ #今後の活用予定 を参照)

他のeKYCと異なり、顔や身分証明書の撮影・送信が不要であることから、2023年9月の民間調査では、公的個人認証が本人確認方式の中で最も利用したい方法として挙げられた[430][431][432]

2020年7月10日現在、民間事業者111社(総務大臣認定事業者14社、 総務大臣認定事業者に署名検証業務を委託してサービスを提供している事業者97社)が公的個人認証を使ったオンラインでの本人確認サービスの提供や電子レターの受取り、オンラインでの証券口座開設などのサービスの提供を行なっている。

2024年4月2日時点で、公的個人認証サービスの利用は、民間事業者541社(大臣認定事業者18社、同事業者を利用している事業者523社)に拡大している[433][434]

公的個人認証の民間活用事例[編集]

公的個人認証サービスは、例として下記の用途に用いられている。公的個人認証サービスにマイナンバーは使用しておらず、公的個人認証を用いることでマイナンバーが相手企業へ伝わることは無い[注 56]

失効情報の利用[編集]

J-LIS(地方公共団体情報システム機構)は、電子証明書の「失効情報」を主務大臣が認定した民間事業者へ提供している[516]証明書失効リスト(Certificate Revocation List, CRL)を提供する方式と、Online Certificate Status Protocol (OCSP) を用いる方式が整備されている[421]。失効ステータスは以下の4種類が存在する[517]

  1. affliationChanged : 「死亡」または 「海外転出」(左記のどちらであるかは判別できない[注 64]
  2. cessationOfOperation : 「カード紛失」または「海外転出」
  3. Superseded : 「証明書更新」(基本4情報(氏名、生年月日、性別、住所)の変更)
  4. certificateHold : 「カード紛失」

これにより、1.affliationChangedのステータスだった電子証明書所持者は死亡している可能性があること、3.Supersededのステータスだった所持者は住所を変更した可能性があること(同ステータスでない場合は住所変更をしていないこと)が判断できる。これを用いて、事業者は失効情報をJ-LISが管理するシステムへ随時照会し、顧客の生死や住所変更有無を得ることができる。3.Supersededについては基本4情報が “変更された” 事実が分かるまでであり、変更後の住所自体を得ることはできない。住所自体を得るには後掲の #最新の利用者情報(4情報)提供サービス の利用が必要。

失効情報の活用事例[編集]

生命保険事業者が、J-LISが持つ失効情報を定期的に確認し、死亡の可能性がある顧客を抽出。個別連絡を行ない死亡保険金の受取り漏れを防ぐ。年金保険受給者に対しては、生存確認が出来るため現況届の提出省略が可能。日本生命[518]明治安田生命[519]大同生命[520]太陽生命[521]などが実施している。

最新の利用者情報(4情報)提供サービス[編集]

2023年5月16日、個人顧客の最新の4情報(氏名、生年月日、性別、住所)を、J-LIS(地方公共団体情報システム機構)へオンライン照会し取得できるサービスが始まった[注 65][522][421]。事前に署名用電子証明書を用いた顧客本人の同意が必要。一度同意を行うと10年間有効となり、その間、企業は顧客の最新の「氏名、生年月日、性別、住所」(住民票記載のもの)を何度でも取得可能となる[523]。自身の同意状況は「JPKI利用者ソフト(利用者クライアントソフト)」から照会でき、いつでも取り消し可能である[524][525][526]。一般企業(サービスプロバイダという)が基本4情報「氏名、生年月日、性別、住所」を取得するには、プラットフォーム事業者(野村総合研究所日立製作所NTTデータサイバートラストポケットサイン[527]を経由してJ-LISから取得する。

一連の住民基本台帳法の改正で、住民票を他人が取得し「氏名、生年月日、性別、住所」を調べることはほぼ不可能になったのに対し、このサービスでは「正当な理由」を問われることなく、一度同意があれば、住民票記載の「氏名、生年月日、性別、住所」を何度でも企業が取得できる点が対照的である。

租税特別措置法は、2018年開始のつみたてNISAおよび2024年開始のいわゆる「新しいNISA」に関して、口座開設から10年後、およびそれ以降5年ごとに、金融機関が顧客の現住所を確認することを義務付けている[注 66]。これを当サービスで実現できるよう、新しい資本主義実現会議[528]が取りまとめた「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」(2023年6月16日閣議決定)に記載されるとともに[注 67]金融庁は2024年度税制改正要望に掲げた[529][530][531][532]

2023年9月13日、全国地方銀行協会は「生活基盤プラットフォーム(仮称)」と称する、「本人同意に基づく基本4情報提供サービス」を組み込んだワンストップサービス構想を発表した[533][534][535]

また東京海上日動火災保険[486]も、氏名・住所の変更追跡に利用している。

携帯電話契約での公的個人認証の必須化[編集]

2023年3月17日、内閣官房主催の「犯罪対策閣僚会議」で「SNSで実行犯を募集する手口による強盗特殊詐欺事案に関する緊急対策プラン」[536]を策定。その中で携帯電話契約について「非対面の本人確認においてマイナンバーカードの公的個人認証機能の積極的な活用を推進する」と記した。

2023年6月9日、2023年版の『デジタル社会の実現に向けた重点計画』を閣議決定[410]。犯罪収益移転防止法(犯罪による収益の移転防止に関する法律)、携帯電話不正利用防止法(携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律)に基づき、銀行の預金口座や携帯電話契約に関して以下を述べている[537]

  • 非対面での本人確認手法を、マイナンバーバーカードを用いた公的個人認証に一本化
  • 運転免許証等を送信する方法や、顔写真のない本人確認書類による方法を廃止
  • 対面でも公的個人認証による本人確認を推進し、本人確認書類のコピーを取らないこととする

2024年2月6日、総務省にて「ICTサービスの利用環境の整備に関する研究会」を開催[538]。配下に「不適正利用対策ワーキンググループ」を設け、携帯電話契約における公的個人認証活用の検討を始めた[539]。4月15日、同ワーキンググループの第3回会議にて、身分証画像を送信する方式(携帯電話不正利用防止法施行規則第3条1項1号「ハ」)と、身分証の写しを郵送する方式(携帯電話不正利用防止法施行規則第3条1項1号「ヘ」)の廃止が示された[540]

ICチップ情報の利用[編集]

マイナンバーカードの #暗証番号、パスワード を使わず、照合番号Bを用いてICチップ内の情報を取得し(個人番号は取得不可)、本人確認や申請事項(氏名、生年月日、住所等)の記載支援に使うケースがある。

本人確認としての利用[編集]

ICチップ情報を用いた本人確認は、公的個人認証サービスと同様に、犯罪収益移転防止法(犯罪による収益の移転防止に関する法律)施行規則第6条1項1号「ヘ」[注 68][424]、携帯電話不正利用防止法(携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律)施行規則第3条1項1号「二」[注 69][425]古物営業法施行規則第15条3項9号[注 70][427]で、それぞれ認められている。

オンライン(非対面)で完結する本人確認方法(eKYC)は、利便性向上(確認期間短縮、郵送負担軽減等)の観点から、2018年以降順次、規則の改正が行われた。なお公的個人認証サービスによる本人確認は、下記の3規則ともマイナンバーカード創設前から認められている。

  • 2018年9月14日 - 古物営業法施行規則改正[541][542]
  • 2018年11月30日 - 犯罪収益移転防止法施行規則改正[543][544][545]
  • 2020年4月1日 - 携帯電話不正利用防止法施行規則改正[546][547]

本方式の利用時は公的個人認証と違い、署名用電子証明書用暗証番号(英数字6 - 16桁)が不要である[548]。一方で、ICチップ情報と合わせて本人の顔情報を事業者へ送信する必要がある。

ICチップ情報による本人確認の活用事例[編集]

記載支援としての利用[編集]

ICチップ情報を、法定の本人確認ではなく、氏名・生年月日・住所等の記載支援(自動入力)として使用するものもある。

利用者証明用電子証明書の民間利用[編集]

公的個人認証で用いられる署名用電子証明書と英数字6~16文字のパスワードに代わり、利用者証明用電子証明書[569]と数字4桁の暗証番号を用いて本人認証を行なうもの。従来はマイナポータルやe-TAX等、行政サービスでのみ使用されていた。2023年10月31日、2024年度より民間利用も可能とする方針が報じられた[570]

セルフレジでの年齢確認(酒・たばこ販売)[編集]

コンビニエンスストア各社も加盟する日本フランチャイズチェーン協会は、セルフレジでの酒・たばこ販売を可能とするため、2022年11月30日、デジタル庁が主催する「デジタル臨時行政調査会作業部会(第16回)」へ「デジタル技術を活用した酒類・たばこ年齢確認ガイドライン」の案を提示し、2023年1月31日、同ガイドラインを策定した[571]

ガイドラインでは、大きく下記2つの方式を挙げている。

  1. 公的身分証明書読取方式 - マイナンバーカードや運転免許証の実物を、店舗のセルフレジに併設したカードリーダーへ挿入。券面に記載された生年月日をOCR技術で読み取り、購入者の年齢を判断する(ICチップ情報は使用しない)[572][573]。当人認証(購入者がカードの持ち主自身であるか)は、セルフレジの監視カメラ等で別途人間が遠隔確認する。この方式は2021年頃より、運転免許証を用いた方法で実証実験が開始されている[574][575]
  2. スマートフォンアプリ方式 - コンビニエンスストアや業界団体がスマートフォンアプリを開発し、あらかじめマイナンバーカードの電子証明書から生年月日情報を得る(電子証明書読取時に暗証番号が必要であり、暗証番号を入力したことで当人認証も済ませた形になる)。購入時は、生年月日確認済みのスマートフォンアプリからバーコード等を表示し、セルフレジにそれを読み取らせることで購入者が20歳以上の者であることを証明する。購入時にマイナンバーカードの実物は不要である。

コンビニエンスストア業界では、1)の公的身分証明書読取方式による実証実験を進めていたが、専用のカードリーダー等が高価であり、普及していない[576]。2023年6月27日、デジタル庁と日本フランチャイズチェーン協会は協定を締結し[577]、2)のスマートフォンアプリ方式の実証実験を進めることとした[578][579]

カジノ施設への入場管理[編集]

2018年7月20日、第196回国会において特定複合観光施設区域整備法(IR整備法、IR実施法)が可決成立[580][581]。同法ではギャンブル依存症対策としてカジノ施設への入場回数を制限する条項を設けており、その確認方法として国内の住民に関してはマイナンバーカードを提示し署名用電子証明書によって確認することが明記されている[注 71][582]。国内に住所を持たない日本人・外国人は、パスポートにて本人確認を行なう。

エンタメ領域での利用[編集]

チケットの不正転売防止(本人確認)、酒類の適正販売(年齢確認)、会場運営の業務効率化(本人確認)等を目的として、エンターテインメント領域におけるマイナンバーカードの利用が始まっている。

