ボルチモア・レイブンズ

ボルチモア・レイブンズ
Baltimore Ravens
創設 1996年2月9日 (28年前) (1996-02-09)
NFL参入 1996年シーズン
所属地区

  • NFL(1996-現在)
    • AFC(1996-現在)
北地区(2002-現在)
中地区(1996-2001)
チームデザイン
チームロゴ

レイヴン(ワタリガラス)の頭にボルチモアの「B」。[注 1]
チームカラー
 
 
  メタリックゴールド
ユニフォーム
チーム名
  • ボルチモア・レイブンズ(1996-現在)
ホームタウン
1996-現在の位置(アメリカ合衆国内)
1996-現在
1996-現在

メリーランド州ボルチモア(1996-現在)

M&Tバンク・スタジアム
 PSIネット・スタジアム
 レイブンズ・スタジアム・アット・カムデン・ヤーズ
(1998-現在)
メモリアル・スタジアム(1996-1997)

永久欠番
  • なし
獲得タイトル
スーパーボウル・チャンピオン (2回)
カンファレンス・チャンピオン (2回)
AFC
  • 2000
  • 2012
地区優勝 (7回)
AFC北地区
  • 2003
  • 2006
  • 2011
  • 2012
  • 2018
  • 2019
  • 2023
ワイルドカード(7回)
  • 2000
  • 2001
  • 2008
  • 2009
  • 2010
  • 2020
  • 2022
プレーオフ進出(14/28回)
  • 2000
  • 2001
  • 2003
  • 2006
  • 2008
  • 2009
  • 2010
  • 2011
  • 2012
  • 2018
  • 2019
  • 2020
  • 2022
  • 2023
球団組織
オーナー スティーブ・ビスシオッティ
GM オジー・ニューサム
ヘッドコーチ ジョン・ハーボー

ボルチモア・レイブンズ英語: Baltimore Ravens、略称: BAL)は、アメリカ合衆国メリーランド州ボルチモアに本拠地をおくNFLチーム。AFC北地区に所属している。 第35回第47回スーパーボウルで優勝している。

レーベンズ」と表記される場合もある。一例として、NHK-BSでの試合中継は、画面表示は「レイブンズ」、新聞のテレビ欄は「レーベンズ」となっている。

元々のチーム名はクリーブランド・ブラウンズ(初代)であったが、オーナーのアート・モデルによるチームの移転に反発したクリーブランド市民に配慮して、ブラウンズの名はクリーブランドに残し、1996年にボルチモアにチームが移転する際に「レイブンズ」と改名、過去のフランチャイズヒストリーを引き継がず、形式上は新チームということで発足した。愛称の由来は、ボルチモアにゆかりのある作家エドガー・アラン・ポーの「ザ・レイヴン(大鴉)」より。レイブンはワタリガラスのことであり、チームマスコットもワタリガラスである(後述)。

クリーブランドには、その後エクスパンションでクリーブランド・ブラウンズが復活した。ブラウンズのフランチャイズヒストリーは、この新生ブラウンズに引き継がれている。

歴史[編集]

マーチブローダHC時代[編集]

レイブンズ創設者で2003年までオーナーを務めたアート・モデル

1996年ドラフトでは1巡に2つの指名権を持っており、全体4位でジョナサン・オグデン、全体22位でレイ・ルイスを獲得した。開幕戦でオークランド・レイダースを破ったものの4勝12敗に終わった。その中で、マイケル・ジャクソンがリーグトップの14TDレシーブをあげた。

1997年フロリダ州立大学から加入したピーター・ボウルウェアが11,5サックをあげて、AFCの最優秀新人守備選手に選ばれた。この年チームは6勝9敗1分、10月26日の試合では、同じメリーランド州に本拠地を置くワシントン・レッドスキンズジャック・ケント・クック・スタジアムでレギュラーシーズンの試合では初対戦し勝利している。

1998年シーズン開幕前、QBビニー・テスタバーディが退団し、ニューヨーク・ジェッツに去り、ジム・ハーボーエリック・ザイアーが先発QBを務めた。ピッツバーグ・スティーラーズからロッド・ウッドソンが加入、プリースト・ホームズが1000ヤードラッシャーとなった。この年チームは6勝10敗でシーズンを終えた。11月29日には、かつてボルチモアを本拠地としたインディアナポリス・コルツを本拠地に迎え、38-31で勝利した。

