ボダイジュ

ボダイジュ
ボダイジュ
大阪府(2008-06-15)
分類(APG III)
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: アオイ目 Malvales
: アオイ科 Malvaceae
亜科 : Tilioideae
: シナノキ属 Tilia
: ボダイジュ T. miqueliana
学名
Tilia miqueliana Maxim. (1880)[1]
シノニム
和名
菩提樹
兵庫県加古川市鶴林寺境内

ボダイジュ(菩提樹[3]学名: Tilia miqueliana)は、アオイ科[注釈 1]シナノキ属落葉高木。別名はコバノシナノキ[1]中国原産で、中国名は南京椴[1]。日本では寺院などに植えられる。

特徴[編集]

落葉広葉樹の高木[4]。高さは30メートル (m) にもなる[3]樹皮は暗灰色から暗茶褐色で[3]、縦に浅く裂ける[4]。若木の樹皮は滑らかで、小枝には密に細毛がある[3]は広卵形で、裏面と葉柄には毛がある[4]。花期は6月頃で、葉の付け根から花序を出して、芳香がある淡黄色のを下向きに咲かせる[4]

冬芽は薄茶色の短毛があり、オオバボダイジュ(学名: Tilia maximowicziana)よりもやや小さい[3]。枝先には仮頂芽がつき側芽よりも大きく、長さ5ミリメートル (mm) ほどの卵球形で芽鱗2枚に包まれる[3]。側芽は枝に互生する[3]。葉痕は円形で、維管束痕が3個つき、葉痕の両脇に托葉痕がある[3]

中国原産[4][3]日本へは、12世紀に渡来したといわれ[4]臨済宗の開祖明菴栄西が中国から持ち帰ったと伝えられる。日本では各地の仏教寺院によく植えられている[4]

釈迦菩提樹の下で悟りを開いたとして知られるが、釈迦の菩提樹は本種ではなくクワ科インドボダイジュ(印度菩提樹、Ficus religiosa)という別の種である[4][5][3]。中国では熱帯産のインドボタイジュの生育には適さないため、の形が似ているシナノキ科の本種を菩提樹としたと言われる。

またフランツ・シューベルトの歌曲集『冬の旅』第5曲「菩提樹("Der Lindenbaum")」に歌われる菩提樹は本種ではなく近縁のセイヨウシナノキである。

近縁種[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 最新の植物分類体系であるAPG体系ではアオイ科(Malvaceae)に分類されるが、古いクロンキスト体系および新エングラー体系では、シナノキ科(Tiliaceae)に分類されている[1]

出典[編集]

参考文献[編集]

  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、98頁。ISBN 978-4-416-61438-9 
  • 中村元・福永光司・田村芳朗・今野達・末木文美 編『岩波 仏教辞典』(第二版)岩波書店、2002年10月30日。ISBN 4-00-080205-4 
  • 平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、79頁。ISBN 4-522-21557-6 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]