2023年9月5日、デジタル庁、ぴあドリームインキュベータの3者が共同で推進することを発表[583]。9月16日開催『Surf in MUSIC in 北泉』[584]、9月30日・10月1日開催『PIA MUSIC COMPLEX 2023』[585]、2024年1月20日・21日開催『マサラーフェス2024』[586][587][588]にて、ドリンク引換の年齢確認にマイナンバーカードを用いる実証実験を行った。2023年12月2日・3日開催『秋ヶ瀬の森バイクロア13』[589][590]、2024年2月3日・4日開催『アイスキャンディフェスティバル』[591][592]にて、入場者の本人確認にマイナンバーカードを用いる実証実験を行った。

2024年3月2日開催の『第38回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2024 SPRING/SUMMER』では、チケット販売・専用レーン入場でマイナンバーカードを用いる実証実験を実施[593][594][595][596]

利用 - 官民共用[編集]

個人番号を証明する書類として[編集]

カードの裏面は、利用目的に沿った場合に個人番号を利用できる者へ直接提示し、マイナンバーカード表面と裏面の情報を併せて郵送や電子データで通知することで、所有者のマイナンバーを証明することができる。

公的身分証明書として[編集]

カードのおもて面は、証明写真付きの公的身分証明書として官公庁や民間で使用可能である[注 72][注 73]

マイナンバーカードは、取得に1万円以上の費用がかかる日本国旅券(パスポート)[597]や、年齢制限があり取得に最低数千円(原動機付自転車小型特殊自動車免許含む)の費用を要し、なおかつ運転免許試験場で試験を受け合格する必要がある運転免許証に比べて、年齢制限無く無料で取得可能である点に公的身分証明書としての利点がある。

各種カードや手帳等として[編集]

政府はマイナンバーカードを活用して各種カードや手帳などをデジタル化する計画を進めている。対象のものは以下の通り。

APIを用いた企業・団体による個人情報の取得[編集]

マイナンバーカードを作成することにより、本人の同意の上で、第三者(企業など、個人も可)がAPIを用いてインターネット経由で、カード保有者本人の個人情報を政府のサーバーから直接取得することが可能となる。自己情報取得API[598][599]、医療保険情報取得API[600]等があり、総称して「マイナポータルAPI」と呼ぶ。

この機能はマイナンバーカード固有のものであり、他の身分証(パスポート、運転免許証、健康保険証など)では代替できない。カードのICチップ内に電子証明書を搭載した上で、カード実物(所持要素)と暗証番号(知識要素)による二要素認証を行ない、情報提供が本人の意思であることを確実にする。

「本人の同意」の確認は、原則としてマイナポータルにてPCやスマートフォンからマイナンバーカードを読み取り、利用者証明用電子証明書の暗証番号(数字4桁)を入力することで行われる[601]。セブン銀行のATMを利用するケースも存在する(現状、アイフル、セブン銀行、プロミスへ所得情報を提供する場合のみ[602])。

活用事例[編集]

自己情報取得API・医療保険情報取得APIの主な活用事例は以下のとおり。

情報管理[編集]

自己情報取得API・医療保険情報取得APIによってマイナンバーカード保有者の情報を企業・団体等が取得した場合は「マイナポータルAPI利用規約」に従って取り扱う必要がある。同規約(全16条)のうち個人情報の取り扱いに関するものは以下の第3条第2項第2号と第3号の2項目である。(予防接種歴、検診情報、乳幼児健診、特定健診、薬剤情報等を取得する場合は、別に「民間PHR事業者による健診等情報の取扱いに関する基本的指針」を遵守する必要がある[645]。)

第3条第2項
Webサービス提供者等は、事前打合せにおいて、デジタル庁が定める様式又は方法により、以下の各号に掲げる事項を満たすこと又は行うことを明らかにするものとします。
一 (略)
二 取得しようとする自己情報について、本人同意を得た期間に限り保持し、及び本人同意を得た目的に限り利用し、並びにその機密性を維持すること。
三 別途デジタル庁が定める情報セキュリティ要求事項を遵守すること。

本人が同意した条項の中に該当する事項が含まれていれば、個人情報を長期間(=本人同意を得た期間)に渡り保有蓄積することも、別の第三者へ(あくまでも同意を得た目的に反しない範囲内で)提供することも可能である。マイナポータルAPIで個人情報を取得した第三者には、公務員のような厳しい守秘義務はない。

マイナポータルAPIは、利用にあたってデジタル庁との事前協議が必要である。企画・利用目的を始め、システム構成やセキュリティ体制等の審査を経て利用可能となる[646]。マイナポータルAPI利用規約では、管理やセキュリティ確保は事業者側が責任を持つが[注 74]、その責任は「事業者等がデジタル庁に対し負う責任」であり、個人情報を取られるマイナンバーカード保有者本人に対する直接の責任ではなく、カード保有者は反射的利益を持つに過ぎない。またデジタル庁は一切の責任を負わない規約となっている[注 75]

個人情報を取得される個人と取得する事業者等の間では、当該サービスの規約において個人情報の取り扱いが規定されるが[注 76][注 77]、事業者ごとに異なるので、APIでの情報取得の同意の際には、その内容(「法令を守る」と最低限の保護しか規定していないケースもある)を十分確認することが重要である。

企業・団体等が取得可能な主な情報[編集]

国や地方公共団体が保有する情報の内、自己情報取得API・医療保険情報取得APIによって企業・団体等が取得可能となる主なものは次の通り[647][648]。取得できる情報は、企業・団体毎にその業務に必要なものとデジタル庁が認めたものに限られる(下表の全データが一括で取得可能になるわけではない)。自動車運転免許関係の情報は、マイナンバーカードでは取得できない。

自己情報取得APIで企業・団体が取得可能な主な情報
分野 主な情報
健康・保険 予防接種、検診情報、医療保険資格、学校保健、難病患者支援、健康保険証情報
税・所得・口座情報 所得・個人住民税情報、公金受取口座情報
年金 国民年金・被用者年金の給付・保険料徴収の情報、各種年金給付情報
子ども・子育て 児童手当支給情報、ひとり親家庭への自立支援金給付情報・資金貸付情報、母子生活支援保護情報、養育医療費の給付情報、妊娠届出情報、妊産婦・乳児・幼児の健康診断情報、特別支援学校就学に必要な経費情報、障害児通所支援給付情報、小児慢性特定疾病医療費・障害児入所給付費支給情報、特別児童扶養手当の支給情報、障害児福祉手当・特別障害者手当の支給情報
戸籍・世帯 住民票関係情報、戸籍関係情報(2024年3月から)
福祉・介護 障害者自立支援に関する給付情報、障害者の療養介護・施設入所支援に関する情報、身体障害者手帳精神障害者保健福祉手帳療育手帳情報、生活保護情報、中国残留邦人等支援給付支給情報、介護保険資格・給付情報
雇用保険・労災 雇用保険資格・給付情報、教育訓練給付金職業訓練受講給付金、高年齢雇用継続給付、職業転換給付金(都道府県実施分)、労働者災害補償給付、地方公務員災害補償法被災情報
医療保険情報取得APIで企業・団体が取得可能な主な情報
分野 主な情報
薬剤情報・処方情報・調剤情報 保険医療機関保険薬局等にて処方された薬剤の情報(処方情報、調剤情報を含む)
特定健診情報 健診実施機関で受診した特定健診情報等
医療費通知情報 保険医療機関・保険薬局等にて支払った医療費の情報

電子申請等API[編集]

マイナポータルAPIの一つ「電子申請等API」は、マイナンバーカードから得た情報を民間事業者へ送信し、住所変更手続等を電子申請で行なうもの。いわゆる「引っ越しワンストップサービス」での活用が想定されている。

2023年11月1日、ウェブクルーによるサービス「Smyb(スマイブ)」が、石川県加賀市において、加賀市役所、加賀ケーブルNTT西日本北國新聞マルヰ新電力)を統合した引っ越しワンストップサービスの提供を開始[649][650]。サービス基盤は、NTTデータのパーソナルデータ流通基盤「BizMINT」を使用している[651]

「BizMINT」は、2024年1月に香川県でも引っ越しワンストップサービスを展開する[652][653]。香川県内全17自治体の他、穴吹ハウジングサービス[654]STNet香川県広域水道企業団xID[655]ケーブルメディア四国四国電力が参画。

2024年2月19日、北海道札幌市がNTTデータと協定を締結[656]。「BizMINT」による引っ越しワンストップサービスを導入する[657]

2024年3月1日、TEPCO i-フロンティアズが自社のサービス「引越れんらく帳」に「BizMINT」を組み入れ、同サービスから全国の自治体へオンラインによる転出届の提出と、転入・転居における来庁予定の連絡を可能とした[658][659]

空き領域の活用[編集]

マイナンバーカードには、住民基本台帳ネットワークシステムや公的個人認証などに利用する領域以外に、空き領域として、市区町村が住民のために利用することができる「地域住民向け領域」や行政機関、都道府県、市区町村、民間事業者その他の者が利用することができる「拡張利用領域」が確保されている[660]

市区町村独自サービスの利用者カードとして[編集]

市区町村での条例を定めることで、戸籍抄本・住民票の写し・印鑑登録証明書・納税証明書などを、コンビニエンスストアマルチメディアステーションで発行すること、図書館などを利用するために必要な情報をマイナンバーカードのICチップに記録することができる[7]

タクシー運賃補助事業[編集]

群馬県前橋市は、移動困難者(高齢者・障害者・妊産婦等を想定)を対象に、タクシー運賃補助事業を行なっている[661]。過去は紙のタクシーチケットを配布していたが、2022年度からマイナンバーカードを用いた方式に一本化した[662]。これはマイナンバーカードの空き領域を使用し、市役所で空き領域に回数券情報を初期登録。タクシー乗車時に、タクシーに設置のNFCリーダー・ライターにてマイナンバーカード内の回数券情報を順次減算更新する。利用情報はタクシー会社から市役所へ送信され、市からタクシー会社へ運賃相当額が支払われる[663]。行政DX(紙の利用券取扱事務の軽減と利用者の利便性・簡便性の向上)に資する取り組みとして、デジタル田園都市国家構想の好事例に挙げられている[664]

その他の自治体でのタクシー運賃補助事業 - 2023年4月1日、徳島県神山町[665][666][667]。2023年10月17日、三重県大紀町[668][669]。12月11日、山形県尾花沢市[670][671]。2024年4月、福島県福島市[672][673]

国家公務員身分証として[編集]

国家公務員のうち、セキュリティーゲートを導入している庁舎に勤務する国家公務員が保有するマイナンバーカードのICチップの空き領域に、国家公務員身分証明書の情報が搭載されている[7][674]。このマイナンバーカード(国家公務員身分証ICカード)があれば、ほぼ全て(管区警察局など、国以外の機関と庁舎を共有している組織を除く)の国の組織の庁舎に入館が可能。マイナンバーカードの顔写真欄と氏名欄が外から見えるように切り抜かれたマスキングカードを、マイナンバーカードの上に重ねて、専用の白いカードケースに格納することで、国家公務員身分証として機能する。マスキングカードには、所属する省庁名、有効期限などが記載されているほか、署名欄に氏名を直筆で記載する必要がある。このシステムは勤怠・入退館管理などに使われる。外務省、法務省、内閣官房、警察庁は、2022年度ごろまで、身分証としてマイナンバーカードを使用していなかったが、2023年春頃から使用するようになっている。また、2023年春から、独立行政法人統計センターも、マイナンバーカードを身分証として使用している。なお、防衛省は、現在も、マイナンバーカードを身分証として使用しておらず、事務官等の身分証は、マイナンバーカードではない国家公務員身分証(いわゆる白カード)が使用されている。