1999年テッド・マーチブローダに代わってブライアン・ビリックがヘッドコーチに就任した。セントルイス・ラムズから獲得したトニー・バンクスは、キャリア最高の17TD、QBレイティング81.2の成績を残した。WRカドリー・イスマイルは1000ヤードを獲得した。チームは最初の11試合を4勝7敗で終えたが、 そこから8勝8敗でシーズンを終えた。

ビリックHC時代[編集]

第35回スーパーボウルのリング
2001年6月8日、ホワイトハウスに優勝チームメンバーが招かれた際、ジョージ・W・ブッシュ大統領にボールとジャージをプレゼントするビリックヘッドコーチ

2000年3月27日、レイブンズの49%の株が、アート・モデルからスティーブ・ビスティオッティに売却された。ビスティオッティは、残り51%の株も3億2500万ドルで2004年4月9日に買い取った。

この年、マービン・ルイスディフェンスコーディネーターの下、レイ・ルイス率いる強力な守備陣は、NFL新記録となる165失点しか相手に与えなかった。レギュラーシーズンが16試合制になってからのそれまでのNFL記録は、1985年シカゴ・ベアーズの187失点であった。レイ・ルイスは最優秀守備選手に選ばれ、ルイス、サム・アダムズ、ウッドソンがプロボウルに選ばれた。

開幕からトニー・バンクスが先発QBを務め、3勝1敗のスタートを切ったが、10月にはオフェンスがタッチダウンを1つもあげられず、5勝4敗となったところで、トレント・ディルファーが先発QBとなった。新人RBジャマール・ルイスが1364ヤードを走った。オフェンスが5試合連続でタッチダウンをあげられなかった間も、ディフェンスの活躍で2勝し、シーズン最後の7試合を全勝して、12勝4敗でシーズンを終え、プレーオフ初出場を果たした。ワイルドカードプレーオフでは、本拠地PSIネット・スタジアムでデンバー・ブロンコスを21-3で破った。ロードとなったディビジョナルプレーオフのテネシー・タイタンズ戦では、10-10で迎えた第4Qにアル・デル・グレコのFGをブロックし、アンソニー・ミッチェルがリターンTD、レイ・ルイスのインターセプトリターンTDもあり、24-10で勝利した。オークランド・レイダースとのAFCチャンピオンシップゲームでは、第2Q初めのシャノン・シャープへの96ヤードのTDパス、相手QBリッチ・ギャノンを負傷退場に追い込み、16-3で勝利した。タンパで行われた第35回スーパーボウルではニューヨーク・ジャイアンツ戦では、ディフェンスが4サックをあげるとともに、5回のターンオーバーでボールを奪い、34-7で勝利した。ジャイアンツの得点は、キックオフリターンでの1TDのみであり、第6回スーパーボウルダラス・カウボーイズ第7回スーパーボウルマイアミ・ドルフィンズに続いて、3チーム目のスーパーボウルで相手オフェンスにタッチダウンを許さなかったチームとなった。ワイルドカードから勝ち上がったチームとしてのスーパーボウル制覇も史上3チーム目であった。MVPはラインバッカーのレイ・ルイスでディフェンスの選手としては珍しくスーパーボウルMVPに選ばれている。

2001年エルビス・ガーバックが先発QBとなった。ジャマール・ルイスがトレーニングキャンプの初日にシーズン絶望となったこともあり、オフェンスが振るわず、最終週にミネソタ・バイキングスを破り、10勝6敗でプレーオフ出場を果たした。プレーオフ初戦ではマイアミ・ドルフィンズから3回のターンオーバーを奪い、相手オフェンスを151ヤードに抑えて20-3で勝利した。ディビジョナルプレーオフのピッツバーグ・スティーラーズ戦ではガーバックが3インターセプトを喫し、10-27で敗れた。

2002年、チームはサラリーキャップに苦しんだ。この年ドラフト1巡でエド・リードを獲得した。リードは2013年にレイブンズを退団するまでに9回プロボウルに選出されることとなる。この年チームは7勝9敗でプレーオフを逃した。

