ポンポン

ポンポンを使ったブルガリアの飾り

ポンポンは、玉房状の飾りである。服飾の用語としては毛糸やリボン、毛皮などで作った小さな飾り玉のこと。切り玉である。英語ではボンボンとも呼ぶ[1]

概要[編集]

玉房状の飾りであるポンポンは室内装飾のほか、キーホルダー携帯ストラップニット帽マフラーシュシュなどにも用いられている。

語源[編集]

一般にはフランス語のpomponからの外来語と考えられている[2][3]。フランス語では、玉房(たま・ぶさ)をポンポン(pompon)と呼ぶ[4]。玉房とは先を丸くした房(ふさ)である。房とは花や実が実り垂れている様子、糸などを束ね先をたらした飾りである[5]

派生[編集]

チアリーダーが使用するポンポン
運動会でのポンポン(スズランテープ製)を使った踊りによる集団演技
ポンポンダリア

上記の用法から派生して、チアリーダーなどが応援などで使用する用具[6]ダリアの品種[6]など、各種の玉房状のものを「ポンポン」と呼ぶことがある[7]

応援用具[編集]

応援用具としてのポンポンは、1930年代にジム・ハズルウッドが考案した[8]。この頃のポンポンはクレープ紙やティッシュペーパーなどの紙を使っており、劣化しやすく雨の日など悪天候の時は使用できなかった[8]

その後南メソジスト大学チアリーダーで、全米チアリーダー協会の初代会長を務めたローレンス・ハーキマーは、ポンポンの持ち手が隠れるようにしたものに改良[8][9]、更に1965年にはフレット・ガストフが材質を紙からビニールへと変更したものを開発した[9]

今日では二軸延伸ポリエステルフィルム(BoPET)製のものも用いられる[10]

また、日本では右記の画像のように、スズランテープによって作られたものを使用することもある。

擬音語・擬態語[編集]

フランス語由来と考えられている上記のポンポンとは別に、日本語では「ポンポン」は物や人の状態をさす擬音語擬態語として用いられる[3]。具体的には「跳ねる音」「無造作に言葉が出る様子」「膨らんだ様子」を指す[6]

また、擬音から派生して、焼玉エンジンを使った小型の船舶は「ポンポン船」と呼ばれる[3][6]

静岡県の方言では、ポンポンはオートバイを指す[11]。詳しくは、本田技術研究所 (旧)

脚注[編集]

  1. ^ 同文書院『新 田中千代 服飾辞典』
  2. ^ 新村出編『広辞苑』第六版、岩波書店
  3. ^ a b c 日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典』第二版、小学館
  4. ^ 大修館書店『スタンダード和佛辞典』
  5. ^ 集英社『国語辞典』
  6. ^ a b c d 講談社『くらしの言葉 擬音擬態語辞典』山口仲美著 p536
  7. ^ 『現代用語の基礎知識』1999年版、自由国民社
  8. ^ a b c Omni (2012年3月5日). “History of Cheerleading Pom Poms”. Omni Blog. 2022年7月17日閲覧。
  9. ^ a b チアリーディングの歴史”. エイティズチア. 株式会社エイティズチア. 2022年7月17日閲覧。
  10. ^ Poms”. Superior Cheer. 2023年6月11日閲覧。
  11. ^ 静岡新聞社『えーらしぞーか ―静岡方言誌』

参考文献[編集]

  • ポンポン”. コトバンク. 朝日新聞社. 2017年2月18日閲覧。
  • Pompon”. Merriam-Webster Dictionary. Merriam-Webster. 2017年2月18日閲覧。
  • Pom-pom”. Merriam-Webster Dictionary. Merriam-Webster. 2017年2月18日閲覧。
  • Pompon”. The Free Dictionary. Farlex. 2017年2月18日閲覧。

関連項目[編集]