宮城県でも県職員の入館管理に使用されている[675]

空き領域の民間利用[編集]

各種の用途で、民間企業等による空き領域活用が認められている。利用には大臣告示が必要。

認証アプリ[編集]

デジタル庁が作成する、官民の各種サービスにおける「本人確認」部分を請け負うアプリ。マイナンバーカードによる認証やJ-LISへの有効性確認を同アプリに委ねることによって、サービス事業者側の開発負荷軽減を図る。認証情報の要求/応答には業界標準技術であるOpenID ConnectOAuth 2.0を用いる[686]。2023年3月に「認証スーパーアプリ」として報じられ[687]、同年3月30日、浅沼尚デジタル監の会見で正式に発表された[688]。本認証アプリは利用者証明用電子証明書を用いた本人確認を実施するもの。既に民間で多数開発し実用化されている署名用電子証明書を用いた公的個人認証には対応しない[689]。2024年4月導入予定だったが[687]、後掲のプライバシーリスク懸念により導入が延期されている[690][691]

本認証アプリの展開は個人の各種サービスの利用(認証)情報がデジタル庁のシステムへ集約されることでもあり、プライバシーリスクを懸念する意見もある[692][693]。デジタル庁は、システムに持つのは「電子証明書発行番号、事業者別リンクコード、認証状況」であり「氏名、住所、生年月日、性別」といった個人情報は持たないため問題はないとの見解を示している。

一方、デジタル庁は本認証アプリの導入のため、2024年1月26日から2月29日の期間に政令改正のパブリックコメントを募集し[694]、3月に施行予定であったが上掲のプライバシーリスク懸念から施行を見合わせ、4月のリリースも延期している[690][695]

カード等の有効期限[編集]

日本国籍を有する住民の場合[編集]

マイナンバーカード等の有効期限
カードの有効期限 利用者証明用電子署名書 署名用電子証明書
18歳以上 10回目の誕生日 5回目の誕生日 5回目の誕生日
15歳以上18歳未満 5回目の誕生日
15歳未満 ×(原則なし)

マイナンバーカードの有効期間は、18歳以上の者の発行の日から10回目の誕生日まで、18歳未満の者は容姿の変化が大きいことから、顔写真を考慮して5回目の誕生日までとなっている[注 78]。2つの電子証明書の有効期間は、発行の日から5回目の誕生日までである[注 79]

外国籍(非日本国籍)住民の場合[編集]

永住者・高度専門職第2号・特別永住者[編集]

外国人住民のうち、永住者、高度専門職第2号および特別永住者は、日本国民の場合と同じである[7]

それ以外の外国籍者[編集]

一方、永住者、高度専門職第2号以外の中長期在留者や一時庇護許可者、仮滞在許可者などの者は、在留資格や在留期間があることから有効期間も異なるが、申請に基づき、マイナンバーカードの有効期間を変更することが可能である[7]。在留期間の延長を行った場合は、券面記載事項の変更が必要である[7]

マイナンバーカード及び電子証明書の更新[編集]

マイナンバーカード更新手続きにはマイナンバーカード自体の更新と電子証明書のみの更新の2種類がある。期限を迎える者に対し、有効期限の2~3ヶ月前を目途に有効期限通知書が送付される[696]

更新手続きは無料である[696](紛失、破損、顔写真変更希望等による再交付は有料[697]。カード本体800円[698]、電子証明書200円[699])。2024年1月11日、J-LIS(地方公共団体情報システム機構)は、能登半島地震 (2024年)の影響でカードを紛失・破損し再発行する場合、または電子証明書の有効期限までに来庁できず失効し電子証明書を再発行する場合は手数料を徴収しないと発表した[700][701]

マイナンバーカード自体の有効期限が近づいた場合は、有効期限通知書の案内に沿って申請を行い新たなカードの交付を受けることで、電子証明書のみの有効期限が近づいた場合には、有効期限内のマイナンバーカードもしくは本人確認書類と有効期限通知書を持って役所で手続きをすることで、それぞれ更新手続きが完了する[696]

2021年5月12日、「地方公共団体の特定の事務の郵便局における取扱いに関する法律」(郵便事務取扱法)が改正され(公布・施行5月19日)[702][196][197]、郵便局で電子証明書の更新が可能となった[注 80][注 81]。その後、2022年5月10日、宮崎県都城市の「イオンモール都城駅前内郵便局」において、全国で初めて電子証明書の更新業務を開始した[704][705]。同郵便局は2024年に本人確認・交付業務でも、全国で初めて実施した。(#マイナンバーカードの申請や交付が困難な者への対応 を参照)

廃止・失効[編集]

交付されたマイナンバーカードが廃止・失効するケースは以下のとおり。

  • 有効期限満了(マイナンバー法第17条6項)
  • その他政令で定める場合(マイナンバー法第17条6項、法施行令第14条)
    • 国外転出(法施行令第14条1項)
    • 転出届提出後、転入届を14日以上未提出(法施行令第14条2項)
    • 転出届を提出し、転入届提出後、マイナンバーカードの継続利用手続きを90日以上未実施(法施行令第14条3項)
    • 本人の死亡(法施行令第14条4項)[注 17]
    • 住民基本台帳法の適用を受けない者となったとき(法施行令第14条5項)
    • 住民票が消除されたとき(法施行令第14条6項)[注 82]
    • 住民票コードの修正が行われたとき(法施行令第14条7項)[注 83]
    • 個人番号を変更した場合における、変更前のマイナンバーカード(法施行令第14条8項)
    • 本人の意思による返納(紛失・破損の届出を含む)(法施行令第14条9項)
    • 錯誤等が判明し、返納を命じたもの(法施行令第14条10項)

2023年7月7日、総務省は、マイナンバーカードの交付開始以降、2023年6月30日時点までの総廃止枚数は492万枚だったと発表[708]。総務省は内訳を「1.死亡」、「2.有効期限切れ」、「3.紛失」、「4.更新に伴うもの」、「5.国外転出」、「6.本人希望・その他」に分類している。その中の「6.本人希望・その他」には、「A) 本人の希望」、「B) 転入届出から90日経過後も継続利用処理が行われていない」、「C) 外国人住民が在留期間満了前に在留期間の短縮によりカードを廃止」、「D) 引っ越しを重ねたことにより、マイナンバーカード追記欄の余白が埋まったための再発行」が挙げられる。「6.本人希望・その他」は左記のAからDを合わせて3月末時点で42万枚、5月末時点で45万枚[709]。6月末時点で47万枚だった(いずれも交付開始以降の累計)[708]

2023年7月18日、総務省は立憲民主党からのヒアリングの場で、6月1ヶ月間における全国12市町の抽出調査結果を発表(個別の自治体名は非公開。総人口は230万人余り)。上掲の「6.本人希望・その他」全247件のうち、「A) 本人の希望」に該当するものは97件(39%)だった[710][711]。7月21日、松本剛明総務大臣は、このサンプル調査について対象の拡大や継続をするつもりは無いと述べた[712]

他のカード等との違い[編集]

個人番号通知書や通知カード[編集]

住民基本台帳カード[編集]

券面[編集]

マイナンバーカードは、顔写真入りの住民基本台帳カード「Bタイプ」には記載されなかったマイナンバーが記載されている。住民基本台帳カードの場合、氏名のみが表示され、住所、生年月日、性別、顔写真を券面に表示しない「Aタイプ」を選ぶことができたが、マイナンバーカードにそのようなタイプはない。

証明写真の規格は日本国旅券と同じ基準とサイズが適用され、証明写真に使える写真基準も、旅券申請用の写真規格と同じ基準となり、申請出来る写真規格が厳格化された。

住民基本台帳カードは市区町村により様式が異なり、第三者は真贋の見分けが困難であったが、マイナンバーカードは全国共通の仕様である。

利用[編集]

マイナンバーカードの電子証明書は、住民基本台帳カードと異なり、都道府県や行政機関、民間などで利用が可能になった。住民基本台帳カードにはなかった利用者証明⽤電子証明書がICチップに格納されている。

発行手数料[編集]

マイナンバーカードは、住民基本台帳カードと異なり、希望者に無料で交付される[7]日本国政府は、多くの市区町村が交付手数料を徴収したことが、住民基本台帳カードの普及を妨げた要因の一つと分析している[713]。そのため、マイナンバーカードの発行に要する費用は、日本国政府の予算で手当てし、本人の金銭負担を解消させた。

交付事務の区分[編集]

通知カードの作成業務は、全国の市町村・特別区が地方公共団体情報システム機構へ委託した[714]。マイナンバーカードは住民が直接または地方自治体を介してJ-LISへ申請し、J-LISが作成・発行する[注 11]。作成者・発行者は地方自治体ではない。

交付は地方自治体が行なう。住民基本台帳カードの交付事務は市区町村の自治事務であったが、マイナンバーカードの交付事務は法定受託事務である[注 52]

有効期限[編集]

日本国籍を持つ住民の場合、住民基本台帳カードの有効期間は一律、発行日から10年であった[注 84]。マイナンバーカードの有効期限は、18歳以上は発行日からその後10回目の誕生日まで、18歳未満は発行日からその後5回目の誕生日までとなる[注 78]。電子証明書の有効期限は年齢にかかわらず発行から5回目の誕生日まで[注 79]である。

住民基本台帳カードとマイナンバーカードの比較
  住民基本台帳カード マイナンバーカード
Aタイプ Bタイプ
交付開始 2003年平成15年)8月
2015年(平成27年)12月交付終了)
2016年(平成28年)1月[注 2]
保有者 希望者
交付方法 市区町村の窓口で本人確認・手交
交付事務の区分 自治事務 法定受託事務
発行手数料 有料・無料(市区町村による) 当面は無料(紛失再発行は有料)[7]
有効期限(日本国籍の場合) 発行日から10年後 発行日から10回目(18歳未満は5回目)の誕生日
材質 プラスチック
ICチップ あり
記録される情報 氏名 券面のみ 券面&IC
外国人の通名
住所 なし
生年月日
性別
個人番号 なし 券面&IC
カードの有効期限 券面&IC
顔写真 なし 券面&IC
住民票コード ICのみ
公的個人認証の証明書
点字 券面(希望者のみ)

今後の活用予定[編集]

2023年6月6日、第4回「デジタル社会推進会議[715][716]が開催され、2023年版の『デジタル社会の実現に向けた重点計画』を決定した[717][718]。6月9日閣議決定[410]。以下は、2023年版重点計画に記載されているマイナンバーカード関連のロードマップである。