2003年、ドラフト1巡全体10位でテレル・サッグスを獲得した。また2003年のドラフト2巡、2004年のドラフト1巡指名権をニューイングランド・ペイトリオッツにトレードし、全体19位でカリフォルニア大学カイル・ボーラーを獲得した。ボーラーはこの年開幕から先発QBとなったが、シーズン中盤に負傷し、アンソニー・ライトが先発QBとなった。5勝5敗で迎えたシアトル・シーホークス戦、残り7分で24-41と17点リードされたところから、オーバータイムに持ち込み、44-41で逆転勝利した。最後の6試合で5勝をあげ、10勝6敗で、AFC北地区での初優勝を果たした。ジャマール・ルイスはこの年、エリック・ディッカーソンのNFL記録にわずか39ヤード及ばない2066ヤードを走り、9月14日のクリーブランド・ブラウンズ戦ではNFL記録となる295ヤードを走った。プレーオフのタイタンズ戦でラン攻撃が100ヤードに抑えられ、17-20で敗れた。

2004年ディオン・サンダースを獲得した。チームは7勝9敗でプレーオフを逃した。この年、15勝1敗となったスティーラーズを唯一破っている。

2005年、WRが手薄だったチームは、タイタンズのデリック・メイソンを獲得、ドラフトでマーク・クレイトンを獲得した。6勝10敗に終わったが、マンデーナイトフットボールグリーンベイ・パッカーズを48-3で破り、スーパーボウルチャンピオンのスティーラーズにも勝利した。

2006年、QBスティーブ・マクネアの下、チームは創設以来初めて開幕から4連勝した。この年、シーズン中盤にジム・ファセルオフェンスコーディネーターを解任、その後チームは5連勝し、第13週のシンシナティ・ベンガルズ戦には敗れたもののスティーラーズを敵地ハインツ・フィールドで1TDに抑えて勝利するなど、球団記録となる13勝3敗でシーズンを終えた。インディアナポリス・コルツとのディビジョナルプレーオフでマクネアが2インターセプトを喫し、6-15で敗れた。

2007年、怪我人が続出した。12月16日には、その年まだ未勝利のマイアミ・ドルフィンズに、オーバータイムの末、16-22で敗れた。この年5勝11敗に終わった。12月31日にビリックヘッドコーチは解任され、フィラデルフィア・イーグルススペシャルチームコーチのジョン・ハーボーが後任となった。

ハーボーHC時代[編集]

2008年、QBジョー・フラッコをドラフト1巡目で獲得した。第2週のヒューストン・テキサンズ戦がハリケーン・アイクのため順延されたため、チームはプレーオフを合わせて18週連続で戦うこととなった。スティーラーズ、タイタンズ、コルツに連敗し、2勝3敗となったが、最後の11試合で9勝し、11勝5敗となり第6シードでプレーオフに出場した。フィラデルフィア・イーグルス戦ではエド・リードが相手QBケビン・コルブのパスをインターセプト、自身のNFL記録を更新する108ヤードのインターセプトタッチダウンを決めた。これまでの記録は2004年の106ヤードであった。第16週のダラス・カウボーイズ戦では第4Qにウィリス・マゲイヒーが77ヤードのTDラン、ルロン・マクレインが82ヤードのTDランをあげて、33-24で勝利した。ワイルドカードプレーオフでは、マイアミ・ドルフィンズから4インターセプトを奪い、27-9で勝利した。タイタンズの本拠地LPフィールドで行われたディビジョナルプレーオフでは残り53秒にマット・ストバーのFGが決まり、13-10で勝利した。ハインツ・フィールドでのスティーラーズとのAFCチャンピオンシップでは、14-23と敗れてスーパーボウル進出はならなかった。フラッコはルーキーQBとしてプレーオフで2勝あげた最初のQBとなった。

2009年もワイルドカードでプレーオフに出場を果たしニューイングランド・ペイトリオッツを破ったがインディアナポリス・コルツに敗れてシーズンを終えた。

2010年もプレーオフに進出したが、ディビジョナルプレーオフでピッツバーグ・スティーラーズに破れた。

2011年、チームはレギュラーシーズンでスティーラーズに2勝し、地区優勝を果たしAFC第2シードとなる12勝4敗でシーズンを終えたがカンファレンス決勝で敗れた。

2012年は10勝6敗で北地区を1位で通過。第4シードで迎えることとなったプレイオフ初戦前に、長年守備陣の要として君臨したレイ・ルイスが引退を表明した。ルイスの本拠地最終試合となったインディアナポリス・コルツ戦を24対9で制した後、デンバー・ブロンコスをオーバータイムまでもつれる戦いの末38対35で下し、AFCチャンピオンシップではニューイングランド・ペイトリオッツを28対13で撃破。そして初優勝時以来の進出となったスーパーボウルでは、ヘッドコーチであるジョン・ハーボーの弟ジムが率いるサンフランシスコ・フォーティーナイナーズを34対31で下し、2度目のスーパーボウル優勝を決め、ルイスの花道を飾った。

