ボリス・エイフマン

ボリス・ヤコヴレヴィチ・エイフマン

ボリス・ヤコヴレヴィチ・エイフマン: Бори́с Я́ковлевич[注釈 1] Э́йфман, Boris Yakovlevitch Eifman, 1946年7月22日 - ) は、現代ロシアバレエ振付家。サンクトペテルブルクで自身の名前を冠した国立バレエ団、「ボリス・エイフマン・バレエ劇場」(Театр Балета Бориса Эйфмана) を主宰する。

性的な苦悩や追いつめられた心理状況を描写する作品で知られている。ロシア国外でも積極的に公演を行っており、興行的にも成功を収めている。

経歴[編集]

1946年に南シベリア・アルタイ地方ルプツォフスク[1]で生まれる。父親は戦車工場の技師、母親は医師だった。夜間学校で学びながら少年団のバレエ教室に通い、1960年キシナウのバレエ学校に入学。その後はレニングラード高等音楽院の舞踊科へ進んだ。音楽院在学中の1970年より1977年までワガノワ・バレエ学校で振付を担当し[1]、最初の作品群を発表した。

1977年にソ連初のモダンバレエカンパニーを創設し、以来30年以上にわたって自身のバレエ団を率いて活動を続けている。当初は現代音楽ロック音楽を使用した作品で話題を呼んだが、1980年代以降はロシア内外の文学作品のバレエ化に取り組んでいる。

使用する音楽はロシアの作曲家のほか、バッハブラームスマーラードニゼッティロッシーニなど多岐に及ぶ。クラシック以外ではピンク・フロイドの楽曲を使用したものもある。

2010年3月には東京の新国立劇場バレエ団がエイフマンの 『アンナ・カレーニナ』 を日本のバレエ団としては初めて上演した。

主な作品[2][編集]

作品名 原作 音楽
1970 向かい来る命
Жизни навстречу
-
カバレフスキー
1972 ファンタジア
Фантазия
-
アレンスキー
1978 二声
Двухголосие
-
シド・バレット
ピンク・フロイドの曲目より〕
1980 白痴
Идиот
ドストエフスキー チャイコフスキー
1987 巨匠とマルガリータ
Мастер и Маргарита
ブルガーコフ A・ペトロフ
1993 チャイコフスキー
Чайковский
-
チャイコフスキー
1995 カラマーゾフ
Карамазовы
ドストエフスキー ワーグナー
ムソルグスキー
ラフマニノフ
1997 赤いジゼル[注釈 2]
Красная Жизель
-
チャイコフスキー、
シュニトケ
ビゼー
1999 ロシアン・ハムレット
Русский Гамлет
-
ベートーヴェン
マーラー
2005 アンナ・カレーニナ
Анна Каренина
トルストイ チャイコフスキー
2007 かもめ
Чайка
チェーホフ ラフマニノフ

出典[編集]

  1. ^ a b "Борис Яковлевич Эйфман" (公式サイト) ※アーカイブ
  2. ^ "Репертуар"(公式サイト) および "ЭЙФМАН Борис Яковлевич", Кто Есть Кто を参考に作成。

注釈[編集]

  1. ^ 父親はヤンケリ・エイフマン (Янкель Борисович Эйфман)。よって本来の父称はヤンケレヴィチЯ́нкелевич)だが、本人はヤコヴレヴィチを名乗っている。これはヤンケリというイディッシュ語の名前がロシア語のヤーコフ (Я́ков)に相当するためである。
  2. ^ ロシア出身の著名なバレリーナ、オリガ・スペシフツェワ (1895年 - 1991年) を題材にした作品。

文献[編集]

  • Souritz, Elizabeth, "Boris Eifman", International Encyclopedia of Dance, vol.2, ISBN 0-19-517586-7, p.499.

公式サイト[編集]