  • 2023年度下期以降順次 - 公金受取口座について、金融機関経由での登録受付を開始
  • 2024年4月 - Androidスマートフォンでのマイナ保険証機能の利用開始(→2024年3月、サービス開始が2025年度になると報じられた[137]
  • 2024年12月2日 - 従来の健康保険証を廃止[注 48][205]
  • 2024年度末までの早い時期 - 運転免許証との一体化
  • 2024年度内
    • ハローワークカードをマイナンバーカードへ移行
    • 介護保健証のペーパーレス化。一部自治体から先行実施、2026年より全国実施
    • 優良運転者に対するオンラインでの運転免許証更新時講習を全国展開
  • 2025年度 - #外国人在留カードとの一体化
  • 2026年 - #次期マイナンバーカードの導入[719][720]。券面表記項目を見直し、2024年通常国会へ改正法案を提出。併せて、電子証明書有効期限(現在は5年)の延長、更新手続きの完全オンライン化を検討[717]
  • 時期未定
    • 障害者手帳との連携の強化
    • 技能士資格情報や、技能講習修了証明書、建設キャリアアップカードなどの情報を、マイナンバーカード・マイナポータルへ取り込む
    • 在外選挙人名簿登録申請手続におけるマイナンバーカードの活用
    • 手ぶら観光やオンラインチケットなどに使うための基本的な利活用システムの開発と廉価な提供
    • iOS端末へのスマートフォン用電子証明書の実装
    • モバイル運転免許証の実現
    • #携帯電話契約での公的個人認証の必須化

次期マイナンバーカード[編集]

導入から10年目となる2026年に、マイナンバーカードを刷新することが計画されている。2023年2月に一部で報道され[719][720]、2023年6月、上掲の2023年版『デジタル社会の実現に向けた重点計画』にて正式に掲げられた[注 85][717][718]。2023年9月7日、デジタル庁内に「次期個人番号カードタスクフォース」が組成された。2024年3月18日に最終とりまとめを決定・公表した[721]

更改の項目・論点[編集]

タスクフォース第1回資料[722]では、新カード導入に向け、多岐にわたる論点が掲げられた。

  1. 券面記載事項:氏名、生年月日、性別、住所、マイナンバー(個人番号)の表記要否。通名旧姓の扱い、氏名の振り仮名の扱い、ローマ字表記、生年月日の表記(西暦和暦の併記か西暦のみなど)、追記欄の記載領域拡大など
  2. 技術仕様:公開鍵暗号方式の変更(RSA暗号から楕円曲線DSAへ変更)、電子証明書有効期間の10年化、現在3つある暗証番号(数字4桁)の一本化など
  3. 発行体制:特急発行の体制整備、身元保証レベル IAL3 を維持した中でのカード更新オンライン化(来庁不要化)の可否検討、現行電子証明書(有効期間5年)のオンライン更新の可否検討など
  4. 公証名義:現行カードの発行者名は市区町村長であることに対し、国や総務大臣の表記を加えるか
  5. その他:ICチップ空き領域の容量増加、磁気ストライプ廃止の可否、PIN UNLOCK KEY (PUK) の導入、 電子証明書失効理由の細分化(「死亡」を判別できるようにする)、「マイナンバーカード」(個人番号カード)の名称変更検討など

次期カードの変更内容[編集]

2023年11月21日、次期個人番号カードタスクフォースの第2回会議にて中間とりまとめ骨子が示された[723][91]。11月27日から12月8日までの期間にパブリックコメント(意見募集)を行ない[724][725][726][727]、12月26日、公募結果を公表した[728][729]。同12月26日、第3回会議にて中間とりまとめを決定[730]、2024年3月18日、第4回会議にて最終とりまとめを決定した[731]。合わせて新しいカードのデザイン案も公表された[732]。現カードと次期カードの比較は下表のとおり。

次期カードの変更点
現行カード 次期カード 備考
券面記載事項 氏名、生年月日、住所、顔写真を記載 同左 官民様々な場面で利用されるため
性別を記載 記載しない ICチップ内には格納。マイナンバー法改正案を国会へ提出した[733][171][172]
マイナンバーを裏面に表記 同左 官民様々な場面で利用されるため
通名・旧姓を記載 同左 旧姓は本人が希望する場合のみ
氏名振り仮名を追記欄に記載 追記欄ではなく券面記載へ変更 現カードでの左記項目の追記欄記載は、今後実施予定
希望者のみ氏名ローマ字を追記欄に記載 追記欄ではなく券面記載へ変更 現カードでの左記項目の追記欄記載は、今後実施予定。氏名ローマ字はパスポートの表記と一致させる
生年月日は和暦表記。西暦による表記は希望者のみ追記欄に記載 生年月日の表記を西暦化。和暦表記廃止 現カードでの左記項目の追記欄記載は、今後実施予定
追記欄と臓器提供意思表示欄 追記欄を拡大し臓器提供意思表示欄を裏面へ移動 追記欄が小さく記載が一杯になってしまうことを考慮
券面デザイン 見直しを検討。デザイン案を公表[734]
技術仕様 RSA 2048ビットによる暗号化 楕円曲線DSA (ECDSA 384 - 192ビットセキュリティ) を採用 RSA-2048は2030年末までの利用終了が求められている[735]
電子証明書の有効期限5年 有効期限の10年化
4種のAPが存在(#暗証番号、パスワード を参照)。パスワードも4種存在 AP・パスワードとも2種に再編 「認証AP」と「券面等AP」の2種へ再編
発行体制 有効期限の3ヶ月前から更新申請可能。有効期限は10回目の誕生日 有効期限の1年前から更新申請可能。有効期限は10回目の誕生日の1ヶ月後 混雑緩和のため。また、更新忘れ防止のため
自治体職員による対面交付 同左 IAL3を維持するため( #対面交付の原則と身元確認保証レベル を参照)
公証名義 住民票の属する市区町村長名義 「日本国 JAPAN」の記載を加える 国の保証の下に発行されていることを明確化するため
その他 磁気ストライプを実装 同左 図書館カードや印鑑登録証として使用している自治体が存在するため
PUK (PIN UNLOCK KEY) 無し PUKを新設 暗証番号ロック時に自治体窓口へ来庁する手間を無くす
電子証明書失効理由「affiliationChanged」に「死亡」と「海外転出」が混在している 同左。国際標準に準ずる 海外在住者もマイナンバーカードの所持が可能となることから、実質的に「海外転出」を理由とした失効は無くなると見られる
呼称「個人番号カード(マイナンバーカード)」 変更を検討。広く国民へ公募する “マイナンバー” を使用しない用途でも、マイナンバー(個人番号)を用いていると誤認されるおそれ

切替日[編集]

次期マイナンバーカード導入は “2026年” としているが、タスクフォース第1回資料では切替日を “2026年10月(仮)” と仮置きした[722]。仮に10月1日を切替日とした場合、2017年9月までに交付を受けた者は、ケースによって有効期限が2026年9月までの誕生日となり、現行仕様のカードで更新することになる。

マイナンバーカード交付日と有効期限
交付日 有効期限 更新カードの仕様
2016年9月以前 2026年9月以前 現行仕様
2016年10月以降2017年9月まで、かつ、当年の誕生日到来前に交付
2016年10月以降2017年9月まで、かつ、当年の誕生日到来後に交付 2026年10月以降 新仕様
2017年10月以降

2026年9月以前に現行仕様でカード更新を行なった場合も、さらに10年後まで待たず、5年後(2030~2031年)の電子証明書更新時に新仕様のカードへ切り替える運用が計画されている[注 86]

周知・広報[編集]

  • 2022年12月20日から翌年3月31日 - 『SPY×FAMILY』とのコラボレーションキャンペーンを実施[736][737]
  • 2023年2月16日から - 『できます。が増えてます。マイナンバーカード』キャンペーンを実施。テレビCM、デジタル広告、屋外広告等を展開[738][739]

事件・不祥事[編集]

特に断りがない限り、通知カード→(マイナンバーの)通知カード、ポイント→マイナポイント、コンビニコンビニエンスストア、コンビニ交付(サービス)→マイナンバーカード利用公的証明書コンビニ交付(サービス) の事である

顔写真取り違え・誤交付[編集]