2014年1月27日、デトロイト・ライオンズのヘッドコーチに就任したジム・コールドウェルオフェンスコーディネーターの後任に、ヒューストン・テキサンズのヘッドコーチだったゲイリー・キュービアックが就任した。オフシーズンの補強でカロライナ・パンサーズで長年活躍したWRスティーブ・スミスやTEオーウェン・ダニエルズ、RBジャスティン・フォーセットらを獲得した。2月15日、RBレイ・ライスとその婚約者(同年3月に結婚)がニュージャージー州アトランティックシティカジノで殴りあったことで逮捕された[1]。この殴り合いでライスの婚約者は意識を失っており、3月27日、ライスは大陪審より第3級加重暴行罪で起訴された[2]。ライスは当初7月24日に2試合の出場停止処分となったが[3]、9月にエレベーター内部でのライスによる暴行のビデオ映像が公開されると、バラク・オバマ大統領まで公式コメントを出すなど非難が集中し、レイブンズは彼を解雇、NFLは無期限の出場停止処分を行った(その後、無期限停止処分は11月末解除された。)[4]。ワイルドカードでプレーオフ出場を果たしたが初戦で敗退した。

2015年1月、オフェンスコーディネーターのキュービアックがデンバー・ブロンコスのヘッドコーチに就任した後、シカゴ・ベアーズのヘッドコーチでブラウンズ時代にもオフェンスコーディネーターを務めたマーク・トレストマンが後任となった[5]。2015年、2016年、2017年と3年連続してプレーオフ出場は逃した。

2018年は、最初の9試合を4勝5敗と苦しみながらも、負傷したジョー・フラッコに替えてQBスターターをラマー・ジャクソン(この年のドラフト1巡目に指名)とした後は7試合を6勝1敗で乗り切り、最終週で地区優勝を遂げた。プレーオフでは初戦で敗退した。シーズンオフ、フラッコをデンバー・ブロンコスにトレードした。

2019年はリーグ最高の勝率で地区優勝を遂げ、プレーオフでもナンバー1シードとなった。だが初戦ではワイルドカードのテネシー・タイタンズに対し4thダウン・ギャンブルを4度失敗して攻撃権を渡し、さらにターンオーバーを3度喫する自滅で敗れた。

2020年新型コロナウイルス感染症の影響に苦しみ、第12週の対ピッツバーグ・スティーラーズ戦では陽性判明者および濃厚接触者の続出により、三度の延期を経て開催されたが、エースQB、トップ2人のWR、そしてトップTEを出場させられずに敗北した。だが最後に5連勝を挙げてワイルドカードでプレーオフに進出した。初戦ではタイタンズを破ったが、二戦目ではビルズに対し、試合途中でQBラマー・ジャクソンが脳震盪で退場し敗れた。

2021年は11戦目まで8勝3敗と好調であったが、ラマー・ジャクソンが負傷し、12戦目から6連敗を喫して地区最下位となりプレーオフを逃した。そのうち5試合は3点差以内の負けであり、さらにそのうち2試合は試合最後のタッチダウンのあとに同点となる可能性の高いキックを選択せず、あえて2ポイント・コンバージョンを狙うことで延長を避けて勝利を狙い、失敗している。2022年3月29日、2025年末までHCハーボ―との契約を延長した[6]

2022年は第13週でラマー・ジャクソンが負傷してその後のレギュラー・シーズン全試合は欠場した。タイラー・ハントリーが代役となり、第16週にプレーオフ出場を決めた。第17週のベンガルズVSビルズの試合が中止となり、ベンガルズの試合数が一つ少なくなったために地区優勝は逃したものの、第18週のレイブンズVSベンガルズでレイブンズが勝って勝利数で並びかつプレーオフのワイルドカードで両者が再対決した場合の開催地は、本来は中止試合の結果に左右されるはずであったため、コイントスで決めることになった[7]。だが最終戦では負傷したQBハントリーを休ませてルーキーQBのアンソニー・ブラウンを先発させたレイブンズが敗れたため、コイントスは行われず、第6シードとしてベンガルズの本拠地でワイルドカードラウンドを戦うことになった。QBハントリーが先発したワイルドカードラウンドでは、エンドゾーン直前でQBスニークによるタッチダウンを狙うも、ファンブルして98ヤードのリターンタッチダウンを喫し、結局そのまま7点差でベンガルズに敗れた。OCのグレッグ・ローマンはチームを離れた。

2023年はシーズン初めからジャクソンが健康でチームは地区首位を走り続け、第15週にはこの時点でカンファレンス首位の勝率でプレーオフ進出を決めた。第17週にはシード権1位を獲得した。ディビジョナル・プレーオフではヒューストン・テキサンズを破った。だがカンザスシティ・チーフス相手のAFCチャンピオンシップゲームでは、敵陣エンドゾーン1ヤード手前のファンブルや敵陣エンドゾーン内でのインターセプトなど3回のターンオーバーを献上し、さらに複数回のパーソナルファウルを含む合計95ヤードに値するペナルティを犯すなど、自滅する形で敗退した。

文化[編集]

ロゴマーク論争[編集]

チーム最初のロゴマークは、大きな「B」の文字とクロスボトニーが描かれた盾から広げられたワタリガラスの翼を特徴としたデザインのものであったが、メリーランド州のアマチュアアーティストの男性は自身の案が採用されながら功績と認められず、逆に著作権の侵害と疑われる事態になりアメリカ合衆国第4巡回区控訴裁判所へ提訴した。最終的に裁判所はアーティストの男性を支持をする判決を取ったものの、金銭的補償は認められなかった。それを踏まえ、チームは1999年、ボルチモア・サン(地元の新聞社)の世論調査を元に、現在も使用している新しいロゴマークを発表することとなった。

マーチングバンド[編集]

クリスマスパレードで演奏するボルチモアズ・マーチング・レイブンズ(2006年)

レイブンズには、ボルチモアズ・マーチング・レイブンズ(Baltimore's Marching Ravens)と呼ばれる公式のマーチングバンドが存在する[注 2]。歴史はチームより古く、1947年9月7日に初代ボルチモア・コルツの公式マーチングバンド「ボルチモア・コルツ・マーチングバンド」として設立され、それ以来継続的に運営されている。1950年に初代コルツが解散した後も活動を続け、1953年の二代目ボルチモア・コルツ設立に際し、再びチーム公式マーチングバンドとして活動した。1984年の二代目コルツのインディアナポリス移転後は11年間チームなしで活動し、1996年のボルチモア・レイブンズ創設により、3回目のフランチャイズとして公式に活動を始めた。

マスコット[編集]

メリーランド州に居を構えていた作家エドガー・アラン・ポーとその小説「ザ・レイヴン(邦題:大鴉)」、また三羽烏にもちなんだワタリガラスエドガー(Edgar)、アラン(Allan)、ポー(Poe)がチーム創設時に誕生した。2008年終了時にエドガーとアランは引退し、2009年よりメリーランド動物園の本物のワタリガラスのライズ(Rise)とコンカー(Conquer)が加わった[8]

チアリーディング[編集]

チームの公式チアリーディングとしてボルチモア・レイブンズ・チアリーダーズ(Baltimore Ravens Cheerleaders)が活動しており、女性のみならず男性メンバーも存在する。

2024年シーズン

2024年シーズンのレイブンズの対戦相手
AFC NFC
前年 西地区 南地区 北地区 東地区 西地区 南地区 北地区 東地区
1位 チーフス テキサンズ レイブンズ ビルズ 49ers バッカニアーズ ライオンズ カウボーイズ
2位 レイダース ジャガーズ ブラウンズ ドルフィンズ ラムズ セインツ パッカーズ イーグルス
3位 ブロンコス コルツ スティーラーズ ジェッツ シーホークス ファルコンズ バイキングス ジャイアンツ
4位 チャージャーズ タイタンズ ベンガルズ ペイトリオッツ カージナルス パンサーズ ベアーズ コマンダース