  • 2021年4月16日、宮城県利府町で、町役場の窓口に事前予約しマイナンバーカードを取りに来た人に、別人のマイナンバーカードを渡す特定個人情報の漏洩事件が発生した。町では謝罪の上、カードを回収し、カードの本来の持ち主にマイナンバーの変更について説明している[740]
  • 2022年11月17日、新潟県加茂市で、顔写真が別人のものであるマイナンバーカードが発行され交付された。カードを受け取った本人より、顔写真が違うと連絡があり発覚した。マイナンバーカードの発行申請を代理した行政書士が、別人の写真データを添付したことが、誤発行、誤交付の発端であった。市は謝罪し「より一層注意を払う」としている[741]
  • 2023年
    • 1月17日、島根県安来市は、同姓同名の別人の顔写真が付いたマイナンバーカード1枚を誤って発行し交付したと発表した。同じ日に同姓同名の2人から申請があり、両者を取り違えたもの。顔写真以外の個人情報(住所、生年月日、性別)は正しく、顔写真のみが入れ替わっていた[742]
    • 2月17日、広島県江田島市の能美市民センターの窓口で、マイナンバーカードを受け取りに来た人に、別人のマイナンバーカードを交付する特定個人情報の漏洩事件が発生した。誤交付されたマイナンバーカードは2月18日に回収された。江田島市では、再発防止策として「本人とマイナンバーカードが同一かどうか確実に照合」などを公表した[743]
    • 5月19日、埼玉県美里町が、マイナンバーカード申請者2名の写真取り違えを発表[744]
    • 6月1日、三重県松阪市が、申請者の顔写真を取り違えてマイナンバーカードを作成・交付していたことを発表[745]。申請が行なわれたのは2023年2月3日(申請時来庁方式)、申請者が郵送で受領したのは同年3月末[746]
    • 6月6日、岐阜県古田肇知事が、県下の8自治体でマイナンバーカード関連の不備があったことを公表した[747][748]。顔写真を取り違えてのカード発行が岐阜市、各務原市、大垣市、中津川市、岐南町。マイナポイントの誤付与が美濃加茂市[749]、瑞穂市[750]。公金受取口座の誤登録が北方町[751]
    • 6月9日、京都府京都市[752]と静岡県浜松市[753]が、顔写真の取り違え事案を発表。京都市の事案は申請時来庁方式で申請し、後日郵送で受領した際に、自分の顔写真ではないことに気付いたもの。浜松市の件は市内総合病院の出張申請サポート会場で申請し、交付時来庁方式で区役所へ訪れた際に顔写真が異なっていることに気付いた。
    • 6月13日、北海道旭川市が、マイナンバーカードの顔写真取り違え事案を謝罪[754]。本人はオンライン申請をしたにも関わらず、市の担当者が別の申請と取り違えた。
    • 6月15日、兵庫県市川町が、マイナンバーカードの顔写真取り違え事案を発表[755]
    • 6月15日、山梨県富士吉田市が、3件のマイナンバーカードの顔写真取り違え事案を発表[756][757]
    • 6月16日、兵庫県神戸市が、夫婦の顔写真を取り違えてマイナンバーカードを作成するミスを発表[758][759]
    • 6月20日、大分県佐伯市が、誤った写真で作成したマイナンバーカードを申請者に交付した事案2件(3人)と、誤った写真でマイナンバーカードを作成し、交付前に間違いが判明した事案2件(3人)を発表[760]
    • 6月20日、宮城県大崎市が、マイナンバーカードの顔写真取り違え事案4件を発表[761][762]
    • 6月21日、大分県臼杵市が、マイナンバーカードの顔写真取り違え事案2件(4名)を発表[763]
    • 6月21日、兵庫県加西市が、マイナンバーカードの顔写真取り違え事案3件を発表[764]
    • 6月21日、福井県福井市が、マイナンバーカードの顔写真取り違え事案5件(7名分)を発表[765][766]
    • 6月22日、奈良県桜井市が、マイナンバーカードの顔写真取り違え事案を発表。40代女性の申請に対し、70代女性の顔写真を使ってカードを作成した[767][768][769]
    • 6月23日、石川県金沢市が、マイナンバーカードの顔写真取り違え事案3件を発表[770]
    • 6月23日、大分県日田市が、マイナンバーカードの顔写真取り違え事案を発表。4歳の子のカードに対し、2歳上の姉の写真を使用してしまった。家族はマイナポイントの対象となる最終日の2月28日に市役所で申請し、混雑の中で確認ミスが生じたもの[771][772]
    • 6月28日、熊本県八代市が、マイナンバーカードの顔写真取り違え事案を発表[773]。2022年12月12日にイオン八代店の出張窓口で本人から発行申請を受け付け、市がJ-LISへ代理申請した際に顔写真を別人と取り違えた。すぐに気付いて取り消したが、正式受理前であったため取消申請が受け付けられずそのままカード発行に至った。2023年2月に本人から顔写真が異なるとの申し出があり再発行申請を行なうが、3月に市の担当者が異動して本人への交付連絡が途絶え、最終的に5月25日に交付した[774]
    • 7月5日、広島県神石高原町が、マイナンバーカードの顔写真取り違え事案を発表。窓口で申請者の顔写真を撮影した際は通常、その場で印刷し裏面に申請者本人から署名を得ていたが、当日はプリンターを町役場外へ持ち出しており、後に町職員がデータを取り違えたもの[775]
    • 7月6日、沖縄県久米島町が、マイナンバーカードの顔写真取り違え事案2件4名分を発表[776]
    • 7月10日、岩手県盛岡市が、マイナンバーカードの誤交付を発表[777]。原因として、交付通知書のハガキなど各種照合書類の確認が不十分であったこと、マスクを取り外しての本人確認を行わなかったことを挙げた。
    • 10月3日、北海道登別市が、申請者2名の顔写真取り違え事案を発表。30代女性2名の顔写真を続けて撮影し、職員がオンライン申請した際に取り違えた[778][779]
    • 10月17日、沖縄県南風原町が、マイナンバーカードの写真添付錯誤を発表。これにより対象者は、マイナポイントの申請に間に合わなかった[780]。対象者は2022年9月27日に町役場でマイナンバーカードを申請。その後、カードを自宅へ郵送したが受取人不在で町役場へ差し戻され、2023年9月26日になって本人が来庁し受け取り時に錯誤が判明した。町はマイナポイント相当額の1万5千円を対象者へ賠償した[781]
    • 10月20日、福島県大熊町が、発行されたマイナンバーカードを郵送する際、2名のカードを取り違えて封入し送付した[782]。内、1名はマイナンバー変更の手続を取った[783]
    • 10月24日、静岡県小山町が、マイナンバーカードの顔写真取り違え事案1件を発表[784]。当日は窓口が混み合い、写真へ氏名を裏書きするルールが徹底されていなかった[785]

その他、地方自治体の単純ミス[編集]

  • 2023年
    • 3月15日、東京都練馬区役所で、再発行のマイナンバーカードの受け取りに来た同区在住の20代男性に対し、同カードを申請した50人(含、当人)の個人情報が記載された紙名簿(帳票)を誤って渡してしまう事件が起きた[786][787][788][789]。→個人番号#事件・不祥事参照
    • 4月6日、栃木県那須塩原市が、申請時来庁方式によって受理し発行したカード347枚の内、34枚に設定不備があったと発表[790]。暗証番号が正しく設定されておらず、ICチップを用いた手続きが全く出来なかったもの[791]
    • 6月22日、新潟県新潟市が、マイナンバーカード交付事務に関する国からの補助金(マイナンバーカード交付事務費補助金)約470万円を計上し忘れ、国へ申請していなかったと発表[792]。不足分は全額、新潟市の一般財源で負担する[793]
    • 6月23日、滋賀県竜王町が、名字や住所の変更でマイナンバーカード内の電子証明書を再設定する際、本来無料のものに手数料200円を徴収していたと発表。誤徴収は2018年度から2022年度の期間で、225件、4万5千円[794]
    • 6月27日、総務省は、誤交付防止を図るべく、13項目のチェックリストを全ての自治体へ通知した[795]
    • 6月29日、熊本県菊陽町で、他の自治体から同町へ転入し、マイナンバーカードの追記欄へ新しい住所を印字した際、印字内容が不鮮明で読み取れない事案が発生。所有者は証券口座開設のためインターネット証券会社へカード画像を提出したが、内容が読み取れないとしてオンラインでの口座開設を拒絶された。市は改めて印字し解消[796]
    • 8月17日、東京都台東区は、廃棄対象のマイナンバーカード13枚と住民基本台帳カード1枚の計14枚を、シュレッダーによる裁断が不十分でカード券面情報が読み取れる状態のまま廃棄場所へ搬出した[797][798]
    • 10月20日、山口県柳井市で、転入者の手続きの一部を市が実施せず、カードが失効。対象者はマイナポイントを申請出来なかった[799]。ポイント相当額を市が賠償する[800]
    • 10月20日、横浜市中区が、2種類の手続き不備を公表[801]。1) カード発行申請時にJ-LISから市への問い合わせを放置し、計48枚のカード発行が大きく遅延。18名がマイナポイント申請に間に合わず、市が独自に補てんする[802][803]。2) 市外から横浜市中区へ転入した者2名について、ICチップ内の住所データを書き換えなかった。これにより90日後にカードが失効した。
    • 11月8日、滋賀県守山市が、カード交付時の手続きミスを発表。5月下旬、家族2名対してカードを交付した際、暗証番号の設定をせず、電子証明書が利用不能な状態であった。9月下旬、本人がマイナポイントの申請を試みた際にミスが判明。対象者は期限までにマイナポイントを申請出来なかった。ポイント相当額を市が賠償する[804]
    • 11月17日、新潟県新発田市が、加治川支所においてマイナンバーカードの申請ミス1件を発表。2月に加治川地区在住の男性から交付申請を受けたが、住民福祉係の担当職員が関係機関への送付手続きを失念した。これにより対象者は、マイナポイントの締切に間に合わなかった[805]
    • 11月29日、宮城県石巻市で、4月に市内へ転入した者に対し、マイナンバーカードの住所情報の更新を怠った事象を発表。同人が11月6日に市外へ転出した際に不備が判明し、カードは失効。再発行が必要となった[806]
    • 12月5日、栃木県真岡市は、マイナンバーカードの交付手続き誤り事案を公表。9月28日に電子申請等に使えるよう設定せぬままカード1枚を市民へ交付。同市民はマイナポイントの申請ができなかった。10月16日、市が2万円を賠償した[807]
  • 2024年
    • 1月18日、山口県岩国市で、市職員が手続きミス。2023年2月28日に市民へ交付したマイナンバーカードで磁気不良を検知。再交付手続きをするところ市職員が失念。再交付が11月になった。マイナポイント申請の締切に間に合わず、市が対象者へ現金2万円を賠償する[808]
    • 3月28日、山形県酒田市は、マイナンバーカードの電子証明書を再発行する際、本来不要な手数料200円を徴収していたと発表[809]。誤徴収は2019年2月から2024年1月まで5年間。対象者は46名、計9,200円[810]
    • 4月2日、鳥取県大山町が、マイナンバーカード交付の通知書1通を誤送付。他者の住所・氏名を封入していた[811]
    • 4月10日、島根県益田市が、マイナンバーカード交付受付票26名分を誤送付[812][813]

地方自治体における紛失・盗難事件[編集]

  • 2017年9月、神奈川県横浜市は、神奈川区戸籍課で保管していた交付前のマイナンバーカード21枚を紛失した。マイナンバーカード交付の準備作業をしている段階で紛失に気づいたとされる。[814]
  • 2018年2月21日、横浜市鶴見区役所において、既に市民のデータ(含、顔写真)が記録・記載されているマイナンバーカード78枚と同カードの交付、暗証番号の設定・確認が可能なノートパソコン1台が盗まれた。22日午前8時15分、紛失に気付き各所を探したが見つからず、23日に所轄の鶴見署に盗難の被害届を出す事態となった[815][816]。職員は同市の保安ルールに従わず使用していた。同市は同年12月7日、男性副区長 (59) を戒告、当時課長だった女性職員 (58) を10分の1の減給6ヶ月間、担当係長だった男性職員 (57) を10分の1の減給3ヶ月間の懲戒処分にすると発表した[817]
  • 2020年10月15日、千葉県茂原市は、交付前のマイナンバーカード2枚の紛失を発表[818]
  • 2021年
    • 2月17日、神奈川県横浜市は、青葉区役所が返戻された本人限定受取郵便(マイナンバーカード1件)を紛失したと発表[819]
    • 8月3日、神奈川県横浜市は、鶴見区役所戸籍課で保管していた交付前のマイナンバーカード1枚を紛失したと発表[820]
    • 10月12日、千葉県八千代市は、交付前のマイナンバーカード1枚の紛失を発表[821]
    • 12月17日、神奈川県横浜市は、1931人分のマイナンバーカード交付関連書類を紛失したと公表した。15年間保存すべき書類だったが、誤って廃棄した可能性が高いとしている。[822][823]
  • 2022年
    • 5月10日、茨城県つくば市は、交付前のマイナンバーカード1枚を紛失したと発表[824]。5月25日に庁舎内で発見[825]。該当の市民は既に再発行の申請をしており、発見したカードは交付せず廃棄する[826]
    • 6月10日、秋田県湯沢市で、市が保管していた交付前のマイナンバーカード1枚を紛失したことが分かり、6月20日に謝罪した[827]。その後、10ヶ月近く経過した2023年4月中旬に、秋田県横手市の横手警察署にそのマイナンバーカードが「拾得物」として届けられ、2023年5月11日に湯沢市役所に返還された。湯沢市は、横手警察署管内で発見されたことから横手警察署に対して発見されるまでの経路等について調査を依頼している[828][829]
    • 7月29日、北海道室蘭市で、交付前のマイナンバーカード1枚を紛失したことがわかり、室蘭市はマイナンバーカードを交付予定だった市民に8月2日に謝罪した。マイナンバーカードを交付する準備のために確認作業をしていたところ、紛失に気づいたとされる。[830]
    • 9月27日、大分県佐伯市は、交付前のマイナンバーカード1枚を紛失したと発表[831]
    • 10月20日、熊本県熊本市で、交付前のマイナンバーカード1枚が紛失していることが判明した。[832]
    • 11月15日、千葉県四街道市は、市役所で保管していた交付予定のマイナンバーカード1枚を紛失したと発表した。11月7日に交付のために取り出そうとした際に、紛失に気づいたとされる。[833][834]
    • 11月15日、北海道江別市は、交付予定のマイナンバーカード1枚を紛失したと発表[835]
    • 11月21日、北海道遠軽町がマイナンバーカード1枚を紛失。保管用のケースごと廃棄した可能性が高い[836]
    • 12月15日、大阪府四条畷市は、市民課で保管していた交付前のマイナンバーカード2枚を紛失していたと公表した。本人たちが受け取りに来た際、保管場所にマイナンバーカードがないことで紛失が発覚した。[837]
  • 2023年
    • 2月27日、三重県鈴鹿市は、マイナンバーカード申請書類67人分を一時紛失したと発表。後に市民から届けられた[838]
    • 2月28日、京都府木津川市は、イオンモール高の原内の市民課マイナンバーサービスセンターで、交付前マイナンバーカード1枚を紛失したと発表[839]
    • 3月2日、千葉県富津市は、交付前のマイナンバーカード1枚を紛失したと発表[840]
    • 3月3日、福岡県北九州市は、携帯電話ショップで受け付けたマイナンバーカード申請書類(23名分)を紛失したと発表[841]
    • 3月27日、千葉県木更津市は、交付前のマイナンバーカード1枚を紛失したと発表した[842]。受取予定の人のマイナンバーカードを確認中に、紛失に気づいたとしている[843]
    • 4月14日、神奈川県横浜市は、保土ケ谷区で交付する前のマイナンバーカード3枚を紛失したと発表[844]
    • 4月24日、熊本県山鹿市は、交付前のマイナンバーカード11枚を紛失したことを発表した。交付予定のカードの準備中に2枚の紛失に気づき、カードの在庫確認を行ったところ、全部で11枚の紛失が判明した。市は、暗証番号の設定前であることから悪用される恐れが低いことを説明し、本人の了解を得て個人番号の変更はしないとした[845]
    • 4月27日、徳島県美波町は、交付前のマイナンバーカード1枚を紛失したと発表[846]
    • 5月10日、埼玉県上尾市は、交付前のマイナンバーカード1枚を紛失したと発表した。同年2月8日、申請者が受け取りのため来庁した際、同カードが見当たらず、紛失した事が判明。その紛失カードには既に申請者の顔写真などが記載されてしまっていたが、暗証番号設定がまだ設定されておらず有効な状態では無い為、各種行政サービスを受ける事は出来ない。本人の了解を得て再発行した[847]
    • 5月29日、東京都葛飾区は、交付前のマイナンバーカード1枚を紛失したと発表[848]
    • 6月2日、神奈川県真鶴町は、交付における郵送の過程でマイナンバーカード1枚を紛失したと公表した[849]
    • 6月13日、福島県いわき市は、四倉支所でマイナンバーカード交付申請書を紛失したと発表した。通常、支所で受理した申請書は市役所本庁市民課で集約の上、特定記録郵便を用いて地方公共団体情報システム機構(J-LIS)へ送付する。しかし四倉支所は支所から普通郵便で直接J-LISへ送り、21件中1件が所在不明となったもの[850]
    • 7月28日、神奈川県横浜市は、泉区で交付する前のマイナンバーカード1枚を紛失したと発表[851]
    • 8月22日、佐賀県佐賀市が、マイナンバーカード申請書1通を紛失[852]。申請者が支所窓口で申請書を記入・提出後、市が申請書を本庁へ送付。市が本庁内で紛失した[853]
    • 9月28日、広島県広島市が安佐南区役所祇園出張所にて、交付前のマイナンバーカード1枚を紛失したと発表[854]。7月24日にJ-LISから市へ届いたカードを、9月27日に本人が受け取ろうとした際に紛失が判明した。
  • 2024年
    • 2月15日、鹿児島県鹿児島市が、交付前のマイナンバーカード2枚を紛失したと発表[855][856]
    • 4月5日、新潟県新潟市が、中央区役所・窓口サービス課内で交付前のマイナンバーカード1枚を紛失したと発表[857][858]

システム障害[編集]

マイナンバーカード・マイナポータル関連障害[編集]

  • 2019年11月11日、マイナンバーカードICチップ内の電子証明書を更新できない障害が発生[859]。11月12日、システムを運用する地方公共団体情報システム機構 (J-LIS) は各自治体へ、電子証明書更新を求める利用者にはカードを一旦自治体窓口にて預かり、更新後に本人限定郵便で返送することを指示[860]。11月13日、システム復旧[861]
  • 2020年5月、この年に行われた特別定額給付金の支給により、マイナンバーカードの電子証明書の暗証番号の再設定や電子証明書の新規発行・更新が急増した。それにより、地方公共団体情報システム機構のシステムの処理能力を超えた負荷が発生し、市区町村の窓口において、混雑や処理遅延が生じた。問題に対処するため、J-LISはシステムの処理能力増強等の対策を実施した[862]
  • 2023年6月17日昼から19日昼に掛けて、マイナポータルの引っ越しサービスが利用不能となる[863]。システムの定期再起動時に意図せずアプリケーションが更新され、電子署名付与機能が無効となったもの[864]
  • 2023年10月10日、全国多数の自治体において署名用電子証明書の「更新・再発行(住所変更、氏名変更、利用停止からの復旧など)」が不能となった[865][866]。発行済み証明書の「利用」は可能。原因は、地方公共団体情報システム機構 (J-LIS) のシステム障害[867]。翌10月11日復旧[868][869]
  • 2023年10月17日、京都府京都市の住民基本台帳ネットワークサーバーで障害が発生[870]。終日マイナンバー関連業務が利用不能となった[871]。翌10月18日復旧[872]
  • 2024年3月9日14時26分から17時10分頃、マイナポータルで、保険資格情報、薬剤情報、医療費通知情報が取得できない状況が発生[873][874]。確定申告書の作成に影響があった[875]

コンビニ交付サービス関連障害(富士通Japan関連)[編集]

地方公共団体情報システム機構によると、コンビニ交付サービスは2022年度は2,100万通の利用があり、2023年度は3,000万通[876]を見込む。2023年5月7日時点でカードの申請件数は約9,671万件[27]である。

  • 2023年
    • 3月27日、神奈川県横浜市のマイナンバーカードを使用したコンビニ交付サービスにおいて、別人の公的書類が連続して発行された[877]。河野太郎デジタル大臣は、3月31日の定例記者会見[878]において「個人情報漏えいにもあたる事案です。大変重要な問題であり、遺憾に思っております」と前置きしたうえで、「マイナンバーカードの信頼性に影響するものではありません」と発言した[879][880]。3月30日、ベンダーの富士通Japanはホームページに謝罪文を掲載した[881]
    • 5月1日、東京都足立区及び富士通Japanは、同区のマイナンバーカードを使用したコンビニ交付サービスにおいて、別人の公的書類が連続して発行された事を公表した[882]。2023年3月27日に横浜市で起きた事態を受け富士通Japanが調査し判明した。同年3月22日、住民票の写し1件3人分、同年4月18日、印鑑登録証明書1件1人分が区内コンビニにおいて誤交付された。報道によれば、横浜市の誤交付の原因とは別のバグで、コンビニ交付の印刷処理が2件以上同時に実行された為、起きたとの事である[883][884][885][886]。同日、富士通Japanは謝罪文を掲載[887]
    • 5月2日、神奈川県川崎市宮前区のコンビニにおいて、男性が同市のマイナンバーカードを使用したコンビニ交付サービスを利用し戸籍証明書を取得しようとしたところ、別人の同書が発行される障害が発生した。同市は同日午後1時30分ごろよりシステムを停止。3日6時30分より、今回誤発行された戸籍関係を除き、住民票、印鑑証明、非課税証明関係のコンビニ交付は再開[888][889][890]、同月9日午前7時30分より、すべてのサービスを再開した[891]。5月9日、富士通Japanは謝罪文を掲載[892]
    • 5月9日、一連の不祥事を受け、河野大臣は富士通Japanに対し、採用している約200の自治体の「MICJET マイナンバーカード利用公的証明書コンビニ交付サービス」の一時停止と再点検を要請した[893][894][895][896]
    • 5月11日、徳島県徳島市は2023年3月27日に、同市のマイナンバーカードを使用したコンビニ交付サービスにおいて、別人の公的書類が発行された事を公表した。徳島市に住民票を置いている者が同県小松島市内のコンビニで自身の同カードを使用し住民票の発行申請したところ、同時刻に香川県高松市のコンビニでこちらも自身の同カードを使用し戸籍証明書を申請した人(本籍 徳島市)の戸籍証明書が誤って発行された。徳島市役所は、同市に新たに設置された証明書の発行端末が原因で、コンビニの交付システムが不具合を引き起こしたと発表した。当該発行端末を撤去し、富士通Japanによるメンテナンスも完了した[897]と発表したが、横浜市などで富士通Japanが提供するシステムによる証明書の誤発行が相次いだことを受け、点検のため一時停止する予定である[898][899]。5月12日、富士通Japanは謝罪文を掲載[900]
    • 5月16日、コンビニ交付サービスにおいて、抹消されたはずの印鑑証明書が発行される事象が、熊本市で5件、さいたま市で3件、新潟市で3件、全国で計11件発生したと総務省が発表した[901]。いずれも、富士通Japanのシステムを使用した際のトラブルであった[902][903]。富士通Japanは謝罪文を掲載[904]

現在(2023年5月18日)までに公表されているコンビニ交付サービス関連障害はすべて、富士通Japanのシステムが原因となっている。一連のシステム障害を受け、親会社の富士通は、5月19日、本件を謝罪すると共にシステム品質改善策を発表した[905]。5月24日、富士通の時田隆仁社長は同社の経営計画説明会において、行政の信頼を損ねたとして謝罪した[906][907]