 :1度対戦  :2度対戦

2023年シーズン及び過去10シーズンの成績
成績 地区 Div Con 総得点 総失点 平均得点 平均失点
2023 カンファレンス敗退 1位(1) 13 4 0 .765 3–3 8–4 483 280 28.4 16.5
2022 ワイルドカード敗退 2位(6) 10 7 0 .588 3-3 6-6 350 315 20.6 18.5
2021 レギュラー敗退 4位 8 9 0 .471 1-5 5-7 387 392 22.8 23.1
2020 ディビジョナル敗退 2位(5) 11 5 0 .688 4-2 7-5 468 303 29.3 18.9
2019 ディビジョナル敗退 1位(1) 14 2 0 .875 5-1 10-2 531 282 33.2 17.6
2018 ワイルドカード敗退 1位(4) 10 6 0 .625 3-3 8-4 389 287 24.3 17.9
2017 レギュラー敗退 2位 9 7 0 .563 3-3 7-5 395 303 24.7 18.9
2016 レギュラー敗退 2位 8 8 0 .500 4-2 7-5 343 321 21.4 20.1
2015 レギュラー敗退 3位 5 11 0 .313 3-3 4-8 328 401 20.5 25.1
2014 ディビジョナル敗退 3位(6) 10 6 0 .625 3-3 6-6 409 302 25.6 18.9
2013 レギュラー敗退 3位 8 8 0 .500 3-3 6-6 320 352 20.0 22.0

()内はシード順

2023年シーズン成績

AFC北地区 2023
チーム 勝率 Div Con 総得点 総失点 平均得点 平均失点 得失差
(1)ボルチモア・レイブンズ 13 4 0 .765 3–3 8–4 483 280 28.4 16.5 11.9
(5)クリーブランド・ブラウンズ 11 6 0 .647 3–3 8–4 396 362 23.3 21.3 2.0
(7)ピッツバーグ・スティーラーズ 10 7 0 .588 5–1 7–5 304 324 17.9 19.1 -1.2
シンシナティ・ベンガルズ 9 8 0 .529 1–5 4–8 366 384 21.5 22.6 -1.1
AFC 2023

チーム
勝率 DIV CON SOS SOV
地区優勝
1 ボルチモア・レイブンズ 13 4 0 .765 3–3 8–4 .543 .529
2[a][b] バッファロー・ビルズ 11 6 0 .647 4–2 7–5 .471 .471
3[b] カンザスシティ・チーフス 西 11 6 0 .647 4–2 9–3 .481 .428
4 ヒューストン・テキサンズ 10 7 0 .588 4–2 7–5 .474 .465
ワイルドカード
5[c] クリーブランド・ブラウンズ 11 6 0 .647 3–3 8–4 .536 .513
6[a][c] マイアミ・ドルフィンズ 11 6 0 .647 4–2 7–5 .450 .358
7 ピッツバーグ・スティーラーズ 10 7 0 .588 5–1 7–5 .540 .571
レギュラーシーズン敗退
8[d] シンシナティ・ベンガルズ 9 8 0 .529 1–5 4–8 .574 .536
9[e][d] ジャクソンビル・ジャガーズ 9 8 0 .529 4–2 6–6 .533 .477
10[e] インディアナポリス・コルツ 9 8 0 .529 3–3 7–5 .491 .444
11[f] ラスベガス・レイダース 西 8 9 0 .471 4–2 6–6 .488 .426
12[f] デンバー・ブロンコス 西 8 9 0 .471 3–3 5–7 .488 .485
13 ニューヨーク・ジェッツ 7 10 0 .412 2–4 4–8 .502 .454
14 テネシー・タイタンズ 6 11 0 .353 1–5 4–8 .522 .422
15 ロサンゼルス・チャージャーズ 西 5 12 0 .294 1–5 3–9 .529 .388
16 ニューイングランド・ペイトリオッツ 4 13 0 .235 2–4 4–8 .522 .529
タイブレーク
  1. ^ a b 直接対決(第4週、第18週)でビルズがドルフィンズに勝利
  2. ^ a b 直接対決(第14週)でビルズがチーフスに勝利
  3. ^ a b カンファレンス勝率でブラウンズがドルフィンズを上回る
  4. ^ a b 直接対決(第13週)でベンガルズがジャガーズに勝利
  5. ^ a b 直接対決(第1週、第6週)でジャガーズがコルツに勝利
  6. ^ a b 直接対決(第1週、第18週)でレイダースがブロンコスに勝利
                                   
ワイルドカード・プレーオフ ディビジョナル・プレーオフ
2024年1月15日
レイモンド・ジェームス・スタジアム
    1月21日
フォード・フィールド
    1月28日
リーバイス・スタジアム
    2月11日
アレジアント・スタジアム
 5  イーグルス  9
 4  バッカニアーズ  32  
2024年1月14日
フォード・フィールド
 4  バッカニアーズ  23
   3  ライオンズ  31  
 6  ラムズ  23 NFC
 3  ライオンズ  24   1月20日
リーバイス・スタジアム
2024年1月14日
AT&Tスタジアム
 3  ライオンズ  31
   1  49ers  34  
NFCチャンピオンシップ
1月28日
M&Tバンク・スタジアム
 7  パッカーズ  48
 7  パッカーズ  21
 2  カウボーイズ  32    
 1  49ers  24  
2024年1月13日
アローヘッド・スタジアム
1月21日
ハイマーク・スタジアム
 N1  49ers  22
   A3  チーフス  25
 6  ドルフィンズ  7 第58回スーパーボウル
 3  チーフス  26  
2024年1月15日
ハイマーク・スタジアム
 3  チーフス  27
   2  ビルズ  24  
 7  スティーラーズ  17 AFC
 2  ビルズ  31   1月20日
M&Tバンク・スタジアム
2024年1月13日
NRGスタジアム
 3  チーフス  17
   1  レイブンズ  10  
AFCチャンピオンシップ
 5  ブラウンズ  14
 4  テキサンズ  10
 4  テキサンズ  45    
 1  レイブンズ  34  
  • 対戦カードはレギュラーシーズン成績に基づくシード順で決定され、上位シードチームのホームで対戦する。そのラウンドに残ったチームの内の最上位シードが最下位シードと対戦するルールであるため、ディビジョナル・プレーオフの対戦カードはワイルドカードの結果により変動する。
  • スーパーボウル開催地は事前にオーナー会議で決定。その他の試合はシード上位のチームのホームで開催する。
  • チーム名の左の数字はシード順。
  • * 延長戦決着
  • 日付はアメリカ東部時間

成績[編集]

AFC北地区(2002年-現在)[編集]

地区優勝 2位 3位 4位
チーム チーム チーム チーム
2023 BAL(1c) 13 4 0 CLE(5w) 11 6 0 PIT(7w) 10 7 0 CIN 9 8 0
2022 CIN(3c) 12 4 0 BAL(6w) 10 7 0 PIT 9 8 0 CLE 7 10 0
2021 CIN(4s) 10 7 0 PIT(7w) 9 7 1 CLE 8 9 0 BAL 8 9 0
2020 PIT(3w) 12 4 0 BAL(5d) 11 5 0 CLE(6d) 11 5 0 CIN 4 11 1
2019 BAL(1d) 14 2 0 PIT 8 8 0 CLE 6 10 0 CIN 2 14 0
2018 BAL(4w) 10 6 0 PIT 9 6 1 CLE 7 8 1 CIN 6 10 0
2017 PIT(2d) 13 3 0 BAL 9 7 0 CIN 7 9 0 CLE 0 16 0
2016 PIT(3c) 11 5 0 BAL 8 8 0 CIN 6 9 1 CLE 1 15 0
2015 CIN(3w) 12 4 0 PIT(6d) 10 6 0 BAL 5 11 0 CLE 3 13 0
2014 PIT(3w) 11 5 0 CIN(5w) 10 5 1 BAL(6d) 10 6 0 CLE 7 9 0
2013 CIN(3w) 11 5 0 PIT 8 8 0 BAL 8 8 0 CLE 4 12 0
2012 BAL(4v) 10 6 0 CIN(6w) 10 6 0 PIT 8 8 0 CLE 5 11 0
2011 BAL(2c) 12 4 0 PIT(5w) 12 4 0 CIN(6w) 9 7 0 CLE 4 12 0
2010 PIT(2s) 12 4 0 BAL(5d) 12 4 0 CLE 5 11 0 CIN 4 12 0
2009 CIN(4w) 10 6 0 BAL(6d) 9 7 0 PIT 9 7 0 CLE 5 11 0
2008 PIT(2v) 12 4 0 BAL(6c) 11 5 0 CIN 4 11 1 CLE 4 12 0
2007 PIT(4w) 10 6 0 CLE 10 6 0 CIN 7 9 0 BAL 5 11 0
2006 BAL(2d) 13 3 0 CIN 8 8 0 PIT 8 8 0 CLE 4 12 0
2005 CIN(3w) 11 5 0 PIT(6v) 11 5 0 BAL 6 10 0 CLE 6 10 0
2004 PIT(1c) 15 1 0 BAL 9 7 0 CIN 8 8 0 CLE 4 12 0
2003 BAL(4w) 10 6 0 CIN 8 8 0 PIT 6 10 0 CLE 5 11 0
2002 PIT(3d) 10 5 1 CLE(6w) 9 7 0 BAL 7 9 0 CIN 2 14 0

AFC中地区(1996年-2001年)[編集]