  • 6月1日、埼玉県さいたま市で、住民票に旧姓を併記する申請をしたのに、併記されずに発行される事象が発生。システム総点検で検知。誤発行日は2021年9月27日。原因はデータ修正漏れ[908]
  • 6月20日、総務省[909]、デジタル庁[863]と富士通[910]は、富士通Japanが関与していた全国123自治体のシステム点検が完了したと発表した[911][912]。6月26日、富士通の時田隆仁社長は同社の株主総会において、富士通Japanの誤交付問題が一連のマイナンバー不安の発端になったと、改めて謝罪した[913]
  • 6月28日、福岡県宗像市で、住民票の誤交付が発生(市役所庁舎内のセルフサービスコーナー)[914]。同市の交付システムは富士通Japan製。一斉点検は行なったものの、2019年当時のバグを改修できていなかった[915][916]。富士通は改めて全国123自治体のシステムを再点検する[917]
  • 7月7日、個人情報保護委員会が、富士通Japan、および横浜市、東京都足立区、川崎市、徳島市の4自治体に行政措置を検討していると報じられた[918]
  • 7月11日、河野太郎デジタル大臣は、富士通Japanのシステム再点検結果を発表した[919]。全国123自治体のうち、47自治体は全ての改修を適用済み。44自治体(福岡県宗像市を含む)は別人の証明書を誤交付するバグが残存。32自治体は左記バグは改修済みだが他の改修が未適用[920]
  • 7月14日、富士通は、コンビニ交付システムの再改修計画を公表した[921]

富士通Japanが提供するコンビニ交付システム「Fujitsu MICJET コンビニ交付」は、請負契約ではなくクラウドサービスとして1年単位の利用契約であり、自治体側は請負契約のような精緻な検収試験が出来る状況になかったとされている[922]

  • 9月14日、新潟県上越市は、富士通Japanに対して損害賠償請求を検討していることを表明した[923]。9月29日、新潟県新潟市も損害賠償請求・委託料の減額請求を行なう方針を表明した[924]
  • 9月20日、個人情報保護委員会は第254回定期会議[925]を開催。コンビニ交付サービスに関し、富士通Japan、宗像市、足立区、川崎市への行政指導を決定した[926][927]。富士通Japanに対しては、個人情報保護法146条[注 87]に基づく報告を10月31日までに提出するよう指示した。同9月20日、富士通Japanは謝罪文を掲載[928]。足立区もコメントを発表[929]
  • 2024年4月16日、香川県高松市がコンビニ交付の誤交付を発表[930][931]。同市のコンビニ交付システムは富士通Japan製。2024年1月4日に導入したもの[932]。同社は前年に総点検をしていたにも関わらず誤交付を発生させたことに対し、総務省は富士通へ行政指導を実施[933][934]。同日、富士通は謝罪分を掲載[935]。富士通Japanも謝罪文を掲載し[936]、その中で障害の原因として単一サーバー用のプログラムを適用したと述べた(高松市は複数のサーバー構成であった)[937]

コンビニ交付サービス関連障害(富士通Japan以外)[編集]

  • 2023年
    • 5月19日、愛媛県今治市は、コンビニ交付サービスにおいて、抹消されたはずの印鑑証明書が発行される事象2件が、2023年2月と2023年3月に発生したと発表した。今治市に住んでいた人が、市外に転出すると印鑑登録は抹消されるが、その後、今治市内に転入した際に、有効な印鑑登録がないにもかかわらず印鑑証明書が発行された。今治市のコンビニ交付システムは、株式会社IJC(本社:愛媛県今治市)が受託運営しており、5月16日に修正対応し、同日今治市に報告した。富士通Japan以外が手掛けるコンビニ交付システムで、トラブルが報告されたのは初めて[938][939]
    • 6月1日、徳島県板野町で、町内で引越した住民が同年5月3日・5日にコンビニ交付サービスを利用したところ、引越前の住所が記載されたものが発行された[940]。別の自治体から町内へ引越した者が、5月18日に住民票が発行されない事象が発生。いずれも原因はシステムの設定誤り[941]。5月18日に設定を改修。19日以降は正常稼働している。
    • 9月25日午前8時過ぎ、京都府京都市にてコンビニ交付サービスが利用不能となる。同市のコンビニ交付システムは富士通Japan製ではない[942]。同日午後3時25分頃復旧[943]。原因はネットワーク障害[944]
    • 11月7日、コンビニ交付サービスにおける誤表記が、2022年度に10件(すべて2023年3月発生)、2023年度4月から6月に49件、7月以降に7件の計66件あったことを発表[945]。主に古い住所が記載されるケースや字体の誤り。衆議院総務委員会にて鈴木淳司総務大臣と山野謙自治行政局長が答弁した[946]

成り済まし[編集]

  • 2020年7月8日、石川県警察珠洲警察署は、他人になりすまして石川県能登町の家族5人分の新型コロナ給付金を不正に申請・詐取した容疑で、愛知県名古屋市在住の無職50代男性を逮捕した。被害者家族が給付金が入金されないことを不審に思い、町役場に問いあわせて発覚した[947]。容疑者は自身の氏名(森進一)と同姓同名の人物を、生年月日・住所と共にインターネットで検索し、発見した人物になりすまして新型コロナ給付金をオンライン申請した。オンライン申請は自身のマイナンバーカードを用いて行なったが、当時の申請システムは生年月日と住所を書き換えることができる仕様であった。被害者の家族5人はマイナンバーカードを所持していなかった[948]。容疑者は北海道と福島県でも同様のなりすまし申請をしていたが[949]、能登町以外の自治体では別人からの申請であると判断し、入金されなかった[950]。11月25日、金沢地方裁判所は有印私文書変造・同行使、詐欺などの罪で懲役2年6ヶ月、執行猶予4年(求刑懲役2年6ヶ月)の判決を言い渡した[951]
  • 2023年2月7日、新潟西警察署新潟県警察生活保安課は、新潟市在住の別人に成りすまし、その名前で自分の顔写真入りのマイナンバーカードを新潟市西区役所に発行させたとして、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律違反などの容疑で、東京都豊島区在住で会社役員の男性(40歳)と、長野県上田市在住で建設作業員の男性(69歳)を逮捕した。不正なマイナンバーカードは発行され、2020年7月27日に交付されていたが、成りすまされた人物が同カード発行時に既に死亡していた為、事件が発覚した[952]
  • 2023年2月26日、大阪府南警察署が窃盗容疑でタイ国籍の17歳少女(以下、少女)を緊急逮捕した際、少女は本人及び他人名義の複数の身分証を所持していた[953]。警察での取調時に、少女は自身の物であると風俗店従業員20代女性(以下、成人女性)のマイナンバーカードを示したが、捜査員はその偽りを見抜けず[954]、検察の確認にも不備が有り、少女が成人女性として起訴された。政府は24時間365日のカード紛失受付コールセンターを運営していて[955]カードの盗難届は26日の少女逮捕時点、既に成人女性本人から提出されていたが[956]、確認作業がなされる事は無く、捜査員は専ら、同カードの内容と供述が一致し顔写真も少女の顔と似ている事から少女を成人女性本人と断定[957]、同年3月17日[958]大阪地検もそのまま成人女性として起訴した。起訴後のやり取りの中で疑問を感じていた担当弁護士が少女に再確認すると、自らの名前・年齢、国籍等を告白した為[957]、同年4月5日[954][959]、同弁護士が担当検事に身元に関する補充捜査を要請[957]、別人と発覚[954][959]した。大阪地検は刑事裁判を打ち切る公訴棄却を大阪地裁に申し立て、同年4月12日の初公判において裁判官は検察側の請求通り、公訴棄却の判決を言い渡し、地検は改めて少女を大阪家裁に送致した。今回の捜査(人定)について、同府警の刑事総務課長は「身分証明書をうのみにしており、家族にあたるなどより緻密な捜査を尽くすべきだった」[954]と発言している。
  • 2023年9月26日、新潟県上越警察署新潟県警察サイバー犯罪対策課は、上越市の無職男性 (52) を、私電磁的記録不正作出・同供用、およびマイナンバー法違反の容疑で逮捕した[960]。容疑者は2021年3月11日、他人の申請書ID[961]に自身の顔写真を添付してマイナンバーカードの発行を虚偽申請。同年5月10日に不正取得した。2022年4月に不正取得された本人からの発行申請があり、既にマイナンバーカードを発行済みであったことから事件が判明した[962][963]。10月19日、不正取得したマイナンバーカードを用いて上越市へ「臨時特別給付金兼灯油購入費助成金支給要件等確認書」を提出し、臨時特別給付金10万円、灯油購入費助成金5千円の計10万5千円を不正受給したとして、有印私文書偽造・同行使と詐欺の疑いで再逮捕した[964][965]。容疑者は、成りすました人物の住所を自己の居住地へ移したり、銀行口座を開設するなどの余罪もあると見られている[966]。2024年1月19日、不正作成のマイナンバーカードを用いて「金融機関で口座開設」「ネット銀行で口座開設」「クレジットカード作成」「住民票の不正取得」「自動車登録の不正変更」「携帯電話契約」の6件を行った容疑で新潟地方検察庁高田支部へ送致した[967]

詐取[編集]

  • 2023年5月2日、埼玉県川口市のマイナンバーカードのポイントの申し込み支援窓口で働いていた、人材派遣会社 フルキャスト所属のアルバイト男性職員(32)(以下、同社、同職員)が、市民に付与される筈のポイントを詐取する事件が起きた。同社は同市から支援窓口の業務委託を受けていた。市民2人が1カ月以上経っても付与されない事を不審に思い、同市などに相談。同市が調査を行ったところ、市民2人への付与先はnanacoカードで、共にポイント付与の行われた同カードの番号データと市民2人が所有する同カードのそれが違う事が判った。セブン・カードサービス等への問い合わせの結果、同職員がコンビニなどで不正付与ポイントを消費した疑いが浮上、同社の方で事情を聴いたところ、盗みを認めた。ポイント申込手続き中に、市民の用意した同カードと自らの用意したそれをすり替え、不正にポイントを付与した[970][971][972]。2023年5月11日、埼玉県八潮市は、同職員が同市においても市民2人・4万円分を詐取していた事を公表した[973][974]。同社は、全国29自治体から同様の窓口業務を受託、埼玉県内では川口市、八潮市、狭山市、日高市、草加市、白岡市より引き受けている。同職員は他のアルバイトを指導する立場であり、同市のみならず県内の別の自治体でも同様の業務を担当、作業に精通していた[971][972]
  • 2023年12月5日、長崎県佐世保市が、同市の戸籍住民窓口課に勤務する会計年度任用職員の女性 (24) を懲戒免職処分とした。同職員は交付前のマイナンバーカードのパスワードを専用端末で書き換え、マイナポイント7,500円相当を詐取した[975]。交付を受けた市民が、既にマイナポイント申請済みであることを問い合わせ、職員の不正が判明した。他に数件の類似行為があると述べている[976]。他にも通勤手当177,840円の不正受給、市営高砂駐車場無料サービス券の不正使用も行なっていた[977]。不正受給分は全額弁済済み[978]。2024年2月29日、長崎県警察佐世保警察署は同職員をマイナンバー法違反、電子計算機使用詐欺罪などの疑いで書類送検した[979]。不正取得したマイナポイントは7人分52,500円相当[980][981]
  • 2024年3月8日、北海道警察厚別警察署は、70代女性の詐欺被害事件を発表。被害者はスマホのビデオ通話機能を用いて、マイナンバーカードの画像や本人の容貌画像を詐欺グループへ送信。詐欺グループがその情報でeKYCを認証させ、ネット銀行へ被害者名義の口座を作成した[982][983][984]

偽造[編集]

  • 2023年12月4日、警視庁国際犯罪対策課は、大阪市大正区の無職で中国籍の女性 (26)を、出入国管理及び難民認定法違反と有印公文書偽造の疑いで逮捕した[985]。直接の容疑は、マイナンバーカード9枚と在留カード13枚の偽造。家宅捜索では白紙のプラスチック板が約750枚が押収され[986]、パソコンには偽造用データが約3,000件あった[987]。各種証明書の偽造は1万枚に及ぶ可能性がある[988]。偽造は券面のみで、電子証明書は偽造されていないと見られる[989][990]。12月8日、河野太郎デジタル大臣は、本事件でICチップ・電子証明書の偽造は無かったと発表した[注 88][991][992]

世論調査・報道の動向[編集]

世論調査[編集]

2023年7月実施のNHK世論調査では、マイナンバーの利用範囲を拡大する政府の方針に対し、全体では賛成:35%、反対:49%だったが、18歳から39歳の世代では賛成:53%、反対:35%と賛成が過半数であった。従来の健康保険証を廃止しマイナンバーカードへ一体化させる政府の方針についても、若い世代(18歳-31歳)ほど「予定どおり廃止すべき」との回答(全世代平均22%に対し、若い世代33%)が多い傾向があった。しかし、若い世代でも「廃止の方針を撤回すべき」との回答(全世代平均35%、若い世代34%)の方が1%多かった[993]

この傾向は2023年6月実施の朝日新聞の全国世論調査でも同様で、健康保険証とマイナンバーカードの一体化(賛成/反対)、マイナンバーの利用範囲拡大(期待/不安)、政府のトラブル対応(適切/不適切)のいずれも、若い世代ほど好感を示し、高齢世代は反発している[994]。2023年7月実施の共同通信社全国世論調査もマイナンバーカードの保有意向を調査した。他の調査結果と同様に、若年層(30代以下)は73.5%が保有・所持する意向を示すが、高年層(60代以上)は58.4%に下がっている[995]。ジャーナリスト佐々木俊尚は、高齢層のこの傾向はテクノフォビアであろうと分析している[996]


報道・政争化への批判[編集]

ICPF情報通信政策フォーラムでのシンポウジムによると、マイナンバーカードの登録ミスは0.07%であること、住基ネットの最高裁判決のために「データ分散管理」する複雑なシステムが作られた。しかし、国民には最高裁判決による制限など関係ないので、「マイナポータルは使いにくい」と批判する流れなっている。日本経済新聞の大林尚記者はこれを解きほぐす責任の一端はメディアにもあると述べている[997]

アメリカ人経済アナリストのジョセフ・クラフト[998]は、欧米の感覚からすると、1億数千万人へ普及しようとすると当然トラブルは起こるものとし、カードの総数に対する僅かなミスへの過度な批判はおかしいと指摘している[999]ノーミス前提社会[1000](ノーミス社会)はイノベーションを阻害し、日本社会の弱点であると問題視している。

アメリカ人タレントパックンは、マイナンバーカードを持っていると住民票が必要なときに役所に取りに行かずにコンビニで発行出来るなど、「マイナカードあれば、結構便利になってきてるんですよ」と語っている。彼は2023年7月時点で9730万枚のマイナンバーカードが発行されているため、ミス0は難しく、アメリカなど海外ではミスは起こるものの、発生ごとに訂正することでより良いシステムにしていると語っている。そして、日本がノーミス主義のままでは、「全部ちゃんとならないとダメというと日本のデジタルは遅れていく」と批判している。制度移行中なので様々なタイプのミスが発生自体はしているものの、「日本はノーミス主義が高まり過ぎている」と指摘し、国際弁護士山口真由も「そう思います」と同意している[1001]

石川智久日本総合研究所上席主任研究員[1002]は、「日本のメディアの報道では旧来の制度の問題が報道されず、政治闘争の道具にされている。マイナンバーカードのメリットとデメリット、改善状況などを判断する必要がある」とし、報道に偏りがあると指摘している[1003]


経済学者高橋洋一によると、2023年5月末時点でマイナンバーカード関連のトラブルは以下の4つに類型化され、1-2は利用者のミス、3は健康保険組合のミス、これらは作業の自動化で減らせるタイプの人為的ミスだとしている。そして、4は「システムに負荷がかかったときに、エラーが出ずに前の情報で処理される」とシステム問題でマイナンバー所有者には何の落ち度もなく、システム会社が責任を負うべきミスだと分類している[1004]

  1. 公金受取口座における家族(親)の口座登録・(他人の)誤登録
  2. マイナポイントの誤付与
  3. マイナ保険証の誤登録
  4. コンビニにおける別人の証明書の発行(システム問題)[1005]

(1)の家族名義口座への登録は13万件であり、公金受取口座全体5400万件中の0.2%である。デジタル庁は「登録者本人と異なる名義の口座を公金受取口座として登録することはできません」と案内しているものの、子供の銀行口座を作っていない親が代わりに自分の口座を登録したこと、マイナンバーカード情報の氏名登録は「漢字のみ」で金融機関は「カタカナふりがなのみ」でシステムでの照合が出来ないために起きている[1006]

そして、家族ではない者の誤登録は748件で0.001%である。家族ではない者の誤登録は、自治体の支援窓口の共用端末で発生している。原因としては、マイナポータルの利用者が自分の手続きを終えた後にログアウトしなかったこと、同端末で次に手続きした利用者がそのまま手続きしたこと、これらによって前の利用者のアカウントに次の利用者の口座情報が上書きされたことにある。(2)も前の利用者が共用端末でログアウトせず、次の利用者がそのままマイナポイント付与の登録をしたことで起きている。

(3)は7000件あり、登録全体の0.0056%である[1007]こちらの原因は、健康保険組合が健康保険証とマイナンバーカードをひも付けする際に、同姓同名の他人や生年月日が同じ他人を登録したことで起きたものである。高橋は「ミスが無い方が良いものの新しいことを始める時には避けられない」とし、「マスコミは全体からするとレアなミスを大きく報道して煽る」と批判している。新制度移行時における一時的なミス、移行しないときの永続的なデメリットの双方ををよく比較考慮すると良いと述べている[1008]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b c 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」『elaws.e-gov.go.jp』e-Gov法令検索。2023年8月19日閲覧

    (定義)
    第二条 7 この法律において「個人番号カード」とは、氏名、住所、生年月日、性別、個人番号その他政令で定める事項が記載され、本人の写真が表示され、かつ、これらの事項その他主務省令で定める事項(以下「カード記録事項」という。)が電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によって認識することができない方法をいう。第十八条において同じ。)により記録されたカードであって、この法律又はこの法律に基づく命令で定めるところによりカード記録事項を閲覧し、又は改変する権限を有する者以外の者による閲覧又は改変を防止するために必要なものとして主務省令で定める措置が講じられたものをいう。
  2. ^ a b インターネット版官報 | 平成27年4月3日(本紙 第6506号)」『kanpou.npb.go.jp』国立印刷局、2015年4月3日。2023年6月14日閲覧
    行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行期日を定める政令(平成27年政令第171号)(平成27年4月3日公布)

    行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行期日は平成二十七年十月五日とし、同法附則第一条第四号に掲げる規定の施行期日は平成二十八年一月一日とする。
  3. ^ この点は、自動車原動機付自転車運転手にとっての運転免許証日本の外国人外交官在日米軍関係者を除く)にとってのパスポート在留カード中華民国台湾)における中華民國國民身分證、中華人民共和国における居民身分証大韓民国における住民登録証とは異なる。
  4. ^ 新生児にはその住民票に自動的に付番され、世帯主に通知される。
  5. ^ 外国に居住する日本人には付番されていない。
  6. ^ もっと知りたい!カードの保険証利用のあれこれ!」『www.mhlw.go.jp』厚生労働省。2023年7月18日閲覧

    Q14.医療機関・薬局がマイナンバー(12桁の番号)を取り扱うのですか。

    A14.医療機関・薬局がマイナンバー(12桁の番号)を取り扱うことはありません。マイナンバー(12桁の番号)ではなく、マイナンバーカードのICチップ内の利用者証明用電子証明書を利用します。
  7. ^ マイナンバーカードが健康保険証として利用できます! (pdf)」『デジタル庁』www.digital.go.jp、2021年10月20日。2023年7月3日閲覧

    マイナンバー(12桁の数字)は使いません!
    マイナンバーカードの健康保険証利用には、ICチップの中の「電子証明書」を使うため、マイナンバー(12桁の数字)は使われません。
  8. ^ a b 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」『elaws.e-gov.go.jp』e-Gov法令検索。2023年8月19日閲覧

    (定義)
    第二条 8 この法律において「特定個人情報」とは、個人番号(個人番号に対応し、当該個人番号に代わって用いられる番号、記号その他の符号であって、住民票コード以外のものを含む。第七条第一項及び第二項、第八条並びに第四十八条並びに附則第三条第一項から第三項まで及び第五項を除き、以下同じ。)をその内容に含む個人情報をいう。
  9. ^ 新生児にも出生届の約1ヶ月後に付番され世帯主に通知される。
  10. ^ 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」『elaws.e-gov.go.jp』e-Gov法令検索。2023年8月19日閲覧

    (指定及び通知)
    第七条 市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)は、住民基本台帳法第三十条の三第二項の規定により住民票に住民票コードを記載したときは、政令で定めるところにより、速やかに、次条第二項の規定により機構から通知された個人番号とすべき番号をその者の個人番号として指定し、その者に対し、当該個人番号を通知しなければならない。
  11. ^ a b c 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」『elaws.e-gov.go.jp』e-Gov法令検索。2023年8月19日閲覧

    (個人番号カードの発行等)
    第十六条の二 機構は、政令で定めるところにより、住民基本台帳に記録されている者の申請に基づき、その者に係る個人番号カードを発行するものとする。
  12. ^ 新生児には新しく付番される。
  13. ^ 2015年に通知カード(2020年5月からは個人番号通知書)を郵送することで本人に通知した。
  14. ^ a b 2024年3月末時点
  15. ^ マイナンバーカードの普及に関するダッシュボード”. www.digital.go.jp. デジタル庁. 2024年2月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年2月23日閲覧。

    お知らせ
    ・2024年2月19日
     「マイナンバーカードの普及状況」に関して、2024年4月頃に有効申請件数・交付枚数・登録件数から保有数へと掲載データを変更するリニューアルを予定しています。そのため、2024年1月22日以降はデータの更新を停止します。
  16. ^ 2023年(令和5年)1月1日時点の住基人口、125416 千人

    住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(令和5年1月1日現在)」『www.soumu.go.jp』2023年7月26日。2023年9月9日閲覧
  17. ^ a b 年間死亡者数は約1,300千人である。

    2018年 我が国の人口動態 p.15、厚生労働省政策統括官(統計・情報政策担当)、2018年3月
  18. ^ デジタル田園都市国家構想基本方針 令和4年6月7日 閣議