年度 地区優勝 2位 3位 4位 5位 6位
チーム チーム チーム チーム チーム チーム
2001 PIT(1c) 13 3 0 BAL(5d) 10 6 0 CLE 7 9 0 TEN 7 9 0 JAX 6 10 0 CIN 6 10 0
2000 TEN(1d) 13 3 0 BAL(4v) 12 4 0 PIT 9 7 0 JAX 7 9 0 CIN 4 12 0 CLE 3 13 0
1999 JAX(1c) 14 2 0 TEN(4s) 13 3 0 BAL 8 8 0 PIT 6 10 0 CIN 4 12 0 CLE 2 14 0
1998 JAX(3d) 11 5 0 TEN 8 8 0 PIT 7 9 0 BAL 6 10 0 CIN 3 13 0
1997 PIT(2c) 11 5 0 JAX(5w) 11 5 0 TEN 8 8 0 CIN 7 9 0 BAL 6 9 1
1996 PIT(3d) 10 6 0 JAX(5c) 9 7 0 CIN 8 8 0 HOU 8 8 0 BAL 4 12 0

プレイオフ[編集]

主な選手[編集]

現役選手[編集]

永久欠番[編集]

ボルチモア・レイブンズ 永久欠番一覧
背番号 選手 ポジション 在籍期間
なし

永久欠番にはなっていないものの以下の番号は選手の栄誉を讃え、現在使用されていない。

プロフットボール殿堂入り[編集]

プロフットボール殿堂入りメンバー一覧
選手
背番号 名前 ポジション 在籍期間 選出年
26 ロッド・ウッドソン Rod Woodson S 1998–2001 2009
82 シャノン・シャープ Shannon Sharpe TE 2000–2001 2011
37 ディオン・サンダース Deion Sanders CB 2004–2005 2011
75 ジョナサン・オグデン Jonathan Ogden OT 1996–2007 2013
52 レイ・ルイス Ray Lewis LB 1996–2012 2018
20 エド・リード Ed Reed S 2002–2012 2019
コーチ・エグゼクティブ
名前 役職 在籍期間 選出年
マイク・シングレタリー Mike Singletary LBコーチ 2003–2004 1998
オジー・ニューサム Ozzie Newsome GM 1996–2018 1999

Ring of Honor[編集]

レイブンズは、初代ボルチモア・コルツの元メンバー8人を含むチームOB21人を「Ring of Honor(リング・オブ・オナー)」として称え、M&Tバンク・スタジアムで常設展示を行っている。

歴代ヘッドコーチ[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 創立当初は盾形のエンブレムを使用していたが、アマチュアアーティストから盗作と訴えられて敗訴したため変更。
  2. ^ NFLにはワシントン・フットボールチームにも公式マーチングバンドが存在する
  3. ^ レイブンズではなく、かつてボルチモアに本拠地を置いていたボルチモア・コルツ(現在のインディアナポリス・コルツ)に在籍していた選手。チーム創設以来欠番となっていたが、1999年にQBのスコット・ミッチェルが1年だけ19番を着用した。

出典[編集]

  1. ^ レイブンズRBレイ・ライス、婚約者を殴り意識を失わせていた”. アメフトNewsJapan (2014年2月19日). 2015年2月1日閲覧。
  2. ^ レイブンズRBライス、婚約者への暴力で重罪起訴”. アメフトNewsJapan (2014年3月27日). 2015年2月1日閲覧。
  3. ^ RBレイ・ライス、軽処分はジャネー夫人の尽力による?”. アメフトNewsJapan (2014年7月26日). 2015年2月1日閲覧。
  4. ^ 【NFL】DVでレイブンズを解雇されたライスの出場停止処分が解除、リーグ復帰へ”. サイクルスタイル (2014年11月30日). 2015年2月1日閲覧。
  5. ^ レイブンズ、トレストマン前ベアーズHCがOC就任”. NFL JAPAN (2015年1月21日). 2015年2月1日閲覧。
  6. ^ レイブンズがハーボーHCと3年の契約延長、QBジャクソンには進展なし”. NFL Japan. 2022年3月30日閲覧。
  7. ^ NFLがビルズ対ベンガルズ戦の中止を発表、場合によってAFCチャンピオンシップの会場は「中立地」に”. NFL Japan. 2022年1月6日閲覧。
  8. ^ Maryland Zoo and Baltimore Ravens introduce Rise and Conquer”. The Avenue News (2009年9月9日). 2020年11月7日閲覧。

外部リンク[編集]